平成22年12月豊田市議会
加茂みきお議員 一般質問
と き 12月8日(水)午前10時00分〜
ところ 市議会議場(豊田市役所南庁舎7階)
内 容 名鉄三河線足助延伸

【加茂みきお】
自民クラブの加茂みきおでございます。
私は、名鉄三河線の足助延伸について質問させていただきます。
明治43年に刈谷出身の代議士や刈谷の有力者らが発起人となって、大浜から高浜を結び、刈谷で東海道線に接続する構想の「碧海軽便鉄道」を申請。明治45年に、東海道線の刈谷駅からさらに知立まで延長して結ぶ計画に改め、「
三河鉄道」 を設立。大正元年に、三河鉄道が、知立=挙母間の敷設免許を持つ「知挙軽便鉄道」を合併しました。大正4年に、三河知立駅=刈谷新駅間を開通させ、続いて大正11年に越戸まで開通、大正13年に猿投駅まで開通、さらに足助方面への延伸を計画。
鉄道敷設工事は、昭和2年に三河広瀬駅まで、昭和3年に西中金駅まで達したが、足助までの延伸は、世界恐慌の影響、また用地買収が難航し、さらに路盤のほとんどの完成を見た時には太平洋戦争の開戦に見舞われ、敷設されるはずだったレールは南方戦線に供出されてしまい、断念することになりました。
昭和16年、名古屋鉄道が三河鉄道を吸収合併。
昭和33年、西中金駅から足助までの鉄道敷設免許を国に返却
昭和59年、貨物営業廃止。
昭和60年、西中金駅=猿投駅間の電気運転を廃止し、レールバスで
ワンマン運転開始。
ついに電車が走ることのなかったかつての軌道路盤の土地は、この年、豊田市が名鉄から買収し、市道となりました。
昭和61年、豊田新線を敷設するため、梅坪駅=豊田市駅間を高架複線化。
平成8年、猿投駅=知立駅間の昼間の時間帯を、20分間隔から15分間隔に増発。
平成12年、越戸駅周辺を高架化。
平成16年、西中金駅=猿投駅間の運行を廃止。
現在、豊田スタジアムでのイベント開催時には1時間に6本の運転となっています。
廃止前の、西中金駅=猿投駅間と、碧南駅=吉良吉田駅間の廃止区間を含めた輸送人員は、廃止後も、三河線全線の約3分の1にあたる25kmもの区間が廃止されたにもかかわらず、ほとんど変わっていません。
なお、猿投駅、豊田市駅の利用客数は、ここ数年は上昇傾向にあります。
私は、名鉄三河線・足助延伸の質問は、平成9年・12年・17年そして今回22年の定例会で、およそ4年に1度の頻度で、今回で4度目となります。
(1)過去の一般質問の答弁と、その後の経緯と現状について以下2点、質問します。
平成9年6月定例会。私は当時、思政クラブ議員団所属でした。
私は「鉄道延伸運動の歴史について、豊田市としてどう把握されている
か?」と尋ねました。
当時は加藤正一市長のときで、愛知治企画部長の答弁は・・・「鉄道延伸の歴史は古く、苦難に満ちた経過につきましては述べられたとおりであり、『足助
鉄道誘致 運動小史』により承知をいたしております」
たったこれだけの答弁でした。
続いて私は、「名鉄三河線の足助延伸」について、次のように提唱しました。
「昭和20年代にたびたび鉄道延伸に関しての陳情が行なわれていましたが、最近では、昭和54年から56年にかけて、足助町の有志が延長促進会を結成し、会員1,782人を確保し、6,175人の署名を集め、上京し、国土庁の河野事務次官へ陳情しています。
これは大平内閣で、大都市縁辺部
総合開発 整備調査のうち、西三河がモデル定住圏に指定されたことで、何とか鉄道の延伸を策定に組み込んでもらおう、というものでした。
この陳情を受けて、名鉄の足助延伸を調査するため、昭和55年9月、国土庁の伊藤大都市圏整備局長が町長室へ足助町長と議長を訪れています。
当時、伊藤局長は、『足助延伸の実現にはさまざまな努力が必要だが、決して不可能ではない。足助町民の熱意が5割、名鉄が3割、国土庁・運輸省が2割の可能性だと思う』と所感を語っています。」私はこういった質問をしました。
これに対して愛知部長の答弁は、「スケールの大きいご提言をいただきました。鉄道建設の効果や収益性などについてのご質問がございますが、豊田市内には西中金まで既に三河線という形で鉄道が敷設されております。ご提言は、足助町にかかわる内容が非常に多うございました。したがいまして、細かなコメントについては差し控えさせていただきます」
