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03/11/24(月) 紅葉
03/11/20(木) 最低映画館
03/11/12(水) 画集を買う:ホッパー、タマラ、ラーソン
03/11/11(火) 女子バレーならやっぱりニッポンチャチャチャだろう
03/11/02(日) 高尾山の巨大ミミズ
03/10/24(金) 『第三の時効』
03/10/20(月) 『働く女、遊ぶ女』展
03/10/18(土) 野村萬歳/甲野善紀〜NHK教育つながり
03/09/29(月) Googleツールバー/DVDの価格
03/09/25(木) 人形展/チャタレイ夫人の恋人
03/09/14(日) 『英雄〜HERO〜』
03/09/09(火) 千夜千冊
03/09/08(月) 野菜泥棒/死刑判決/美女軍団
03/09/03(水) チャールズ・ブロンソンの映画史に残る肉体

2003/11/24(月)紅葉

六義園にて。

見に行ったのは昨日。色付きはまずまずだが、日射しが弱かったため、輝きがもう一つだった。どんな美しい色も光があってこそなのだね。

そんな状態でも、大型のカメラや三脚を持った人でたいした混みよう。あらためて日本人の写真好きを確認。

高そうな機材を持ってない人は、みなさんカメラ付きケータイを掌底突きのようにつき出してパチリパチリ。カメラ業界はデジタルも含め、高級かケータイかに二分化してきたようですな。


2003/11/20(木)最低映画館

曙がK-1に参戦とか、元ハンセン氏病患者の宿泊を拒否したホテルとか、一言書こうかなと思ったネタがないこともないのだが、2ちゃんを覗くと、私が思いついたことなどだれかが必ず書いている。なので、やめときます。

最近見つけて、いっき読みしてしまったサイトの紹介。

最低映画館

いまのところ、「M@STERVISION」、「日のあたらない邦画劇場」とならんで私的三大映画レビューサイトである。

なんたって最低映画だから、まちがっても『マトリックス』とか『グラディエーター』とかのレビューは載っていない。『悪魔のなんたら』とか『地獄のなんたら』なんてタイトルがほとんどだ。一番最近の更新は『ダーティ・キッズ/ぶきみくん』である。監督もスピルバーグタランティーノの作品などは一切ない。エド・ウッドロジャー・コーマンラリー・コーエンといった知る人ぞ知るという顔触れだ。

だけど、こんなサイテーの映画があるんだぜ大笑い、というだけのありがちなサイトではないのは、やはりB級映画C級映画への「愛」があるからだろう。もちろん、愛があったって駄目なものは駄目。通ぶってヘンに持ち上げることはせずに、軽妙な文章でちゃんとこきおろしてくれる。(シベ超とかシベ超とかシベ超とか)

そして、スットコドッコイな映画ばかりの中で、駄目映画B級C級に分類されちゃってるし予算的スケール的にもたしかにB級C級だけど、映画としてはA級よりイイんじゃないという映画が、ほんとにたまぁ〜にある。そういう映画の紹介ページがやはり光っている。

たとえば、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」をこきおろすだけでなく、『ブレア…』が実はパクリで、元ネタの映画の方がはるかに面白い、なんていう紹介そのものが面白い。いや、映画の方は見たいとは思いませんが。

同じく、『X線の眼を持つ男』の紹介ページにこんなくだりがあった。

B級映画の帝王、ロジャー・コーマンは、デビュー当時のジョナサン・デミ(《羊たちの沈黙》の監督)と食事をした際に、彼にこのように忠告したという。「観客を飽きさせないために、始終カメラを動かすんだ」。

サービス精神満点のコーマンらしい忠告だ。彼はいつも観客を意識していた。観客が喜ぶことだけを考えて映画を作っていた。そういう映画は「B級映画」として軽蔑されがちだが、コーマンはそんなこと屁とも思っていない。映画の王道は「大衆の娯楽」であることを確信していたからだ。賞狙いのつまらない映画ばかり撮ってるバカ(北野たけしとか)には、コーマンの爪の垢を煎じて飲ませてあげたい。

毎週『TVチャンピオン』を見たあと、惰性でTV東京の木曜映画劇場を続けて見てしまうことの多い私には目からウロコのサイトだ。でも、紹介されてる映画の90%は本当の駄目映画だから、やはり笑いながら読むのが吉でしょう。

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文藝春秋)、ダン・グリーンバーグ『ブロンドの処刑人』(新潮文庫)読了

