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朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の真相解明に挑む


第14章
裁判所に「裁判の迅速化」を求める

     2006年9月で、この事故が発生してから丸3年、裁判になってから2年が経過した。
原告新潟県は、裁判長の質問にも、のらりくらりとしていて、一向に、調査報告書の内容を説明しない。要は、「何故、落ちたのか」を説明できないのである。
SDGは被告だから、原告新潟県の引き伸ばし作戦、完全風化作戦をやめろと命令することができない。で、そういうことは裁判所が、本来、ジャッジすべきことではないかと考えて、9月1日に、新潟地方裁判所に「本件裁判手続の迅速化に関する上申書」を提出した。
この章では、その上申書を記載した。以下が本文である。


本件裁判手続の迅速化に関する上申書

平成18年9月1日

本件裁判において、弁論準備手続きのみが、既に約2年間にわたり行われております。貴庁におかれましては、下記の民事訴訟法の規定にのっとり迅速な裁判手続きを行いますよう、強く要望致します。

  
 
民事訴訟法が改正された(平成8年6月26日公布、平成10年1月1日施行。以下、「新法」と言う。)趣旨は多々あるが、そのうちの重要な一つとして挙げられるのが、従来の旧民事訴訟法下で問題となっていた「時間とお金のかかる民事裁判手続」を迅速化するというものである。

まず新法は、第2条において「裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。」と定め、民事訴訟の迅速化を義務付けた。
この「迅速」とは、時間的な意味にとどまらず、不当に停滞・遅延しない充実した進行をいうものであると解される(別冊法セミ・基本法コンメンタール「新民事訴訟法1」、11頁)。
本条は、訴訟の迅速のための努力を裁判所の職責と定めたものである。新法は、同条を受けて、訴訟の迅速のための具体的改善策を施した。

新法は第156条、第157条において、適時提出義務を定めた。第157条(時機に後れた攻撃防御方法の却下)は第1項として、「当事者が故意又は過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権により、却下の決定をすることができる。」と規定する。
この規定は旧法の規定(旧法第139条)と同じであるが、旧法がその規定を随時提出主義(旧法第137条)例外として位置付けていたのに対して、新法第157条は、適時提出主義の実効性を支える機能を担うものとして位置付けられているのであって、旧法の規定とは趣きを異にするものである。なお、かかる適時提出主義は、上訴においても採用されている(第301条)。

次に新法は第164条以下で争点整理手続を定め、特に第168条以下で弁論準備手続という制度を創設した。
この制度が創設された趣旨の捉え方については多々あるが、その一つとして、早期に争点整理を充実させ、迅速且つ充実した裁判を実現しようとしたことに狙いがあることは言うまでもない。

そして新法は第182条において、「証人及び当事者本人の尋問は、できる限り、争点及び証拠の整理が終了した後に集中して行わなければならない。」と規定し、集中証拠調べを採用した。
旧法下では、人証調べについては2、3ヶ月に1回程度の期日を入れて、細切れに審理を進めていく、いわゆる五月雨審理が一般的であったが、このような審理のやり方は、多数の事件の審理を併行して行う「併行審理主義」や、裁判資料を口頭弁論終結に至るまで自由に提出できるという「随時提出主義」と結びついて、お金と時間がかかる民事訴訟の大きな要因となってきた。
本条は、このような問題点を解消すべく、随時提出主義を適時提出主義(上記3.)に改めたのにあわせて、争点整理を行った結果残された争点については、証人尋問等の人証調べをできる限り集中して行わなければならないとしたものである。

以上のとおり、新法は、何よりも民事訴訟手続の迅速化が叫ばれての改正であったことに留意しなければならない。そして、民事訴訟手続の長期化は、零細資本の当事者と巨大資本の当事者との間、公的機関と民間との間に著しい不公平をもたらすのは必然である。
特に零細資本の一民間企業にとっては、訴訟維持それ自体に莫大な資金と時間の投入が必要となり、時間とともにその企業体力が奪われていく。そして、無用の訴訟遅延によって、自然と格差・不平等さが生じてくるのである。本来当事者が公平であるべき民事訴訟において、このような形で不公平が生じてしまうことがあってはならないのである。

   以上


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Updated 11.November.2006