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04/10/24(日) 戦中派焼け跡日記
04/10/19(火) 不謹慎と思いつつ笑ってしまったニュースを3本ほど
04/10/17(日) 興福寺国宝展
04/10/10(日) 地上最大のロボット/PLUTO
04/10/09(土) アメリカン・ジョークの世界
04/10/02(土) イチローを見て思う
04/09/28(火) 拾遺
04/09/26(日) ヴィレッジ
04/09/14(火) 石原豪人展
04/09/10(金) 2001年宇宙の旅
04/09/05(日) ハリーポッター/同時代ゲーム
04/09/01(水) 姿三四郎?

2004/10/24(日)戦中派焼け跡日記

Amazonやっと少し余裕ができてきたら、天気がぱっとしない。こんな日はのんびり読書にふけるが極楽。ということで読みかけだった『戦中派焼け跡日記―昭和21年』(小学館)を読む。

戦後最高のエンターテインメント作家、山田風太郎が24歳の医学生だった若き日の日記。どんな時代だったかというと、こんな時代だ。

七時四十分東京駅着、地下道に並ぶ。蜜柑の皮など食い捨てる男をM・P胸ぐらつかんで叱りつけている。言葉分からぬながら日本人はぺこぺこして皮を拾い上げる。

今の日本にはM・Pはいなくなったけど、平気でゴミを食い捨てる人も復活してしまったね。

当時はちょうど新憲法発布直前でもある。若き著者は戦争放棄について懸念を表し日本の将来を憂慮する。

不戦の憲法その試みにおいて壮なるべくその志において美なりとするも、不可避の事を憲法化して世界に公言し、後に至ってこれを破るの他なきに至らば、その事情よし已むを得ざるも世界は之を認めずして、唯法を破るの事実を責む。(略)政者三思四省して千秋の末を想うべきなり。

戦中派不戦日記』、『戦中派虫けら日記―滅失への青春』と読みついできて、常に驚くのはその読書量である。ミステリー等内外の小説をはじめ、古典、漢文、ほぼ一日一冊くらいのペースではないだろうか。医学の勉強はもちろん、疎開先の農作業を手伝い、長文の日記を欠かさない。それなのに自分は生来の怠け者と半分本気で思っているらしいのが困ったものだ。天才なり。

たとえば陸奥宗光の『蹇蹇録』を読んでの感想を引用してみる。敗戦直後の若き純な知識人の思いが伝わってくる。

明治は古し昭和は新し、されど歴史の眼をもってせばその時間的前後は問うに足らず、勝利の明治人の方が敗北の昭和人より遥かに偉大なりしこと決定的なることを知る。而して、例え我田引水自画自賛の気味多少免れずとするも陸奥の俊敏無比の外交家なりしことと、大東亜戦にかくのごとき人なかりしこと――本戦争敗北の真因は、科学の劣等なりしこととともに、外交の拙劣その第一等に属するものにあらざりしかと考う。

この「明治人」という言葉には注がいる。著者はのちにエッセイ(『風眼抄』所収)で「明治人とは時代を創り上げた人々のことであって(略)たいてい文久とか慶応に生まれた人々である」と指摘し、「自称「明治人」こそ、あの未曽有の大敗戦をまねき、戦後においても滑稽なほどの醜態をさらした日本歴史上比類のない骨なしの世代ではなかったか」と評している。

当時の風俗や若き風太郎の思考生活ばかりに興味がいくが、日記に記される日々の自然描写、情景描写が美しい。たとえばこんな朝の風景。

朝霧深し。白々と長るる中に、紫の木蓮、薄紅のシャクナゲの花濡る。霽れて染めたるがごとき蒼空現る。空気透徹して光燦爛と満地に漲り微風快し、梨の花盛り、その樹の下を花散るがごとく白き蝶舞う。無花果、桑の白き枝もその先端に青き固き新芽を巻き出せり、コーヒー色に濡れたる畠土より、エンドウも青き髭を空中にサシ伸ばし有り。白き日の下に蛇ととぐろを巻けり。燕小川の水面を掠め、水浴をなす。椿の花、堆く落ち積みて妖麗なり。苗代の水冷ややかに光り雀おどしの黒き布片微風にゆらぐ。金色の蜂また美なり。

