参謀長宅引っ越しの集い
2001年01月31日(水)
入居9ヶ月にして今までのアパートを去り、参謀長(仮名)は広いマンションへと引っ越す。
今日がその引っ越しの日であった。
この引っ越しは我が棒術部に広く呼びかけられ、多数の棒術使いが参加する一大行事として行われ、私も当然のように参加した。なにしろ、参謀長の新居は、私のアパートからわりと近いところにあり、最寄り駅は同じ。今後の、私の拠点の一つとなるのじゃからのう・・・。
まあ、参謀長の前のアパートにも、私は随分と世話になった。その引っ越しの手伝いをするのは、しごく当然のことである。4年生で、引っ越しの手伝いの段階から参加したのは、私一人だったけれども。いや、3年生以上で私一人か。
新居の鍵を預かった無名氏(仮名)が、集合地点である某駅に現れ、そしてアホどもを新居へと案内した。参謀長とП氏(仮名)は、旧居にて荷造り。この並行作戦は、棒術部の行事として無名氏などの1年生が指揮・責任者としてことに当たったが、大したものだ。 |
第一陣が出発する際、駅に遅れてくる者の案内役の配置や、駅−新居との往復について少々の混乱があったが、何が必要で、それをいつ、どこで、どのように、誰がやるか、という具体的な発想の下で物事がどのような行われるか考えていたので、無名氏は指揮官としてはとりあえず合格だ。彼らは今後、行政官として栄達していくことであろう。社会に出てからも、こうした経験や思考は役に立つ。
物事が、実際にどのように行われるかという発想がまったくなく、自分は何も把握しないでとりあえず大雑把な命令だけ下し、気合いや説教だけ「加算」することしかしないバカ、というのも世間には往々にして存在する。学生サークルはもちろんのこと、企業なんかにも平気で上司でいたりするとのことだからたまったものではない。そういう意味に於いても、いい会社に入らねば。それに比べれば、棒術部実務担当者の認識力と判断力はたいしたものだ。
まあ、参謀長の旧居に於いては、運送屋が30分早く到着し、運送屋の運び出しと並行で荷造りしていたというのは、ご愛敬で。時間があると思って、「陵辱するゲーム」でもやっていたのであろうけれども・・・。
新居にて待機していた我々のところに運送屋が運んできた荷物。泡喰って箱やゴミ袋に何でもぶち込んだであろうことが、見て取れた。
運送屋「食器は箱に詰め込んで下さい」
参謀長「じゃあ、袋で」
焦るあまりに、このような珍問答もあったとか。まあ、笑い話だ。
引っ越し屋のバイト経験がある私としては、笑えるような笑えないような。
客が手間とらせて時間かけた方が、休めるから楽とも言えるが。
参謀長の新居を掃除して、引っ越し屋の運んできた荷物を搬入。荷ほどきして配置。電灯の設置や、参謀長が注文していた絨毯の受け取り敷設。テレビのアンテナ線や電話線のセッティング。引っ越しで、とりあえずやらねばならないことは多いが、十数人の人員にかかればそれぞれが一瞬で終わった。
台所まわりは女性陣がその力を発揮し、テレビのアンテナ差込口は煩雑な旧式だったが、私がニッパーとナイフ片手にセット。パソコンは、HMX-12氏(仮名)が接続から起動チェックまですべて行う。絨毯などの力仕事は、いくらでも余っている野郎どもの出番だ。
だが、明らかに人員過剰である。 |
それでも参謀長宅は、夕方にはまっとうな、人の住む部屋となった。いや、「まっとうな人間」が住む部屋という意味ではなく、とりあえず生活感のある部屋になってきたな、ということであるのだが。 |
解約手続きと不動産屋を交えた最終点検を終えて、家主参謀長も新居にやってきて、これからが宴である。ビールや食い物が大量に買い集められ、肉や焼きそばが居間の特設電気コンロで炒められ、台所では、女性陣がまっとうな食い物を用意してくれる。
余ったアホどもは、「大運動会」などのビデオ鑑賞してみたり、パソコンでよからぬゲームなどやってくつろぐ。誰かが働いているときに、他の人間も全て働かなければならない、という実のない精神論はここでは意味を為さない。余剰人員は遊んでいる方が効率的なのだ。
それから、酒が酌み交わされて大宴会となった。このときの人口、最大時で22人。
となりに引っ越し挨拶とともに、「今日は引越祝いですこし騒がしくなるがご容赦されたい」とでも断っておくべきだったのだが、留守だったようだ。まあ、留守ならば好都合。
ここに於いて、何の話だったから忘れたが、参謀長が「人間は、1つの輝きのために生きている」と、なかなか格好良すぎるが、けっこう感心することを言った。これが参謀長の人生観のある部分を示すコトバなのらしいが・・・。
エヴァの「瞬間、心重ねて」で、冬月がはじめて笑った。わずか1秒弱。
この1秒たらずのために、こいつは生きてきたのか、と参謀長は感嘆したとのこと。
さすがは参謀長、目の付け所と受け取り方がひと味違う。
終電前に女性陣を含む大多数の人間が撤収したが、私ふくめたアホ数名は飲み続け、残り続けた。
参謀長はすでに毛布にひっくるまって眠りにつき、他にもマグロが数体。
彼ら死体にも布団類をかけてやって、何かアホなことを話しつつづけた気がしたが、何だっけか。忘れた。浪人派と現役派、男子校派と共学派にわかれて、どーでもいいことに論議してもり上がっていた気がする。深夜早朝にいたるまで、バカ笑いして盛り上がったが、さぞかし近所迷惑であっただろう。今日は特別ということで、カンベンを。
ちなみに、私は1浪で、高校は共学であった。
朝、私や参謀長など、早めに起きた者数名にて掃除を慣行。
22人分の酒・食い物の残骸や、引っ越し時に出たゴミ類は凄惨無比なものであった。それをなんとかまとめ、掃除する。皆で引っ越し荷物を搬入した前日もよかったが、こうした少人数で面倒な作業をする瞬間こそが、貴重な時間である。いや、別に恩を売っているのではなく、やりたくてやっているのだけれども。
それから掃除がおわり、昼まで寝ていたアホ2〜3名が起きたあとは、なんと「聖闘士聖矢」の十二宮篇なんぞを観て笑い転げる。特に回想シーンにおける、ジャブと沙織お嬢様との乗馬プ■イには大爆笑であった。今の目で見ると、なんとも凄絶な・・・。
HMX-12氏が昼食を作ってくれなどして、メシを喰らいつつ即席上映会なんぞをしたものであった。
それからさらに数人帰り、残りの面々でカーテンや物干し竿などの買い出しに。
カーテンのセッティングをしたころには、すでに夕方。
夕食に弁当をかい出して「三国志Z」などを軽く流していると、すでに深夜に・・・。
さすがに2連泊は出来ぬ、と私は徒歩で、П氏は原付で帰宅。なかなか長い行事であった。
参謀長は、これからが忙しくなることであろう。
住民票の転出転入、水道電気ガスなどの手続き、大学や生協の住所変更、郵便局の転送願い・・・やることは多い。こまかな身の回り品をそろえなおしたり、生活の基盤として部屋を微調整するなど、これからは日常の所用に忙殺されることであろう。
健闘を祈る。私も在学中に一度引っ越ししたので、その面倒さはわかる。