2003/11/12(水)画集を買う:ホッパー、タマラ、ラーソン

最近、本屋に寄る回数が激減した。アマゾンなどのネット通販を利用するようになったのが最大の原因だが、会社や自宅の近くにろくな本屋がないせいでもある。

今日はたまたま仕事で霞ヶ関に行ったのだが、霞ヶ関ビル近くの「書原」という書店がまずますの品揃え。ひさしぶりに本棚巡りで愉しんでしまった。

買ったのは画集を3冊。

エドワード・ホッパータマラ・ド・レンピッカカール・ラーソン

いずれもタッシェン・ジャパンという版元のニューベーシックアートというシリーズなのだが、なかなか面白いラインナップでリーズナブルなお値段(1000円〜1250円)。

なかでも、エドワード・ホッパーは好きだなあ。陽光とか深い色とかいうと単純だけど、描かれてる空気の匂いが想像できそうなのですよ。実物をまとめて見たことはないのが残念。ニューヨークのホイットニー美術館がかなり所蔵しているようだ。いつか行ってみたいものです。

タマラは絵も官能的だけど、ご本人もアンニュイな雰囲気のすごい美人。1978年にニューヨークタイムスは彼女を「自動車時代の女神、鋼鉄の瞳を持つ女」と評したそうな。

カール・ラーソンはいかにもオールドアメリカンな画風だが、元々はストックホルム出身の移民なのだね。たまにはこういう明るく健康的な絵も見たくなる。

磯田道史『武士の家計簿』(新潮選書)、ジャレッド・ダイアモンド『セックスはなぜ楽しいか』(草思社)読了。

2003/11/11(火)女子バレーならやっぱりニッポンチャチャチャだろう

選挙もそっちのけで(投票には行きましたが)ワールドカッブ女子バレーを見ている。いやあ手に汗にぎって、家族で絶叫しながら見てるので消化に悪いったらありゃしない。

なかなか日本は強くなって、見ていても楽しいですが、それだけでなく、選手みなさん美形ぞろいで……眼福です。

もちろんトルコやポーランドもモデル級の美人が揃ってますが、日本もどうして負けていない。

2ちゃんの芸・スポ板やバレー板では、おまえら顔しか見てないのかよ、と言いたいくらいの大騒ぎ。でも、私もほとんど彼らと同じこと言いながら見てるなあ。情けなや。

おじさんイチ押しは身長170cmと小柄(なのです)だけどパンチ力のあるアタッカー、高橋みゆき選手です。う〜ん、ほれたぜ。<馬鹿

今日は強敵ポーランドをフルセットで破るすごい試合でしたが、サイドレポート担当の局アナが感極まってインタビューできずに、高橋みゆきたん(娘に「たん」とか言うなとつっこまれてますが)がアドリブでマイクをとって仲間にインタビューするというナイスフォローのおまけつき。→
 しかし、感激したとしても、声が出ないのはプロとして情けないでしょう。

これで中継がださくて下品な演出のフジTVでなくて、NHKなら最高なのですが。(ジャニーズいらねー)

*

しかし、久しぶりの書き込みが、これかよ。

2003/11/02(日)高尾山の巨大ミミズ

今日は天気もいいので、健康的に高尾山に登ってきた。しかし、みんな考えることは同じと見えて竹下通りと見紛うばかりの混みよう。山道を人の列がところてんのように押し上げられて行く。しかも紅葉にはまだ早かったようで色づき加減ももう一つ。

それでも帰りは参道ではなく、尾根側の稲荷山コースを降りると、少しは人も少なくなり山道気分を味わえた。

鳥の声を聴きながら、樹木の匂いに満ちた空気を吸っているだけでいい気持ちになる。鬱蒼と連なる杉木立を見上げるとすぐ白土三平の忍者漫画を連想してしまう。はるか樹上を黒装束に鎖帷子の人間が飛び交っている幻視を楽しみながら歩いていると、浮き上がった木の根に足をぶつけたりして危ないったらありゃしない。連れ合いにたしなめられつつ、足元を見ると側道に異なものがいるではないか。

大きいサイズでミミズを見る

巨大なミミズである。きらいな人もいるかと思い、小さいサイズにしておいたが大きいサイズで見たい方は画像をクリックしてください。太さは確実に私の人差し指ほどはあった。長さは、延ばしてみたわけではないので正確ではないが、30〜40cmか(幅ありすぎ)。

