SDG

朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の真相解明に挑む


第12章
証拠保全申立の攻防

     SDGは、この裁判がはじまる前から、落下事故発生の翌月から、落下真相を確定するためには、鉄骨部材、溶接面の検査が必要不可欠であることを主張してきた。それらの部材、部品は新潟県の倉庫に実在しているのである。
裁判開始後、すでに、裁判所にそれら鉄骨の「検証のお願い(第9章)」と「鑑定のお願い(第11章)」」を提出済みである。しかし、保管部品を新潟県が捨ててしまったら、もはや、検証のしようが無くなるので、改めて「証拠保全申立書」を、2005年10月22日に、裁判所に提出した。

一般的に、「証拠保全」は原告が被告の所有物に対して行うようであるが、保全の理由と緊急性が明瞭であれば、被告が原告所有物に対して裁判所から「保全決定」を出して貰うことも多々あるらしい。

「証拠保全申立書」の内容は、第11章の鑑定申出書と相似だから、ここでは省略する。

原告新潟県は、SDGの提出した「証拠保全申立」が裁判所に認められたら、面子が無くなると考えたのだろう、素早く対応した。1週間後の10月28日に「事務連絡」と表書きして、県保有の部材は鉄骨とその他一部は現状のまま保管するが、その他は廃棄する旨の連絡がきた。
そして、新潟県は11月9日に上申書「SDGの証拠保全について」を裁判所に提出し、既に、鉄骨部材は新潟県が保管することを表明したので、裁判所はSDGの証拠保全申出を却下すべきだ、とした内容であった。

11月15日に開かれた第7回準備弁論で、この「証拠保全」についての議題が裁判長から出されたとき、他の被告弁護士が、「まだ裁判所の鑑定人も決まっていないのに、保管部材を捨てるのは怪しからん。どれとどれが鑑定対象物になるのか、いま、決められないのだから全部、そのままの状態で保管すべきだ。」と正論。原告新潟県は、「保管倉庫の借り賃が年間500万円にもなり・・・・」と愚痴っぽく発言していたが、裁判長はそれにはお構いなく、「その通りです。全部材を今のまま保管して下さい。原告は保管しますと言っているのだから、SDGの証拠保全申立は近い内に自主的に取り下げて下さい。」で終わってしまった。

裁判所が、裁判始まって以来、鉄骨の検証が必要であることを意思表示した最初である。

しかし、考えてみると妙なことではある。新潟県は終始一貫して原因調査はすべて完了した、と主張してきた。それなのに毎年、500万円を倉庫業者に支払っているのである。「証拠保全申立」が提出されたと同時に、県にとっては不要だから、申立人が保管費用を払えば勝手にして下さい、と言うべきである。でなければ、毎年500万円の税金の使途を県民に説明できないはずである。
新潟県弁護士は、「裁判テクニック」と「県民の税金」とを量りにかけて、前者を選択したのだろう。明らかに納税者に対する背任行為である。
 

裁判は、ここまできて2005年は暮れを迎えた。

次章からは、2006年の幕開けである。





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Updated 20.January.2006