871 0 1343869200 伊豆下田ベイクロシオ

海も山も温泉もある伊豆下田のベイクロシオでプチ夏休み。

7/31 下田駅にはなぜか「龍馬くん地蔵」と蛙

宿は下田ベイクロシオ。部屋からの眺め

内装が面白いのだが、当初よりだいぶ変わってしまった。
金目鯛煮付け食いすぎ。酒は下田観光名誉なんとかの有馬稲子様命名の「黎明」でほろ酔い。

8/1下田海中水族館


8/2 浄蓮の滝。たいしたことはない。

110.5.46.129 旅 870 0 1343437200 MacでWord/牡蠣の燻製/土手の異音
7/22
甥っ子が「大学の課題でWordの使い方を教えてください」というので軽く請け合ったら、持ってきたのはMac!ちょっとあせったが、ヘルプ機能を駆使してなんとか面目を保つ。冷や汗。
教科は一般教養の「ビジネスアプリケーション」だそうな。今の学生さんは大変だ。ワードアートだのドロップキャストだの差し込み印刷だの、実際のビジネスシーンではあまり使わないだろうけどね。
大体その甥っ子はビジネスマン志望では全くない(笑)。今日教えられたことが将来大いに役だったりしないことを願ったことだろう。
7/27
酒の肴に赤貝とか青柳とかの貝類は大好きなのだが、いまどきはいわゆる'r'のつかない月なので生牡蠣は食べられない。なので本日は市川園の牡蠣の燻製で冷酒を一杯。

7/28
かみさんと友人の女子連が日課のウォーキングで土手を通ると、いつも同じところでヴォウンヴォウンという妙な音がするそうな。ホルンの練習かとも思ったが、正体というか同じ音をYoutubeで発見
223.133.61.212 電 869 0 1342659600 黄色い部屋はいかに…/ジョーカー・ゲーム/他

Amazon都筑道夫『黄色い部屋はいかに改装されたのか?』読了。

ミステリ評論の古典で名著。センスが良くかつ巧緻な構成の短編(SF/ミステリ/怪談)の名手らしく、論理性がたしかな評論は読んで面白いのだが、対象となるのはいわゆる本格推理。紹介される本格推理小説の名作たちにはあまり食指が動かない。ミステリやクライムノベルは好きだが、本格推理体質ではないんだな、私は。

*

Amazon柳広司『ジョーカー・ゲーム』読了。

旧軍時代の架空のスパイ組織という設定のミステリー。市川雷蔵の陸軍中野学校を思い出した。あの映画も雷蔵の魅力が際立ち、当時としてはなかなか洒落た作品だったが、こちらのインテリジェンスはよりクールで面白い。色々と表現が難しいだろう太平洋戦争に対するバランス感覚も好ましい。

*

Amazonリチャード・ニーリイ『愛するものに死を』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1805)読了。

サプライズエンディングでなるニーリイにしては普通というか、今一つというか。などと感想を書こうと思ったら、うう、ひさしぶりにやってしまった。読了本データベースに入力したら、2001年に買ってとっくに「読了済」でございました。

110.5.46.129 本 868 0 1342486800 ソーラーパネルでもつけるかい?

これだけ陽射しが暑いと、ソーラーパネルでもつけないともったいないような気分にはなる。一軒分の屋根一つで一番暑い時間の冷房を丸々賄えたら御の字なのだが、もちろんまるで足りません。山の手線内側全部を更地にしてパネルを敷き詰めてもやっと原発一基にとどくかどうからしい。

電力会社のサイトをそのまま信じるのもなんなので、自分で計算してみよう。標準的な東芝の250Wパネルの面積は 1559mm×798mmなので80枚並べると接地面積はほぼ100m2で発電量20kWになる。

山の手線の内側の面積は65平方キロなので

65,000,000m2÷100m2×20W=1,300,000W(130万キロワット)

原子力発電所一基大体100万kwだから、やはり一台分強。さらに原発は基本24時間稼働だが、太陽光発電は日中のみで天候にも思い切り左右される。

今後、技術革新で発電効率が上がり低コスト化が進めば(例えば人工衛星に使われてるクラスが安価に製造できるようになれば)原子力の代替にもなれるかもしれないが、その点は以下の理由から悲観的にならざるを得ない。

現在の、水力発電にしても火力発電にしても、その大元は実は太陽エネルギーだ。火力は石炭でも石油でもガスでも化石燃料を燃焼して得られている。化石燃料は生物由来なのだから、遡れば全ては植物の光合成によって作られたことになる。それも何億年という時間をかけて地底に蓄積されていたものを人間が数百年で消費しようとしている。水力の方は言うまでもなく、山上に振った雨によって供給される川の流れをせき止めた位置エネルギーを利用して電気を得ている。こちらは元々は何十万平方キロという面積に降り注ぐ太陽熱によって蒸発した水蒸気が、高度のある山地で凝縮されたものだ。

どちらも長大な時間または広大な空間をかけて生成されたエネルギーが凝縮されているからこそ、人類の膨大な消費電力を賄えている。だから太陽光でも風力でも原子力・火力を代替するには、それこそ超広大な面積に超巨大な施設を設置しなければならない。狭くて山だらけの日本じゃ(自然をズタズタに破壊しても)無理でしょ。宇宙発電ならもしかしたら、とは思うけど、素人考えでも実現までのハードルの高さ困難さは想像するに難くない。

ゆえに再生可能エネルギーなどというものは、その発想からしてお花畑なおとぎ話と言ってさしつかえないと思う。一見成り立っているように見えるのは、政策的な買取制度で税金で補填されているからにすぎない。

かと言って、私も原子力発電所の増設などはこの期に及んで気違い沙汰としか思えない。増設は一切認めない代わり、現在休止中の原発の内で安全な順に順次稼働していけばいいのだ。「絶対安全」ではなく「中ではより安全」だ。運転してようとしてまいと危険なことに変わりないんだから。だって311の時に福島発電所がもし稼働していなかったとしても、結果は同じだったでしょう。

国内の原子力発電所の半分でもいいから稼働して、国費を留保し、今度は危険な順に速やかに廃炉を進めたらいいではないか。願わくば、そうしているうちに核プラズマや地熱や潮汐や地道に安定的に発電できる技術が花開くことを願ってやみません。

223.133.61.212 雑 867 0 1342137600 白寿の挿絵画家

朝日新聞で筒井康隆(77)の連載が始まったが、挿絵は息子の筒井伸輔(43)。

作家と画家の親子と言えば父子が逆だが、中一弥(100)が三男の逢坂剛(68)の挿絵を描いたのは90歳のとき。なんかかっこいい関係。左はその挿絵。(「重蔵始末」)。

こちらもお勧め→「亦々一楽帖」。

中一弥の挿絵画集で、構成を担当した乙川優三郎の短編が三編組み込まれている贅沢な本。

111.216.65.11 本 866 0 1341964800 あっちで呑んでこっちで呑んで
7/6
今日は久しぶりにかみさんと地元のウッディでスペアリブに黒ビールでほろよい。最近は魚に酒の和食系に傾いていたが、たまにはこういうのもいい。
7/11
今日は河岸が休みなんだと。と今日行った居酒屋の女将にネタの少なさを謝れられてしまった。よし、河岸の定休日を水曜日と覚えておこう(第何曜日とかは覚えられん)。少ないと言いつつ出してくれたカンパチカマ焼きで菊正宗を2合。
111.216.65.11 TV 865 0 1341273600 第9地区

ニール・ブロムカンプ監督「第9地区」DVD鑑賞。

CG満載のなんちゃってSF映画には近寄らないようにしていたのだが、妹に勧められた本作は最近には珍しい本当に面白いSFらしいSF映画。アパルトヘイトな地区に宇宙人難民が来たらという設定からして素敵。

あまりにもリアルな宇宙人収容スラムも、グロ汚なかわいいエイリアンの造形もいいが、なんといっても主役ヴィカスを演じたシャルト・コプリーが素晴らしい。エゴイスティックな典型的なダメ公務員が、とんでもない目にあってどう変わるのかまたは変わらないのか、この役者じゃなければこの面白さはなかったと思う。

ドキュメンタリータッチだが、アクションもチェースもある。ハリウッド的なものではないが、ちゃんとカタルシスもある。妙味のあるラストもいいし、これはおすすめ。

111.216.65.11 映 864 0 1340841600 反原発デモに出くわす

夜の銀座で東電抗議デモに出くわす。再稼働反対ばかりで値上げ反対はない。まったく関係ない部落解放などのゼッケンつけた人たち。なるほどなあ。

私も東電には文句の百万言もあるけれど、まずは値上げ冗談じゃない!だよなあ。稼働していてもしていなくても危険なことに変わりはない。思想的な反対はからめんでほしい。経営陣の報酬を十分の一にしてプラズマ発電にでも開発費集中してくれ。

反原発デモは盛況のようだ。素朴な疑問だが、なぜ年間何万人も死者を出す交通事故に対し、反自動車デモというのは起こらんのだろう。

もちろん社会的メリットと死者が出るデメリットを比較して、安全対策を徹底的にした方が良いに決まっている。というのはもちろん自動車のことで、原発でも同じだと思うのだが、そんなこと一言でも言ったら電力会社の回し者呼ばわりされるのは必定だよなあ。

核分裂エネルギー利用自体なくす方向を目指すのは賛成だけど、原子力=悪ではないのだ。悪は人間の中にしかありません。

しかし、運命や災いとかは人間の外からやってくるので、やはりこれが一番こわいのだが。悪意の人間は2番目にこわい。

111.216.65.11 時 863 0 1340668800 武士マニュアル/大江戸死体考

Amazon氏家幹人『武士マニュアル』(メディアファクトリー新書)読了。

いかにも戦士な卜伝百首や無感動なマニュアルに徹した切腹作法は興味深いが、いつもの著者の往時の心情や世情が浮かびあがる緻密さに欠け、いかにも薄味。

*

口直しに同じ著者の『大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代』を再読。これは無類の面白さ。

「大江戸死体考」によれば首斬人山田浅右衛門は俳諧を嗜んだが、最初からではなく、三代目が斬首前に辞世を詠む者などいても意味がわからなくては申し訳ないと風流に心がけ代々宗匠の資格を取るほどに勤しんだのが始まりな由。

かの山田浅右衛門。では、人斬りに穢れた家系として疎まれていたかと思いきや、江戸名物男として幡随院長兵衛や紀伊国屋文左衛門と並び称せられていたという。「世中にひゞ渡りしおとこ達

風の内ばかりなり奴凧」七代山田浅右衛門吉利辞世の句。他に「花になれ花になれとや春の雨

西洋の首斬人=エクスキュースナーは黒覆面で斧みたいの振るってるイメージだが、罪人のために詩を読んだりはしそうもない。山田浅右衛門より無名性は高いだろうから記号的で心理的プレッシャーは少ないのかもしれないが。

111.216.65.11 TV 862 0 1339804800 火星/慧可断臂図/セクシーな牛乳
6/7
レイ・ブラッドベリ逝去。とっくに火星に旅立っていたかと思っていたが、享年91歳だそうな。合掌。
6/9
美の巨人たちは雪舟作 国宝「慧可断臂図」(京都国立博所蔵)。東京で見た記憶があるのだが、いつどこだか思い出せない。こういうときはすかさず2ちゃんねるの実況スレを参照。4年前の「対決巨匠たちの日本美術」と判明。記憶力の減退をサポートするためにはなんでも使う。
6/14
いつもの居酒屋で一杯。鯨ベーコン、たいら貝、ハモ天ぷら、ウマズラハギ唐揚げ、カマス塩焼き…食い過ぎ。
6/16
汗をかいてシャワーで流したあとMEIJIおいしい牛乳をゴクリと飲むとセクシーな味がする。セクシーな気分になるわけではなく味どまりだが、以前はこんなことなく最近感じるようになった。なんでだろう。
フロイト的に解釈すれば、加齢により幼児口唇性欲期に退行したということなんだろうが、最近フロイトは流行らんし、自分でも違うなあとは思う。
111.216.65.11 雑 861 0 1339286400 ナインスゲート

DVD鑑賞「ナインスゲート」。

話はありがちな悪魔の書ものホラーだけど、さすがのポランスキー監督作品だけのことはある旧き探偵物語のようないい雰囲気。雰囲気を作っているのはキャスティング。主役はもちろんジョニー・デップだが、二人のヒロイン、レナ・オリン(蜘蛛女)、エマニュエル・セニエ(ポランスキー夫人)が良い。両者共ヌードありなのが、さらによろしい。

*

Amazon上記の原作、ペレス・レベルテ『ナインスゲート』(集英社文庫)読了。

映画も素晴らしかったが、原作ははるかに豊穣。日本で比肩するとすれば「虚無への供物」とかかなあ。時間空間の広がりにおいてちとかなわないけど。

ラストの贋作家兄弟の扱いだけは映画の方が丁寧だった。スピンオフを作るとしたらタイトルは「セサミ兄弟の贋作日記」だろうか。

「悪魔の描いた(かもしれない)9枚の絵」の一枚、龍にのる女の顔が、映画だとヒロイン=アドラー嬢役の女優の顔そっくりなショットがあったが、映画用に別に描いたのかが気になって仕方がない。

111.216.65.11 本 860 0 1337990400 つつじ、竜巻、マンゴー、KATAGAMI
5/1
最寄り駅から家路の半分位まではつつじロードになっているが、今年は陽当たりの良い所でまだ七分咲。日陰だとまだつぼみだ。八重桜もまだ残っているし、今年は2週間位季節がずれている塩梅。
5/8
竜巻のニュースでプルートウを思い出したが、人によっては忍者武芸帳だったりコンバトラーVだったりするらしい。竜巻小天狗なんてのもあったが、知る人はいない。
5/19
軽く走って汗かいたあと、スーパーで衝動買いしたマンゴーを食したらこれが旨かった。ここの下の方のマハチャノというタイの品種で、最近(2006年)輸入が解禁されたらしい。昔タイのホテルの朝食で食べたのより水々しい。twitterで教えてもらったヨーグルトを試してみよう。
5/20
土手を走っているとフラガールの集団に遭遇。上はTシャツだがちゃんと衣装をつけて練習中。思わずニッコリしそうになったが、おっさんがニヤついててキモいとか思われそうで、無表情のまま走りすぎましたとさ。
5/26
三菱一号館美術館「KATAGAMI Style」展。終了間近だったせいか大変な盛況。かみさんは自分の端布コレクションのルーツであろう同じ柄のリバティ社のテキスタイルを見つけて興奮していた。中庭の薔薇は満開。
5/27
住居の点検で業者と屋根に登った。高い所は苦手なので、身は軽い方なのに気は重い。登ってみればさほど怖くはなかったが、屋根は手で触れないほどに熱かった。
111.216.65.11 雑 859 0 1337644800 東京物語を見たり沙漠の魔王を買ったり

GWに借りた映画DVD色々が見終わっていないのに、またアマゾンで買ってしまった。ウルトラマン全話DVDと平成ガメラ3作BDが合わせて3千円ちょいという安さなんだもの。さすが北米版。

*

BS3で「東京物語」。60代後半から70代を演じてる笠智衆が当時40代後半かとわかるとさすかにびっくり。俺より十も下かよ。でもさすがに未来に残す映画100に選ばれただけのことはあります。この映画をよいなあとわかる歳まで生き残れてよかったあ。

*

Amazon沙漠の魔王完全復刻版」。

17,850円は高いようだが、昔古書店のガラス棚の奥にもう一桁多い価格で収まってたのを見た記憶があるので、安いような気もしてしまう。

ということで、予約してしまった。予約で本買うなんて、宮沢りえの写真集の広告を新聞朝刊で見て逆上して電話予約して以来だ。

1967年頃にCOMで紹介された沙漠の魔王の記事

111.216.65.11 漫 858 0 1337040000 めくるめく世界/サセックスのフランケンシュタイン

Amazonアレナス『めくるめく世界』(国書刊行会)読了。

歴史小説のような冒険小説のような伝奇小説のような大法螺話。「百年の孤独を凌駕する作品というにふさわしい」と帯に高橋源一郎が書いてるけど、さすがにマルケスの密度には及ばない。

*

AmazonH・C・アルトマン『サセックスのフランケンシュタイン』(河出書房新社)読了。

フランケンの怪物が不思議の国のアリスを拉致陵辱というから耽美的先鋭的な小説かと思ったら、もっと軽い─香山滋のエキゾチックミステリのよう。むしろ活字で書いた高橋葉介か。なかなか珍味にしていけました。

111.216.65.11 本 857 0 1335312000 血圧最先端治療と江戸の屁をする養生

昨日のニュースで薬が効かない重症高血圧を劇的に改善する手術の成功を報じていた。腎臓周辺の交換神経をカテーテルで焼き切るらしいが、いわゆる興奮して血圧が上がるのの逆を行くわけだ。すごい。

私も何年か前に血圧が高くなった。薬と運動と食事で標準以下に下げ、今は薬の量も半分以下になったので問題はないのだが、更に上の手段があると知っているのは安心感があっていいものである。

ただ日本ではまだテスト段階で、厚労省の認可の遅さからして一般人が普通に受けられるようになるのはまだずっと先だろう。高血圧治療薬は製薬会社にとって断トツに巨額を稼ぐ大変なドル箱。変な圧力がかからなければいいが、かからないわけはないのだろうな。

*

日本漢方医学開祖の一人今大路道三の伝えし長生の秘訣に曰く「長生は粗食正直ひゆたらり勝手次第に御屁めされよ」。

「ひゆたらり」がわからないが子孫が長生の翁に聞くと「暑い火に近づかず熱い湯を避ける」とのことらしい。

(根岸護衛「耳嚢」巻の九「今大路家懸物の事」)

「御屁めされよ」が笑わせるが、のんびり質素にすごせば長生きできるということだろう。江戸幕府の官医(漢方医)と言えば「陽だまりの樹」では悪役だが、現代だと先端手術より人気はありそうだ。私には交感神経を焼くなんていうブラック・ジャック風味も魅力的だけどね。

111.216.65.11 科 856 0 1334620800 京都小旅行より帰宅

京都小旅行より帰宅。

美仏も色々拝見したが、中でも印象的だったのは永観堂禅林寺の見返り阿弥陀如来。御顔も美しいが、仏像には珍しい横を向いた姿勢が生々しくてインパクト大。

111.216.65.11 旅 855 0 1334016000 妖怪学の祖 井上圓了

Amazon菊池章太『妖怪学の祖 井上圓了』読了。

妖怪学というより宗教本の流れで読んだのだが、これが明治哲学史にもなっていて実に面白い。登場する人物の錚々たること、勝海舟、福沢諭吉、内村鑑三、上田秋成、河口慧海、坪内逍遥、三遊亭圓朝、小泉八雲、フェノロサ、柳宗悦、柳田国男…

妖怪博士というのが通り名?だが、井上圓了は哲学普及の方便として妖怪(怪奇現象)が全て幻想であることを説いたのであるから、たとえば水木しげるとはだいぶ方向性が違う。柳田国男などは圓了の啓蒙主義を嫌ったらしい。ただし圓了の妖怪研究としてのフィールドワークは柳田に勝るとも劣らないものであったようだ。