↓ネット検索して見ると、さすがにもっと大きいのがいるものですな。
 50センチのミミズ(四国・徳島県)
 激闘!沢蟹 vs 巨大ミミズ

そういえば、私のこどもの頃は東京でも、雨上がりの時などは20cmくらいの大物があらわれたこともあったな。

グレッグ・イーガン『しあわせの理由』(山岸真訳/ハヤカワSF文庫)読了。


2003/10/24(金)『第三の時効』

図書館で借りた本なので、忘れないうちにレビューをあげておくことにする。

*

横山秀夫『第三の時効』(集英社)読了。著者お得意の連作警察小説。

最近の国産短編ミステリはアンソロジーなどでそこそこ読んでいるのだが、感心するできの作品にはほとんど出会えないでいた。はっきり言ってつまらないのばかり。本書はひさしぶりにミステリ読み始めのころのわくわく感を味わえた最近では稀有の一冊。特に表題作の『第三の時効』は傑作である。

「時効」という法律用語はだれでも知っている。たとえば殺人なら犯行から15年経過すれば官憲に捕まる心配はなくなる。例外として逃亡中に犯人が海外に出国していた場合は時効は停止する。国外に滞在した期間だけ時効になる日が遠のいてしまうのだ。これが「第二の時効」だが、小説やドラマの題材にもされて割合よく知られている事実だと思う。今や、海外にいたことを計算せずに時効を間違えて捕まる犯人なんてのもそうはいないはずだ。しかし、「第三の時効」となるとこれはなかなかわからないだろう。私も意表をつかれました。

この「第三の時効」を仕掛ける楠見という刑事のキャラクターがいい。公安出身の冷血サイボーグ。犯人はもちろん被害者からも仲間の刑事からさえも嫌われ憎まれている。実はいい人だった、などという興ざめな落ちもない。

また、本書の他の作品にも共通していることだが、緊迫した場面の緊張感を盛り上げる文章がうまい。文章がうまいから、意外な犯人などの仕掛けも効果的に生きてくる。

本書の連作短編中には、楠見以外にも個性的な刑事たちが登場して強烈なライバル意識で張り合う。彼らのギスギスした雰囲気が小説に緊張感をもたらしている。彼らを評する上司の述懐が面白い。

私は事件で食ってきたが、彼らは事件を食って生きてきた。

実際にこんな強烈な刑事たちばかりなら、もっと検挙率もあがるのではと思うけど、現実はもっと地味なのでしょうな。

小林泰三『目を擦る女』(ハヤカワ文庫)読了。

2003/10/20(月)『働く女、遊ぶ女』展

昨日の日曜日はサントリー美術館で『働く女、遊ぶ女、日本絵画に見る女性の躍動美』を観た。

秀逸だったのは山東京伝の肉筆美人図『人物図鑑』。写楽の正体とも言われているけど、その描線の切れ味はさすがです。顔の描写も実に色っぽいし、肉筆なので衣装の色合いの深みがなんともいえない。

所蔵は京都細見美術館だそうな。ここはブックマークに入れてチェックしておこう。必ずもう一度見てみたい。

*

美術館を出たあと、赤坂迎賓館周辺を散歩してから帰路につく。この辺は緑が多くて落ち着くが、ごみごみした四谷駅付近に出るといかにも東京な感じがして、別の意味でほっとするのが、妙なものだ。

鹿島茂『妖人白山伯』(集英社)、磯田道史『武士の家計簿』(新潮選書)、ジャレッド・ダイアモンド『セックスはなぜ楽しいか』(草思社)購入。

2003/10/18(土)TV野村萬歳/甲野善紀〜NHK教育つながり

ネットにつなぐのも億劫な日々が続いているが、こんなことではいけない。のんびりあだしごとを書きこめるような日々こそ、心平安なとき。そういう状態をめざさなければいけませんな。

15日は野村萬斎が出る日比谷シティの薪能(たきぎのう)の券をもらっていたのだが、諸事情により行けずじまい。(妻と知人に行ってもらい券を無駄にはしなかったが)

狂言の演目は『蝸牛(かたつむり)』だったそうな。惜しや。ただ、当日は結構冷えこみ、動きの少ない能の途中では、寒さに耐えきれず席を立ってしまう女性客が多かったらしい。能は狂言より科白が聞き取りにくいから、こごえながら見るのはつらいよなあ。

豊臣秀吉などは戦時に包囲した敵城の真ん前に能舞台をしつらえてこれ見よがしに酒宴を張って観劇したそうだ。室町〜戦国の武士たちにはなによりの娯楽だったらしいが、なかなかその実感がつかめない。

