ADAM THE SPIRAL FACTOR

　それがボクが絶好調とは言わなくても、
平常心をある水準まで保てているという証拠。なんだと思うけど。

　突如降り出した雨、鳴り響く地鳴り、天を割る黒い煙塔！！
ルポライターとしての血が騒いじゃうヨね。

　上の単語郡は天地無用だったんだけどひっくり返しちゃったヨ。
別に誰も気にしないから‥‥良いヨね。

　とそんなことを思っている矢先、
三台の車がすっごいスピードで突っ込んできた。

　知らず知らずのうちにデジカメを構え、連射した。
一眼フレとかと違って、これだと直に撮影したものを確認できるからだヨ。

　ボクはあまり好きじゃないけど、
この時ばかりのこの条件反射の選択には自画自賛をしたくなったものさ。

　見た事がある人が乗っていた、
氷室さん‥‥服に赤いものが付いているように感じたヨ。

　その肩に掛かる、手首の無い腕。
これは一体‥‥いったい、何なのさ？！

　そう心の中で叫んでいる間、ボクの足は車を全速力で追っていた。
そして、この事を知るのはだいぶ後だったんだけど‥‥。

　無意識って怖い‥‥って事を実感したんだけどね。