圓了の学閥閨閥どこにも属さずに宗教改革思想改革を目指す独歩性は、当然理解者が少ないが、傑物は傑物を知るエピソードがある。

徳川家の財政を預っていた勝海舟は慶應義塾の財政援助を求めてきた福沢諭吉をけんもほろろに断ったが、実学流行りの時代に哲学館(現東洋大学)などを創設する圓了を気に入り、自らの揮毫を度々送る(篤志家の寄付に効果ある)など随分援助したらしい。

福沢諭吉は勝海舟を随分恨んだようだが、この維新の英傑は諭吉が財政難といいながら三田の私有地を温存していたのが気に入らなかったようだ。諭吉さん、さすが後年お札になるだけのことはある。それにひきかえ圓了は、蓄財とは無縁の掛け値なしに無欲無私の人だったことを海舟はわかっていたのでしょう。

夫れ余は赤貧多病固より権勢の途に奔走して営利を争ふの念なく毀誉の間に出没して功名を貪むるの情なく唯終身陋巷に潜んで真理を楽しみ草茅に坐して国家を思ふの赤心を有するのみ。

(井上圓了「仏教活論序論」)

110.5.46.129 本 854 0 1333843200 シャドウゲーム/スプライス

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」をMOVIXにて鑑賞。劇場で映画を見るのは久しぶりだ。第一作より面白い稀有な二作目。ガイ・リッチーの映像のリズムにもやっと慣れた。歳食ってくると早いテンポについていくのが大変なんだ。その代わり小津安二郎みたいのを退屈しないで観られるようになるけれど。

3年位前のSF映画「スプライスをDVD鑑賞。バカホラーのようでかなりあぶない感性のおたく映画ですな。気に入りました。セクシャルクリーチャーの造形がいい。CGと生身の合成だからこそのエロスっぷりがツボにはまってしまった。

182.169.186.112 映 853 0 1333670400 ツリー見る染井吉野は首かしげ

ジョギングコースの土手の染井吉野はやや散りかけだが花見客盛況。上流の陽光桜は満開で濃い桜色の重たげな花は染井吉野より私は好きなのだが、周囲に花見客は皆無。花の好悪より、こちらはスカイツリータワーが見えないので敬遠されているようだ。

スカイツリータワーはジョギング中も通勤中も見えるので、日々背が伸びていく近所の子を見ているような気になっていた。成人して社会人として旅立ったようだけど、近所のおじさんはちょっと淋しい気にもなるであります。

*

「酒は燗肴は刺身酌はたぼ」こんな狂歌を聞くと一杯やりに行きたくなる。まあ、たぼはどちらでもよいが。

…近年下賤侠客の徒、(若い)女をさしてたぼといふ

(耳嚢巻之九「酒宴の席禁好物歌の事」)

182.169.186.112 雑 852 0 1333411200 「玄鶴山房」と「家政婦は見た!」

Amazon芥川龍之介全集1〜6(全小説)読了。私的ベストは「地獄変」。以下順不同で「藪の中」「偸盗」「素盞嗚尊」「世之助の話」「ある日の大石内蔵助」「鼻」「蜜柑」「河童」「玄鶴山房」

玄鶴山房」は芥川龍之介の作品の中でも名作だけど、寝たきりの玄鶴の介護をする甲野という看護婦が雇い主家族に向ける心理=冷たい観察と密やかな悪意が、初期の「家政婦は見た!」(ミタではなく市原悦子の方)にとてもよく似ている。

「家政婦は見た!」の原作は松本清張の「熱い空気」。芥川賞作家の清張が芥川の「玄鶴山房」の看護婦をヒントに悪意の家政婦像を創造したとしたら、「家族八景」等に連なる家政婦もの(そんなジャンルがあるかどうかはともかく)の系譜を考える上で興味深い。

もちろん清張を貶めるつもりは全くない。発想元がどこからであろうと「熱い空気」は傑作です。

182.169.186.112 本 851 0 1333238400 地震予知

西日本“巨大地震”高知で津波予想34m超」。しかし、4月1日の紙面とは間が悪い。311以前に予想してたのなら大したもんだが、羹に懲りて膾を吹くの感無きにしもあらず。得てして自然は裏をかくものなので、今度は日本海側から来たりしないかいな。

*

晴れ渡った気持ち良い天気だが、花粉も多大なりで、ジョギングもマスク着用、さわやかさ半減なり。土手の桜は満開でジョガーより花見客が断然多い

182.169.186.112 時 850 0 1333152000 江戸たべもの歳時記

Amazon浜田義一郎『江戸たべもの歳時記』(中公文庫)読了。

表題のエッセイもなかなかだが、「舶来あまから考」の咸臨丸や遣米使等幕末に海を渡った連中の食にまつわるてんやわんやが抜群に面白い。当時の日本人は滑稽にして凛々しい。

全体から面白い所を以下に幾つか紹介。

*

鮓のめし妖術といふ身でにぎり(柳多留108)

文政9年の句。忍者が術を遣う時と同じ手つきで鮨を握るということで、握り鮨の起源がさしあたり文政9年まで遡れることがこの句でわかる。
(鮨の最初は熟れ鮨・押し鮨で、握り鮨の起源は諸説あり)

*

生玉子醤油の雲にきみの月(柳多留118)

生鶏卵北極ほどの穴をあけ(柳多留126)

北極などという地理的知識をもつところが珍しい。ともに天保年中の句である。

*

銀座のビアホールライオンは戦前はカフェだったそうな。当時は女給カフェ全盛でタイガーというライバル店があり、美人女給目当てに永井荷風菊池寛等の錚々たる文士も連日通ったという。

カフェタイガーは女給の人気投票というイベントを行い、菊池寛は贔屓のお君という女給に150票を投じて一等を勝ち取らせたそうだ。投票権一票がビール一壜だったからこんな真似ができたわけだが総額900円は当時としては大金だ。どこかで聞いたような商法だと思ったら…

何の事はないAKB48の選挙と一緒ではないか。戦前のカフェが平成のAKB48なみなのか、AKBがカフェなみなのかは知らないが、アイドルボケから金を搾り取ろうとすると同じ戦略にたどり着くのかと思うと感慨深い。

陽の下に新しきものなし。

182.169.186.112 本 849 0 1332547200 ローマ帝国

Amazon青柳正規『ローマ帝国』(岩波ジュニア新書)読了。

「シーザーとクレオパトラ」の悪役オクタビアヌスがどんな人かとか、イエスに処刑命令出したピラトの役職がなんだとか何も知らんかったのでジュニア新書ありがたや。

「閉塞感の強い社会状況は人々の気持にも大きく作用し、わずかな天候の変化や個人的不幸に対しても過剰な反応をしめし、社会の活力をそいでいきました」

…現代日本のことではなく「ローマ帝国」からの引用です。

*

エネルギーなんたら会議。反原発派はうさんくさく、原発派は説得力皆無。再生可能エネルギーなんていう趣味的なものはそこそこでいいから、プラズマ発電開発に予算ドンと付けて大逆転、と行かぬものかな。

*

何の期待もなくBSで見始めた「ウォーリー」がやたら面白かったんですが。録画しとけばよかった。CGがどうたらよりやはり(いかにもハリウッドな)脚本がうまいね。ベストシーンは消火器利用によるアベック飛行です。

182.169.186.112 本 848 0 1331424000 選考に旨味あり?

女子マラソンを見ていて思ったが、五輪のような一発勝負の選手はやはり一発勝負で選ぶべきじゃないだろうか。

逆に大学入試のような人生や最短でも四年間が対象のものは一発勝負でなく年平均とかで選ぶべきと思う。聞くところによれば米国の大学入試と五輪選考(こちらは一発勝負)はそうなってるよし。

日本だと見事に逆である。こういうのこそグローバル化してもらいたいものだが、要は陸連や水連幹部による「裁量の余地」があることによって、色々と旨味があるのでありましょう。天下りがなくならないのと構造的に変わりません。日本が強くなるために大いにマイナスなんだけど、変わりません。

*

走るのに実に気持ちの良い気候になってきたのだが、その後の鼻のむずむず度やくしゃみ発生率も比例してアップするのがたまりません。

182.169.186.112 ス 847 0 1331337600 高慢と偏見

Amazonジェイン・オースティン『高慢と偏見』読了。

18世紀の、この恋の行方は?的物語がなぜこんなに面白いのだろう。ヒロインの両親の性格描写が笑わせる。

人気のロングセラーなので、複数の出版社から出ている。AMAZONのレビューを参考に、直訳風で読みにくいという評判の阿部知二訳の河出書房版を、荘重ぶりを期待して購入。読みはあたった…と思いたい。

110.5.46.129 本 846 0 1331251200 サイン/坊っちゃんの時代

Amazon古書店で目について買った関川夏央/谷口ジロー『坊っちゃんの時代』を読む。

漫画を読むのは久しぶりだが表現力の進化に瞠目。奥付を見ると20年以上前の作品なのだから私の前時代の遺物さ加減もなかなかのものだ。

*

Tsutayaで借りた「サイン」を見る。

賛否両論毀誉褒貶というより悪評ばかりが目についたが、いい映画じゃないですか。どんでん返しとかないが、伏線が最後に見事に収束して感動に持っていく。

ナイト・シャラマン監督作品は好きだなあ。順序をつけるとアンブレイカブル・シックスセンス・ヴィレッジ・サイン。

182.169.186.112 映 845 0 1330732800 初春の夕べ

昨夜は八丁堀かく山で菊正宗二合×2本、蕪村お湯割り3杯、鰺叩、白子、鰯丸干、肉豆腐、薩摩揚他。さすが金曜日でほどよく混んでいた。

居酒屋のようなところに旨いものがある日本人に生まれて幸せなりと思う今日この頃ですが、イギリス人には食べ物を楽しむという感覚自体がないのでしょうか?(英国人記者が見た日本の不思議)「吉田類の酒場放浪記」などは大英帝国民には全く理解できない世界でありましょう。

朝ドラで尾野真千子最終回だったからか、見逃してた「火の魚」再放送ありがたや。オノマチと原田芳雄のかけあいが見事です。原作は室生犀星なんだ。

*

味のわかる夢シリーズ:昨夜はポークのパイ包みと子羊のローストパスタ添え。なんで日頃縁のない小洒落たフレンチを夢に見るのだろう、貧乏人。後者の方がたっぷりのオリーブオイルで冷めないのがいいなどと批評しちゃうのも浅ましい。

などと夢の記憶をお茶うけメイン(サブは現実の煎餅)に熱い番茶をすする初春の夕方

182.169.186.112 食 844 0 1330214400 紅梅白梅図屏風と仏料理店

紅梅白梅図屏風」@MOA美術館.熱海。同時展示のNHKの番組で現代作家が銀箔流水を再現したレプリカに興味引かれていったのだけど…生で見ると光琳の本絵の凄さが圧倒的。頑張った作家さんには申しわけないが梅枝の線描の力が全然違う。

あざといエントランスなど、あまり好きな美術館ではないし、同館の他の光琳はあまりパッとせず、宗達や抱一の方がずっといいが、紅梅白梅図屏風だけはさすがです。これを見るだけでも行く価値はある。

拝観後、熱海の街を空腹でさまよい偶然見つけたフレンチに入って金目鯛のムニエルをいただいたが仲々の味。しかし名前がド・なんとか。私の弟の店も例外ではないのであまり強くは言えないが、フレンチは覚えてくれるなと言うようなネーミングをして損をしているような気がする。

そのフレンチを見つける前に地元ソーセージとハムの店を見つけ満席であきらめ、帰り際にソーセージとビールぐらいと思っていたのだが、先のフレンチでのランチ後は満腹で忘れてしまった。こんなときに老いを感じます。いくらでも食える歳ではない。

182.169.186.112 美 843 0 1330128000 アマサウネンとはなんぞや

Amazon根岸護衛『耳嚢』(長谷川強校注/岩波文庫)より。

南アメリカ州にアマサウネンといふ所あり。アマサウネンにて天河といふ事也とぞ。此山に女ばかり住む所あり。一年に一度づつ男に逢ふと言ふ。其外の時に男来れば竹鎗を持て防ぎ手入れずと言ふ。

アマサウネンとは「アマゾネス」とのことですね。江戸時代に南米の地理の知識とともに、ギリシャ神話の知識も混交して入っていたことがわかって、実に面白い。

伝えたオランダ語通訳が「これ漢土にいひ伝ひし七夕の事ならんか」と想像してるのがまた面白い。

耳嚢における章題も「漢土にていふ七夕之事」。

182.169.186.112 本 842 0 1329955200 巨人の路

今日の仕事場の近くで元バスケット全日本の岡山選手を見た。

芸能人やプロアスリートを見かけるようなとこじゃないが、なぜかでくわすのはプロレスのジョージ・高野、バレーボールのヨーコ・ゼッターランドと超長身ばかり。

巨いなる者が過ぎゆく場なのでしょうか。

182.169.186.112 ス 841 0 1328313600 名短篇さらにあり

Amazon名短篇さらにあり』(ちくま文庫)読了。

中の岡本かの子(爆発だの母)のどじょう屋の話「家霊」が面白かったのだが、解説の北村薫宮部みゆきがどじょうをゲテモノ扱いしてるのがどうもいただけない。

宮部「柳川は開いてあるからまだ食べられますけど、通の人はあのまんま食べるんだそうです。『まる』といって、ううう」

…うううじゃないよ(笑)「まる」なんか通でなくったって食べるって。駒形で「まる」で一杯やりたくなってしまったではないか。

同書では林芙美子の「」も仲々よかったが、「一夜の値段を聞かれたのだと彼女は気がつくと腰のあたりがじいんとしびれて来た」とか「かあっと乳房のあたりがあつくなってビロードのショールで鼻をすすった」なんていう文章が、林芙美子が書いたかと思うと、ちょっとどきどきします。

*

ここのとこまた本を買いすぎ。置き場所を開けるために自炊に励まねば。PDFはたまるがPC以外で読む道具を何にしようか思案中。やはりiPadなのかなあ?

110.5.46.129 本 840 0 1327190400 眼中の人のグローバルな明治

Amazon芥川全集の中の自画像的芥川があまりに暗いので、バランスを取るため颯爽とした芥川龍之介の登場する小島政二郎『眼中の人』を再読。

東大の入学が九月になるというのが話題だが、「眼中の人」によれば芥川龍之介は旧制中学を三月で卒業し一高帝大ともに九月に入学し七月に卒業している。ということは明治大正の方がグローバルだったということですね。

182.169.186.112 本 839 0 1326758400 決定版一億人の俳句入門

Amazon長谷川櫂『決定版一億人の俳句入門』(講談社現代新書)読了。

題名から連想するようなうっとおしいところのない、私のような素人にもわかりやすい明晰明解な内容。良書だと思うが、まあ題名だけはちょっと恥ずかしい。

俳句の世界を流れる時間感覚や日本語構造にまで言及するのに、くどくなく簡潔な文章。俳人だからこそ散文においても無駄のない文章が書けるのだろうか。「奥の細道」を読めばわかるのかいな?古文の授業もっと真面目に聞いときゃ良かった。

*

彼は本所の町々に自然の美しさを発見した。しかし彼の自然を見る目に多少の鋭さを加えたのはやはり何冊かの愛読書、就中元禄の俳諧だった。

――芥川龍之介「大導寺信輔の半生」。

182.169.186.112 本 838 0 1326153600 海の向こうに遺(のこ)された江戸

NHKハイビジョン特集「海の向こうに遺(のこ)された江戸」で見た高岡の人間国宝級の職人たちによる明治の下絵による銅製火鉢の作成過程。鍛冶師、彫金師、色付師による分業。問屋がプロデューサー。

鍛冶師はまず型枠を粘土から作る。外側の円筒・内側の円筒・底になる円盤の三つで一セット。それぞれ軸で回転する金属箆で削っていく。粘土から水分が染み出して縮むと粘土を足してまた削るをゆっくり繰り返す。

乾燥させて完成した型を組み合わせ灼熱して溶解した銅を流し込む。空気が入らないように一気に流すが急ぎ過ぎると爆発!するそうな。外枠と内枠の隙間はわずか4mm。冷えたら枠を外し、冷やしてから今度はロクロで削る。

細い帯状の模様を削り出し、全体を軽くするため内側から丹念に削ってゆく。そこへ彫金師がやってきて彫りのためには2.5mmの厚さが欲しいという。鍛冶職人としては1.5mmまで削りたいらしく不満顔だが、最後は笑顔で請け合う。いい感じだ。

彫金師は型紙に合わせて銀を削り、銅を彫って丹念に埋めていく。磨きをかけると金属同士が一体化していくのが気持ち良い。型紙にはない流線をオリジナルで追加していく。絵心もないとだめだね。

仕上げは色付師。最初は硫酸銅の溶液で洗うのだが、これが素手!素手じゃないと微妙な感触がわからないし全く荒れない手に変わるというのだが。別の染料溶液で色を付け仕上げはお歯黒入りの溶液を藁束で塗っていく。

こうして美しい茜色の銅火鉢が完成したわけだけど、工程を見るとモノの価値が分かるような気になってくる。こうして記憶をたよりに手順を書いてるだけでなんとなく楽しい。

110.5.46.129 TV 837 0 1325466000 正月テレビ番組を見ながら、鶴屋吉信福ハ内を賞味ス

元日早々地震でご挨拶とは日本列島さんも洒落がきついが、酔っ払ってたので笑って受け流した。

*

正月の番組は駅伝位しか見てないが、裏でやっていたNHKが海外向けに制作した日本武道紹介番組「SAMURAI SPIRIT」の一挙再放送が抜群に面白かった。ニコラス・ペタスがナビゲーターというのがグッド。前半の弓道や古武道を見逃したので、是非もう一回再放送してほしいなあ。

ペタスが門を叩いた武道の師範達は、空手も剣道も合気道も空手も古武道も、さすがに名人上手らしい人格者ぶりで、武道家としてのペタスをリスペクトして礼を尽くし、洒脱な人あれば真摯一徹な人ありでさすが一流の武道家と思わせたが、日本体育大学の柔道の師範だけは上から目線の無礼な口調とヤクザな風貌、日本にとって唯一の残念な例外だった。余計なお世話は重々承知だが、日本柔道の行く末が危ぶまれるところです。

*

父親に好物だと言われた縁起物→鶴屋吉信福ハ内。はじめて食べたがこれは旨い。

223.133.64.214 TV 836 0 1325397678 謹賀新年【本】私的年間ベスト10【2011】

あけましておめでとうございます。

辰年の年賀状はこちらです。

例年通り昨年読んだ本のベスト10などを以下に。
(今年も順不同)

次点

223.133.98.95 本 835 0 1325206800 7月〜12月読了本

【7月の読了本】

【8月の読了本】

【9月の読了本】

【10月の読了本】

【11月の読了本】

【12月の読了本】

223.133.98.95 本 834 0 1309395600 1月〜6月読了本

【1月の読了本】

【2月の読了本】

【3月の読了本】

【4月の読了本】

【5月の読了本】

【6月の読了本】

223.133.98.95 本 833 0 1299970800 地震翌日_我が家の些少な被害他

我が家は一応、東京都が防災地区として開発した建物であり、耐震基準は十二分に満たしているはずである。そのせいか幸いにして揺れは小さかったようでCD数枚が落ちたのとスライド式の本棚がずれて本が数冊落ちただけで済んだ。一番心配していた大きい方の本棚の本はぎっしり詰まっている分、圧力と摩擦で逆にずれようがなくて落ちなかったようだ。建物にも亀裂その他はない。

