公式WR前日に新宿を闊歩す
2001年05月26日(土)


 参謀長(仮名)が明日のWRへの準備のため、都内へ買い物に行くこととなった。
 目指すは軍装品屋。以前もその筋の店にて買い物をしていたWild(仮名)氏と参謀長の二人で行く予定になっていたのだが、私も参加することとした。


 新宿駅で待ち合わせて、まずは池袋の軍装品屋へ。
 ここはドイツを中心として、メリケンからローデシアまで舶来品が商品。私は現役の受験で上京したときに、人民服をここで買った記憶がある。人民服は在庫にはすでになかったが、1996年3月にも観たベトコン・パジャマは存在した。ベトコンすなわちベトナムにて共産主義を掲げた民族解放戦線の兵士が来ていた、黒い服。Wild氏が関心を示していた。なんでも傘をかぶって、我々の魂・6尺棒を抱えていたら、単なる百姓だとのことである。彼にはぜひにその扮装でWR出場してもらいたいものである。
 私もドイツ人民共和国の迷彩服なんぞを持っているが、私は舶来の、特に欧米の軍装品にはあまり興味がない。なぜかというと、日本人(というか私)にはあまり似合わんからである。日本軍の品ならば欲しい気もするが。


 参謀長は、ドイツ連邦共和国の軍服を買った模様である。さらにはハーケンクロイツに腕章を買おうとしていたが、せいぜい「××」と描かれたチャップリンの「独裁者」風のものにしておけ。Wild氏と私との二人がかりで止めたが、ハーケンクロイツなんぞ身につけて歩いていると、高尾山で白人にヤキを入れられても文句を言えない。いや、それ以前にこんなものを堂々と身につけている人間は、まっとうな人間と見なされない。
 結局腕章は断念したが、軍帽だけはかぶることに。まあ小さなマークを見つける通行人はいないだろうけど。


 その後は、池袋のK-BOOKSやメイトにて二次元物品を補給。
 ここでは「NOIR」のOPテーマ、「コッペリアの棺」のMAXIシングルをようやく入手できた。あるところにはあるものである。100枚は積み上げられていた(ちなみに、翌日にはなくなっていた)。その他、私は衣装につけるピンバッチなんかを買い込み、参謀長は薄い本を買い込んでいたものであった。
 私は現役で受験に来たときから池袋の二次元ショップには世話になっている。その、ここいら一帯にある二次元ショップの中の1店に、すばらしい店員を発見した。あえてどこの店かは伏せておく。それにしても、こんな店員は今まで観たことがない。
 客のクレジットカードを切るときに、機械の使い方がわからず、「(レジのボタンを押しても)いいですか、 いいですかぁ、はぅ〜、わかんないですぅ」と口に出し、「はわ〜」などと何の脈絡もなく発するとは。二次元人の店員とはすばらしい。いやはや。


 その後、再び新宿へ。
 参謀長の小道具である拳銃を買おうと、さくらやホビー館に出向こうとしたのだ。だが、参謀長の所持金額は底をつきつつあり、ATMでカネをおろす必要があった。銀行に預金があるのならば、そこいらにある銀行のATMでカネをおろせる。ここに至って、105円や210円の手数料を惜しむなどというたわけたことは言わせない。だが、参謀長の預金は郵便貯金であった。
 郵便貯金は郵便局か、郵貯専用のATMでしかおろせない。銀行はそこいらにあるというのに、郵便局などなかなかない。WRは明日だ。ここまで来て、カネがなくて用意を調えられないなどということは、気の毒である。私らは郵便局がないか、デパート内に郵貯のATMがないか探して回った。だが、闇雲に探し回ってもそう簡単に見つかるものではない。私が総務大臣になったら、郵便事業を完全民営化してやる、などと悪態をつきながら、ひたすら歩いた。WRはまだ明日だ。


 コンビニに飛び込んで、地図を手に取る。私が地図の目次を開いたその瞬間。
「どうですか」
 尋ねてきたのは預金を下ろす必要がある参謀長である。
「ぬあ゛ーッ!」
 私は低俗にも、意味を為さない音声を叫んだ。まだ地図を開いたばかりだ。どうですかじゃない、郵便局の位置を知りたいのならば自分で調べろ。などと言いつつも、私はわりと近くに郵便局を発見する。地図を観ただけででも1qはあった。行くしかない。


 地図で見ても遠かったが、やはり郵便局はわりと離れた場所にあった。
 それでもようやく到着した郵便局は、閉じていた。土曜日は昼までしかやっていないらしい。これは私が銀行預金を下ろして参謀長に貸し、あとで郵貯から返して貰おうか。いや、カネはトラブルの元ゆえ、そういう複雑な取引はしたくない。などと考えていたが、閉まっている郵便局のドアに「土日のATMの案内」なんぞが。まだ大丈夫だ!
 伊勢丹新宿本店など何店かのデパート。そこには休日も稼働している郵貯ATMがあるらしい。デパート名をメモって、早速郵貯ATMを備えた店を探して歩く。


 歩いているうちに、新宿駅からは大分離れてしまっていた。そこから新宿駅近辺の伊勢丹新宿本店まで至り、その7階にあるATMを探し当てるまでも相当な手間がかかった。なにせ店舗案内にATMなんぞは描かれておらず、そのため探すのに随分と難儀した。案内の店員に場所を聞きつつもようやく辿り着いたが、ここの店にATMがあるという確信がなければ、探し続けて見つけることは出来なかったかも。
 そして参謀長はカネをおろし、我々はさくらやホビー館に向かった。
 参謀長が買ったのはマルゼンのガバメント。わりといい銃だ。
 エアガンを買う人間は、大多数はライトユーザーだ。マニアな人間というのは数は少ないので、そういう人間だけを相手に商売していたのでは、小売店もメーカーも商売あがったりだ。さくらやホビー館は、マニアが目当ての品を安く買うのにももちろん適しているが、基本的にはライトユーザーを引き込んで品揃えの多さから衝動買いさせる店だ。が、私はそういう人間とは知識でも意識でも一線を画していると自信を持って言える。そのため、参謀長には助言をなにかと出来、参謀長の求める銃に適合したものに引き合わせられたと考えている。


 そして疲れて帰ったときには、すでに空は暗くなっていた。
 明日はWRか。
 とっとと帰って寝る必要がある。
 新宿書店で買った書物を読みながらも、日記など打つのであった。


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