2001/12/29 公開
担当:カルネアデス

EからAへの物語

#05 「偉いさんの心意気」


 さて、問題も解決してしまったな。
さっき俺に当たってきた少女はマイナと言うらしい。

 何故解ったのかはこのプレートだ。
俺にぶつかった拍子にプレートが落ちたらしいのだが。
そこにマイナの身分が示されている、技術者らしいぞ。

 やらずに後悔するよりやって後悔と言う事か、
それの為に観光旅行に来たと言う点を除けばいい科白かもしれない。
‥‥後はどうとでもなるさ、このきっかけだけが欲しかったんだからな。

 俺は胸ポケットから煙草の吸殻入れを取り出し、処理をした。

 かつて、シンガポールとか言う所で警官に追い回されたからな。
経験に勝るもの無しだ‥‥情けない経験だけどな。

 都合よく噴水広場(勝手につけた名前だが)から王宮は見える位置にある。
さて‥‥行ってみますか、虎穴に入らずんば虎子を得ずってね。

 マイナ‥‥だと思う少女を背負い、俺は王宮に向けて歩を進めた。
プレートの持ち主とは双子の姉妹とかいうのは無しだぜ‥‥。



 ‥‥ふぅん、開放的なこったな。
逆賊は居ないのか‥‥それとも人手不足なのか‥‥。

 それとも‥‥この俺、佐久間裕一様が泳がされているのか。
‥‥まぁ、どれでもいいか。ここは日が当たらないから丁度イィからな。

 王宮に足を踏み入れた俺は別段用心棒に進路妨害されるでもなく、
中には入れてしまった‥‥一歩踏み入れただけでヒンヤリ涼しい。

 これを独占していないだけあって、
ここの国の偉いさんの心意気を感じたような気がした。

 まぁ、みんなの暑さになれているか、そんな事はしなくても。

 ‥‥出たら暑いな、入ると涼しいな。
おっとマイナを背負ったままやるのはやめておこう。
そこの柱にでももたれさせておくか。







 うっとおしく暑くなってきたらひんやりした王宮に逃げ込む。
ヒンヤリしすぎてきたら王宮から逃げる‥‥うーむ。

 これだけ遊んでいても誰も来ないと言う事は
無断で入っても御咎め無し‥‥と言う事にしてもいいかも知れんな。

 ‥‥まだ寝ているようだな、幸せなやつめ。
おほん‥‥又の名を、意識を失っているとも言うが。

ぐいっ‥‥。

 本当に良く伸びるもんだなこの頬は。

 冷たい柱にもたれかかっていた手前、俺が背負ったら
暑苦しいとか暴れなければいいが‥‥って、それはそれで
都合がいいじゃないか、手っ取り早いしな。


to be continued ...


あとがき

 こんにちは。カルネアデスです。
雰囲気は天城小次郎ですな、やっぱりと言うか当たり前と言うか。

 5週連続は決まっていた事なので今回の連載はここまでです。
と言うか書き駄目がありません(笑)

 さて、次回書く気になるのはいつだろう、ADAMの方はお暇中なので
こっちを書くと思いますけどねぇ‥‥。


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