「エロゲーは資産だ」


 ■■は、カネを無計画に使う。飲み会があれば参加して札びらを切り、一人で飲むときもビールを箱で買うか舶来のウィスキーを購入して飲んでしまう。■■は公共料金も滞納し続け、督促状もよく来ていた。
 最初に加入電話が止まった。それでも親払いの携帯電話があるので■■は不自由しなかった。
 次にガスが止まった。■■は冷水に顔をしかめながらも、シャワーを浴びた。
 そして電気が止まった。■■は夜になると寝て、朝日と共に起きる生活に切り換えた。
 数通の督促状を無視し続け、一年間近く滞納していた水道が、ついに止められた。朝起きて便所で用を足したら、ブツが流れなかった。■■はバイクでコンビニへ行って用を足すなどの苦肉の策を2〜3日取っていたが、ついには水道代を払うこととした。そのカネの出所は、エロゲーの売却。
 ゲームは流行り廃りが激しく、人気ゲームの引き取り価格は弾数が多すぎて安く、不人気ゲームはさらに安かった。しかし、エロゲーだけは値崩れがほとんどしなかった。■■は「臭作」と「TO HEART」と「野々村病院の人々」を携えてゲーム屋へ走り、それを売却。やっとのことで、水道は開栓されたとのことである。


 ■■曰く、エロゲーは値崩れせずにいつでも売却できる資産だ、とのことである。 


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