星の数ほど人がいて、星の数ほど出会いがある。
星の数ほど人が居て、人生の中で出会う人も星の数…… こんな思いをするのなら出会いなんて……欲しくなかった。 「……こんばんは、記憶喪失さん、イツキさん、ルリです。
別に記録媒体なのだから名乗らなくても良いのかも知れませんが、
お元気ですか、月へ行ってしまわれたとお聴きした時は
私は今、ミナトさんの所でお世話になっています、 地球へ帰ってきたら是非遊びに来てくださいね。 ……それでは」 機動戦艦ナデシコこれから
何も無い空間――何もかもを吸い込んでしまいそうな闇夜に 光は人を形作り、何事も無かったように消えうせた。 そして、そこに残されたのは二つの人影……。
地上10mほどの高さに突如として現われた人影達は どすん! 眠りに付いていた男は突如として鳴らされた物音に眠りを妨げられた。
物音がしたのは物置の方だ……様子を伺いに行くか
……只、一度目が覚めるとなかなか寝付けないと言う 物置についた……特に変わった様子はないようだ。
折角外に出たのだから満天の星空でも楽しんでやるか?
物置の屋根に布切れが引っ掛かっている……こんな所、
先ほど下から見ていた布切れは物置の屋根に 「ガキが勝手に入り込んで遊んだのか?」
丁度塀の向こうは草原で昼間は子供達が 足を進めると何故かへっこんでいる個所がある事に気付いた。
それも結構なへこみ具合だ……屋根の方から飛び降りでもしないと
草原に外灯があるわけもなく夜空と同じくして 塀の側に何かが居る……そう感じる事ができた。 「おーい、誰か居るのか?」 瞼(まぶた)を開く……視界は暗闇……ここは……? 目が慣れてきて暗闇の中でも辺りの状況が判断できるようになった……。 私は一体……?
何気なく首を回してみる、見覚えの無い家財道具
今度は逆を見てみる……視界に飛び込んできたのは白いものだった。
その男の人が捲いている包帯は純白の包帯ではなく
怪我をしているのね……そこまで考えがまとまって気付いた事があった。 「あ、ああああっあ……」 私が絶叫しようとした刹那、 がらがらがら……。 と戸の開く音が聞こえ、それに伴い光がこの部屋に差し込んだ。 「はぁ、調達するのはいつだって疲れるものだな……」
戸を開けた人影――声からして男の人は独り言を言って
明かり――戸の向こうから溢れる光をその人影が 「目が覚めたか……すまんな」 私が覚醒しているのには気付いていたらしい男は何かを差し出した。
私はそれを呆然と見ている……何故と言われても
私が行動を起こさないのを見かねた男は 「着せ替え人形の趣味は無いんでな……」 男はそう訳の解らない科白を言って立ち去ろうとした。
でも……私が置かれている状況を説明できそうな唯一の情報源が 「あの……」 私の呼びかけに立ち止まるり、首を軽くひねる男。 「あの……ここは?」
こちらに身体を向けてくれない事に不安を感じて私は男に近寄る。 「あっ、失礼。私は、イツキ・カザマです」
私が名前を名乗ると同時に、 「お嬢ちゃん、状態把握も良いものだが、自分の事……見てみたかい?」 「え……?」 おじさんの問いかけに私は自らの身体に視線を落とす。 そこにあったのは一糸纏わぬ私の――――――――――――――――。 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 「だから着せ替えの……ごにょごにょ――――――――――――――」
先ほどのおじさんの科白が私の頭の中で反響する、
私は両手で胸を隠して、太腿を重ねてしゃがみ込んだ。 「ん……イツキさん、あんた……」 しゃがみ込んだ私の方に向き直ったおじさんは手を伸ばし……。 「い……いや……いやぁぁぁぁ!!!!」
おじさんの腕が私の肩を掴む刹那、逆にその腕を取り、
その状態で左手を上に向かって跳ね上げると同時に
倒れ込んだおじさんの手を引きつつ脇に向かって両足を入れ、 「ちょっと、まだ……あっ!?」
おじさんの襲撃を躱したと思ったのに、又新手? 「そ、そんなあぁ!! はなれてください!!」 絶叫しながら迫ってきた女性に、私達は引き離された。 |
後書き 御久しぶりです、カルネアデスです。 まぁ、何ですので更新してみました。
今年の二月に書きっぱなしで続きも調整もしてなかったので
時間は第二部の続きで、ジャンプアウトする所から始まります。
まあいいです。えらいサービスです。
えらい前ですが、 |
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