また愛知部長は次のようにも答弁している。「人を乗せ、物を運ぶという交通の手段が、鉄道から道路の時代へ変わったのは、好きなときにどこへでも行けるという移動の自由性にあります。その点を市民が選択されておる結果である、とうふうに考えてもおります」
つまり、愛知部長は「足助町の問題だ」、と答弁しているが、今は、豊田市の問題です。
また愛知部長は、「市民は交通手段として車を選択している」、との答弁でしたが、今は、低酸素社会を推進する時代となり、車から公共交通へ
の転換を求める時代となりました。
昭和55年当時、香嵐渓は国鉄の周遊地に指定され、年間150万人の観光客が訪れていました。
また、足助町の昭和55年度一般会計予算は27億円に対して、町民が町外で勤務して得る年間所得は100億円を超えていた。
しかし当時の町長は、名鉄がやるわけない、大勢の乗客が見込めない、鉄道収益が上がるわけない、など、ないないづくしの発言をしたため、国土庁の見解は、「地元に熱意がない」、と判断したのでした。
@三河線鉄道延伸の歴史認識についてお答え下さい。
【山田正秋都市整備部長】
名鉄三河線の建設事業は、明治時代からの長い歴史を経て、事業者はもとより、地域の方々の熱意や協力により推進されてきました。
足助までの延伸が、関係者の皆さんの努力にもかかわらず、戦争やモータリゼーションの進展等様々な要因により実現されなかったことは、残念なことであります。
しかしながら、地域のこれまでの取組みや熱意が、その後の第7次総合計画の多核ネットワーク型都市構造や公共交通基本計画の利便性の高い公共交通ネットワークとして盛り込まれていると認識しています。
【加茂みきお】
いまの執行部の歴史認識について、いちおう分かりました。
次に、6年前の平成16年、西中金駅=猿投駅間の運行が廃止となりましたが、A猿投以北の赤字補てん存続の3年間と、廃止までの経緯と現状についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
平成11年12月に名古屋鉄道株式会社が表明した路線廃止を受けて、平成12年、同社と協議の結果、沿線市町村の補助により3年間の期限付き存続が決定されました。
その間に1日当たりの利用者数2千人の目標を達成することで、レールバスを存続するために地元自治区や沿線自治体で利用促進に努めましたが、平成13年の1日あたりの利用者数は927人でありました。
その後も利用者は減少を続け、平成16年3月をもって廃止となり、この間の補助額は沿線5市町村合わせて2年間で約1億4千万円でした。
平成16年4月、レールバスの廃止代替としてバス運行を開始しました。
現在は公共交通基本計画に基づき、基幹バス「さなげ・足助線」として運行しています。
本年6月の1日あたりの平均利用者数は520人で、年々利用者が増加しています。
【加茂みきお】
名鉄は民営鉄道であり、採算を理由に廃止できます。名鉄に猿投以北の運行を維持してくれと頼んでも、無理だということです。
高町の運動公園の利用者のために、せめて三河御船駅まで運行してほしい、という最近の要望も、名鉄では無理だということです。
(2)豊田市の公共交通整備の経緯と現状について以下4点、質問します。
現在の愛知環状鉄道、その前身・国鉄岡多線は、昭和45年にトヨタ自動車の車を運ぶために貨物線として開業しましたが、昭和59年に車の輸送をやめました。
国鉄は清算にあたり、沿線自治体に対し、第3セクターによる運営を申し入れ、当初自治体側は「国鉄による早期開業を」と反対を表明しましたが、後に営業を受け入れる第3セクターとして愛知環状鉄道を設立しました。
@愛知環状鉄道の歴史、経緯、経営状況、果たす役割、効果についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
岡崎と多治見を鉄道で結ぶ計画は、昭和2年に鉄道敷設法で規定された予定路線のひとつに位置付けられ、32年に調査線、34年に工事線に格上げされ、40年から岡崎−豊田間で工事が始まり、51年に新豊田まで完成ました。
