私は苦学生でも何でもないのだが

 このサイトでは、私はしきりに「苦学生」という言葉を使用している。しかし、私は実際問題、苦学生でも何でもなく、それどころか、結構恵まれた部類に入る学生だったりする。


 パソコン買うにも最大限月賦を引き延ばし、学校にギャランやGTSで来ているような奴を横目にチャリ通している毎日。まあ、私は金持ちでも何でもない。しかし、遠い郷里から東京に部屋借りて私立大学に通い、定期的なバイトもしないで暮らしていられるのだから恵まれたガキであることには相違ない。


 で、なんで「苦学生」を連呼するかというと、それは軽佻浮薄とも言うべき、軽薄な「今時の大学生」に対するアンチテーゼ。その旗印として掲げているのである。
 まあ、「今時の大学生」というヤツ自体がステレオタイプなのだが。


 親父の世代が大学生であった頃の学生生活。
 ボロアパートで薄っぺらい布団にくるまって寒さをしのぎ、服装なんぞにはカネをかけず、メシも自炊。自家用車なんぞは夢のまた夢。されど、学友同士でコタツを囲んで安酒をあおり、遊びにカネをかけずともそれで盛り上がり、それなりの幸福を享受する。


 このような学生生活の在り方こそが、私にとっては学生としてのステータスであり、理想の学生生活なのである。
 無論、親父の世代の学生が、どんな生活をしてたかなどは知りもしないし、「苦学生」という言葉ともさほど関係はない。ただの、私のロマンティシズムなわけである。

コタツと日本酒、そしてヤニの煙
▲安アパートで、コタツを囲み・・・


 で、私は実際、「理想の学生生活」に近い日々を今までの3年間過ごしてきた。私は、「苦学生」つまり勤労学生でも何でもないのだが、「苦学生」気分を味わいつつも、学友達とともに享楽の日々を送っている。
 私は幸せな人間だと、思うわけだ。


 こんな私が「苦学生」などと軽々しく口にするのは、実際に学費・生活費を自己の勤労によって賄っているホンモノの苦学生や、苦学生であった人にはどう写るであろうか。
 まあ、「このバカ学生が」と思って聞き流してもらえたらな、と考える次第である。


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