しかし、建物北側私道のインターロッキングが一部盛り上がったりガタガタになっている。歩くのに支障がでるほどではなく液状化しているわけもないが、盛土の堅めが甘かったのだろう。後日の修理が必須な状況。

そして、なぜかTVが地上波もBSも全く映らない。うちは3階だが上階も同じ状態らしい。下の階は異常ないとのこと。管理会社に連絡して二日後に修理に来てもらった。ケーブルTV利用だが、建物内部でのどこかで断線してしまったらしい。結局無事だった1,2階のケーブルを分岐してもらって復帰したが、震災から3日間TVが見られなかったことになる。

そのため、あの大津波の映像を見たのもやっと3日目だった。これはむしろ見られなくて良かったような気がする。妻などは直後はだいぶテンパっていたし、あの胸がつまるような映像を見たらもっと落ち込んでいたことは想像に難くない。

もちろん何日経っていても映像の衝撃度も胸がつまることも変わらない。日頃ニュース情報はネットで十分と思っていたが、やはりTV映像の影響力は馬鹿にしたものではない。

*

原子炉事故のニュースはもちろん最初の頃から聞いていた。「念のため避難」というのを聞いただけで「なんかヤバそう」と思いました。当たっていたわけだけど、もちろん全然嬉しくない。

事故そのものが一番嬉しくないわけだけど、同じぐらいウンザリしたのは、まるで東日本が汚染されたことが嬉しくてはしゃいでいるのじゃないかというような騒ぎ方をしている連中がネット他で目につくことだ。

これから人々の心なども含め、まだまだ色々なことが露呈していくのだろうけど、悪いことばかりでないような予感もちゃんとするのであります。

223.133.98.95 時 832 0 1299884400 東北地方太平洋沖地震当日

その日その時(平成23年3月11日14時46分)、私は相棒の若者と代理店の営業チーフとともに、東京駅前のツインタワービルの30階近い高層階のクライアントを訪ね、会議室でソフトウェアのデモを行なっていた。

デモも無事に終わり、質疑応答に入って15分くらいしたところで、グラリ、ときた。もちろん会議は中断、様子をみているうちに只事でない揺れになってきた。クライアント側のトップの女性の「危険ですのでひとまず出ましょう」という一言で全員一斉に部屋から退出したが、全くまっすぐ歩けず、左右によろよろしながらロビーにまろび出る。

他の部屋からも出てきた人たちが何十人もいたが、ロビーの広さは十分でひしめきあう感じはない。最初の大きな揺れは収まったが小さな余震が繰り返し来るので、とても会議室にもどれる雰囲気ではない。

さすがに大企業の受付スタッフのチーフらしき美人は訓練が行き届いていて、無駄なく案内してくれ落ち着かせてくれる。飲み物も各自に配ってくれたので、とりあえず喉を潤しながら様子を見ることにする。ゆらゆら揺れを感じながらドリンクを飲んでいると、船上立食パーティのような感じだが、もちろんそんなのんびりした気分ではない。

気になったのは家と会社それぞれがどうなっているのかだが、携帯も繋がらず、エレベーターも停まっているので、とりあえずはどうしようもない。

次に気になったのは震源地はどこだろうかということだ。ここ数日地震が連続していた東北だろうとは思ったが、連想したのは阪神大震災の記憶であり、東京でこの揺れだったら震源近くはいかほどであろうかと、ちょっと身の毛がよだつ気分である。

「竹内さん、あれ火事ですかね」と後輩が言うので、広い窓を覗いてみるとお台場方向の先から黒い煙が上がっている。(後でテレコムセンター付近の火事とわかる)

最初の揺れから30分ほど経過した時、最大級の余震が来た。男性も女性も座り込む人、多数。ただ、さすがに地震国日本の誇る最新ビル、揺れはするが落ちる物や軋みはなく怖さはさほどでない。

更に30分ほど待ったところで、とりあえず会議は後日持ち越しということになり、退散することに。エレベーターは動く気配がないので、クライアントの担当者に断って、20数階を歩いて降りることにする。幸い降りている途中に大きな揺れはなく、地上に降り立ち、代理店の女性はタクシーを広い、私たちは歩いて会社に戻った。

会社の入っているビルはさきほどのビルのような最新ビルではないので、更に揺れは大きかったようで、かなり書類は散らばりみんな片付けに大わらわとなっていた。

メディアでも東北地方に震度7ぐらいで詳しい情報はまだない。妻からのメールがやっと届き、出先から歩いて家に向かっているようだ。子供たちや親族も大過ないようでまずは一安心。

退社時間が来ても交通機関は動く気配がない。社長はとっとと車で帰ったが、たぶん今頃渋滞に巻き込まれていることだろう。

グズグズ考えていても仕方がないので「歩いて帰る」ことに決定。いまだ様子を見てる同僚に挨拶して19:00家を出る。会社から我が家へは昭和通りを真っ直ぐ行けばいいだけ。十数キロメートル程度なので2〜3時間というところか。

途中自転車屋でもあったら買おうかなと思ったが、歩きはじめてすぐそんなことは無理だとわかった。すごい人波なのだ。休日の渋谷の交差点のような人口密度。みな黙々と歩いている。車道にも車がみっしり詰まり、歩くより遅い速度で進んでいる。会社の備品らしいお揃いの白いヘルメットをかぶった若い女性の二人連れがいた。うちの会社でも買ってもらおうと思う。

途中の公衆電話に列が並んでいる。携帯は仲々繋がらないが公衆電話は少しはマシなのかもしれない。30分間隔くらいでメールを送信するが届いていることやら。

かなり寒いが、よく晴れてるのが幸い。途中の飲食店、居酒屋も一杯だ。喉も乾いてきたし、かなり誘惑を感じるがぐっと我慢して、自動販売機で熱い紅茶を買って喉と温める。1時間も歩いていると体も暖まってきた。

2時間を過ぎた頃から人もだんだん少なくなってきたが、車道は相変わらず渋滞している。バス停にたまに乗客を満載にしたバスが停まっているが、乗車は断っているようだ。

自宅最寄り駅までたどりついたが、こんな辺鄙なところまで渋滞はとぎれない。前代未聞である。

行きつけの居酒屋で空腹を満たしたいのも我慢して21:00、歩きはじめて2時間目に自宅に到着。家族もみなだいぶ前に歩いて帰宅しており、やれやれである。まずは、風呂に入ってビールが飲みたい。

223.133.98.95 時 831 0 1294236228 武士の家計簿

ちょっと前までは映画を観に行きたいと思うと、大体有有楽町マリオンとか日比谷映画街に行ったものだが、いまやとんとご無沙汰。ということでMOVIX亀有に「武士の家計簿」を見に行ってきました。

坂本龍馬や新選組が出てこない幕末の物語でも、いい映画は作れるという見本のような映画。いやむしろそんなものは出ない方がいい映画になる可能性は間違いなく高いだろう。

原作は7年前に読んでいたが紛失、買いなおして再読。江戸時代に少しでも興味がある人は読んで損をしないことを保証します。おすすめ。

映画のストーリーは原作を読んでもらえばよろしいが、文字通り江戸時代の加賀藩士の家計簿(入払帳)から普通の武士の生活を読み解いたノンフィクションが果たして映画になるのか。こう来たかという驚きを楽しむためにも、原作を読んでから映画を見ることをおすすめする。見事な脚本でした。

キャストもおおむね結構。堺雅人はうまい。仲間由紀恵は綺麗だし、松坂慶子もハマリ役で大根ぶりは気にならないが、松坂サン瀕死の床でも全くやつれてないのが唯一の瑕疵です。息子役の若い俳優はセリフ回しが下手っぴで、少年時代を演じた子役の方がうまい。しかし、仲間さん、原作を読んでないというのはいかんなあ、堺雅人さんを見習うように。

久しぶりの劇場の大画面の映画だったが、3Dとか特撮バリバリの映画は歳取ってくると大画面で見ると目が疲れてかなわない。むしろこういう映画の方が大画面で見る価値があると感じた。仲間由紀恵さんの美貌はもちろんだが、再現された江戸時代の武士の住居の細部に目を凝らし、大写しになる美しい着物の織りの一目一目も堪能できるのは大画面ならでは。

また映画館に行くぞ、と思わせられた一本。

110.67.111.171 映 830 0 1293843600 謹賀新年【本】私的年間ベスト10【2010】

あけましておめでとうございます。

兎年の年賀状はこちらです。

特に書くこともありませんので、例年通り昨年読んだ本のベスト10などを以下に。
(今年は順不同)

110.67.111.171 本 829 0 1293670800 7月〜12月読了本

【7月の読了本】

【8月の読了本】

【9月の読了本】

【10月の読了本】

【11月の読了本】

【12月の読了本】

110.67.118.141 本 828 0 1293498000 1月〜6月読了本

【1月の読了本】

【2月の読了本】

【3月の読了本】

【4月の読了本】

【5月の読了本】

【6月の読了本】

110.67.111.171 本 827 0 1283907600 術後経過
9/1
腕がむくむのでマッサージ。走ってないので、体重が64kgを越しちまった。来週くらいから2kmでもいいから走るかな。
9/2
昨日は手術傷の影響で片背中が筋肉痛だった。今日は朝風呂で筋肉をほぐしてから、医者に行く。風呂の効用大なり。ホメオパシなんとかなどより絶対安心確実。
ホメオパシーとやらはきちんと否定されマスコミも伝えているから良いが、これは「民間療法」だったからマスコミも遠慮無く言えたので、これが「宗教的信条」だったら伝えられたかどうか。江戸時代なら「淫祠邪教」として制圧できたのに、不便なことである。
9/7
手術した傷の抜糸。というよりホチキスの針みたいのだから抜針か?まだ肩は青く腫れてるとこに大きく赤い傷が入っているので、一見木魚のようだ。ポクポク叩くわけにもいかないが。
111.217.79.49 身 826 0 1283130000 体内金属抜去手術終了、不思議な麻酔体験

まだ色々と腫れたり縫い目だらけだったりしているのだが、ようやく5日ぶりに退院。

17年ぶりに陽の目を見た8cmの釘2本12cmの針金1本は意外なほどピカピカと輝いていた。

さすがステンレススティール。

*

前回の手術(スキー大失敗による肩骨折)のときは、当然金属抜去よりずっと大手術だったせいもあり、本格麻酔の直前に予備的な注射をされた。それだけでほんわかとしてしまい、手術室に入ったぐらいまでしか記憶がない。

今回はそんな注射もなく、手術室に入り麻酔医の先生と挨拶し、点滴を始められるまで明晰に意識があった。先生がカウントしているのもはっきり聞こえているたのだが、数秒で頭の中がチカチカしたと思ったらブラックアウト。次の意識は声をかけられ手術は終了していた。

ブラックアウトというかシャットダウンというか、まさにドラマで殴られたときの暗転という感じ。もっとはっきりいうと人生の最期はかくあるのかというくらい不気味な体験。

だって、日頃、今眠りに入るぞという瞬間をだれも記憶はしていないでしょう。いつのまにか寝入っているか、気持ちよくなって夢へとフェイドアウトするやさしい日常が眠り。麻酔の眠りは全然違う体験だったのでした。

111.217.79.49 身 825 0 1281834000 ゲゲゲ展

銀座松屋に『水木しげる米寿記念ゲゲゲ展』を見に行く。

原画多数展示につき、興味ある方は行って損はしない。特に妖怪事典の原画の緻密さたるや凄まじい。

グッズがやたらありやたら売れている。鬼太郎と雲竜のTシャツと妖怪トイレットペーパーを買い。私は拭き具合をためしてみたいのだが、つれあいは使わないで取っておくと主張。ケツ拭いてこそトイレットペーパーじゃ!と言いたいところをグッと我慢して「じゃあ1巻を保存用、1巻は拭き心地確認用」などと交渉中。

写真撮影不可につき、画像は私が模写したもの。

帰りはイタリア料理のシシリアで生ビール2杯ずつ。ピザはミックスとチキン、ローストビーフ、蛸とブロッコリーの温サラダ、クリームペンネ、ラザニア。二人でこれはちょっと食べ過ぎ。

*

妖怪と言えば、あるアンケートによれば「一番会いたくないお化け」一位は「口裂け女」だそうな。

しかし「口裂け女」は「幽霊」や「鬼」と同ジャンルなのか?あれは妖怪ではなく、そういう(奇形か怪我か)人間だからこそ怖いのではなかろうか。

111.217.79.49 美 824 0 1280710800 体内金属抜去決定

17年前にスキーで転倒して左肩の骨頭を骨折した。金属で止める手術をして2ヶ月入院したのだが、リハビリも上手く行き、その後痛みもないため、金属も抜かずにそのまま今まで来てしまった。

それがここに来て、どうも調子がよろしくない。時々外れるような感じがして痛む。整形外科をレントゲンを撮ったら、「いつまでも金属を入れといていいはずがありません。抜きましょう」とのこと。今はチタン製など体内に入れっぱなしでにできる素材があるが、17年前ではステンレスだからNGらしい。

やれやれだが、骨や軟骨は問題なしなのでよしとしよう。仕事も色々立て込んでるので26日入院で当日手術ということにする。

これで俺はサイボーグだとは言えなくなる。体から鉄分が減るので、Twiterで使ってる左のアイコンもそろそろ変えようかな。

*

入院に先立ち、収入証明等の手続きに区役所へ。

自分の用事は簡単に済み、フロアも空いていた。ところが帰ろうとした反対側のフロアは行列が長々と続いている。行き先は「保護課」。

おそらく月はじめの生活保護の申請なのだろう。なんだか納めた税金が音を立てて流れだしているのを見るようで、少々げんなりしたのでした。

111.217.79.49 身 823 0 1280538000 スターウォーズとかブルース・リーとか
7/20
スターウォーズは9部作構想だったはずが、6作で終わってしまったけど、構成的には4〜6はむしろ7〜9の方がふさわしい。3と4の間にダースベイダーが皇帝の手先となって悪の限りを尽くし、オビワンが兄妹をかかえて逃げまわる物語でエピソード軽く三つはいけるでしょう。
7/25
日暮里の新しい台湾料理店「金葉」。ビール、紹興酒ロック。◎手製焼豚、○特大餃子、◎フカヒレ小龍包、△揚げ鶏あまだれ、○海鮮おこげ。旨いし、二人で6500円は安い。次は北京ダックや屋台風チキンライスを試したい。
7/27
BSで久しぶりにブルース・リーを見たが、マッハチョコレートを見たあとだと見劣りするなあ。スタントマンの吹き替えも目に付くし、今見ると相手役のサモ・ハン・キンポーの受けがうまいのだとよくわかる。
7/31
浅草の花火、いつも地元の土手から見るのだが、今年はスカイツリータワーと同時に見ることができた。が、曇空と無風でたまる煙のおかげでもう一つぱっとせず。
111.217.79.49 映 822 0 1279501200 ペンタブレットを買って絵を描く

パキケファロサウルス(荒木一成造形)Wacomのペンタブレットを中古で買った。詳細はこちら→物欲日記

リハビリに絵を1枚描いた。上のリンク先のが1枚目。

←Painter11も買ったので描き直して見たのがこちら。まだ全然新しいブラシに慣れません。

111.217.79.49 絵 821 0 1278982800 スピードハヤシライス

先日の参院選。かみさんが選挙管理委員会の立会いのボランティアをやっているので、私は留守番。息子と私の分の夕食を作ることになった。

毎度、カレーや丼物ばかりではなんなので、今回はハヤシライスを作ることにした。カレーライスの親戚じゃんとと言われれば、まあそうかもしれないが。

レシピは数日前に見たNHKの料理番組を参考にちょっとアレンジしたもの。

<材料(二人分)>

<下ごしらえ>

<調理>

  1. 大きめのフライパンにバターを溶かし、牛肉を焼く。
    火が通り焼き色がついて香ばしくなったらフライパンから取り出す。
  2. バターを足し玉ねぎを炒める。
    焦がさないよう、しんなり飴色になるまで炒める。
  3. ニンニクとマッシュルームを入れ、さっと色がつくまで炒める。
  4. 牛肉を戻し、小麦粉をふりかけ、炒める。
    粉くささが消え、香ばしくなるまで炒める。
  5. トマトケチャップを加え、軽く炒める。
  6. 水、醤油を加え、ニンジンも入れる。
    かき混ぜながら約10分煮込む。
  7. 塩、胡椒で味をととのえて→完成。

<完成>

バターが効いていて、なかなかいける。一応二人分だが三人分は軽くある。のだが、息子が3杯おかわりして空っぽになったから、まずまず成功でしょう。

ただ、味のかなりの部分をトマトケチャップが占めているので、次回はケチャップを3分の2位に減らしてもいいかもしれない。

代わりに生トマトを半分位と、水でなくスープにする。赤ワインでも足したらどうかなとか、アイデアはわくが、次回はいつのことやら。

111.217.79.49 食 820 0 1278205200 相撲協会・野球賭博・NHK中継・宮本常一

今読んでいる民俗学者宮本常一の「忘れられた日本人」に書かれている昔の農村のありようが、相撲協会の体質に似ている。

村の政策決定機関は長老たちの「寄合」である。寄合ではある議題が出されるとそれについて話し合うのだが、話し合いは理屈で持論を主張するのでも反対意見を論破するのでもない。議題について、自分の知っていること、言い伝え、親から聞いたことなどをただ話すのだ。途中で話題がそれたり他の議題に移ったりしながらもいつまでも話し続ける。

やがて話題も出尽くしたところで最長老が一番妥当と思われる結論をどうだろうかと提示する。みなが納得すれば決定。しなければまた話が延々と続くが、よほどのことがなければほどほどのところでみな納得する。

多数決でも独裁でもないゆるい決定方法。しか明日から同じ村の隣り合った田畑でときには共同して田植えや稲刈りをして生きていく閉鎖的社会では「角を立てない」ことが公正や効率より重要なのだ。いや、この方法の方が結果的に公正で効率的であったのだろう。

相撲社会は近代的民主主義の多数決論理ではなく、いまだに旧日本的寄合論理で動いているのだ。構成員は利害の対立した競争者であるより、巡業や興行などの(田植えや稲刈のような)村的事業の共同協力する仲間であるのだろう。

見かけは外人力士も大勢いるしグローバル化しているが、外人かどうかでなく力士であるかどうかが問題なのだ。その意味でうまくやっている外人力士はちゃんと相撲村の論理を飲み込んで村の論理で生きている。

その論理の中ではヤクザ屋さんたちも準仲間ぐらいではあったのだろう。「賭博の背後に暴力団がいたとは思わなかった」なんてのは大嘘でしかありえないが、「反社会的勢力」などとは夢にも思ってなかったのに違いない。

それはそれでうまくいってる分には文句をつけられる筋合いではないだろう。

しかし残念なことに、ヤクザは昔のヤクザではなく、とっくに近代化とグローバル化を成し遂げた、単なる「暴力団」に変わっていたのだ。

昔の「ヤクザ」なら、相撲のような持ちつ持たれつの相手にはそれなりの配慮をしていたことだろう。博打で寺銭を巻き上げるのは同じでも、一時の損得だけで力士を追いつめるなんてことはしなかったのに違いない。それどころか、大懸親方のように何千万も借金を背負って「嫁に着物を買ってやることもできなかった」ような窮乏に陥ることのないようにうまく調整したことだろう。百年単位のつきあいで末永く甘い汁を吸い続けようとしたことだろう。