当初は、東海道本線を走る貨物列車を迂回させるバイパスとして計画していましたが、貨物輸送は減り続け、乗客数も年間190万人と伸び悩んだことから、昭和61年に愛知県、豊田市などが出資する第三セクターとして愛知環状鉄道株式会社が設立され、63年に岡崎−高蔵寺間の運行が始まりました。
平成17年には貝津駅、愛環梅坪駅を新設、八草駅をリニモとの総合駅とし、JR中央本線で名古屋駅までの乗り入れを開始しました。また、20年には新豊田―三河豊田間の複線化工事が完成し、通勤シャトル列車の運行を始めています。
最近3年の決算では、平成19年度、20年度は黒字でありましたが、平成21年度は景気悪化の影響で利用者が減り赤字となりました。しかし、平成22年度は回復傾向にあります。
なお、愛知環状鉄道の出資割合は、行政が78.5%で、その内訳は「愛知県40.3%」「豊田市18.6%」「瀬戸市8.9%」「岡崎市7.8%」「春日井市2.9%」、民間は21.5%で主な出資者としては「トヨタ自動車(株)4.8%」「日本車両製造(株)1.4%」「名工建設(株)1%」などとなっております。
愛知環状鉄道は、本市における基幹鉄道であり、通勤者及び通学者ための重要な路線として位置づけており、とりわけ、通勤シャトルの運行を契機とし、自動車から公共交通への転換効果が上がっています。
【加茂みきお】
ご答弁のとおり、沿線にはトヨタ自動車本社と工場群があり、唯一の通勤路線となっています。また、高校や大学も多く、その通学路線となっています。
つまりは、鉄道を敷設することで公共交通としての足が保証され、産業や学校が立地され、地域の発展の起爆剤になっているんですね。
第3セクターでも黒字経営が可能だと証明しているわけです。
次に、廃止された区間があると思えば、複線化計画が進んでいるのが同じ名鉄三河線ということです。
Aこれまでの名鉄三河線の立体交差化・複線化の進捗と今後の計画についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
名鉄三河線の立体交差化につきましては、これまでに豊田市駅・梅坪駅付近、越戸駅付近、三河八橋駅付近の総延長約7kmが高架化されており、市街地の一体化や円滑な交通確保に寄与しております。
今後は、三河八橋駅高架区間から若林駅付近までの延長約2kmの高架化に向けて、国土交通省や名古屋鉄道株式会社などの関係機関と協議を行いながら、平成23年度の都市計画決定を目指してまいります。
また、名鉄三河線の複線化につきましては、平成20年度の名鉄三河線複線化検討委員会の提言に基づき、竹村駅から上挙母駅間の延長約5kmの平面複線化について、現在、名古屋鉄道株式会社が鉄道設計を進めております。
【加茂みきお】
トヨタ自動車が、名古屋駅前の高層ビル・ミッドランドスクエアに営業
部門を集結させたことや、沿線にある同社の工場へ通勤する上での電車利用を推進する方針を打ち出したことで、さらなる輸送人員増加が期待できることから、名鉄は平成18年度からの新3カ年経営計画で、名鉄空港線
とともに「高架化、複線化、高速化など、需要に応じた投資を多角的に行う」と公表し、知立駅から豊田市駅までの複線化計画についても本格的に検討を開始したということです。
すでに、豊田市は、複線化用地の取得費用の面で及び腰だった名鉄側の
姿勢を見た上で、独自に区画整理事業、立体交差事業を進め、あらかじめ複線化対応での高架化を計画するなど、「あとは複線の線路を敷設するだけ」という積極行動に出ています。
第1段階として、平成18年から三河八橋駅付近の高架化工事に着手し、平成21年には、三河八橋駅周辺1.6kmの高架化事業が完了し、駅南約500mを複線化しました。
さらに隣の若林駅周辺2.3kmの高架化計画についても平成18年度
から調査が進められており、平成23年度の都市計画決定を目指して調整が行われています。
また、今年3月に橋上化が完了した土橋駅においては、将来的に知立方
面の増線(2面4線化)が可能な構造へと改良されました。
つまり、豊田市南部は、関係者の熱意と努力により、知立経由の名古屋
行きの電車が将来、現実のものになる、すでにその事業化に入ったということです。一方で、豊田市北部については、猿投以北が廃止されたまま、明暗を分けています。同じ豊田市の公共交通がこんなことでいいんでしょうか?
