野菜の必要性から・・・

 大学1年の中頃だったか、私は近くのスーパーに出向き、野菜をテキトーに買ってきた。スーパーで、大の男が一人で野菜を買うのに抵抗なんぞを感じたものだった(ジェンダー意識の問題なんだろうね)。
 さて、はじめて野菜を買ったが、どうやって我が栄養分としてやろうか。


 キャベツは簡単だった。
 水洗いし、包丁でぶった切って、塩でもつけて喰えばそれでいい。
 しかし、キャベツはほとんどが水分なのだ。量を喰えば食物繊維くらいは摂れるが、それだけではダメだ。


 というわけで、ピーマンとタマネギも買ってきた。どぎつい色と匂いのする野菜ほど、栄養があるに違いない。そう考えて買ってきたのだが、今もタマネギにどのような栄養があるかはわかっていない。


 まさか生では喰えまい(いや、喰えるんだけど)。ならば火を通すしかないが、炒めるのは焦げたり面倒くさそうだから、煮るのがよかろう。
 そう考えて煮ることとしたのだが、その方法は、とにかく鍋に湯を沸かして、そのなかにいい加減に切った野菜をぶち込むだけだった。


 何分煮ればいいのか?今まで料理なんぞしたこともなかったので、そんなこと知るわけもない。とにかく煮込み続けた。
 そして、いい加減いいだろうと思って一つ箸でとって喰ってみたら、十二分にやわらかかった。


 よし、こんなもんでよかろうて。
 私は箸で煮込んだ野菜を押さえつけて、お湯を流しに捨てた。
 で、残った野菜を皿に取り、醤油をかけて喰った。


 う゛・・・、まずい。
 私は食い物に関しては謙虚で、皆が「まずい」と言う予備校の寮のメシも満足して喰っていた。しかも、タバコを吸うせいか、少々私の味覚は鈍い。


 しかしだ、それでもまずい!絶望的にまずい!
 成分が湯に溶けきり、ただの軟性物体と化したピーマン&タマネギ。煮込みすぎて、歯ごたえもクソもないピーマン&タマネギ。その上に、ただ塗ったくられただけの醤油が何とも中途半端でまずい。


 もともとは食い物だ。火も通したし喰えるはずだ。栄養のためだ、栄養のためだ、と思って喰ったが、全部は喰いきれず、四割は真新しい三角コーナーに捨ててしまった。


 あとで気付いたのだが、煮込んだ汁を捨ててしまっては、栄養素もクソもないじゃん。私がガマンして喰った代物は、出涸らし同然だったのである。


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