天下の大関を脅迫して金を脅しとるなんて短絡的なことをして金の卵を生む鶏をつぶしてしまったグローバルヤクザのなんと頭の悪いことか。

悲劇的なのは、いまだに相撲協会は相撲取りたちだけが暴力団も含めた現代社会に置いて行かれたことに気がついていないらしいことだ。

相撲協会が外部からの理事長代行を拒否するかどうかで、NHKがどうでるかが興味深い。まあ、結局は理屈をつけて中継するってことになりそうだが、中止した場合の代替番組の用意はすでにしているとのことだ。

どうせなら過去の相撲をずっと再放送するというのはどうだろう。それなら同時間帯の視聴者層の好みにも合うだろう。大相撲ダイジェストが正味20分、年6場所で丁度2時間。過去15年の全取り組みを全て流して過去を慈しむというのはどうだろうか。

私はどうせ見られない時間だからどうでもいいのだが。

111.217.79.49 本 819 0 1274749200 白川郷&高山の旅(3)

やっと晴れ。綺麗な空気の中、前日見残した高山陣屋などを見学。

高山陣屋は今回見た中では、最も印象に残った史跡。いわゆる「代官所」であり、広々とした屋敷の中に「お白洲」「吟味所」など時代劇でおなじみの場所が見られるのだが、大名の城と違い、威圧的な装飾威容はなく、江戸時代の官庁として効率的でシンプルなたたずまいが好ましい。

マネキンで再現しているようなばかげたものを見せられる心配はない。ほとんどが部屋だけで机などもない簡素な展示だが、裃を着けたサムライの姿や彼らの走らせる筆の音などを妄想するだけで十分に楽しい。

帰ってから、アマゾンで「代官の日常生活」(西沢澄男/講談社選書メチエ)を注文してしまう。

昼食はキッチン飛騨のステーキランチで飛騨牛の食べ収め。

食後、高山駅反対側の物産センターでおみやげを買い、帰路へつく。

111.217.79.49 旅 818 0 1274662800 白川郷&高山の旅(2)

一日雨、それもかなりの雨量だが、幸い風がなく、市内を歩くだけなのでさほど苦にはならない。

旧い街並みを保存(再現?)している上三之町などを歩くのは、五感の快楽である。日下部民藝館のような重要文化財ではなくとも、普通の酒屋、味噌屋も広い土間に高い吹き抜けの見事な旧家のまま営業しているところが沢山ある。日本家屋は美しいということを昨日に続き再認識する。

街並みに汚いポスター看板の類は見当たらず、数少ない自販機も黒板で囲って街にさりげなくなじませている。

元々は大名領だったのを、豊富な木材資源目当てで江戸幕府が天領にしたという歴史があるだけに、一位一刀彫などの木工がさかんで、伝統的なものだけでなく、洒落たデザインの木工家具や木工玩具の店も多い。結構飽きません。珍しく物欲が動いて小物を色々買ってしまった。

上三之町の木工家具屋さんで買った、羽ばたくカモメは現在机の上空で飛行中。甲虫マグネット。現在、旧PCのスティールの幹に張り付いている。

昼は一番雨脚の強いときに雨宿り気分で飛び込んだ店で、飛騨牛の陶板焼きを注文。甘みがあって結構なお味でした。

店先のエイリアンとプレデターの見事な金属細工に誘われて入ったお店。店名はたしか「ピーチクパーチク」。なかなか奇天烈なオブジェが売っている。

店内にも等身大より少し小さいエイリアンが支えているガラステーブルがあり、20p程度の色々な金属製のオリジナルアクセサリーが並んでいる。高山在住の地元の工房が作っているらしいが、値段も驚くほど安い。思わず釘の髭を生やし螺子の爪でベアリングの玉をつかんだ黒鉄龍を購入。現在は雲海ならぬ銀色のアルミ製の新PCに上に鎮座している。

夜は宿泊宿の姉妹店、ホテルアルピナの展望温泉で疲れを癒す。宿には外人客も多く、巨体の白人がつんつるてんの浴衣を羽織って、神妙に味噌汁をすすっていた。

110.5.46.129 旅 817 0 1274576400 白川郷&高山の旅(1)

恒例のゴールデンウイーク外しの休暇小旅行、今年は前から行きたかった「白川郷」。

新幹線名古屋駅から高速バス利用で昼過ぎには到着したが、先週まで好天続きだったのが、狙われたかのようなあいにくの雨模様。

雨にも関わらず、駐車場には観光バスが何台も止まり、観光客は多い。さすがは世界遺産だ。欧米人だけでなく、中国人が目立つ。

幸い小ぶりだったので、傘をさしてのんびりと茅葺きの民家の並ぶを見てまわる。

日本の伝統的な家というのは、本当に美しい。外観もさることながら、広々とした屋根裏の(養蚕や機織りの)作業場などを見ると、白土三平の「カムイ伝」の花巻村の情景を思い出して感慨もひとしおだ。

村を囲む、山々の風景がまた美しい。ブナの明るい緑と杉の暗い緑が交互に混じり合う奥深い山を眺めているだけでかなりの時間を過ごせそうだ。

朝食は駅弁、昼食は飛騨牛の串焼きと肉まんでお手軽にすます。

白川郷にも民宿はあるのだが、今回はパスして宿泊は高山市へ。30年前に来たときの高山市はみたらし団子くらいしか名物はなかったのだが、高山市に着いて驚いた。街中飛騨牛料理店だらけではないですか!

当然、宿の夕食も飛騨牛のシャブシャブ。これは口蹄疫でも来た日には宮崎にも負けないほどの阿鼻叫喚の騒ぎになりそうだ。

111.217.79.49 旅 816 0 1272675600 本棚崩壊の危機

(書くのが遅れて以下は4月25日の記事)

あまり物欲が多いとは言えない私だが、本だけはなかなか捨てられずにやたら増えるばかり。多めに見積もっても三千冊程度、井上ひさしの十万冊には及ぶべくもないが、小さな家にとっては相対的な圧迫度はかなりのものだ。

特に二十年以上前に買ったスライド式本棚がかなりやばいことになっている。棚受けの穴がたくさん開いているのをいいことに、手製の棚板を増やし、二重に並べ、容積一杯隙間なく詰め込んだむくい、気がつけば、重さに耐えかねたか、本棚の両側の板が大きく外側に曲がっているのだ。一番たわみが大きい中間部で約7ミリ、今にも棚がはずれそうだ。

「コワイからなんとかして」とカミさんに言われ続けてきたが、直すにも本の収納数を減らさねばどうにもならない。ウチにはタンスの脇に60センチ位の隙間がある程度で、もはや本棚を増設する余地はない。

こんな時に意外と役に立つのは2ちゃんねる。家具インテリア板に「本棚書棚書庫」スレッドがあるのを発見。つらつら読んでみると、30センチ位の隙間でも利用できるスライド式の本棚があるではないか。

通販サイトを検索すると色々あるが、ネットのクチコミ情報によると中国産は値段は安くても強度や出し入れのスムーズさが全く不足しているらしい。

少々高くても日本産にして、その中でも、上部にレールが付いていてぐらつかずに引き出せるという「スライド式スリムワゴン」(本棚チャンネルTV)を2本と2連ボックス買うことにする。

上記2ちゃんねるのスレッドで「フロアリングの床で長く使っていると床が削れて動かなくなる」という情報があったので、保護用にフロアシートも買うことにする。アマゾンで検索してよさそうだったの「【安心の日本製】 床を保護するフロアシート クリア1畳」。

一日がかりで組み立て、シートを敷き、本を収めてみたが、350冊程度の文庫本、新書を移動することができた。

余裕ができた旧い方の本棚は、たわんだ側板に当て木をし、中央の棚板に接着剤とL字金具でがっちり留め直し、なんとか崩壊の恐怖から逃れられた模様。

一連の作業に活躍したのが左の画像の電動ドライバー。「KAKURI PROMATE ミニACドライバー PA-40」。

スリムワゴンのクチコミ情報に「電動ドライバー必須」とあったので、前もって購入しておいたのだが、思った以上に役に立った。ネジを締めたり緩めたりするのは数本ならともかく、何十本となるとしんどい作業だが、まったく疲れずストレスなくかかれるのがいい。値段のわりに力もあり、充電式でないので軽くて扱い易い。

翌週からおこなったニューPCの組み立てでも活躍してくれたのだが、その報告はまたのちほど。

110.5.46.129 本 815 0 1272556800 タマラ・ド・レンピッカ展

緑の服の女美しき挑発/レンピッカ展 - 本能に生きた伝説の画家 -

見に行ったのは29日。場所は何年ぶりだか忘れたくらいひさしぶりの渋谷ブンカ村。


イーラ・Pの肖像緑の服を着たキゼットタデウス・ド・レンピッキの肖像

大好きな画家。何点かはアール・デコ展などで見ているが、個展としては日本初。

内容はリンク先でご確認のこと。

私のベスト3は「赤いチュニカ」「マルジョリー・フェリーの肖像」「マドンナ」。(上の4点とは違います)

意外だったのは、画集で見て、絶頂期の1930年代前半までと比べて随分と落ちると思っていた1940年代以降の作品も、実際に見ると、なかなか素晴らしかったこと。

*

超絶美人のご本人の写真も多数展示。

*

アンドロメダ左も私の好きな一点だが、残念ながら今回は出展されていなかった。

111.217.79.49 美 814 0 1272206364 平凡社大百科事典が捨ててあった

ゴミを出しに行ったら平凡社大百科事典が捨ててあった。古書店でも値がつかないのだろうか。

子どもの頃、家で百科事典を買った時のワクワク感を思い出した。裕福ではなかったので7巻本の中事典だったが。

それ以来、平凡社の百科事典にはお世話になった。宿題調べなんてのにはもちろんだが、ネクタイの結び方なんてのも百科事典で覚えた。

白土三平が小学館漫画賞をとったとき、賞金で念願の百科事典を買った、なんていうエピソードを思い出した。桑田次郎のある作品の恐竜の絵が、百科事典の地質時代の項目の別刷り挿画そっくりなのに気がついて、ああ、桑田次郎も平凡社の百科事典を持っているのだと、感慨深かったり。そういう時代だったのだ。

(恐竜の挿画は動物画では有名な清水勝。ここの恐竜絵を真似した漫画はたくさん見かける。もっともティラノザウルスはゴジラ立ちなので、今は通用しない復元だが)

もちろん今、家には百科事典はない。なんでもネットで検索する。迅速にして広範。ただしかつて百科事典を引いたときのようなワクワク感はない。

アイザック・アシモフの「ファウンデーション」を読み返していると、冒頭が「エンサイクロペディア・ギャラクティカ」(=銀河百科大事典、もっちろん架空)の引用から始まっている。幸いにして紙をめくる描写はないからデジタルなんだろうな。出版社が発行した第百十六版なんて記述があるから、なんとなく紙っぽいのが心配だ。「ファウンデーションの彼方」にたしか図書館が出て来るので、気をつけて読み返してみるとしよう。

123.198.8.66 本 813 0 1268607600 映画「シャーロックホームズ」

MOVIX亀有で「シャーロックホームズ」を見る。

ストーリーはまるで007のような展開、登場するオブジェはスチーム・パンク、ホームズとワトソンは超人的戦闘力の持ち主。

生粋のシャーロッキアンなら激怒すべきところだが、意外とツボは押さえている。

ヒロインは、あのアイリーン・アドラーだし(レイチェル・マクアダムスがコケティッシュで大変結構)、悪役こそ架空の人物ブラックウッド卿(もちろんアルジャーノン・ブラックウッドから名前を取っているのだろう)だが、ちゃんとモリアーティ教授も不気味な姿の片鱗を覗かせる。

ワトスンが片足をひきずっているなどの細かい描写が、シャーロッキアンとはとても言えないが一応全冊読破したファン心をくすぐる。ワトスンはともかくホームズが拳闘と日本武術(バリツ?)の達人であるのも原作通りだ。

こういうのもありである。素直に面白かったし。原作の雰囲気に浸りたければ、グラナダTV版を見ればよい。

エンターテインメントとして面白いことは認めるとして、物足りないところも少々。

ロンドンの街の再現は本当にすごい!……のだが、CGかと思うとあまり感動しないのは困ったものである。

ストーリー展開も非常に早く、短いカット割りの積み重ねでテンポが早い。そのテンポが早すぎてもう一つコクがないのだ。

一つ一つのカットはいいのだが、そのカットを噛み締めているいる余裕がない。感情移入している暇がない。

ロンドンの街並みも、アイリーンの艶姿も、結婚して出て行くワトスンとホームズの感情のやりとりも、もちろんアイリーンとシャーロックの交情も、アクションでさえ、もう少しゆったり味わう時間を観客に与えてくれたら、心に残るものも多かろうに。

単に現代のテンポに自分が追いついて行けなくなったのかも知れないが、そういうことでもない気がしてしかたがないのである。

123.198.8.66 映 812 0 1267884631 「Highslide JS」導入

申年には孫悟空を描き、丑年には牛魔王。西遊記ネタが続きましたが、寅=虎となると悟空に退治されてフンドシにされる位ですので今年は西遊記をはなれて張り子の寅と野生の虎。モノマネ番組に本物登場の風情ですが、はて、ニセ者の方が色鮮やかなのがいぶかしい……日記ページでの画像の表示方法にHighslide JSを導入した。

左のサムネイルをクリックすると、今まではこのページか別ページを開いてそこに全面表示していた。それがズームアップして表示される。クリックすると閉じる。まことにシンプルで見やすいと自分では思っているが、いかがでしょうか。

似たようなツールではLightbox JSLightboxの導入方法とサンプル)が有名だけど、ブラウザ全面を占有してしまうインターフェイスがおおげさで好きではない。

こういうツールの導入のメリットは格好よりも、文章を読んでいてリンククリックで別ページに飛ばされるときの、一瞬とはいえ思考が途切れる不愉快さを回避することにある。画像がズームアップするだけなら元の文書も見えているし、画像を見ながら読み進めることもできる。Lightboxのように画像が前面にしゃしゃりでて本文をグレーアウトしてしまうのでは、他ページに飛ぶのと実質変わらない。

対してHighslideのインターフェイスはシンプルでアカヌケけている。

Me on the moon in 20XX.拡大画像と書いているけど、別にサムネイルとして貼った画像を拡大しているわけではない。単にリンク先の画像をHighslideが提供するウインドウで開いているので、サムネイルはなくてもいいし、別の画像でもいい。それどころかリンク先は画像でなくてもいいので、HTMLでもフラッシュ(SWF)でもよい。同じHTML内に記述した文字列をメッセージボックスのように表示することもできる。

なによりいいのは無料(商用に使う場合は有料)なことと、導入が簡単なことだ。

【設置方法】

  1. ダウンロード
    Highslide JSの「Download」をクリックして最新版をダウンロード。
    (商用の場合は「Buy now」、寄付したい場合は「Donate」をクリック)
  2. アップロード
    ダウンロードしたZIPファイルを展開したファイルの内「highslide」フォルダをそのまま自分のサイトにアップロード。「examples」「images」フォルダはアップロード不要。
    以下の記述例は「highslide」フォルダや画像ファイルがHTMLファイルと同じ階層の場合。環境に合わせて書き換えてください。
  3. ヘッダ
    HTMLファイルのヘッダ部分に以下の記述を追加。
    <link rel=stylesheet href="highslide/highslide.css" type="text/css">
    <script type="text/javascript" src="highslide/highslide.js"></script>
    <script type="text/javascript">
        hs.graphicsDir = 'highslide/graphics/';
        hs.wrapperClassName = 'wide-border';
    </script>
  4. 画像リンク
    画像へのリンクは以下のように記述。
    <a href="[画像ファイルのURL]" class="highslide" onclick="return hs.expand(this)">
        <img src="[サムネイル画像のURL]" />
    </a>

    要はa要素に「class="highslide" onclick="return hs.expand(this)"」を追加するだけ。
    onkeypress属性も追加した方がよいと書いてあるサイトもあるが、画像にフォーカスのあるまま他のキー(PageupとかENDとか)を押すと画像がポップアップしてしまうので、私はおすすめしない。
  5. キャプション
    キャプション(画像の説明)を表示したい場合は以下をa要素の直後に記述。
    (div要素でなくてもpでもspanでもよい)
    <div class="highslide-caption">キャプション</div>
  6. その他の設定
    ポップアップするフォームには色々な効果やコントロールを追加可能。
    ダウンロードしたZIP内の「examples」や公式サイトを参考にしてください。

なお、デフォルトだとポップアップフォームにhighslideのクレジットが表示されるが、JSファイルをカスタマイズすれば簡単に消せる。ファイル内に設定方法がちゃんと記述してあるので消すのはご自由にということだろう。鷹揚なことだ。私は消したが、さすがに気がさしてサイトのDonateをクリックして些少だが寄附をしてしまった。うーむ、北風と太陽の太陽作戦にまんまとはまったのかも。

*

私はなかなか気に入ったけど、HighslideもLightboxでもまだ不満という人もいるかもしれない。そういう人には、LightboxやHighslide以外にも同じようなツールは色々あるようだ。興味ある向きは以下のサイトなどで探して見るのがよろしかろう。

スクリプトいろいろ

110.5.46.129 網 811 0 1266886800 寺島しのぶ「ベルリン映画祭ベストアクトレス」

好きな女優さんの一人なので、めでたい。

剣客商売」のヒロイン三冬大路恵美から寺島しのぶに代わった時は、2ちゃんねるで非難轟々だった。

そりゃあ、寺島さんには大路恵美ちゃんのような萌えはないかもしれないが、長身だから姿はきれいだし、芝居はできるし、なんといっても立ち回り(殺陣)が段違いにうまくて、私は好きだけどなあ。

寺島しのぶ、世界をうならせたのは“脱ぎっぷり”だった
 ↑のような紹介をされるのも、寺島しのぶがちゃんとプロだというだけで、最近の女優が脱がなすぎで、最近の監督が脱がせなさすぎ。監督まで草食系でどうする。

脱ぐべきときに脱がない女優を脱がせない監督が撮ったらどれだけぬるくなるか、ベルリンやカンヌまで行かなくても、例えば新旧「魔界転生」あたりを比べればすぐわかる。

五十代以上の女優さんは松坂慶子大竹しのぶ竹下景子もプロでした。

今だと寺島しのぶ以外だと吉本多香美尾野真千子池脇千鶴ぐらいか。別にグラビア的には見たい裸の面々ではないが、映画のヌードはグラビアのヌードとは意味が違うからね。

そういう意味で蒼井優とか宮崎あおいとか上野樹里とか貫地谷しほりとか、一回でもそういうシーンを演じたら、女優としてもステージが上がりそうな気がする。別に過剰な期待はしてないが。