*

野村萬斎の狂言なら、先週TVで偶然見ることができた。番組はNHK教育の『能狂言鑑賞入門』。主題は能『八島(やしま)』なのだが、私が見た週はちょうどその中のアイ狂言『奈須与一語(なすのよいちがたり)』の回。『平家物語』で有名な那須の与一が扇の的を射落とす場面を、一人で三役(判官、老臣、与一)を演じ分けて再現する。萬斎の演技を省略抜き、フルでたっぷり15分。父で重要無形文化財の野村万作の解説も含まれて、もちろんCMなしの30分、「陰陽師」への言及など一言もない。贅沢な番組でありました。

見事扇を射落とした与一を判官(義経)がほめそやすのだが、なぜか「ちちすわんちちすわん」と言う。「乳吸わん=乳でも吸ってこい」なのだが、良き働きをした若者に褒美に母に乳を吸わせてもらってこい、とからかっている言葉なのだそうだ。う〜む、ほんとに母親の乳かい?

萬斎は朗々たる語りで、発声に従って首の太さが変わるのがあきらかにわかる。まるで首がスピーカーに変わってしまっているようで、まさに狂言サイボーグだ。

*

三役を演じるのに、くるくると舞台上で場所を移動するのだが、この動きにも流れるような型の美しさがある。これを見た数日後、同じNHK教育の『人間講座〜古の武術に学ぶ』という番組で古武術家の甲野善紀氏の特集を見たのだが、そこで甲野氏が膝立ちで素早く移動する業を見せていた。その動きが萬斎の奈須与一語の動きとよく似ていたのだ。やはり(いにし)えより伝わる和の体技、なのでしょうな。

実は先週『能狂言鑑賞入門』なんてのを見たのは、直前の桐朋学園のバスケットボール部を特集した番組の流れで見てしまっただけなのだが、この桐朋学園のバスケット部が取り入れたのが甲野氏の古武術だ(今は防衛大のバスケット部も取り入れているらしい)。甲野氏も番組に顔を出して解説していた。妙な偶然である。

紅白や大河なぞはいらないが、NHK教育TVはあなどるべからず。

スティーヴン・ミルハウザー『エドウイン・マルハウス』(岸本佐知子訳/白水社)読了。

小林泰三『目を擦る女』(ハヤカワ文庫)購入。

2003/09/29(月)Googleツールバー/DVDの価格

実におでかけ日和の週末だったが、相方が風邪気味のため、近所の買い物ぐらいでまったり過ごす。おかげでたまった読了記が書けたけど、まだ5月分なのだよな。あとは一ヶ月に二ヶ月分ずつ書いていけば年内に追いつくはずだけど、まあそうは机上の戦略通りはいくまい。間をおくとまるっきり内容を忘れてしまっていて往生するが、レビューを書くためにパラパラと読み返すと記憶が蘇ってくる。最近とみに衰え気味の記憶力のためには間をおいて書くのもいいかも。<いいわけいいわけ

Googleツールバーが新しくなったが、これがなかなか便利だ。

Googleのサイトに飛ばなくてもいつでも検索ができるのはいままで通りだが、検索サイトの国を特定できたり、ポップアップ広告をブロックできる機能が追加された。特にポップアップ広告ブロックは別のフリーソフトを使っていたのだが、Googleツールバーの方がずっと使い勝手がいい。

現在表示中のサイト内のみの検索もできるし、シフトキーを押しながらクリックすれば検索結果を別ウインドウで開くこともできる。Windows95〜XP及びIE5.0以上が条件だが、条件があう人にはおすすめ。無料だしね。

最近、海外のDVD通販サイトを時々のぞいているが、たとえばここで『千と千尋の神隠し(SPIRITED AWAY)』を検索すると、19.89$である。運送代が8.95$、合計しても28.84$、今日の為替レート(111.6円)で換算すると3,218円、送料のぞく本体だけなら2,219円である。アマゾン日本だと4,230円だ。比較的安いい〜でじ!! でも3,712円だ。この価格差はなんなのだろう。