例えばこんな夕刻の情景。

松林の緑暗みて、黄昏に茫と溶けるころ帰る。遠き山脈に残雪ひかり、手凍るがごとし。上限の黄色なる月昇りて、家近くなりたるころ吾が影路上に浮かぶ。

もちろん、日記である。天気や物の値段やその他俗っぽいできごともたくさん書かれている。

十円出したら釣がない。乗客が細かくしてくれて五円五十銭出したら十銭のツリも呉れぬ。女車掌はワニ革の財布のような顔をした少女であったが、ツンツンして生意気不遜極まる。

まだ、本書のあとに刊行されているものだけでも、『戦中派闇市日記―昭和22年・昭和23年』、『戦中派動乱日記―昭和24年昭和25年』と続く。楽しみはまだまだつきない。


2004/10/19(火)不謹慎と思いつつ笑ってしまったニュースを3本ほど

フロッピー2枚、金融庁内で紛失

金融庁は18日、7月末に2金融機関から提出されたマネーロンダリング(資金洗浄)関連の情報を含むフロッピーディスク2枚が同庁内で所在不明となったと発表した。このうち1枚については金融機関と取引した者の氏名や、取引場所、取引相手方の個人情報が含まれていた。

いまどき、フロッピーかい?! というのも驚きだが、バックアップはどうなってるのだろう?この紛失でデータがなくなって追求が不能になってしまったとしたら、大問題。心配がデータの外部流出だけなら、たいしたことはない。迷惑をこうむるのはやばい取引をしたお金持ちの方々。私ら貧乏人には関係ないもんね

パンツ泥棒…福井県警係長の大暴走

“横恋慕”。県警職員の同僚宅に忍び込んだとして、福井県警は19日までに、県警運転免許課行政処分係長を住居侵入の現行犯で逮捕した。同僚宅では以前から、妻の下着が盗まれる被害が相次いでいた。この係長、どうやら美人妻に恋心を抱き、パンツ泥棒に入ったようで…。

(略)課長の妻について、あわら署関係者は「取り立てて美人というわけではないが、明るく好かれるタイプ。それで気に入られてしまったのかも…」と、身内のトホホな事件に困惑している。

下着盗られただけでも大迷惑なのに「取り立てて美人というわけではない」と断言された被害者は踏んだり蹴ったり。これこそ悪質なセカンドレイプではないかいな。今ごろ近所で「あれが取り立てて美人ではないAさんの奥さん」とか言われているのではないか、他人事ながら心配です。

ビッグフットと一年間結婚生活を送った少女の告白

PRAVDA英語版が「ビッグフットと生活していた少女の告白」という、にわかに信じがたい記事を掲載している。これはセントピーターズバーグの精神科医ニコライ氏によって最近明らかにされたもので、彼の担当していたある女性患者の診察記録を文章として書き直したものである。

詳細はリンク先をどうぞ。下手な映画より面白い!まあ、眉唾もののホラ話として聞くのが正解なんだろうけど、これだけよくできた話(謎めいたラストのB級テイストが思い切りツボ)だと無理にでも信じたくなりました、私は。

しかし……2ちゃんだと、ここは「(ビッグフットのではなく)少女の画像、激しくきぼんぬ」というところか。

2004/10/17(日)興福寺国宝展

東京藝大美術館に『興福寺国宝展』を見に行く。くたびれている時はボリュームが小さいこの美術館がちょうどいい。

やはり鎌倉期の木像が良い。(主な出展物の写真十二神将は4体が出ていた。四尺位の小品ながら力感、デザイン見応えがある。2m以上の巨大な四天王像よりずっといい。良く見ると十二神将が「国宝」。四天王が「重要文化財」。露骨に違うものだね。

