劇団The座に棒術部襲来
2001年05月11日(金)


 我が棒術部4年生にして劇団The座でも活躍する、べーやん氏(仮名)。
 今日は、彼が出演するミュージカル「夢からさめた夢」の公演であった。
 棒術部の金曜稽古は、この公演を観るため中止。連んで9号館の講演会場に押し掛けることとなった。


 べーやん氏の役は「源」。銀行に押し入って射殺された悪党であり(この劇では、登場人物は基本的に死人である)、最後まで信念を貫き通して消滅した一流の悪党である。格好いいとはこういうことか。いかなる創作物であれ、巷の悪役は卑劣なだけだったり、最後には「改心」するようなチンケなのが跳梁跋扈しているが、この「源」は違ったね。
 魅力あるキャラクターというものは、善か悪かなど問題ではなく、楽しようと思えばいくらでも楽をできるところで踏みとどまる「何か」を持つ人間だ。こういう人間は、要領がわるく、不器用とさえも言える。信念やプライドとかいう他者にとっては大した価値のない代物のために、敢えて人よりも苦労したり、辛苦を味わったりもする。今回の「源」はまさにそういうキャラクターであった。オリジナルミュージカルとのことだが、そこらへんの脚本はなかなかの出来だと思いますぜ。


 ミュージカル全体について語れるほど、私は演劇に対して目が肥えていない。
 おこがましくも全体を評価するのは遠慮しておきます。しかし、観ていて楽しむことはできました。
 それにしても、観客の半数近くが棒術部員だったとは。The座の人々は我々をどう受け止めているのであろうか。ちなみに、今年の棒術部1年生で、The座と兼部している人間は4名。今後彼らがどう身を振るのかはわからないが、棒術部とThe座との不思議な関係は、今後も続くことになりそうだ。


 ちなみに、先に挙げた「要領が悪わるく、自分のプライドのためにより苦労する人間」とは、私自身も含まれます。だからと言って、自分が格好いいなどとは思ってはいないが、要領よく立ち回って楽な道を選ぶ人間よりは(自分としては)好ましい日常を送っていると自負している。
 楽をすることを第一に考え、実態以上の評価を受けることを希求し、他者の歓心を買う技術を得ようする。こういう人間と私は、どうもソリが合わない。というか相互に気にくわなく思うわけだ。だから私はプライドがあり、そしてプライドのために働く、努力する人間が好きだ。プライドのない、ただ楽に愚鈍に生きる人間、プライドは高いが実際とプライドとの差異を埋める術を知らない人間、他者に認められない原因をすべて「自分以外」に転嫁する人間。こうしたクズはどうしようもないが、自分自身を謙虚に認識し、自分が優秀な人間であろうとするため、評価を受けるためにこそ、努力し、人よりの艱難を受ける人間。こういう人間こそが我が友に相応しい。
 棒術部の幾人かの後輩は、だからこそ信用に値するし、私も彼らからの信用を受けたい。
 だが、こういう「要領の悪い」、故に有能な人物というのはなかなかいないものである。


 言っておくが、本当に些細な日常の出来事や仕事に於いて「要領の悪い」者はただのグズである、と考えていることを蛇足ながら付記しておく。ここで言う「要領の悪い」とは、楽をできるときに敢えて楽をしない意志を持つことである。 


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