日本のADSL環境は現在世界一安くなったらしい。やればできるはずだよね。<こういう人ばかりなのでデフレが止まらない

2003/09/25(木)人形展/チャタレイ夫人の恋人

珍しくここのところ、頭がプログラマー頭になってるので、文章書く気にも絵描く気にもなれずにちと困った。

帰ってくると一切仕事のことを考えずに、家族とTVを見ながら食事して馬鹿話しをして本を読んで風呂入って寝てしまう。それなのに朝起きたとき、ぼーっとしてる頭に(プログラミング上の)アイデアがうかんだりするのだ。無意識に(もしかしたら眠っているときに)考え続けているのだろうか。やだやだ。昔はもっと切換えが良かったようが気がするのだが。これも老化の一種だろうか。

NiftyのCGつながりの友人が出展している人形展にオフを兼ねて行ったのも、もう先々週だ。人形が死ぬほどこわいという参加者がいる珍妙なメンバーだったが、ちゃんと愉しむことができたから立派なものだ。

NIF仲間の作品もはじめて間近に見ることができた。やはりCG描いてたときの眼で見てしまうのだが、これが描き(創り)たかったのだ!というのが、絵よりもくっきり顕れているという印象だった。そういう意味で「人形」という表現には「生な力」がある。そこが「怖さ」に通じるのかもしれない。

こわい人形の話しにもどると、一番メンバーがこわがったのは常設展示の昔の赤ん坊の人形だった。子供の人形はやはりこめられている情念がより濃いのだろうか。もう一つは「肉屋」のドールハウス。なぜに「肉屋」。これに勝つには、レンブラントではないが「解剖学教室」のドールハウスでも造るしかあるまい。

彫刻家とピアノの先生と絶対音感のあるCGの達人と物好きなおじさん(=私)という、なかなか創作意欲を刺激されるオフでありました。(そのわりにあれからなにも描いてないな)

今日の『松岡正剛の千夜千冊』は『チャタレイ夫人の恋人』。あいかわらず充実した解説。やはり名作でありますね。また読み返したくなってきた。ニコール・キッドマン主演で映画化されたりしたら嬉しいのだが、今さら、だろうか。

おこがましいけど、私のレビューのリンクも貼っておく。→『チャタレイ夫人の恋人』(2001年11月の読了記)。

スタージョン『海を失った男』(若島正訳/晶文社ミステリ)、『君の血を』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)読了。

2003/09/14(日)『英雄〜HERO〜』

丸の内ルーブルで『英雄〜HERO〜』を観る。

もちろん、アクションはすばらしいが、ちと荒唐無稽に過ぎるので史劇ではなく神話ファンタジーとして見るのが吉であろう。

ジェット・リートニー・レオンドニー・イェンもかっこいい。マギー・チェンは艶っぽくチャン・ツィイーは美しい。なかでも見所は最初のジェット・リーとドニー・イェンのビュンビュンしなう槍との戦い。次いでチャン・ツィイーの三日月剣とジェット・リーのスライド・ホールのある剣との闘いか。女同士の紅葉黄葉巻き上げての武闘も華麗だが、ややうるさい。

結局、一番眼に残ったのは、ワダ・エミデザインの見事な衣装の色彩と質感だったりする。

クロサワの『羅生門』まがいのストーリーは中途半端。ラストはあそこまで大悲劇にしないで、もう少し爽快に終わらせられなかったものか。

2003/09/09(火)千夜千冊

今日は他のサイトを一つだけ紹介してお茶をにごす。

読書ガイドとして重宝させてもらっている松岡正剛の千夜千冊。といっても私には歯の立たない本がほとんどだが。

本日の一冊は『放送禁止歌』だ。この充実したレビュー内容で無料とは信じられない。しかも毎日。

へっぽこレビューを書かないでさぼっている私に爪の垢を送ってほしい。

アン・ルール『テッド・バンディ(上/下)』(権田万治訳/原書房)、イタロ・カルヴィーノ『むずかしい愛』(和田忠彦訳/岩波文庫)読了。

2003/09/08(月)野菜泥棒/死刑判決/美女軍団

たまには時事ネタを、ということで最近のニュースから。

巨峰400房盗まれる(茨城)新米240キロ盗難(千葉県茂原市)

最近農作物の盗難が多発しているらしい。さくらんぼにはじまって桃やリンゴやはては芋まで、高価な品種ばかりが被害にあっている。

果物野菜を盗むなんて、不況が原因のせちがらい話しだと思われがちだ。バブル期だったら考えられない。現金かせめて貴金属でなければ犯罪は割にあわない。しかし、いくら景気が悪いとはいえ今だってそのへんの事情は変わるまい。一般人が果物を何百キロも盗んでも、腐らせてしまうのがオチだ。