123.198.8.66 映 810 0 1266714000 河津桜が満開

春遠からじ。

この公園、というか土手には、十何種類かのサクラが植えられている。

これから三ヶ月くらい、順次開花を迎えていくのが楽しみだ。

まあ、花粉が増えてくるのが、うっとおしいことではあるのだが。

127.0.0.1 雑 809 0 1266109200 キーボード購入【NE0100 Realforce91】

いまだに自宅のメインマシンはWindows2000の私は物持ちのいい男だ。マザーボードもCPUもビデオボードも丸10年元気で働いてくれている。

本以外あまり物欲もないので、PCも一度気合いを入れて自分の満足がいくように揃えてしまうと、世間でどんなトレンドが吹き荒れようと興味もわかない。

しかし日々使うものが少々でも納得がいかないと、これは気になる。

日々使うものの代表といえば、キーボードだ。いまや文字を書くという日常の行為はメモ書きか宅配便伝票の受け取りぐらいで、ほとんどの文字はキーボードで「打つ」。

WACOMのペンタブレットと並べる関係上、フルキーボードでは邪魔くさい。大量の数字を打ち込むなんてことは、年に一度の確定申告のときの医療費控除の領収書の転記くらいだ。よってテンキーはいらない。普通の109キーボードからテンキーをはぶいたものがほしいのだが、意外とこのタイプは少ないのだ。

以前はELECOMTK-P292JPWというテンキーレスキーボードを使っていて、文句はなかったのだが、私の不注意(お茶をこぼしたorz)でお釈迦にしてしまった。

あわててヨドバシで買ってきたのは、軽いだけが取り柄のミニキーボード。キーレイアウトがコンパクトに詰込むだけが目的の独自仕様という名の変態レイアウトなのが気に入らない。PageUp、PageDown、Home、Endといった多用するキーがFnキーとアロー(矢印)キーとの同時押ししなければならないのがイラっとする。

毎日使うものなら、いいものを使おう、と思い直し、2ちゃんねるのキーボードスレ、アマゾンやカカクコムのレビューといったネット情報を調べてみる。

どうも、高級キーボードというと東プレ製のRealforceシリーズ一択らしい。もちろん(変態レイアウトでない)テンキーレスタイプもちゃんとラインナップされている。

ということで、結局買ったのが109レイアウトからテンキー部分を除いたスタイルのRealforce91。(109とか91とかいうのはキーの数)

コネクトはUSBとPS2と2タイプあるが、私のマシンのマザーボードBX2000のUSBは1.1しかないので、当然PS2。色は重苦しい黒はいやなのでアイボリーホワイト。

英語配列の86Uというのもあって、こちらはDIPスイッチでCtrlキーとCapsLockキーを入れ替えられるという魅力的な機能がある。どちらにするか迷ったのだが、変換・無変換キーを結構使う上に86UはUSBしかないので断念。

到着してみると、コンパクトなわりにズシリと重い。質実剛健な感じである。肝心なのはキータッチだ。キースイッチが静電容量無接点方式というそうだが、まあ詳しいことはググってもらうこととして、打鍵してみれば違いは瞭然。軽い、小気味良い、疲れない。

税込み15,500円とキーボードにしては高価だがそれだけのことはある。静電容量無接点方式は壊れにくいということなので、じっくり使って元を取ることにしよう。

これで少しはここやそこの更新も増えるかもしれない、などとほくそえんだが、自分の怠惰を棚にあげて道具のせいにしてはいけません。

110.5.46.129 電 808 0 1262394000 謹賀新年【本】私的年間ベスト10【2009】

あけましておめでとうございます。

寅年の年賀状はこちらです。

特に書くこともありませんので、例年通り昨年読んだ本のベスト10などを以下に。

  1. 逝きし世の面影」渡辺京二(平凡社ライブラリー)
  2. 屍鬼」小野不由美(新潮社)
  3. ボヴァリー夫人」フローベール(新潮文庫)
  4. 単純な脳、複雑な「私」」池谷裕二(朝日出版社)
  5. 戦国の村を行く」藤木久志(朝日選書)
  6. 新編日本の面影」ラフカディオ・ハーン(角川ソフィア文庫)
  7. 思ひ出の記」小泉節子(ヒヨコ舎)
  8. 大誘拐」天藤真(角川文庫)
  9. 青い虚空」ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)
  10. カムイ伝講義」田中優子(小学館)

1月〜7月の読了本

8月〜12月の読了本

120.74.180.236 本 807 0 1262217600 大晦日にワイド液晶で絵を描くと

昨日まで仕事だったので、今日一日で大掃除。くたくたです。

年賀状用にひさしぶりにPCで絵を描いたけど、23インチワイド液晶は描きやすい。17インチ×Wディスプレイのときより表示面積は減っているのに?

ちょっと計算してみると、以前は1024X768X2=1572864ドット。

今は1920X1080=2073600ドット。

表示ピクセル数は1.3倍以上になっているのだから当然か。以前はペンタブレットとの関係で絵を描くのに使えるのは3分の2位だったし。

あたりまえといえばあたりまえだが、理屈で納得できるとすっきりする性分。

123.198.11.101 TV 806 0 1262134800 8月〜12月の読了本

【8月の読了本】

【9月の読了本】

【10月の読了本】

【11月の読了本】

【12月の読了本】

120.74.180.236 本 805 0 1261184400 おしゃべりなレストラン 〜ア・ラ・カルト

私事でバタバタしているのだが、命の洗濯に青山円形劇場にて『おしゃべりなレストラン 〜ア・ラ・カルト リニューアルオープン 準備中〜』をいとこ夫婦と四人で観劇。日替わりゲストはROLLY

21年目にして白井晃陰山泰が抜け、高泉淳子ワンマンショーという感。新メンバー山本光洋本多愛也ももちろん腕利きだが、さすがに去年に比べていささか厚みに欠ける感じは否めない。

来年以降、新顔ふたりが高泉淳子と対等に渡り合えるようになるやいなや。

帰りは劇場近くのスペイン料理の店でひさしぶりに呑み会。と言っても4人でワインを白赤一本ずつあけたくらいだからたいしたことはない。鶏のレバーペーストと烏賊墨がグッド。

120.74.180.236 劇 804 0 1259024400 リーマン予想&ポアンカレ予想

BS-hiのハイビジョン特集で「リーマン予想」「ポアンカレ予想」の数学の2大難問に関する番組を連続で見た。

感想は2ちゃんねる実況の以下のレスが端的に著わしている。

「さっぱり意味分かんないけど見てて時間の無駄って気はあまりしない」

「リーマン予想」は素数に関する問題。「素数を使った関数ゼータ関数がゼロになる点は複素平面上の一直線上に現れる(適当なので間違ってたらごめん)」というものだが、番組で一番盛り上がったのは、大学のコーヒールームで初対面の数学者と物理学者の対話。最近の仕事に就いて聞かれた数学者がゼータ関数のゼロ点の間隔の式を見せると物理学者が「これはウラニウム以上の重元素のエネルギー量の式とそっくりだ」という。初対面の会話かい!

「ポアンカレ予想」は宇宙の形に関する位相幾何学(トポロジー)上の問題。150年解けなかった問題の証明がインターネット上に出てるという噂が立ち、世界中の数学者が半信半疑(というより一信九疑ぐらい)で検証してみるが間違いを見つけることができない。

執筆者であるロシアの学者グリゴリー・ペレルマンを招待して講演会が開かれ一線の位相幾何学者が参集する。ところがペレルマンの講演をだれも理解することができない。なぜなら証明は位相幾何学だけでなく微分幾何学や物理学を駆使して行われたからだ。

などと偉そうに書いてるが、私にはさっぱりわからなかった。わからなかったけど、超抽象である数学の究極の二つの難問に、どちらも物理学的世界が関わってくるのがなんだかわからないが面白い。

数学にしても物理学にしても人間が便宜的にカテゴライズしたもので、自然のありようの根本に迫っていけば、通底してくるのはあたりまえなんだろうけど、それにしてもね。

210.153.194.74 科 803 0 1257814800 「マクベス」を見に能登へ(2)

宿泊した「能州いろは」は外観は小さいが、館内は清潔な畳敷きでくつろげる綺麗な宿。

焼魚、温泉玉子、湯豆腐などたっぷりと和テイストの朝食をいただいた後、散策へ。

まずは噂の加賀屋を見学に。

外観やサービスはリンク先のサイトを見てもらうととして、ちょうど団体客がチェックアウトする時間で仲居さんがずらりといならんでお見送りをしている。気のせいか仲居さんも美人を揃えているようだ。なかでひときわ華やかな美貌が若女将であろう。さすがにいい着物を着ている。

広いロビーでは琴の生演奏。奥の土産物エリアへ行ってみると、これが下手なデパ地下よりよっぽど広い。そしていいものを置いている。これでは駅前がさびれるはずだ。

ふき抜けの回廊には人口滝を流し、の中央に空中に吊るされるようにガラス張りのバーがある。ゴージャスというか、知り合いのおばさんが言い間違えたゴージャラスという形容がよく似合う。 (ゴージャスとデラックスとデンジャラスが混じってしまったらしい)

一角には昭和天皇&香淳皇后、天皇皇后両陛下、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、紀宮殿下が宿泊された際の写真がパネルになっている。芸能人の写真を麗々しく飾っている木っ端ホテルとは格が違うわけですな。写真には皇族の方を満面の笑みで案内する紳士が。昨夜蛇の目寿司でお話したあの社長ではないですか!

加賀屋を出て、次は真向かいにある「辻口博啓美術館ルミュゼドゥアッシュ」に。

辻口は地元出身のパティシエ。ご本人のは美術品としてはお笑いだが、漆器工芸家「角偉三郎」の美術館が併設されていてこちらはなかなか素晴らしい。

隣接されているカフェでコーヒーとケーキ、じゃなかったスイーツをいただく。たたずまいから一つ千円以上とかと思っていたらそんなこともなく、地方ならではのリーズナブルなお値段。味はもちろん大変結構でした。コーヒーも旨い。

昼は七尾の食彩市場で海産物をたっぷりとるつもりだったが、加賀屋の土産物屋で意地汚く試食しすぎたのとスイーツのおかげで、あまり腹がへらない。焼き鯖と温泉玉子を日本海を見ながら食するだけにする。

帰路:食彩市場→能登空港→羽田。

120.74.180.236 旅 802 0 1257814800 「マクベス」を見に能登へ(1)

能登演劇堂で無名塾公演「マクベスを見てきました。

羽田→能登空港→和倉温泉。旅館「能州いろは」に荷物を置き、温泉町をひと巡り。

七尾中島の能登演劇堂は650席ほどの劇場だが、背後が直接深い森というロケーションを生かして、舞台後壁の大扉が大きく開いて森に続くという画期的構造を持っている。

開演早々、早速大扉が開き、遠くの森から本物の馬に乗って騎士たちが登場する。

ラスト近く例の「森が城に押し寄せる」シーンでは、森深くで実際に火を焚いた白い煙が上り、生々しい樹の香りが客席まで立ちこめる。大勢の地元のボランティアによるエキストラが支えた「森」が客席に向かって実際に押し寄せてくる。

映画やTVなどでは到底味わえない演劇ならではのスペクタクルを満喫しました。

マクベス劇としては非常にオーソドックス。76歳の仲代達矢は思ったより声も出ていて無難なマクベスだが、最後の殺陣は途中から兜で面を隠してのボディダブル。さすがに年齢的なものを感じる。同じマクベス劇の「蜘蛛巣城」の三船敏郎のような内側から悪がほとばしり出てくる迫力は望むべくもないが、その分人間的優しさや弱さが表現されたマクベスだった。

若村麻由美も迫力はもう一つだが、夫を暗黒面にひきずりこむ美しさと官能性は十分。私の好みもありますが、妖艶なマクベス夫人は演劇的華がありました。

マクベス観劇後、和倉に戻り「蛇の目寿司」で夕食。解禁したばかりのナマコはじめ、ブリもトロも甘いシャリも旨い。安い。

一緒にいった町の名士っぽいおじさんたちとマクベスの話を。若村麻由美さんは稽古期間中も上演期間中も町の清掃のボランティアをしてるそうな。先客が出ていったあとで、蛇の目寿司の主人が「今のは加賀屋の社長だよ」と教えてくれた。加賀屋とは和倉ではもちろん日本一とも言われる旅館。

明日はのぞくだけでものぞいてみよう。

120.74.180.236 劇 801 0 1257642000 記憶スケッチ 「ウサギ」「黒柳徹子」

mixiのアプリ「記憶スケッチ」。2値しか使えないシンプルな絵描きツールを使って、ランダムに出たお題を何も見ずに描く、というのがルール。

早速描いてみたのが次の2点。実は最初に出たお題は「稲葉浩司」だったが、半年ぶりでそれは無理!と思い、パスしました。

【ウサギ】

そもそも絵を描いたのが半年ぶりくらいの上に、はじめてのアプリで筆がうまく動かずあせりました。

しかし、記憶だけで描くとなると、実際に見たりさわった兎はもちろん思い出すけど、やはりデューラーやシートンや手塚治虫(W3)の印象深い兎の絵の記憶がたよりになりますなあ。

【黒柳徹子】

黒柳徹子さんの若く美しいときも知っているのに、絵は妖怪のようになってしまいました。すみません。着物は左前だし。

120.74.180.236 絵 800 0 1257555600 川辺の鳥たちと塔

ゆりかもめたち。

ならんで日向ぼっこ。


鷺と鴨。

鷺はもう一羽いる。つがいだろうか。

鴨はもっとうじゃうじゃ、鴨南蛮100人前くらいいる。

新東京タワー。

目測でその高さ現在200m。

最終的には630mを超すらしいから、当然この画像には収まらなくなる。

120.74.180.236 獣 799 0 1257296400 文化の日はクリムト・円空・運慶

NHK-BShiは終日美術の巨匠特集。さすがは文化の日。

と言っても一日中TVにへばりついているわけにもいかないので、クリムト、円空、運慶のみ視聴。

【クリムト】

日本人でちょっと美術に興味のある人なら誰が見ても琳派の影響を感じ取れる。ウィーンの博物館の学芸員がちゃんと言及していたので、日本人としてはほっとしたが、考えてみれば、日本美術はすばらしいが、世界に影響を与えられるのは近世以前のみなのだよなあ。

【円空】

円空、7歳で母を失い、仏門に入る。32歳にして仏像を彫り始め、諸国を放浪する。30年間に生み出した仏像は12万体と伝えられている。還暦を迎え故郷の寺に三体の仏を寄進したのち、数年五穀を絶ちて自ら墓に入り即身成仏する。

円空にとって彫仏は芸術などではなく自己実現なんてしゃらくさいものでもなく、仏門の者としての行だったのだろうと思う。

ふと思ったのだが、人が小声でしゃべっていることを表わす「ブツブツ」という擬音語。あれは「仏々」なのだろうか。

【運慶】

高野山の八大童子像など、めったに見られないのが見られたり、東大寺阿行像の制作過程の解明など、実にありがたい番組だった。

しかし運慶ファンだという作家藤沢周をはじめとする指揮者や現代美術家等の仏像素人のなんの意味もない長談義には実にいらいらさせられた。いらない、時間がもったいない。もっと修復過程を見せてくれ。

滝山寺の三像(聖観音菩薩立像・梵天立像・帝釈天立像)と円城寺の大日如来座像は一度は生で拝顔したいものである。

120.74.180.236 美 798 0 1256864400 初冬の気配/芥川/平成の毒婦/胃カメラ
10/25
つい2週間くらいまでは、数え切れないくらいいた土手沿いの川辺の黒弁慶蟹。土曜日は一匹しか視認できず。ジョギングの楽しみが一つ減った晩秋の午後。
と思ったら、夏の間はさっぱり見えなかったユリカモメが今日は何十羽も羽根をやすめていた。鷺はアオサギとシロサギが一羽ずつ。河鵜が二羽。
東の空には工事中の新東京タワーが着々と背丈をのばしている。目視で200mに達したくらいだろうか。
初冬の気配であります。
10/26
電車で隣り合わせた中年男性の読んでる本の章題が目に入った。「できる子供に育てる十二の極意」。眉間に皺がより読んでる表情がけわしい。余計なお世話だろうが、このおじさんの子供はなかなかしんどそうである。
10/27
ちくま文庫の「芥川龍之介全集一巻」を読了。「鼻」「芋粥」「羅生門」とかあらためて読み返すのもいとおかし。初読の中編「偸盗」が収穫。芥川がアクション書くのがうまいとは。黒澤明への影響を「藪の中」「羅生門」より色濃く感じる。
10/27
明日のワイドショーは男四人殺しの詐欺女の話題がトップだと思うが、偶然にも今日、風呂で読んだ根岸鎮衛「耳嚢」の一話が砒素で夫を殺そうとする毒婦の話。まあ、こちらは未遂で終わり「おもしろきことゆえここにしるす」と〆られていた。
10/28
定例の胃内視鏡検査。はじめて呑んだのは10年前、4回目ともなると慣れもあり、機器の直径も細くなり、最初のような恐怖感や苦痛もない代わり、エロ触手に襲われる美少女になった妄想にも無縁。まあ、結果異状なしだったのでこんな与太も書いていられる。
10/29
そうか、本は地域通貨と化しているのか。目から鱗が落ちる。では今は江戸末期の改鋳ラッシュというところだろうか。→松岡正剛の千夜千冊〜本の現場
120.74.180.236 本 797 0 1254618000 昭和記念公園のカマキリとコスモス

10cmを超すカマキリを見たのはひさしぶり。写真を撮るより、もっと観察しとくんだった。記録より記憶とは思うのだが。

花も多いが、カメラをもつ人も負けずに多い。あと、犬もいっぱい。

120.74.180.236 獣 796 0 1254445200 キングコング(ピーター・ジャクソン)

TVでピーター・ジャクソンの「キングコング」を見た。

ジャングルの狭い道での恐竜との遭遇、ヒロインをめぐるT-rexとコングの対決、巨木の橋を根扱ぎにして追跡隊を崖下へ放逐、等々元祖オブライエン版(1933)へのオマージュ満載も好ましい。

もちろんCGやセットを含めた描写力は、元祖はもちろん1976年のギラーミン版よりも桁違いに素晴らしい。

が、いかんせんコングがかっこいいのはいいのだが凛々しすぎる。キングコングは多くの暗喩を込めて好色な目でヒロインを見つめなければいけません。

元祖の登場シーンでは、悲鳴をあげるヒロイン、フェイ・レイのカットの直後、コングのギョロ目がアップになるのだが、この目が実に好色な狒々親父そのものなのだ。

1976年版でも、半裸でびしょぬれのジェシカ・ラングを手の平に乗せたコングが吐く息で乾かし、ジェシカが恍惚となるシーンがある。映画としての評価は低いようだが、コング映画の本質はよくわかってらっしゃるようだ。

ひきかえ、最新版コングのナオミ・ワッツを見つめる目は、ちょっとすねてつっぱった少年の目ですな。リアルで健全ですがちと物足りない。

新ヒロイン、ナオミ・ワッツは撮影当時38歳とはとても思えぬ美しさ。エロさではジェシカ・ラング、色気ではフェイ・レイにはかなわないが、親近感のある上品なエロチシズムで十分ヒロインでありました。

120.74.180.236 映 795 0 1254013200 朝青龍は天才だった

大相撲秋場所千秋楽優勝決定戦で朝青龍が白鵬をすくい投げでくだして24回目の優勝。

朝青龍が右下手を深く取り直したとき、あれれと思った。あの体勢なら右の前みつをあおって左上手から攻めるのがセオリーのはず。私が妻に偉そうに説明してると解説の北富士氏も同じことを言っていた。

不利になるかと思ったが、逆をついて見事に下手投げからすくって勝った。私も北富士も天才ではないということだ。こちらはど素人あちらは元横綱だけど、朝青龍に及ばなさ加減では大差ない。

北富士によれば、白鵬も予測できなかっただろうということ。あとから考えれば、朝青龍は一見自分が有利な体勢でも、食い下がったままだと徐々に白鵬に逆転されることを肌で感じて、思い切って勝負に出たのだろう。だが、普通、感じただけではこわくて自分有利の体勢からは思い切ったことはできないものだ。

できるのは、天才です。

120.74.180.236 闘 794 0 1253926800 カムイ外伝@ビッグコミック

9年ぶり掲載の「カムイ外伝」目当てで「ビッグコミック」を買った。漫画雑誌を買うのも9年ぶりだ。(画像はカムイ外伝新作扉絵)

ビッグコミック一冊に料理がテーマの漫画が3本もあった。アメコミに料理漫画があるとは思えない。

それにしてもどの作品もモノクロで旨そうに食材を描く技術はたいしたもんだ。スクリーントーンマジックか。

水木しげるが「遠野物語」を描いている。アシスタントは使っているのだろうが絵が変わっていないのに驚嘆。

逆に「ゴルゴ13」は話はあいかわらず面白いが、絵が劣化している。線にキレがない。抜けがない鈍重な線になってしまっている。スタッフが変わったか、同じ人でも老化したか。それほど好きな絵ではないが、いかにも「劇画」臭い絵が見られなかったのは残念だ。

120.74.180.236 漫 793 0 1253494800 殿様蛙vs黒弁慶蟹

江戸時代の人よろしく、(たいした距離ではないが)浅草寺まで歩いていってみたのだが、その途中、隅田川沿いの水辺にトノサマガエルを発見。

よく見ようと顔を近づけると、私の動きに驚いたのか、カエルではなく、そばにいたクロベンケイガニが横歩きに逃げ、なんとトノサマガエルの顔を踏んづけたではないか!

