「自炊」の開始

 これまでの料理は、野菜の必要性から、ただ野菜だけを食うためのものであった。
 しかし、大学2年になってからは、金銭的な問題から「食事」としての自炊が必要となり、米やスパゲッティなどの主食を含む、本来の意味での自炊をはじめることとなった。
 大学入学当初「自炊はカネがかかる」と思っていたが、それは何品目もあるまともなメシむを作ろうとしたらの話。炭水化物の主食+一品くらいでは、断然自炊の方が安くつく。


 大学1年の末期に引っ越して以来、調理にはガスコンロを使えるようになった(前の部屋では、電気コンロしかなかった)。
 この大火力は調理の効率を高め、私に自炊への意欲をもたらした。


 まず、スパゲッティである。
 前の部屋に備え付けの電気コンロでは、湯を沸騰させるだけでも相当時間がかかったのだが、ガスコンロでは簡単だ。
 湯を沸かしてパスタをぶち込み、7分程度煮込んでお湯を切り、あとは塩コショウを振る程度で十分喰える。


 それと同じ要領で喰えるのが、もやしである。
 もやしは安価な上に、白い外見とは裏腹に栄養価も高い。
 これは煮込んで、湯を切り、醤油をかけるだけでそれなりに喰える。


 それに自炊の基本、米。
 米はパスタよりも手間がかかるのだが、腹に保つ上に安価だ。


 しかし、米またはスパゲッティは、それだけではとてもじゃないが喰いにくい。米ならば塩、スパゲッティならば塩コショウで味付けしていたが、それだけでは、飽きて仕方がない。
 野菜炒めやゆで野菜も、ちったあ慣れてきたのだが、どうも味が扁平で飽きるのである。たまに喰う分には十分喰えるのだが、毎日では「もっと深みのある味が喰いたい」と呻きたくもなるのである。


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