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朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の真相解明に挑む


第28章
東京高等裁判所で不条理な和解が成立した


2013年12月26日、控訴人の新潟県と被控訴人の三社との間で「和解」が成立した。

和解内容と和解金は以下。
■ 新潟県建築設計協同組合との間では、事故が「設計上の問題によって発生したものである」ことを(新潟県と)相互に確認し、和解金7.500万円を支払う。
■ 槇総合計画事務所との間では、事故について槇総合計画事務所に「何らの責任がない」ことを(新潟県と)相互に確認し、解決金100万円を支払う。
■ 第一建設工業との間では、事故が「施工上の問題ではなく設計上の問題によって発生したものである」ことを(新潟県と)相互に確認し、解決金400万円を支払う。

合計8.000万円が被控訴人・三社が控訴人・新潟県に支払う金額であるが、槇事務所と第一建設は「和解金」とは言わず「解決金」とわざわざ称している。

まさに、裁判を終わらせるための裁判所ぐるみの「取引談合」であることは明らかだ。もともと「事故原因」を究明しないで控訴した新潟県の無責任、無能力が原因している。新潟県が控訴で請求した賠償請求額は8億9455万円で平成15年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を払えというもので、今年(平成25年)の12月までの金利が約4億4727万円になるから、合計13億4182万円を賠償請求していたことになる。三社合計で8,000万円(全体の6%)では、新潟県は12億6182万円(全体の94%)を負担することになるのだ。全部、新潟県民の税金である。この和解を承認した新潟県議会も県民に対する「背任行為」に加担した。

新潟県建築設計協同組合は、新潟県が控訴した6ヶ月後ぐらいにあっさり崩れ去った。彼らは設計保険に加入しているから保険会社が支払える限度額で和解に同意したのである。僕は、事故原因が確定していないので保険会社が支払うわけが無いと常識的な考えをもっていたから、和解は成立しないと楽観していたが、「事故が設計上の問題によって発生した」と当事者間で確認されれば保険金が出るらしい。
第一建設工業は、控訴審に入ってから猛烈にSDGの設計内容についての攻撃を開始した。彼らは怪文書に近いJSCAのレポートを根拠にして事故原因は設計ミスがあったからであり施工上の問題はなかったと強弁を始めた。
槇事務所は控訴審においても終始一貫して自分には「責任はない」と頑張った。

三社三様の姿勢が、そのまま和解内容に反映された。東京高裁はなにをやっていたのか? 彼らはひたすら和解が成立する方向を模索していただけと言えるだろう。
「事故原因の究明」には東京高裁ばかりでなく、新潟県、協同組合、槇事務所、第一建設のこの控訴審に登場したすべてのメンバーが、根本的に興味が無いのだ。

新潟県の事故発生当初に目論んだ「事件の風化」が完成した。




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Updated 12.NOV.2011