次に、南部で三河線の複線化、直通名古屋行きが進められている一方で、廃止された北部の区間を含め、合併により公共交通の充実が必要となり、豊田市は順次、バスでその充実を進めています。
この12月議会に、追加車両として、大型ハイブリッドバス4台を1億
3,483万円で購入する議案が上程されています。
Bコミュニティーバスの現状と事業費、少子高齢による将来予測と計画についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
豊田市では、現在、14路線の基幹バスと16地区で地域バスを運行しています。
平成21年度決算額では、基幹バスで約3億6千万円、地域バスで約2億円、合わせて約5億6千万円を市で負担しています。
少子高齢社会や環境問題に対応していくため、今後も公共交通基本計画に基づき公共交通の利便性を高め、平成37年度には公共交通利用者数を平成13年度比で2倍にすることを目標としています。
【加茂みきお】
名鉄が路線バスを運行・維持できなくなり、赤字分を豊田市が税金で補
てんして名鉄に運行を継続してもらいました。
その後、廃止となった名鉄バスの路線を含め、合併後、豊田市は運行だ
け民間委託し、豊田市がバスを買い、基幹バスや地域バスなどを充実させ、今後も路線を拡大し充実させていく、ということです。。
それなら、豊田市の基幹鉄道として、名鉄三河線を足助まで延伸し、各鉄道駅からバス路線を充実させることと、鉄道駅のない地域にバス路線を充実させる、といったことを、提言したいと思います。
次に、平成19年、自民党政権下で立法された、国土交通省所管の、C地域
公共交通の活性化及び再生に関する法律についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律は、公共交通の活性化及び利用促進を図るために、平成19年10月1日に施行されました。
この法律に基づき鉄道、バス・タクシーなど多様な事業に取り組む地域の協議会に対し、パッケージで一括支援する補助制度が創設されました。
本制度では、鉄道の増便やダイヤ変更の実証実験等も補助対象になっていますが、平成21年11月の政府の行政刷新会議において、国と地方の役割分担を踏まえ、将来的に地方自治体に移管することを前提に「見直し」と位置付けられました。
これを受け新たな補助制度として「地域公共交通確保維持改善事業〜生活交通サバイバル戦略〜」が検討されています。
なお、本市では、法施行以前に公共交通基本計画を策定し、各種事業を展開していたことや、まちづくり交付金や市町村合併推進体制整備費補助金等の他の補助事業を活用していたことから、本制度の導入は行っていません。
また、民主党は、社会参加の機会確保、環境に優しい交通体系の実現を目指し「(仮称)交通基本法」の策定をマニュフェストに掲げています。
これを受け、国土交通省では、交通基本法検討会を開催し、広く国民の意見募集を行い、今年6月に「交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた基本的な考え方(案)」が公表されました。
健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動権の保障を法の根幹に据えているところが、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」との異なるところだと考えています。
【加茂みきお】
健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な「移動権」の保障を法の根幹に据えている、とは、画期的な考え方だが、事業仕分けで廃止しないように願いたい。
(3)豊田市の発展には三河線足助延伸が必要との観点から以下2点の質問をします。
@過疎・定住対策、地域間格差是正、地域振興策についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
過疎・定住対策、地域間格差是正、地域振興を図るために、公共交通は必要不可欠な社会資本と考えています。
第7次総合計画では、多核ネットワーク型都市構造を確立するために必要な交通施設として、複合地域核である足助地区と都心部については、鉄道ではなく、基幹バス路線と幹線道路を位置付けています。