いつもは四天王に踏みつけられている邪鬼の立像が出ていた。展覧会上期は天燈鬼、今日は龍燈鬼。上目づかいのユーモラスな表情といい、デフォルメされていながら力感たっぷりの筋肉描写(尻!)が素晴らしい。

しかし圧巻はやはり「国宝 金剛力士立像 阿形」だった。憤怒の表情といい写実的かつ劇的な筋骨といい、これだけで十分入場料の価値はありました。

いつも空いている藝大美術館にしては結構な混みよう。父親に話したら「ああ、二回くらい見たな。興福寺だとがらがらなんだけどな」とのこと。それはそうだろうけど、なかなか南都まで気が向いたときに行くというわけにはいかないからね。

2004/10/10(日)地上最大のロボット/PLUTO

浦沢直樹『PLUTO 1 (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル』(小学館)。アマゾンに注文していたのが思ったより早く到着。

掲示板にも書いたように、浦沢直樹の『MONSTER』が私にはもう一つという印象だったので購入を躊躇していたのだが、そんな先入観を吹き飛ばす面白さ。ひさびさにわくわくしながらマンガを読んでしまいました。

原作?である手塚治虫の鉄腕アトム『地上最大のロボット』がB5判で別冊としてついている。(同じB5判のカッパコミクス判なら古書店でとんでもない値段だろうからお得かもしれない)40年近い時代差のある作品を比較するのもなんだが、あえていえば、昭和ガメラと平成ガメラの違いというところだろうか。

原作ではロボット同士の格闘が前面に出ていて、ロボットたちの個性の描写はあっさりとしていた。あっさりといってもそこは手塚治虫、10人近い登場ロボットそれぞれのキャラは見事に立っているのだが、それぞれのロボットの人生まではわからない。そこまで描くことは、当時の雑誌連載マンガでは許されることでもなかったろう。

さすがに平成浦沢版は描写のボリュームが違う。たとえば、プルートウと2番めに闘うノース2号は執事ロボットなのだが、原作と同じ科白にたどりつくまでに、ノース2号と主人の(感動)物語に100頁近くが費やされる。

もちろん手塚治虫の原作にそれだけの行間を想像させる力があるということも言えるのだが、やはり現代のマンガの方が進歩している、というのが正解だろう。これはミステリーでもホラーでも色々な分野についても言える。ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』よりキングの『呪われた町』の方が現代人には面白いだろう。例外は映画かな。ガメラはリメークの方がすばらしい稀有な例だが、あとは『七人の侍』でも『サイコ』でも『グロリア』『ゴジラ』でも、圧倒的に原作の方が面白い。

『PLUTO』も、ロボットの造型だけは手塚治虫の原型の方が力強い。ゲジヒトやアトムは人間と変わらない外見なのでしかたがないが、ノース2号のフォルムなどは原作の方がずっとかっこいい。

人物もうまいのだが、美人系の女性がみんな基本的に「YAWARA」顔でドイツ人に見えないのは『MONSTER』から進歩してないですね。美人でない女性はちゃんと西洋人顔にしてるのだから力不足というわけではないのだろう。

それ以外は文句はない。鉄腕アトム以外にハンニバル・レクターやブラックジャックを彷彿させるキャラも登場して、今後どんなキャラが登場するのか非常に楽しみであります。

2004/10/09(土)アメリカン・ジョークの世界

杉田敏『アメリカン・ジョークの世界―カテゴリーでさぐる笑いの構造』(ジャパンタイムズ)読了。

ジョーク本には目がない。フランス小咄、ユダヤジョーク、ロシアジョークはもとより、中国明朝の『笑府』や日本の古川柳も好物である。しかし何十冊も読んでくると似たような話しが多くなり、斬新なのにはなかなか出会えなくなってくる。

本書は原文でアメリカンジョークが紹介され、続いて邦訳と解説があるという体裁。日本語にしたらわからないだろうという話も載っているので、さすがにほとんどが初見だった。

