1999/11/28 公開
担当:カルネアデス

ADAM の続き (仮名)

天城小次郎 #10


天城小次郎 「そうだ桐野、お前先に寝てろ。」

桐野杏子 「え?」

ここに来るまでは尾行されてなかったはずだ‥‥が、
あいつが相手なら、一人は起きていた方が良いだろうからな。

天城小次郎 「一応見張りをつける、まあ一種の保険だ。 誰かが来たらわかるだろ。」

桐野杏子 「‥‥そうですね。それじゃあ、1時間交代で?」

天城小次郎 「うむ、時間になったら起こす。」

桐野杏子 「はい、それではお休み‥‥。」

天城小次郎 「ああ‥‥。」

桐野は小僧の横に座った、ちょっとは考えているようだな。

天城小次郎 「‥‥。」

さっきの尾行のときは度肝を抜かれたが‥‥。

天城小次郎 「‥‥桐野?」

桐野杏子 「‥‥ぐぅ。」

はっ早いな、もう寝付いたのか?

天城小次郎 「はぁ、楽しみにしていた酒が‥‥。」



はぁ‥‥また首を突っ込んでしまったな。

あの出来事から少しは落ち着いた証拠‥‥なのか?
‥‥違うな、この事はあの事の続きだ。 俺の直感が、ここへ導いたんだ。

それにしても、あれほどのやつが桐野ごときに捲(ま)かれた‥‥と言うのは信じ難(がた)いのだが。

まあ俺様達にとってはラッキーな事、しかし、何かフに落ちないな。


フに落ちないといえばこの小僧、絶対にあの写真の小僧だ。

それにしてなぜ‥‥あんな酷(むご)い事を? 利用するために狙っていたんじゃないのか!?
こいつも殺されるクチなのだろうか‥‥。

だが、もうあんな事の再現はまっぴらごめんだ!


しかし次回、俺は奴に勝てるのだろうか‥‥。



『こちこちこち‥‥。』

‥‥もう一時間か。

天城小次郎 「おい、桐野。 時間だ。」

桐野杏子 「ふゃい‥‥。」

あん、桐野の手元が光ってないか?

桐野杏子 「なんれすかぁ‥‥。」

指輪‥‥か。

天城小次郎 「‥‥おまえこういう事やったことないのか?」

桐野杏子 「‥‥。」

‥‥意味が通ってないか?

天城小次郎 「見張りとかそういう事をやったことはないのかと聞いたんだ!」

桐野杏子 「‥‥。」

首を縦に振る桐野。
そんなやつに任せたら俺様達の生命(いのち)が危(あや)うい。

天城小次郎 「ああ、わかったよ。 おまえは寝てろ!」

桐野杏子 「‥‥おやすみ。」

‥‥‥‥‥‥指輪‥‥か。

to be continued ...


あとがき

今回は長くなってしまいました(笑)
一応1日目の〆(しめ)なので、 <依存文字かな 『〆』 って
作中お約束的になっているまとめにみたいなものを追加しました。


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