本来なら「この無礼もの!」と問答無用で手打ちになってもしかたのないところだが、鷹揚な殿様だったようでみずから一歩お退きになっただけでおとがめのご様子はない。

そのままトノサマガエルもベンケイガニも鼻つきあわせたまま微動だにしない。

まあ、悪いのは驚かせた私であるので、写真を撮ると早々に御前をひきさがった。お二方とも失礼いたしました。

120.74.180.236 獣 792 0 1253322000 東京ガールズコレクション

妻と娘とBSハイビジョンで東京ガールズコレクションを見ていた。ファッションもさることながら、長谷川潤が美人だ、山田優がスタイルいい、香里奈は素敵だなどとワイワイ言っていたら、、ラストでスーパーモデル富永愛が登場。

うーむ、高校野球にイチローが出てきたような。「ファッション通信」で他のスーパーモデルと一緒に見ているときはそれほど感じなかったが、ものすごいオーラを発してるのが画面上からでもわかる。

他のTGCのモデルさんたち(美貌は上でも)のゴージャスさがなんか安っぽく見えてきた。本物はすごい。

(画像は当日のものではありません)

私の感想だけではなんなので、傍証として2ちゃんねるの当該番組の実況スレを検索したら、該当時間のレスはこんなんでした。↓


783 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:07.18
富永さんかっけえ

787 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:17.15
レベルが違いすぎだろ

788 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:22.18
余裕だな

790 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:19.31
エラが・・・

791 :こころ :2009/09/19(土) 22:26:28.71
まんが道場の人??

794 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:30.22
今まで出まくってたモデルたちのしょぼさが際立つなあ

795 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:31.41
鳥肌が立つな。見てはいけないものを見たときのように

798 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:38.18
怖いよw

799 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:26:39.59
格が違った

804 :衛星放送名無しさん :2009/09/19(土) 22:27:04.97
別もんだな富永
120.74.180.236 美 791 0 1252976400 ブルー・ワールド

ロバート・R・マキャモン『ブルー・ワールド』(文春文庫)読了。

マキャモンはスティーヴン・キングとデーン・クーンツの中間ぐらいのテイストのホラー&サスペンス小説作家。

キングほどくせがなく、クーンツほど通俗ではなく、ストーリーテリングのうまさは二人より上ではないかと思う。

日本では思ったより人気がないのか代表的な長編が絶版で読めないのが困ったものである。

元々長編作家だと思っていたが、本書は短編集。短編は寡作ながら、なかなかうまい、こじゃれたホラーが楽しめるが、やはり一番面白いのは、長めの中編というかほとんど長編といっていい長さの表題作「ブルー・ワールド」。

ヒロインはバリバリのポルノ女優。彼女に恋してしまうのが敬虔なカソリックの神父。もちろん童貞。連続殺人鬼は出てくるサスペンスではあるが、ホラーというよりべたべたのラブ・ストーリーである。心理描写が実にうまい。のちの傑作長編「魔術は夜ささやく」の前哨的作品として読んでも面白い。

表題の「ブルー・ワールド」はヒロインの故郷の黄昏時の光景の記憶なんていう説明がありますが、まあヒロインの住む世界の暗喩なんでしょうな。ポルノ映画を昔はブルーフィルムなんていいましたから。

しかし、なんでHな映画が「ブルー」なんだろう?日本人の感覚だと、どう考えても「ピンク」だと思うのだが。

で、ググってみると感覚の問題ではなく、米国で法律上その手のフィルムはブルーに着色することが義務づけられていたらしい。

うーむ、これなら間違えてとんでもない映像をお堅い席で上映してしまうなんていう定番のシチュエーションは避けられるというものだ。

ヤザワ某が宣伝してた「ブルーレイ」はもちろんHなディスクではない。

120.74.180.236 本 790 0 1252368600 鬼怒川、ライン下りとソフトクリーム

今年の夏休みは短めにしたので、混雑必至の9月の大連休(シルバーウイークとか言うそうな)前に温泉にでもということで、6〜7日の日月に一泊で鬼怒川に温泉旅行。

鬼怒川の街は、なんだかそこら中に鬼の像が建てられている。造型も悪くはない。まあ、どこでも一緒で芸のないゆるキャラよりはよほどよい。

宿は、できたばかりの大吊り橋のすぐそばというロケーションのホテルサンシャイン。13階という部屋だったので眺めは良い。

天気は晴朗、のんびりとすごさせてもらった。温泉地はあまり繁盛しているとはいいがたいが、日光の世界遺産の影響か、外国観光客もそこそこ見かける。

昼食は二日とも栃木牛を出す店。

二日目は龍王峡の「わらび」で大田原牛ハンバーグと鬱金(うこん)豚ソテー。

「わらび」はたまたま前日山下真二がTVで紹介していたので、えらく混んでいた。番組で褒め上げていたほどではないが、まずまずの味。

それより一日目に昼食を取った、鬼怒川駅前の「ライフ」のローストビーフランチが安くてうまい。

駅前ではもう一つ小さなみやげもの屋でやっているソフトクリームが美味。バニラと「とちおとめ」のミックスがおすすめです。

120.74.180.236 旅 789 0 1252109400 西本願寺10年大修復

NHKハイビジョン特集「世界遺産西本願寺10年大修復を追う

京都の世界遺産・西本願寺の御影堂の10年をかけた大修復の記録。

屋根を支える曲線を描く材木は、その通りの曲がりを持つ原木を四年がかりで全国の山から探し出す。

材木を正確に削るチョウナの美技。

白壁の土は信徒が奉納した藁をつきまぜて3年寝かせる。

寝かせることにより藁が微生物に分解されて細かく均一な繊維になり、ひびわれを防ぐ。

土を塗る際にも、藁の長い繊維を斜めに漉き込み、ひび割れ防止とする。

漆喰は職人の手造り。

ツノマタという海藻から糊を作り、麻の繊維を混ぜ、石灰に練り込む。均一になるよう何時間も足で踏んで揉みこむ。更に和紙を煮たものを混ぜこんで白さを出す。

瓦を作る土は全国5箇所の土をブレンドする。筒状に練った土は紐のように結ぶことができる。ひび割れもちぎれもしない。

収縮乾燥を計算にいれ13%大きく作る。形ができてから焼く前の乾燥に一年かける。

一日三度見回り、手でさわった冷たさの加減で土中の水分のかたよりを判断し、位置や置き方を変えて均一な水分の状態にしてゆく。

一睡もせずに三日かけて焼き、四日間放置して冷やしたあとに窯をあけると、銀色に輝く巨大な鬼瓦が姿を表わす。

120.74.180.236 美 788 0 1250986200 世界陸上マラソン日本団体銅メダル

世界陸上マラソン日本団体銅メダル

日本選手は佐藤敦之の6位入賞がトップなのに、なぜに銅?と思ったら、

  1. :ケニア
  2. :ケニア
  3. :エチオピア
  4. :エチオピア
  5. :ケニア
  6. :日本

なんですね。そりゃあ、日本3位だわ。

というか、上位5人が全部アフリカ勢での6位入賞ってすごい!

100m、200mのファイナルに入ったぐらいすごいよ。

120.74.180.236 ス 787 0 1252418400 ジュリー・アンドリュースの魔法

海苔Pだか唖汚だか知らないが、小汚い人間の起こした薄汚い事件の報道を見たり聞いたりして汚れた眼や耳を清めるのに、ちょうどいい番組をNHK-BSでやっていた。

ザッツ エンターテイナー!よみがえる伝説のステージ−ジュリー・アンドリュース

1993年の日本公演を当時まだ珍しかったハイビジョンで撮影したクリアな映像。ジュリー本人と故アンドレ・プレビンの指揮&ピアノとNHK交響楽団のフルオーケストラというシンプルにして贅沢な構成。

1935年生まれだから58歳のステージのはずだが、信じられない声域と美貌とメリー・ポピンズのまま変わらぬ体形。サウンド・オブ・ミュージックやメリー・ポピンズのナンバーはもちろんだが、ガーシュインのメドレーとリチャード・ロジャースのワルツメドレーが圧巻。歌の合間にほんの少しだけ入る語りが英語の教材のような美しさだ。

一昨年あたりのインタビュー映像もあったが、70歳過ぎとは思えぬ美しさを保っていて、それ以上になんとも聞き易い美しい英語も健在。世界中の英語国民がみんなこういう英語をしゃべってくれたら、日本人もヒアリングに少しは苦労しないで済むだろうと思われる。

今は声帯を痛めて歌手は引退しているが絵本や自伝を出版して、子供たち相手の講演をしているというからイメージのまんまである。一緒にプロデュースしている娘さんというのが、普通の元気なおばさんでスーパースターなおかあさんと同い年のように見えるのが(母親の方が若すぎるのだが)気の毒なような微笑ましいような。

心まで清められたような気分だが、次のライザ・ミネリのショーでちょっと俗な世界にもどしてバランスを取る。といってもこちらもスーパーなステージであることは変わらない。

120.74.180.236 TV 786 0 1249737758 Opera 導入

テキストエディターをWZから秀丸に変えたついでにメールソフトも秀丸メールにしたことは7月20日に書いた。

ブラウザの方は長年IE6のままだが、特に不自由も感じず使ってきた。

ところがYoutubeTwitterなど、よく使うサイトで「InternetExploror6には対応しなくなりますのでバージョンアップしてください」などという失礼なメッセージが表示されるようになった。

こちらはOSがWindows2000なので、バージョンアップしようにも最新のIE7や8には対応していないのだよ。

Win2Kはあと2年がんばるつもりなので、選択肢はIE以外のブラウザしかない。

普通はFireFoxとなるのだろうが、うちの環境では重くなることは間違いない。

ということで、タイトル通りOperaを導入することにした。

導入は別に難しいことはない。公式サイトでダウンロードしてインストールするだけ。あっというまに終わる。

動かしてみるとレンダリングは綺麗だし、動作も軽い。タブ、スピードダイヤル、マウスジェスチャーといったIE6にはない機能も便利だ。

IEのお気に入りをOperaのブックマークにインポートすることも簡単にできるが、これはOperaのインポート機能を使うより、複数のブラウザのブックマークの同期を取る専用ソフト「BookSync」を使うことをお勧めする。

Windowsのスタートメニューのお気に入りを編集して、BookSyncで同期を取っておけば、スタートメニューからサイトを開くのも、Operaのブックマークで開くのも同じ感覚でできるのでストレスがない。

ただしOperaはIEはもちろんFireFoxに比べてもシェアの小さなマイナーなブラウザゆえのデメリットもある。

その最大のものは「Googleツールバー」がOperaに対応していないことだ。他の諸々の機能はどうでもよいが、検索時に履歴や補完候補を自動でプルダウンしてくれる機能は重宝していたのでないのは非常に痛い。

Operaのウイジェット版「Googleツールバー」もあるが、肝心の検索補完機能がないので意味がない。

しかたがないので、Googleのアカウントを取って履歴を使えるようにし、Operaのスピードダイヤルに登録してワンキーで飛べるようにした。常に検索ウインドが出てるより一動作だけ多いが、なんとか同じ機能を使えるようになった。

もう一つアンチウイルスソフトのAVGのリンクスキャン機能もIEとFireFoxにしか対応していないが、これは取りあえずはどうしようもないので、おいおい方策を考えることにする。

次はそろそろADSLから光に切り替えることにしよう。いまさらだけど。

127.0.0.1 電 785 0 1249478509 写楽〜幻の肉筆画

江戸東京博物館写楽〜幻の肉筆画」展に行って、一部で話題の東洲斎写楽の肉筆扇面画を見てきたけど、う〜ん、絵としては同時に展示されていた大首絵の方がはるかにいい。例えば「二代市川門之助の伊達与作」のストイックな線にじーっと顔を寄せて(近眼なので)見るとみなぎる力に圧倒される。

しかし写楽よりも、私は個人的に好きな鳥文斎栄之菊川英山の逸品が見られたので大満足。

栄之は優美な立ち姿の「略三幅対女三之宮」。栄之は元々五百石取りの旗本。今でいえば事務次官クラスが萌え絵を描くようなものか。今よりそのへんはもっと大らかだったのかもしれない。

それより更に絶品なのは菊川英山の「風流夕涼三美人」。色っぽいのなんの。保存状態もいい。会場ひとまわりしたあと、二度も見にもどってしまった。

喜多川歌麿歌選恋之部深く忍恋」「錦織歌麿形新模様浴衣」、柳川重信の「大阪新町ねりもの」(遊女のコスプレ)のシリーズ4点、葛飾北斎の「百物語」が5点。

他にも鈴木春信鳥居清長歌川国貞歌川国芳渓斎英泉といった有名どころの保存状態の良い逸品が揃っているので、浮世絵の好きな人は見逃す手はない。

127.0.0.1 美 784 0 1249392068 夏休みはホラー本とか恐竜本とか

今年の夏休みは特に予定もないので、毎日2kmほど走る以外は家にこもって積ん読本の処理をしている。今は小野不由美の「屍鬼」。夏らしくホラーなのはよいが、ハードカバー2段組み上下巻合わせて1250頁1.5kgというのは嫌がらせとしか思えない。

父親に頼まれた足立恒雄の「無限の考察」が届いた。傘寿を越して整数論を読もうというのはどういう心境か。渡す前にちょいと覗いてみたが、なかなか面白そう。心境もなにも単に面白いからに違いない。

こちらは本を読むのも根気がないので、数十頁も読むと一息いれたくなる。これも以前買って封をあけていなかった「Encyclopedia Prehistorica Dinosaurs Pop-Up」を取り出してながめる。

題名はいかついが子供むけの「恐竜の飛びだす絵本」だ。これがよくできていてなかなか楽しい。(上の画像参照)

文章も子供向けの私でもなんとかわかる英語ながら、内容は結構しっかりしていて面白い。というか私が幼稚なんだろうが、まあいいや。

開くときに、小さくガォーなどと言っているのだから幼稚なことは間違いない。

127.0.0.1 本 783 0 1248702747 宮里藍のキス

ゴルフに興味は全くないんだけど、写真がかっこいいので貼っときます。

127.0.0.1 ス 782 0 1248529858 1月〜7月の読了本【1行感想追加】

今年も半分過ぎたので、読んだ本をまとめてみた。[再]は再読了。

【1月の読了本】

【2月の読了本】

【3月の読了本】

【4月の読了本】

【5月の読了本】

【6月の読了本】

【7月の読了本】

127.0.0.1 本 781 0 1248097799 秀丸エディター/秀丸メール

土手をジョギングでどっぷり汗かく以外は本読むだけの連休。

ただぶっとおしで読み続ける集中力がないので、途中途中でソフトの移行などをする。

先週はテキストエディターを10年ぶりにWZ-Editorから秀丸エディターに変えた。秀丸エディターはインターネットも普及していない時代にパソコン通信のNIFTYのアカウントで購入した。10年も使っていないしパスワードも忘れていたし、再購入しようと思ってメールすると、NIFTYのアカウントはちゃんと生きていて、メールアドレスだけ変えてくれ、即使えた。バージョンアップごとにお布施を要求するソフトばかりの時代に申し訳ないくらいである。

折角なのでメールソフトもいまさらだがOutlookExpressから秀丸メールに変更。秀丸エディターの正規ユーザーはそのまま無料で使えるのだが、決しておまけというクォリティではない。

残念ながらOutlookExpressからの移行はワンタッチとはいかなかった。

まずメールアカウントはiafファイルのインポート機能がないので、手打ちするしかない。まあ、これは少ないからいい。(パスワードを忘れてて冷や汗かいたが)

メールデータもOutlookExpressのDBXファイルを一発インポートというわけにはいかない。1メール1ファイルのeml形式にしなければいけない。OutlookExpressのメール一覧を全選択してエクスプローラにD&Dすればいいのだが、フォルダが沢山あるので結構大変。さいわいOE2(OutlookExpress-To-OE5/6MultiConverter)というツールを見つけたのでこれでemlファイルに一発変換。これをフォルダごとに秀丸メールにインポートした。まあ、ひまつぶしにはちょうどいい。

今日から使い始めたが、OutlookExpressよりはるかに軽快で機能もかゆいところに手が届く感じでなかなか快適。もっと早く変えとくべきでありました。

127.0.0.1 電 780 0 1245937800 チョコレート・ファイター

新宿ピカデリーで『チョコレート・ファイター』を見てきました。

いやあ、これは面白い、というか、すごい!アクション映画好きは必見!!

あの「マッハ!」「トム・ヤム・クン」のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督作品の新作の主人公は、なんと女の子!