もう一つの特徴はジョークをカテゴリー別に分けていることだ。冒頭で五つのカテゴリーから代表的なのを30紹介している。この30というのは、アメリカで14,500人を対象に行われた調査に使われたもの。アメリカ人もなかなかジョーク好きだ。

そのアンケートによる好きなジョークのカテゴリー別順位は次のとおり。

  1. sexual joke シモネタ
  2. ethnic joke 人種差別ネタ
  3. hostile joke 自虐ネタ(ヒロシです……)
  4. wordplay joke 地口、駄洒落、言葉遊び
  5. silly joke アホバカネタ
順位は古今東西どこも変わらない感じ。日本だと人種差別ジョークは少ないが、これは鎖国の影響だろう。その代わり地方差別ジョークは多い。

*

一番人気のsexual jokeから一つご紹介。

3人姉妹がそれぞれデートに出かける夕方のことです。

長女「おかーさん、私、ピートと食事に行くわ」

ママ「いいわよ、楽しんでいらっしゃい」

次女「私はランスと踊りにいってくる」

ママ「わかったわ」

三女「私はバックといくの」

ママ「だめ!あなたはうちにいなさい」

これだけだと、なにがおかしいのかさっぱりわからないが、原文は次のとおり。

Three young sisters had dates that evening.

The first one said, "Mother,I'm going out with Pete to eat."

"All right," Mother said, "Have,a good time."

The second sister said, "I'm going out with Lance to dance."

"O.K."

Then the youngest girl said, "I'm going out with Buck tonight."

"No,no," Mother said, "You are not going out."

"Pete to eat"、"Lance to dance"、とデートの相手の名前とデートですることが韻を踏んでるのですね。なのでBuckとすることはだろうということで、お前にはまだ早い!とマミーは思ったのでしょう。

*

不人気のsilly jokeはたしかに面白くないのが多かったけど、中では妙な味が印象的だったのを一つ。

A policeman walked up to a man with a frog growing in his ear.

Policeman: "Sir, what is that thing sticking out of the ear?""

Frog: "I don't know. It started out as a wart."

wart:いぼ。

警官が耳からカエルを生やした男の方へ歩いてきた。

警察官:「あなたの耳から突き出ているのは何ですか」

カエル:「知りません、最初はイボだったのです」

2004/10/02(土)イチローを見て思う

イチロー259安打!84年ぶり歴史変えた

やっと、その瞬間をリアルタイムで見られた。257安打のタイ記録のときには花火があがっただけだが、新記録達成時にはさすがに試合は中断し、チームメートの祝福を受けたあと、イチローは観客席に出向き、前記録保持者シスレーの娘であるご婦人に挨拶、一緒にいた孫だか曽孫だかたちとも握手をかわしていた。なかなかいいシーンでした。

日本のマスコミは昨日の時点であと1本といっていたが、タイ記録までではなく、新記録まであと2本がやはり普通の感覚だろう。なぜあんなカウントダウンの仕方をずっとしていたのだろう。

それはともかく、あらためて見てみるとイチローはまずまずハンサムである。
松井秀喜ゴジラにしこりだけど、男らしいいい顔をしている。野茂も仏頂面のイメージが強いが決して醜男ではない。長谷川は髪が薄い弱点に目をつぶれば美男といってもいいだろう。

小泉首相を除けば世界のマスコミにもっとも露出する日本人である大リーガーたちが、見てくれがよろしいのは偶然とはいえ、喜ばしいことではないだろうか。木田石井松井稼田口……微妙ではあるが。