これは割があうようになった=盗品が容易に現金化できるようになったと考えねばつじつまがあわない。おそらく高級野菜果物の裏の売り捌きルートが確立したのだろう。ブツを手にいれさえすれば、自分で苦労して売り歩かなくても、しかるべきところに持ち込むだけで簡単に現金化できるに違いない。

盗品市場が新宿にあるというピッキング窃盗団と問題の根は同じなのだろう。盗品と知りつつ安ければ買う卸売り業者や小売業者がたくさんいるということだ

宅間被告死刑判決…遺族に暴言退廷命令

死刑が抑止力になるのかどうか私にはわからない。わからないが今週のフライデーにのった宅間死刑囚の手紙?を読むと、「更正」が不可能な人間というのはいるのだとしみじみわかる。決して生い立ちや教育だけを原因には求められないだろう。社会人になってからの職業も公務員だったり結構恵まれている。宅間に限らず「刑務所」や「少年院」のルポや体験記などを読むと、おのれの罪を悔いている者などほとんどいないというではないか。

日本の少年犯罪者=触法少年の再犯率は低いというが、成人してからの統計がないのだから(少年院を出た者が成人してから犯罪を犯しても再犯にはカウントされない)なんの根拠もない。三菱銀行北畠支店猟銃強盗事件の犯人が実は少年時代殺人を犯していたことを、私が知ったのは事件後何年もたってからのことだ。当然警察やマスコミは知っていただろうが、われわれ一般人はもちろん知らされていない。犯人に殺された遺族もその事実を知らされていたのかどうか。

北朝鮮「美女軍団」宿舎に侵入し“赤面文書”

美女好きでは人後に落ちない私ではあるが、あの北朝鮮の「美女軍団」は「美しい」とはとうてい思えない。

ロボットのような動き、感情表現、個性のまったくない化粧・ファッション。そのあとTVに映ったヤンキーまるだしの日本女子選手団の方がずっとチャーミングに見えてしまった。(しまったは余計だが)

あの「美女軍団」に熱狂する韓国の男たちはなにを考えているのだろう。君たちが望んでいるのは「統一」ではなくて「合体」ではないのかい。大韓航空機事件なんてのはもう過去のことなのだろうか。ずいぶんあっさりしたものだ。日本に対してもそのくらいあっさり接してくれると助かるのだが。

2003/09/03(水)チャールズ・ブロンソンの映画史に残る肉体

チャールズ・ブロンソン氏が亡くなった。先にいっていた愛妻のジル・アイアランドと再会して仲良くやっているだろうか。それとも再婚したことをなじられているかな。

大脱走』や『バルジ大作戦』『荒野の七人』などのアクション映画の脇役だったが、アラン・ドロンと共演した『さらば友よ』で注目され、初主演した『雨の訪問者』で大ブレークした。

なんて追悼記事がどこにでも載っていたが、ブロンソンにはちょっと思い入れがある。私が洋画を見始めたころちょうど大ヒットしたのが『雨の訪問者』だったのだ。

なんといっても印象深いのはあの鋼鉄のような肉体だ。それまでの映画スターはタフガイやたくましい男というのはいても筋肉隆々タイプはいなかった。カーク・ダグラスショーン・コネリーのような「肉体派」も決してビルドアップされた体ではなかった。

むしろボディビルダーのような体はフリークス的視線で見られていたように思う。発達した筋肉はかっこいいというより滑稽な存在だったのだ。

そのイメージをくつがえしたのがブロンソンだった。ボディビルで造ったような体ではなく、肉体労働(レンガ積み職人)やボクシングで鍛えた筋肉となめし皮のような皮膚を持った「実用的に」美しい体だった。演技や顔より体が注目されたのは、主演映画に必ず上半身裸のシーンがあることでもよくわかる。『雨の訪問者』はもちろん『狼の挽歌』も『ストリート・ファイター』も脱ぎまくりである。当時の観客は「脱がないブロンソン」など認めなかった。

数年遅れてまた「脱ぐヒーロー」が現れる。ブルース・リーだ。そしてついに昔では考えられなかったボディビルダー出身の大スターが登場する。もちろん、アーノルド・シュワルツェネッガーである。彼がスターになれたのは、チャールズ・ブロンソンのおかげ……かもしれない。

「女の肉体の流行」についてはよく語られるが、「男の肉体の流行」についてはあまり語られることがない。しかしここ30年くらいでも、これだけ確実に変わってきているのだ。その流れの中で、チャールズ・ブロンソンの肉体はギラリと光を放っている。

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