能天気なジャッキー・チェン映画とは違って、ストーリーはやや重い。なにしろヒロインはかわいくて強いが、知恵遅れ(サイトだと自閉症だが映画では「脳に障害」だった)という設定だ。そのうえ愛する母は元バリバリのマフィアで今は極貧で白血病。そんなこんなで前半30分はリアルなノワール風味だが、このパートもなかなか良い。後半のアクション爆発に向けてもっと抑えても良かったくらいだ。

肝心のアクションのものすごさはリンク先のトレイラーを見ればわかる。

マッハのトニー・ジャーばりのテクニックとジャンプ力だが、女の子ならではのしなやかさが加わって、その武闘は美しくかつ壮快。

路上でからんできたチンピラと。製氷工場でおっさんたちと。同じく肉解体場で包丁人たちと。宿敵のマフィアと戦う前に3回も半端ないアクションシーンがある。

マフィアたちとのクライマックス決戦はさらにヒートアップ。最後の最後でビルの壁面を使ってのアクロバティックなシーンがあるが、まったくワイヤーもCGもトランポリンもなしで撮ったというのだから、もう言葉がありません。

敵も猛者ぞろいだが、一番の強敵はブレイクダンスのような変な技を使う少年。ビクビク変な動きがあきらかにチック症だ。チック症対自閉症。日本だと文句をつけてくる馬鹿が出そうなえぐい設定だが、これが面白い。

ヒロインのゼン(禅)を演じる"ジージャー"ヤーニン・ウィサミタナンは今年24歳だというが、どうみても16、7歳にしかみえません。

あと、ヒロインの実の父親の日本ヤクザ役に阿部寛。なかなかかっこいい役。

東京では渋谷で1館だけしばらくやっているようだ。もう一回行きたいなあ。

127.0.0.1 映 779 0 1244382556 ターミネイターから人工知能へ

ターミネイター』は一作目が一番いいな。二作目が評判いいが、感動作っぽいつくりがちとうっとおしい。

最近ひまなときや就寝前には人工知能を妄想している。もちろん精密なものではなく、書くはずのない小説のネタ程度だが。刺激と反応と閾値。優先順位の累積。命令の整列。三原則の要素分解。ZZZzzz....

当然、人工知能は周辺機器とのフィードバックを変数として扱い情報として記憶するだけでなく、それによってプログラム自体を修正したりモジュールを追加したりできなくてはいけない。

だから人工知能の容れ物としてのボディも当然妄想する。人工骨格。人工筋肉。人工皮膚。ただ空隙が空気ではつまらない。充填物=ロボットの血を夢想すると妄想がとめどなく広がっていく。

そういえば、映画『エイリアン』に登場するアンドロイドは白い血を持っていた。私の妄想とはちと方向が違うが。

127.0.0.1 映 778 0 1244209675 足利事件とDNA鑑定

DNA再鑑定で不一致、足利事件の菅家さん釈放

なぜか「DNA鑑定を過信してはいけない」みたいな論調が多いのは、おかしい。

当時のDNA鑑定では「800人の1人程度の確率で一致した」という結論がでただけで、一致していないのを一致したと誤ったのではない。当時の科学的情報としては正しい。

当時の精度だと、1億人の日本人のうち12万人は菅家さんと一致するのだ。ちょっと大きい学校なら一人二人は一致するだろう。市内程度のエリアで考えても数十人は一致する(犯人の可能性のある)人間はいただろう。その数字は提示されているのだから、それをどうとらえるかが司法の判断だ。

「当時裁判員制度があったら、私たちはDNA鑑定をうのみにしていいのだろうか」と、頭に虫がわいたようなことを言っているマスコミが多いが、「800人に1人の一致」を証拠の一つとして判断しなければいけないというだけの話しなのだ。難しいには違いないが司法判断とはそうしたもんでしょ。

今の技術なら簡易検査でも数万人に1人、厳密な検査なら1兆人に1人の確率まで精度は上がっている。検体の取り違えなどのおそれを考えて複数回の再検査は必要だろうが、(DNA検査だけが理由の)冤罪の可能性などはほぼないと言っていいのではないだろうか。

逆に言えば、進歩したDNA鑑定だからこそ、冤罪を晴らせたのだとも言える。いくら自白を強要したとしてもDNA不一致という科学的事実は覆せない。

司法関係が反省しなくていけないとすれば、DNA鑑定を採用したことではなく、その後技術が進歩しているのに速やかに再鑑定しなかったことである。

わたしら一般人へのこの事件の1番の教訓は昔も今も「パチンコなんぞに熱中して子供をほったらかしにしてはいけない」ということですな。そんなとこに貢いでも、半島に流れてテポドンになって返ってくるだけである。

あと、公訴時効制度はもう廃止にしてもいいのではないかい。

127.0.0.1 時 777 0 1242704903 山陰道初夏の旅(3)

【足立美術館】

旅館をチェックアウト後、安来の足立美術館(http://www.adachi-museum.or.jp/)に向かう。

安来駅に展示してある安来節の人形が笑える。

足立美術館は地元出身の実業家・足立全康が一代で築き上げたコレクションを展示しているが、なにより有名なのは5万坪の日本庭園である。

「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」、島根の山並みを借景に取り込んで見事に美しい。庭そのものが美術品と言っていいだろう。

しかし、あまりに人工的に過ぎて、虫の声も蛙の声もまったくしない。

……うーん、「2001年宇宙の旅」で最後にボーマン船長がたどりついた幻影の邸宅を連想してしまった。

私が造園に関する知識もないし庭園を見る訓練も全然していないせいか、良さがもう一つわからない。私の単なる好みとしては、松江のハーンの家中屋敷のつつましい庭の方がずっと好きですな。

収蔵品は横山大観をはじめとする日本画のコレクションだが、これはなかなかすごい。幸運なことに「あなたが選ぶこの1点」という人気コンテスト的特別展を丁度やっていたので、代表的な収蔵品をほぼ見ることができた。

なかでも橋本関雪の動物画が秀逸。特に「遅日」が素晴らしい。これが見られて満足しました。

*

安来から米子へ、米子空港からANAで、羽田には18:00には到着。

夕食は羽田空港内の「赤坂璃宮」で黒酢の酢豚セット。値段の割にまずまずおいしくリーズナブルでした。

ということで、今回の旅日記はおしまい。一番印象に残ったのは、松江で見た「小泉八雲」の幻影でしょうか。

127.0.0.1 旅 776 0 1242618459 山陰道初夏の旅(2)

昨日とうってかわって気持ちのよい青天である。

【松江イングリッシュガーデン】

早めに朝食を済ませ、花の庭を見に、松江イングリッシュガーデンへ行く。

「英国式庭園殺人事件」というピーター・グリーナウェイの映画があったなあなどと思いながら人気の少ない良く手入れの行き届いた庭園を散策。

花真っ盛り。やはり旅は春か秋ですな。

【月照寺人喰大亀伝説】

イングリッシュガーデンから一畑電車というローカルな鉄道で松江市にもどり、まずは月照寺を訪う。

小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが松江に住んでいる間、毎日のように散歩し、ここを自らの墓所に願ったという。

この名も姿も美しい寺の奥深くに、巨大な亀がいた。

私たちがその威容をつらつら眺めていると、黙々と落ち葉を掃いていた老人が、故事来歴を色々と話してくれた。こんな言い伝えがあるという。

1760年頃、月照寺の池に住んでいた亀が、夜になると妖力を使って大きくなり、寺を抜け出しては城下の子供をさらって食い続けた。それを知った寺の住職は大きな亀の石像を造らせて、かつての藩主の墓所に安置したところ、池の亀は悪さをすることが無くなったと云う。

この大亀は小泉八雲も随筆に記している。

松平家の藩主が亡くなった後、亀を愛でていた藩主を偲んで大亀の石像をつくった。ところが、この大亀が夜になると城下で暴れ人を食らうようになった。困り果てた住職が深夜、その大亀に説法をすると、大亀は涙を流して住職にこう頼んだという。「わたしにもこの奇行を止められません。貴方にお任せいたします」。そこで亡くなった藩主の功績を石碑に彫り込み、その石碑を大亀の背中に背負わせてこの地に封じ込めたと云う。

実際に前に立つと恐ろしくでかい。まさにガメラだ。石碑の重さだけで2tあるという。石碑がなければ回転して飛んでいきそうである。

寺の美しい池には本物の亀がのんびりと甲羅干しをしていた。あと何百年か生きればこやつも妖力を得て化けるのであろうか。

【玄き城―松江城】

月照寺を出て、お堀沿いに武家屋敷、ヘルン(小泉八雲)宅等を見ながら、松江城に向かう。

広い城趾公園の石垣の路を歩いてゆくと、黒々としたお城の天守閣が見えてくる。往時の登城する侍の気分を味わえてちょっぴり感激である。

白漆喰の城のような華やかさはないが、いかにも不味公のような粋人の殿様が住むのにふさわしい落ち着きのあるいいお城である。

展示されている刀剣甲冑武具の数々もさすが徳川家所縁だけに見事なものだ。城中には籠城のための井戸があり、上層階には石垣を登ってくる敵めがけて石や熱湯を落とす仕掛け窓もある。

しかし、それらの戦力は一度も使われることなく、明治をむかえたらしい。

備えあれば愁いなし。それもよきかな。

【城下町そして宍道湖の夕焼け】

松江城をあとにし、往時をしのぶ舟で掘割を巡り帰路につく。

川端にはアオサギがいたり亀が甲羅干しをしていたり、空を見上げれば必ずといっていいくらい鳶が輪を描いている。城下町といってもまだ自然は残っている。

松江は良い町である。その風情は観光スポットを点でつなぐように見るだけですますには惜しすぎる。川巡りの舟を除けば車やバスはもちろんレンタサイクルさえ使わず、市内はすべて歩いて移動したが、ラフカディオ・ハーンがほれこんだ町のかすかな匂いぐらいは感じられたような。

一っ風呂浴びたあと、宍道湖畔の夕焼けスポットに出かけたが、若干雲がかかって惜しいなり。しかし茜色に染まる湖上の天空、夕闇に沈まんとする嫁ヶ島、湖面に反射する金色の夕陽を満喫。

まあ私のまずい文章より、このあたりの風景はハーンの「神々の国の首都」(『新編日本の面影』所収)にまことに美しい文章で記されているので、一読されたい。

夕食は地ワインで、島根牛陶板焼き(やや小さいが)、鱧の葛椀、鱸奉書焼、穴子蒸物、鯛めし等々。宿自慢の鯛の兜煮を猫またぎになるまでやっつけて満腹であります。

127.0.0.1 旅 775 0 1242487404 山陰道初夏の旅(1)

GWの混雑を避けて休みを取り、島根県に旅行。つれあいが全部計画を立てたので、私は事前にインターネットで飛行機を予約したくらい。日程も前日に頭に押し込んだ。

17日は荒れ模様の天気予報だったがなんとか羽田からJALは無事離陸。しかし出雲空港到着時はかなりの雨になっていた。

【出雲大社の古代巨大神殿】

まずは出雲大社に参拝。普通神社の拝礼作法は二礼二拍手一礼だが、ここは二礼四拍手一礼なので注意。家族の健康と、ここは縁結びの神様なので周囲の独身男女の良縁を祈る。

出雲大社は巨大な〆縄が印象的で、立派な本殿は改修中だったが、高さは24mある。

ところが古代にはなんと48mもあったらしい。

島根県には東京ドームに匹敵する大きさの出雲ドームがあるが、出雲大社の古代神殿をはばかって、高さは伝承の16尺を超えないようにしたという。

画像はCGだが島根県立古代出雲歴史博物館に行くと10分の1の縮尺の模型を見ることができる。さらに50分の1の縮尺で色々な復元仮説による模型もあり、ここは一見の価値あり。

この復元を担当したのは大林組。「古代出雲大社の復元」によれば、もし実際に復元したら6年の歳月と120億円の経費(1989年見積)がかかるそうな。そのくらいでこれだけのものができるなら十分に元がとれそうな気がするが、いかがなものだろうか。

【フランス絵画の19世紀】

出雲大社を出た頃にはますます雨脚が強くなってきたので、予定していたイングリッシュ・ガーデンは明日に回し、島根県立美術館に向かう。昼食も美術館のレストランで取る。

宍道湖畔に建つ広々とした気持ちの良い美術館では、丁度「フランス絵画の19世紀展」が開催されていた。

ドラクロアやミレーももちろん良いが、あまり見る機会のないアカデミズム系の絵が面白い。

「写真のような」描写力や神話や聖書をテーマとする幻想志向物語性は、現在のアメリカン・イラストレーションに引き継がれているなあとつくづく思う。たとえば左の画像はアンリ・レーマンの「預言者エレミヤ」だが、まんまボリス・バレジョーのようではないですか。

他にブルトン「休息」、シャヴァンヌ「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」、デュラン「エルネスト・フェドー夫人の肖像」など。デュランの「ヘベ」は武部本一郎を彷彿とさせるので、見る機会のある方はご確認あれ。本展は6月12日から横浜美術館に巡回する。

【籔内佐斗司/マナカナ】

美術館を出ると雨はすっかり上がり、外に出ると湖畔が非常に気持ちの良い遊歩道になっている。芝生には籔内佐斗司の兎が走っている。

兎の写真を撮っていると、若い団体が楽しそうに歩いてきた。その中の女の子の顔がどこかで見た顔である。しかも同じ顔が二人いる。今春までこの地方が舞台のNHKの朝ドラのヒロインを演じていたマナカナである。

う〜ん、かわいいけど全然普通の子だなあ。オーラがないぞ(笑)。一緒の友人たちも落ち着いた感じなので、大学の友人たちとプライベート旅行かなと思った。あとで宿の人たちに聞いても彼女たちを呼ぶイベントなどはないらしい。

旅行から帰ったあとで、マナカナのブログで確認したら事務所の慰安旅行だったらしい。それにしては全員素朴な感じで業界人臭さは微塵もなかった。

*

宿は「なにわ一水」。湖畔なので眺めは抜群。本日の食事は島根牛のすき焼きをメインにした純和風。汁物は当然しじみ汁。

127.0.0.1 旅 774 0 1241537894 連休中の読書とDVDとドラマ

【ドラマ】

ハゲタカ

NHKで連休中一挙再放送。本放送中見逃していたけど、また、5話の最初30分を見逃したorz

日本でも英米に負けないドラマ作れるじゃないですか。

【DVD】

ウルトラQ

「ゴローと五郎」に生き生きとした素敵なセリフ満載。

【読了本】

127.0.0.1 TV 773 0 1241278583 旧安田楠雄邸庭園

どこに言っても大混雑間違いない連休は近場でまったり。

ということで公開中の千駄木の旧安田楠雄邸庭園を見に行く。(現在は五月飾りの展示中。見事な細工は一見の価値あり)

本格的和建築の中に、大正期らしく、天窓・ガスストーブの暖炉・スレート瓦といった当時の最先端の流行が取り入れられている。

が、その流行部分が瑕疵となっているのは皮肉ではある。伝統的な日本建築の部分は文句なく素晴らしい。というかいかにもすごしやすそうで人間的であります。

安田財閥の総帥の邸宅がいまはナショナル・トラストの持ち物。大震災も大空襲も生き延びた奇跡の屋敷も相続税にはかなわなかったらしい。

文化財としての保存義務を課した上で、相続税を減免するなどの法律がないと、文化なるものはどんどんなくなってしまう。まあ、薄っぺらなることもある意味日本的ではあるけれど。

127.0.0.1 美 772 0 1240067853 米沢守の事件簿


Movix亀有『米沢守の事件簿〜相棒シリーズ〜』を見る。

語るに落ちるというミステリの定番のラストをぴたりときめるのは難しいものだ。

老舗のコロンボやそのフォローワーの古畑でもうならせるようなのはめったにない。

私がいままで読んだり見たりしたミステリーの中で、この落ちが一番見事に決っていたのは、江戸川乱歩の「心理試験」でありましょう。

「決まる」というのは、以下の三要素を完全に満たしていること。

本作は……まあまあ。三要素についてはいずれも60点ぐらいか。

110.67.111.171 映 771 0 1239463018 TV桟敷の休日

独り留守番につき、まったりTV桟敷の休日

NHK-BShi舞台中継「きみがいた時間ぼくがいく時間上川隆也

時間旅行・タイムスリップというのは浦島太郎の昔から、独特の感動を物語に持たせるには格好のSF的テーマだ。演劇集団キャラメルボックスのこの舞台もそこそこ成功しているが、一つ大きな矛盾があるのが痛い。(ネタバレにつき詳述しないが、一つ前のスリップでなぜ成功しなかったがわからない)

*

NHK-BShi 内田吐夢宮本武蔵・二刀流開眼

お通さんの入江若葉がだんだん垢抜けて美しくなってくる。

佐々木小次郎の高倉健がなんというか微笑ましい。

突然谷啓がでてきて達者に笑わせる。

*

NHK-BShi HV特集「浮世絵・本当の色がよみがえる

最近、富山県の農家から大量(380枚以上)の浮世絵の版木が見つかった。しかも広重や国芳などの名品ばかり。

農家の先祖の鉱脈師が江戸のつぶれた版元に残っていた版木を故郷に持ち帰っていたものだという。

鉱脈師は別に好事家だったわけではない。富山に多い薬商人が色刷り版画を薬のおまけにしていたことに目を付け、江戸の一流版木を元に印刷して薬屋に売って大儲けをたくらんだらしい。

ところが(富山まで来るような酔狂な)一流の摺師が見つからずに頓挫。先祖代々蔵に眠っていた版木は邪魔にされ、焚き付けとして他人に渡ってしまう。譲られた人が燃やそうとしたところ、あまりに精緻な彫りに驚いて燃やすのを思いとどまったという、まさに間一髪の危うさ。

おかげでいままで謎だった浮世絵の刷られた当時の色彩の再現が可能になった。

その再現過程の面白いこと、できあがった再現絵の色鮮やかなこと。この方面に少しでも興味があって本番組を見逃した方は、NHK-BShiのHV特集は時をおいてBS2次いでNHK総合で再放送するので、ゆめゆめ見逃すことなかれ。

127.0.0.1 TV 770 0 1238858181 花見と宮本武蔵

ウオーキング&ジョギングがてら東白鬚公園で満開のソメイヨシノと花見客を見物。

*

nhk-bshiで内田吐夢宮本武蔵』『宮本武蔵般若坂の決闘』と見る。傑作なり。

*

2003年の同日(正確には明日だが)の日記にも「花見/宮本武蔵」とある。丁度NHKの大河ドラマが「宮本武蔵」の年でもあった。

年々歳々花相似たり

127.0.0.1 TV 769 0 1238770828 ヤッターマン

MOVIX亀有で『ヤッターマン』を見る。

フカキョンがむっちむちでエロくてエロくてちょっとかわいくて、大画面でドアップで、もうおじさんはたまりません。眼福眼福おなか満タンで120%満足でした。終わり。

*

……気を取り直しズボンを履きなおして感想を書くと、実によくタツノコプロアニメの世界が再現されているなあと。なにより原作へのリスペクトが感じられるのが好ましい。あえて名前はあげないが人気アニメを実写化してコケた作品の共通点は、原作をリスペクトしてるふりをしながら実は「映画が上」目線で作っていることだ。(結果として原作以上を目指すのとは別の話)

CGや美術・衣装で登場人物・事物を再現しているだけではない。

映画に登場する敵メカは3台、最後のラスボスとの戦いを含めて山場は四つ。2時間を4で割ると30分。原作アニメの1週分と一緒だ。つまり、原作とほぼ同じテンポ・リズムまで再現されているということだ。さすがは三池崇史。ギャグはちょっとすべってましたが(笑)

エンドロールのあとに予告編のパロディがあるので観に行く人は見逃さないように。しかしパロディでなくて本当に続編作ってくれないかな。見たいよ、白ドロンジョ様。

127.0.0.1 映 768 0 1237814033 DVD『メトロポリス』を見る

産総研、女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C」を発表。

リンク先は画像が豊富なので、美少女ロボットの仕上がり具合はそちらで確かめていただくこととして、2ちゃんねるでは「俺の嫁キター」とか「この方向で開発していくなら消費税15%までは耐えられる」とか、おおむけ好評のようである。まあ、←の画像のヒップラインはなかなかだとは思います。