その意味で新庄が日本にもどってきてしまったのは、惜しかった。あとは中村紀が日本球界に骨をうずめてくれることを祈るばかりである。

2004/09/28(火)拾遺

成田真由美が競泳で7冠』って、普通にすごくないか?イアン・ソープなみじゃないか。

これがパラリンピックでなくてオリンピックだったら、間違いなく国民栄誉賞だろう。というか、私が小泉首相だったら総理大臣賞だすけどね。

アテネオリンピックの「栄光への掛け橋だ」で職人芸を見せつけたNHKの刈屋富士夫アナ。相撲中継でも地味に小技を出しているのだね。

力士紹介で「出る出る出島」ってのはなんだよ。笑っちゃったじゃないか。

2004/09/26(日)ヴィレッジ

日劇PLEX『ヴィレッジ』。

ナイト・シャマラン監督の作品は『シックス・センス』にしても『アンブレイカブル』にしても、私には決して損をしない映画という安心感がある。売り物のサプライズ・エイディングと叙述トリックは常に賛否あるが、私が好きなのはむしろ語り口の方だ。カメラワークは心地よいし画面作りも丁寧だ。サスペンスフルな雰囲気を盛り上げていく編集、カット割りがうまいし、無駄なカットがない。

本作では、アンドリュー・ワイエスの絵を思わせる今世紀初頭のアメリカの農村風景が素晴らしい。実際ロケ地はワイエスの居住地のすぐ近くらしい。シャマラン監督初のラブストーリーという触れこみだが、旧弊な村が恋愛の背景となっていることでロマンチック感がいや増します。ヒロインの女優さんがやけにうまいと思ったらロン・ハワード監督の娘なんだね。

ただし、売りのどんでん返しの方はあまり効いていなかった。私が無心に見ていれば結構驚いたのだろうけど、見ながら「この村は本当は[]だった」なんていう余計な先読みをしたのが良くなかった。全然当たっていなかったけど、いらない想像をした分、驚きが半減してしまった。シャラマン監督の映画を見るときは無心で行くことを薦めます。(自戒)。

恒例の監督自身のカメオ出演はこれまた恒例の鏡映像との合わせワザ。ちょっとわかりにくいのでご注意。(一緒に行ったつれあいは気がつかなかったらしい)

ここひと月ばかり、頭ん中がVBとPERL(と少しC)で一杯で他のことを考える余裕がありません。絵を描くこともできない。この状態もあと2週間程度で楽になる(なってほしい)予定なので、更新もそのあとにはなんとかしたいです。

2004/09/14(火)石原豪人展

弥生美術館で開催中の『石原豪人展』に行った。9/12(日)

一世を風靡した挿絵画家だけど、私には少年マガジンなどの「大図解口絵シリーズ」やプラモデルの箱絵が懐かしい。初期の時代物は岩田専太郎を俗っぽくしたような画風。後年は劇画やアメリカンイラストっぽくなる。ノーマン・ロックウエルが好きだったらしい。

なにを描いても怪奇性とエロスがただようけど、過剰ではない。平明でわかりやすく、思想的なところやカルト的なところは全くない。いかにも職人的な画風である。そこが好きなのだがね。

いっとき、あまりに「濃すぎる」画風が売れなくなって、SM雑誌や「さぶ」などにも描いていたという。「仕事に貴賎はない。仕事を差別しない人間こそ本当に高級なんだ」なんて言ってなんでも描いたらしい。どんなものでも描けるし、どんな題材でも絵が描ければそれでよし、という人だったようだ。究極の職人だね。さぶの「美青年」絵もうまいんだけど、内藤ルネのような「その趣味の人」らしさは全然感じない。

だれにでも薦められるというような展覧会ではないが、私はひさしぶりの石原豪人をたっぷり堪能しました。講談社は「(少年マガジンの)大図解百科シリーズ」を復刻しないかなあ。当時の少年雑誌にはアイドルの水着写真は絶対載っていなかったけど、大伴昌司監修、石原豪人絵の大図解シリーズを毎週読めた少年時代は、結構ゴージャスだったと思います。

2004/09/10(金)2001年宇宙の旅

BS映画劇場『2001年宇宙の旅』。

今週のBS2の映画劇場はSF映画特集。1958年の『禁断の惑星』(ロビー!)から『エイリアン』(リプリー!)の1〜3、そして『2001年〜』というラインナップ。なんだかんだ全部見てしまった。

