SDG

朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の真相解明に挑む


第17章
本件裁判の準備段階が最終段階を迎えようとしている
2009年5月30日  

民事裁判では、法廷で証拠調べや口頭弁論を行う前に、裁判官と原告、被告の当事者が円卓テーブルを囲んで、この裁判の実態を明らかにすることになっている。それをスムーズに行うために、非公開にしている。とは言え、円卓テーブルで当事者が議論するのではなく、ただ単に自分の主張を文書にし、それを裁判所に提出し、裁判所はその文書(準備書面、上申書、申立書、証拠書類など)を受け取ったという儀式のために集まるだけである。

言葉ではなく、文字による議論だから、膨大な書類の山にならざるを得ない。結局、この裁判では全部で1,200通以上の書類の山となった。コンピュータを活用できない裁判所が、どうやって整理していくのかなと見ていたら、どうも人力でやっているようだ。意味ある文書、価値ある文書を篩い分けて約半分にする、内容が重複している文書を外す、などして多分300通ぐらいに整理したのだろう。それを更に、問題点ごとに分類して、「主張の整理」を作成。結局、4年間かかった。その「主張の整理」自体がA4で200ページ近いものだから、僕の感覚では、とても「整理」したとは言えないが、裁判長はようやく終わったという顔をしているので、あまり文句も言えない。どうにも時代遅れの整理の仕方だ。法務省は、「裁判制度の変革」には熱心だが、「裁判技術の向上」には無関心だからそこには資材と人材を投入しない。4年間という時間がわかるような気がしてきた。

で、その「主張の整理」にもとづく「争点の整理」というのを裁判所から送ってきた。これを見ると争点が36項目ある。僕が事前に挙げた原告と被告の争点は17項目で半分である。それを更に絞り込んで8項目ぐらいに集約した方が、裁判の進行上、良いのではと提案したら、裁判長は「これでいいのですよ」と取り合わない。結局、争点の絞込みはウヤムヤのまま、9月には誰を証人として呼ぶかを決めて、その後、今度は公開の法廷で証拠調べ、口頭弁論が開催されることになった。

僕は、この準備段階の最後にあたり、僕の基本的な考え方を再度、裁判所に提出し「主張の整理」に加えてもらうことにした。

それが以下である。

 
被告 SDGの「責任について」の主張

(1) 事故発生の事実と事故原因の解明について
  落下事故が発生したのは事実であり、当然、落下原因が存在する。原告の事故原因についての調査結果は推定の域を出ておらず、しかも、被告SDGの原因調査結果とかけ離れたものとなっている。
「事故原因」は技術工学的に一つに特定されなければならないし、真実の事故原因は、本件の発注・設計・監理・工事・管理に関係した建設当事者全員が工学的に同意するものでなければならない。
原告は、真摯に事故原因を調査することなく、被告6社に賠償請求することだけを目的に調査報告書を作成してきた。だから、被告6社は、各々の立場を超えて、全員が、原告の主張する事故原因について納得できず、4年間に亘って反論を行ってきたのである。
事故原因の究明と実証に当たり、現在、原告新潟県が保管している落下及び残存デッキ(当時)の上弦材鉄骨の技術工学的な検証こそ、本件落下原因を実証することのできる唯一無二の証拠品である。
原告新潟県に本件鉄骨に関する詳細調査を行う意思が無い以上、早急にこれら証拠品を被告SDGに引き渡すべきである。
 
(2) 落下事故による真の被害者に対する説明責任について
  本件落下事故の真の被害者は、彼らの貴重な納税金が消えてしまったのであるから、新潟県納税者である。
被告SDGは、本件について契約関係は存在しないが、実体として存在する本件設計協力者の一員として、また、事故原因究明を成し得る能力をもった唯一の組織として、新潟県納税者に事故原因を説明する義務があり、被告SDGは、先ず、その責任を果たす上で、本件鉄骨の調査を行わなければならない。
 
(3) 責任について
  自然落下の事実のもとでは、直接的責任は、議論するまでもなく、本件に関わった発注者・設計者・監理者・施工者・管理者のいずれか、あるいは複数に存在することは明らかであり、真実の事故原因を確定した上で、誰にどれだけの責任があるかを明らかにするべきである。
 
  以上



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Updated 27.May.2009