それを受け、公共交通基本計画に基づき、「都市としての一体性」「都市と農山村の共生」「交流人口拡大による地域の活性化」を図るため、利便性の高い公共交通ネットワークを構築し、基幹バス、地域バスの運行を行っています。
【加茂みきお】
A国道153号・主要地方道の渋滞による足助地区の足助地区の交通マヒの実態、緊急自動車と住民への影響についてお答え下さい。
【加藤武男社会部長】
足助地区における渋滞については、毎年秋の紅葉シーズンに集中して発生し、豊田市内をはじめ名古屋・岡崎方面から通じる国道
153号・主要地方道岡崎足助線などで渋滞があります。
具体的には、渋滞日数や渋滞長(距離)について平成
17年から今年までの6年間のデータによると、国道153号では香嵐渓を起点として10Km以上(グリーンロードの入口付近まで)の渋滞発生日数が平均2日、6Km以上の渋滞が平均3日、2Km以上が平均6日となっており、延べ11日でした。
また、主要地方道岡崎足助線については、3
Km以上の渋滞発生日数が平均4日、2Km以上が平均6日で、延べ10日でした。
この実態は、かつての紅葉期間中における慢性的な渋滞による交通マヒから、近年は情報社会を反映し、紅葉ピーク時の土・日・祝日を中心とした概ね
10日間に集中する傾向にあり、総じて渋滞日数は減少しています。
なお、緊急自動車への影響については、救急車の前に指揮車両で先導させる対策を取っております。これにより、今まで問題となる事例は発生しておりません。
また、足助地区住民への影響について、地元住民は混雑する幹線道路を避けて迂回路線を利用するなどの対応をしており、渋滞による日常生活への大きな影響は特に聞いておりません。
【加茂みきお】
香嵐渓の紅葉ピーク時の渋滞によって緊急自動車や住民への影響はない、問題はない、との答弁ですが、私はそうは思いません。
緊急自動車は救急車だけではありません。消防車も緊急自動車だ。渋滞する国道や主要地方道の沿道で緊急自動車が必要なとき、指揮車両で先導させる対策で問題ないと言えるのか。
沿道の住民は迂回はできません。市内、市外から車で来る観光客にとっても渋滞は困る。渋滞で時間を損失し、排気ガスも問題となります。
(4)長期的視野に立った調査研究を開始すべきという観点で以下7点の質問をします。
買収した当時、名鉄が3億円、豊田市が1億円と、売買価格に大きな差があったと覚えていますが、@名鉄から買収した公衆用道路の価格と逆買収できないか? お聞きします。
【羽根田利明建設部長】
旧西中金駅から足助方面の旧三河線用地については、中金町から中切町の約4.3kmを昭和60年に名鉄より道路用地として取得し、買収価格は約2億6千万円であります。
現在は、豊田市道として利用しており、沿線には50軒以上の住宅等が隣接し、重要な生活道路となっているため、鉄道用地として払い下げすることは困難です。

【加茂みきお】
面積は47,000uだということですが、買収当時からすでに20年以上が経過しているんですねえ。
次に、当時、三河鉄道が足助までの事業免許を持っていました。
未成区間ではありますが、当時、免許取得にあたって、5つの新駅については、乗降する利便・立地、駅設置場所の地形の傾斜が有効かどうか、検討された上で新駅設置が設定されたと思われます。
A事業免許取得を前提に未成区間7.3kmの東中金〜野口〜中切〜追分〜足助の各駅は現在も有効か、お聞きします。
【山田都市整備部長】
三河線の未成区間の事業免許は、昭和33年に名古屋鉄道鰍ェ延伸計画を断念し国に返納しているため、駅の有効性や位置については、新たな事業者が事業計画を策定するなかで検討していくことになります。
【加茂みきお】
軌間とは、レールの内側の巾のことですが、B軌間1,067mmの軌道の相互乗り入れの有効性についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
現在、名鉄三河線や名古屋本線、豊田線で使用されている軌道幅は、1,067mmに統一されているため、同様の仕様であれば、相互乗り入れに関して軌道幅による問題はありません。
【加茂みきお】
軌道間隔は1,067mmあれば、猿投以南の三河線ならびに豊田線〜地下鉄鶴舞線〜犬山線との相互乗り入れが可能だということ、つまり乗換えすることなく利用できるという意味があります。
次に、西中金=三河広瀬間にトンネルが2つ、三河広瀬=枝下間にプレート・ガーダー橋があります。