とはいえ、私の好みとしては、リアルドール系の顔ではなく、もっとロボットらしいのが望ましい。「コブラ」のレディや空山基のセクシーロボットの系列です。

この系列の元祖といえばなんといっても「メトロポリス」のマリア。

巨匠フリッツ・ラング監督の1927年の無声映画にして、史上初の本格的 SF 超大作。フィルムの4分の1は失われ残った部分も傷みが激しかったのを徹底的に修復したものが2002年にDVDとして発売され、さらに日本語版が2006年に出たのが上記DVDだ。その修復版ははじめてユネスコに世界遺産として認められた映画作品でもあるらしい。

時代のせいもあってSFとしてのストーリーは甘甘だけど、いわゆる表現主義の色濃い未来世界の美術が素晴らしい。主演の女優ブリギッテ・ヘルムの美貌だけではない体をはっての大熱演もあり、クライマックスにかけての盛り上がりはかなりのものだ。

しかしなんと言ってもこの映画の最高の見所は美女ロボット(映画中では機械人間と呼ばれている)の登場シーンだろう。左の画像をじっくりごらんいただきたい。

特にソースを見つけたわけではないが、この造型は東洋の仏像の影響を受けているのではないだろうか。観音菩薩のような姿の機械人間が化ける少女の名がマリアというのも、偶然とはいえ面白い。

機械人間が化けたあとの姿は左の画像。マリア観音ならぬ男たちを惑わす歓楽街の踊り子なのだが、その歓楽街の名が「YOSHIWARA」というのにはちとまいりました。

*

昨年にはさらに「メトロポリス」ファンには嬉しいニュースがありました。

110.67.118.141 映 767 0 1237044821 ユリイカ諸星大二郎特集

ユリイカ2009年3月号『特集=諸星大二郎』読了。

1970年のデビュー作『ジュン子・恐喝』はもちろん、COMの佳作入選『硬貨を入れてからボタンを押して下さい』からリアルタイムで読んできた愛読者としては、いまさら教えてもらうことなど何もない(偉そうですみません)と思っていたのだが、やはり読めば面白い。

なにより漫画評論の方法論がだいぶ変わってきているのが面白い。80年代あたりには全くなかった「絵」(特に描線)についての考察が増えているのだ。所収の評論15本の半分以上がなんらかの形で作者の「絵」から作品構造をとらえようとしている。「絵」に言及していない評論はどんなに難しい理論を展開しても薄っぺらに感じられるほどだ。

漫画に絵が大事なのはあたりまえのことのようだが、90年代くらいまでの、いわゆる漫画評論なるものは文芸評論家・映画評論家・マスコミ系学者の手すさびのようなもので、漫画のストーリーのみを対象に従来の文芸批評映画批評の手法で「分析」したものばかりだったのだ。当然のことながら「絵」に関する考察は皆無だったし、彼ら評論家に「絵」を論ずる能力などありはしなかったのだ。文章の良し悪しがわからずに小説を批評しているようなもんですな。

これが変わってきたのは、やはり夏目房之介の功績だろう。本書で竹熊健太郎の書いているとおり漫画評論は夏目以前以後で大きく区分されるもだと思う。

大二郎の「絵」の不定形な魅力は誰もが認めるところだし、本書の夏目房之介と若手漫画家の対談でもじっくり考察されている。が、その画風には山川惣治などの絵物語の影響があることを最初に指摘したのは手塚治虫らしい。

その手塚治虫が諸星大二郎星野之宣と鼎談を行ったときのエピソードが面白いので紹介しておく。

鼎談の席に大遅刻してきた手塚は連載中の雑誌の編集者を引き連れて現われ、ホテルの壁にゲラを押し当てて校正をしてからやっと席につくという多忙ぶりだった。

さて鼎談がはじまると手塚が星野に質問をした

手塚「あなたは大友克洋の影響は受けてないの」
星野「受けるのが怖くて作品を読まなくなるほど一時は受けました」
手塚「そういえばあなたの○○という作品のその他大勢のキャラクターに大友タッチが入っているね」

星野はそれは聞いて真っ青になるほど驚き、圧倒されたらしい。

これには後日談があり、鼎談の企画者であった竹熊健太郎がそのとき手塚と一緒に来た編集者からその日の裏話を聞いた。

「手塚さんはマネージャーが集めた諸星さんと星野さんの本を会場に向かう車の中でダーッと見ていたんです。おそらく鼎談のときにつっこむポイントを探していたんでしょう」

手塚さんはそういう人なんです、と竹熊は書いている。

これを手塚治虫がせこいとみるか、すごいとみるかだが、まあ、あの多忙の中で、当時は自分よりずっと格下だった若手漫画家に対してこの執着。やっぱり「すごい」に軍配を挙げるしかないでしょう。

110.5.46.129 漫 766 0 1236958364 星新一と松本清張

最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)読了(したのはだいぶ前だけど清張を最近読み返しているので)。

ショートショート作品は名高いが、あまり評伝評論の対象となっていない星新一の実像に迫った労作であることは間違いない。

その中に星新一は松本清張を「清張だけは許せん」と言って憎んでいたという話が出てきた。

清張の短編「石の骨」には星の祖父、小金井良精がモデルの人物が出てくる。在野の人類学者の発見を圧力かけてつぶす学会の重鎮だから、あきらかに悪役だ。

星新一は祖父の日記から、在野の学者(「石の骨」の主人公になった人物)の発見を大いに認めていた記述を発見して、清張の小説の記述は事実無根であるといきまいてる。

星新一から見れば、「石の骨で」祖父を悪役にしたのは清張の安易なご都合主義と見えたことだろう。

だが、実際に良精が圧力をかけたという噂はあったらしい。

事実がどちらであったとしても、在野の学者を学会が認めなかったのは史実だし、その学会という組織を一人の人物を象徴させるのは 小説の手法にすぎない。

しかも、小説自体はフィクションであり、登場人物の名前も違えているし、星の憎悪は(気持ちはわかるが)筋違いなような気がする。

しかしまあ当事者(またはその家族)となるとそうは割り切れんのでしょうなあ。

120.74.180.236 本 765 0 1236583577 キチガイを流行らそう

「生放送の「笑っていいとも!」でゲストの女優が「キチガイ」と話したことに、番組アナウンサーが謝罪する事態があった。一般的に「放送禁止用語」とみられており、テレビ局でも不適切だと判断した。

イタリアでは「仕事をしないで趣味に没頭する人」のことを「サンペー」というらしい。

語源はなんと日本アニメ「釣りキチ三平」だという。

どうせなら、「趣味に没頭する人」は「サンペー」ではなく「キチ」の方で、正しくは「キチガイ」だとイタリア人に教えてやって、正しい日本語を使ってもらいたい。

イタリア人俳優が来日して社交辞令のつもりで「ワタシハニホンノエイガダイスキデス。クロサワキチガイデス(にっこり)」とか言ったりしたら楽しいではないか。

127.0.0.1 言 764 0 1236410713 夢百景:股間大豊作

こんな夢を見た。

陰毛が異常に伸びている。

長さは足先にとどくほど、一本一本も菜箸ぐらいの太さで海底の昆布のごとく繁茂している。

これは切らねばなるまいと園芸用鋏を持っていざ切ろうとするが、なぜか躊躇してしまい、なかなか切れない。

周りを見渡すと、男も女も私と同じように股間に大量に生やして平気でいるではないか。

ズボンの裾からまるで長袴のようにひきずって颯爽?と闊歩している。

で、殿中でござるぞ。

127.0.0.1 夢 763 0 1235892263 半七捕物帳に正蔵あらわる

岡本綺堂を読み直しているが、「半七捕物帳」に次のような一節があった。

娘の執念だとか祟りだとか、飛んだ林屋正蔵の怪談で巧く世間を誤魔化そうとしたんだろう。それで世の中が無事息災で通って行かれりゃあ闇夜にぶら提灯は要らねえ理屈だ。

――光文社時代小説文庫「半七捕物帳(1)」所収「お化け師匠」

今、林屋正蔵と言えばこぶ平のことらしいが、私が物心ついて落語に親しんだ頃、正蔵と言えば、林屋木久蔵(現:木久扇)の持ちネタ「彦六伝」で有名な稲荷町の師匠=林屋彦六のことだった。

彦六=当時の正蔵は芝居噺と並んで怪談噺が得意だったが(私も末広だったか鈴本だったかで聞いたことがある)半七にも言及されているところを見れば、江戸時代から正蔵と言えば怪談噺がお家芸だったのだろう。

それにしては、こぶ平はもとより先々代(こぶ平や泰葉の祖父)の正蔵も怪談噺など一辺もやったことはないようだ。まあ、こぶ平も先々代も下手っぱちだから別に聞きたいわけではないが。

120.74.180.236 笑 762 0 1234966533 五七五なつぶやき

曇天の 堤を走る 二人連れ 足元ピューマ 口からチャイナ

平成の 笑いはドリフを 超えられず 旧作コントに 子等はのたうつ

如月の 真夏日に歩む 土手の路 金髪ジョガーの 汗がまぶしき (いやらしい意味で)

臘梅の 香りを知りし 蔵の街

127.0.0.1 雑 761 0 1234793598 テレビ桟敷の一日〜志乃輔&賢太郎

BS−6『落語研究会』立川志乃輔特集。

いまや柳屋さん喬と並んで独演会のチケットが取れない噺家である志乃輔の落語二本をじっくり二時間。

余計なゲストも出ず、民放でもBSだとこういうちゃんとした番組が少しはある。志乃輔落語、女性に色気が足りないのをのぞけば非のうちどころのない面白さ。

*

NHK-BSハイビジョン『小林賢太郎TV

アイデア・ストーリー・大道具・小道具・ファッション・演技、全てにおいてスタイリッシュな笑い。こういう笑いもあっていい、いやあるべきだと思う。笑いの絶対値はラーメンズの相方片桐仁がいればより大きくなったと思うネタもないではなかったが、その分純度は高かった。

127.0.0.1 笑 760 0 1234361553 女達磨図@栃木市

喜多川歌麿の『女達磨図』を「とちぎ蔵の街美術館」に見に行く。

本図が栃木市の民家で発見され、辻惟雄先生が歌麿の真筆と鑑定したときのドキュメンタリーをNHKで見たが、そのときの状態はかなり痛々しいものだった。(上の図参照)。

作品を500万円で買上げた市が150万円かけて修復したとのことだが、見事に皺や汚れは見えなくなっていた。

他には地元出身の田中一村などなかなか良いものが展示されていた。

*

栃木市は「蔵の町」として宣伝しているが、江戸と川で結ばれた水運で栄えた町らしく、旧く立派な家屋が多く路も広々して気持ちがいい。市街を流れる巴波川には見事な鯉と丸々と太った鴨が群生して、なんとものんびりとした風情である。

中でも旧家岡田家の記念館の別邸「翁島」が素晴らしい。日本建築の粋というか、使用されている木材の美しさと建具職人の技は間違いなく芸術品だと思う。

*

映画「ALWAYS三丁目の夕日」のロケ地にもなった「ALWAYSかまや」というフレンチレストランで昼食。私は栃木牛のフィレステーキ。相方は海老と桜鯛のポワレ。料理も悪くないが、なんといっても店そのものが一見の価値あり。(2番めの画像参照)旧栃木市教育委員会の建物だったらしい。

127.0.0.1 美 759 0 1234022858 浅草飯田屋の泥鰌鍋

私ら夫婦と父と妹で浅草の飯田屋で食事。

一応母の何回忌か。(何回なのか全員覚えていないのがなんだが、とりあえず)

料理のうまいとこではどうしても玉子焼きをたのみたくなる。ここのは甘め。母の作る玉子焼きは甘めだったので、私も妹も母の作ってくれた弁当の玉子焼きの味を思い出す。

127.0.0.1 食 758 0 1233936383 時代劇の美女を見て

時代劇を二日続けて見て思う。似顔絵に描きやすいような特徴を持つことは美女としてはマイナスでも女優としてはプラスではないか。

松たか子(隠し剣鬼の爪)のほお骨と栗山千明(浪花の華)の唇。

栗山千明好きな人は今「浪花の華」を見逃してはいけない。男装の美剣士は栗山千明でありすぎる。

127.0.0.1 TV 757 0 1233763525 つぶやき

5キロのウォーキングから帰って汗をふいている。血圧124。良好。

体重は三ヶ月で10キロ減。これ以上は減らさない方がいいな。

*

で、前回照合文字が読めずに断念したTWITTER入会に再挑戦。なんとか入れたよう。あの文字変形はもう少しなんとかならんのか?というか、変形する必要はないだろうと思う。

*

能面:増阿弥陀作増女の画像をPCの壁紙にする。

優しげな孫次郎オモカゲも悪くないが、私は増女に惹かれる。家族は壁紙を見てびびっている。

*

地球が忘れられた遠い未来。伝説にいわく、人類の始源の星の特徴は例外的なほど巨大な衛星を持つ惑星だそうな。

そうか、お盆のような月を仰げるのは人類の特権なのか。

127.0.0.1 雑 756 0 1232203141 雪松図と能面

三井記念美術館に「―国宝雪松図と能面―展」を見に行く。

雪松図」は以前にも見たことがあるが、応挙の傑作。何度見ても素晴らしい。「松竹梅の屏風」も「雪松図」より小品だが、これも超絶技巧画。

ただ、今回のお目当ては美術館所蔵の「旧金剛宗家伝来能面」54面(重文)全点初公開。さすがに結構な人出だったが、おして行くだけの価値はあった。

特に室町期の女面の微妙な口唇部の曲面はいくら見ても見飽きない。ほぼ実物大に印刷されている図録を買ってきたが、微妙な立体感は本物を目に前にしないとわからない。

能面はあきらかに彫刻作品であるが、純粋に彫刻芸術として独立しているわけではなく「能」という「芸能」あっての存在であることは間違いない。

室町期の能と能面、桃山期の茶道と工芸、江戸期の歌舞伎と浮世絵。現代の「****」と美術or芸術。「****」に何が入るか考えるのも面白い。

127.0.0.1 美 755 0 1231771777 蟹工船・党生活者

Amazon小林多喜二『蟹工船・党生活者』(新潮文庫)読了。

カムチャツカの沖で蟹を獲り、それを缶詰にまで加工する蟹工船「博光丸」。それは、様々な出自の出稼ぎ労働者を安い賃金で酷使し、高価な蟹の缶詰を生産する海上の閉鎖空間であり、彼らは自分達の労働の結果、高価な製品を生み出しているにも関わらず、蟹工船の持ち主である大会社の資本家達に不当に搾取されていた。

情け知らずの監督者である浅川は、労働者たちを人間扱いせず、彼らは懲罰という名の暴力や虐待、過労と病気(脚気)で倒れてゆく。初めのうちは仕方がないとあきらめる者や現状に慣らされた者もあったが、やがて労働者らは、人間的な待遇を求めて指導者のもと団結してストライキに踏み切る。

しかし、経営者側にある浅川たちがこの事態を容認するはずもなく、海軍が介入して指導者達は検挙される。国民を守ってくれるものと信じていた軍が資本家の側についた事で、目覚めた労働者たちは再び闘争に立ち上がった。

(Wikipediaのあらすじより)

「プロレタリア文学の金字塔」ということで食わず嫌いでいたのだが、最近人気だというのをいい機会として、読んでみた。ところが、これが実に面白い。

恐れていたような共産主義理論のお説教もほとんどなく、蟹工船内部の労働者の日常生活や荒海での苛酷な労働の描写がリアルかつダイナミックだ。文章も力強く、無骨だがうまい。ぐいぐい頁を繰らせる力を持っている。

これといった主人公を特定せず、漁夫工夫たちは群像として描かれている。それも理想化された「労働者」ではなく、時代劇の一揆百姓や流れ土方のような描かれ方なのが面白い。船に物売りにくる女たちの尻はさわるわ、若い雑役夫のオカマは掘るわ、宴会ではその子をみんなで廻すわ、猥雑きわまりないあらくれ男たちだ。

個々人の描写が集団に埋もれてしまったのがこの作品の欠点と言われているようだが、その分全体が骨太い印象を受け、この小説に限っては効果的だと思う。

その代わりと言ってはなんだが、監督浅川のカリカチュアライズされた悪役ぶりが目立っている。ラストでもお約束のどんでん返しを食らいおいしいところを持って行く。

*

併載の『党生活者』は日本共産党員としての著者の自伝的小説で、これもスリリングでなかなか読ませる。

戦前だから共産党が非合法だった時代で、家を出、名も姿も変え、各地の工場に潜入してはストライキを主導しては逮捕される生活が緻密に描かれる。

彼らを捕まえようとする特高警察や憲兵隊との虚々実々の駆け引きはリアルなスパイ小説のようである。(この小説が書かれた一年後に著者は特高警察に逮捕され、拷問により死亡する)

蟹工船と異なり、主人公の精神生活や党員仲間の個性もじっくり描かれる。美人の女性闘士の造型などなかなか魅力的である。主人公との心理的関係など隠れた恋愛小説的描写もあってうまいものである。

しかし、理想主義的ではあるのだが、自分達の思想に一切疑念をいだかないのが、あの時代に戦争に反対した唯一の党ということを考慮しても、現代の自分から見ると少々鼻につく。

自分に好意を抱く女と、ただ非合法活動に便利だという理由だけで同棲し、彼女の収入で生活し、彼の影響による言動で職を失った彼女に女給にでもなれと勧める。彼と逢えないで淋しがる彼女を「意識が遅れているから」と軽蔑する。そういった主人公の心理がまったく「批判的でなく」描かれているのがいささか不気味である。

「革命後の社会は革命の進行に内包されている」という意味のことを小田実が書いていたが、社会主義革命の果てに実現したのがソ連邦であり北朝鮮だったことを思えば「党生活者」の果てに来る社会について小説では逆説的に描かれていたという感想は、皮肉に過ぎるだろうか。

210.169.69.162 本 754 0 1230820876 あけましておめでとうございます

年賀イラストはこちらから。

左の絵は下書きです。ひさしぶりに紙に鉛筆で書きました。

210.169.69.162 絵 753 0 1230625041 【本】私的年間ベスト10【2008】

歳の暮れなので例年通り、今年読んだ本のベスト10を選んでみた。

自分が面白かった基準。1位はいまごろ読んだのかという感じだけど、一番面白かったのだからしかたがない。他は、う〜ん、例年より小粒かな。

  1. 細雪」谷崎潤一郎(新潮文庫)
  2. 河鍋暁斎」ジョサイア・コンドル(河出文庫)
  3. 眼中の人」小島政二郎(岩波文庫)
  4. 奇想の江戸挿絵」辻惟雄(集英社新書)
  5. 星新一1001話をつくった人」最相葉月(新潮社)
  6. 夜の来訪者」J・B・プリーストリー(岩波文庫)
  7. 宇田川心中」小林恭二(中公文庫)
  8. ゲゲゲの女房」武良布枝(実業之日本社)
  9. 哀れなるものたち」アラスター・グレイ(早川書房)
  10. ナイフ投げ師」スティーヴン・ミルハウザー(白水社)

他に今年読んだ本は以下の通り(読了順)。数冊は抜けてるかもしれない。