スターウォーズ』が1977年製作だから、1968年の本作は『禁断の惑星』とのちょうど中間に位置する。

しかし特撮のリアルさは、『禁断の惑星』とは雲泥の差で、映像の見事さは『スターウォーズ』にも遜色ない。ゆっくりとした時間の流れが感じさせてくれる宇宙空間の広さは、最近のテンポ優先のCG映画からは得られないものだ。

もう、何回見たか忘れたぐらいだが、ディスカバリー号内部の美しさは何度見ても見飽きない。スタイリッシュな未来(あれ、2001年はもう「過去」なんだ)像は、もう美術品だね。

ただし、後半木星についてからの幻想場面はさすがにだれる。あそこを今のCGでなんとかしたら完璧なんだけど、まあ、ないものねだりですな。

2004/09/05(日)ハリーポッター/同時代ゲーム

丸の内ピカデリー『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。

冒頭からのダークな雰囲気とホラー風味はなかなかいいのだが、脚本がなんだかぎこちなくてのれなかったなあ。ハリーの笑顔で終わるわりにカタルシスも感じれられないし。

なんたらサウンドシステムとやらでドカンドカン低音が響く上にクライマックスでは、椅子までぐらぐら揺れ出してこれは凄いシステムだと思ったら、なんと本物の地震でありました。

*

予告編の見たい度ナンバーワンはなんといっても『キャットウーマン』。『スパイダーマン』などにくらべると微妙にB級なテイストを感じるのだが、でもいいの。ハル・ベリーが露出度の高いコスチュームで褐色のボディをブイブイいわすんだから、こりゃあ、見なくちゃなるめえ。駄作だろうとなんだろうと見に行きます。シャロン・ストーンの悪役というのも私にはツボっぽい。

イチロー、5打数5安打

この日、5打数5安打のイチローに対し、敵地ホワイトソックスのファンから、スタンディングオベーションが行われた。

実感はないのだが、こういうのを同時代で目撃しているというのはきっと稀有な羨ましい体験になるのだろうね。

旧くは双葉山の69連勝なんてのもそうだろう。

私の場合はモハメド・アリが復帰して剥奪されたタイトルを奪回するまでをリアルタイムで見ていたのが、それですね。

2004/09/01(水)姿三四郎?

牧太郎のここだけの話:姿三四郎

えっ、日本人のくせに感動しない? 「非国民と言われそうだが、柔道の女子78キロ超級、おれ、感動しなかったんだ」と恐る恐るつぶやく。

アテネの名場面を頭の中で再生してみた。キューバのベルトランと塚田真希(つかだまき)の決勝戦。ベルトランの大外刈りが決まったかに見えたが「技あり」。そのまま抑え込まれ万事休す?の塚田が左手を取ってクルリと反転。後ろけさ固めだ。25秒のカウントダウン。大逆転劇だった。

「あれ、感動しなかった?」

「新聞は感動!感動!と書いているけど、何か、スポーツという感じがしない。90キロぐらいの女性選手が抑え込まれると、太い脚がほとんど動かない。美しくないよ

なるほど。そう言えば、僕も、あの時、柔道選手の超肥満は健康上、問題はないのか、と心配した。

単純な私は柔道ではあの試合が一番感動した(8/24の記事参照)のだが、人によって見方はずいぶん違うものだ。

別に非国民とは思わんが、この記事の筆者が柔道見るのはオリンピックのときだけなのは間違いない。この人はたぶん肥満ではないのだろうが、塚田のように時間目一杯動けるのだろうか。

新体操や水泳や陸上の「美しさ」もあれば、柔道や相撲や重量挙げや砲丸投げの「美しさ」もある。その違いがわからなくてもジャーナリストはできるのだね。

まあ、奇をてらっただけだろうから目くじらを立てることもないのかもしれないが、「友人の話し」としてるのはフェアじゃないよなあ。

*

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