C既設トンネル・鉄橋などの更新の必要性についてお聞きします。
【山田都市整備部長】
猿投駅から旧西中金駅の鉄道施設は、平成14年に橋梁、トンネル、擁壁、石積み等の強度の調査を行っており、耐震補強工事が必要であることが確認されています。
既に廃線から6年以上が経過し、その間、鉄道施設としての管理が全くされていないため、再使用できるかどうかは、現段階では不明です。
【加茂みきお】
D鉄道建設の事業主体と第3セクター方式の運営主体についてお答え下さい。
【山田都市整備部長】
鉄道事業法では、鉄道事業の許可基準のひとつに「事業計画が経営上適切なものであること」と規定されています。
また、第3セクターの会社を設立するためには、健全な事業の遂行により将来黒字化が見込めることが条件になります。
したがって、廃線に至った経緯、足助地区や稲武地区の人口動態等から勘案すると、鉄道事業の認可の取得も会社設立も困難であると考えています。
【加茂みきお】
次に、平成12年当時に私が調べた鉄道の建設費は、1km、高架で90〜120億円。盛土で40〜60億でした。
E足助延伸にかかる建設費の概算はどのようか、お聞きします。
【山田都市整備部長】
高架の鉄道を整備するためには、一般的に単線高架で1
kmあたり33億円の工事費が必要であるといわれています。仮に猿投から足助までの約16kmを全線単線高架にした場合には、528億円の工事費が必要です。
また、バリアフリー対応の駅が1箇所当たり6億円で、10箇所整備すると60億円、さらにトンネルや橋梁等の整備に加え、用地、補償費を考えた場合には、それ以上に大きな事業費が必要になると考えています。
【加茂みきお】
F足助延伸の交通プロジェクトを立ち上げ、長期的視野に立った調査研究を開始すべきだと思いますが、考えをお聞かせ下さい。
【山田都市整備部長】
第7次総合計画及び公共交通基本計画等に照らし合わせても、足助まで鉄道を延伸することは、現状では困難であると認識しています。
当面は、同じ経路を運行している基幹バス「さなげ・足助線」のサービスを充実して利用促進を図るとともに、国道420号バイパス等の関連道路整備を促進し、公共交通基本計画に基づき、道路整備状況を踏まえた利便性の高い公共交通を検討します。
足助延伸につきましては、将来に向けて夢のあるご提言として受け止めさせていただきます。
【加茂みきお】
当時、もし足助まで鉄道が敷設されていたら? いまの足助地区はどのようになっていたでしょうか。
ないないづくしの発想ではなく、逆の発想を持つべきで、政治主導による地域振興の起爆剤、といった発想の転換の必要です。
なぜ「鉄道のプロジェクト」は進まないのか?
地方を取り巻く情勢は、地方分権により自ら政策形成する時代となった。地球温暖化対策、人口減少、少子高齢化、自動車社会の進展、バスや鉄道の利用者減、厳しい財政状況…。
行政の担当者はすぐ換わる。だから鉄道プロジェクトは動かない。新しいことを始めるには逆風があります。
さらに新規の政策を考えると、長期的視野に立てるかどうか?
人口減少時代、時代の転換点にあり、10年後が見通せない情況があります。
新たな施策には高いハードルがあります。組織体制も同時に構築する必要がある。だから新規の政策は難しいんです。
データを駆使し、技術的知見に基づく政策立案が必要です。
平日交通と休日交通、人の動きとモノの動き、通勤か業務か買物か、都心か郊外か農村部か、自家用車か公共交通か?
これまで豊田市は、美術館、豊田大橋、南庁舎、参合館、東庁舎、どれを取っても100億円規模の施設を建設してきました。
西中金〜追分まで、かつて買収した線路敷地は延長5.5km。追分から足助まで1.82km。合計すると、西中金〜足助間は、7.32km。
答弁の、猿投から足助までの約16
kmを全線単線高架にした場合には、528億円の工事費が必要だ、とのこと、決して夢ではありません。
私は、豊田市が予算化して足助延伸をすべきと言っているのではありません。
第3セクター方式をはじめ、どのような経営主体・運営主体でやるか、地元企業や団体と連携して、三河線の足助延伸について、敷設の是非を含めた調査・研究をしていくプロジェクトを立ち上げることを提言します。

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