第4回AC合宿
2001年08月25〜26日(土〜日)


 去年の5月以来、久々のAC合宿である。
 私は実のところゲームをほとんどやらず、プレステは滅多にテレビにつながず埃をかぶっている有様なのだが、「アーマードコア」だけは別である。重量・消費エネルギーの制約の中で、パーツを組み合わせて戦闘マシンを作り上げるこのゲーム。問われるのは操作の技量だけではなく、マシン作りの采配こそが鍵となるのである。割と強い機体というのも存在するが、地形や相手マシンとの相性によっては不利にも有利にもなりえるのがこのゲームの面白いところ。私は個人の裁量によって戦う故に、このゲームが好みである。


 参加者は私と、べーやん、鰹、無名。そして飛び入り参加のП氏と見学のHMX-12(いずれも仮名)。
 会場は我が家である。テレビ2台という恵まれた環境を利用して、プレステ本体を2台つなげて2画面対戦を行うのがこの合宿の趣旨である。プレステ1台の1画面分割対戦ではどうしても処理が遅くなり、また相手の位置・行動がすぐにわかる。だが、2画面対戦では処理速度が落ちることもなく、また別々の部屋で別々のテレビでプレイするため、相手の手の内を読むのは容易ではない。
 機材・場所、そして何よりも人員。2画面対戦を行うのは容易ではないが、仲間と共にこうした場を持てることは幸福なことである。おそらくは一生の内で、こうしたゲームの楽しみ方をできるのは大学時代だけかもしれぬ。なればこそ、存分に楽みますわい。


 だが、アクシデントが発生した。我が家にはPS1が1台しかなく、搬送された機材はべーやん氏のPS2が1台とPS2用のIEEE1394ケーブルのみ。つながりません。予定ではPS1かPS2をもう1台用意するとのことであったが、手違いがあったらしい。
 さて、どうしたものか。近場の人間のPS1ないしPS2を徴発するか。いや、PS1では通信ケーブルがない。近場ではそんなものは売っていないし。近所でPS2所有者と言えば参謀長(仮名)なのだが、彼は現在九州に帰省している。Wild氏(仮名)は北海道か。試しに電話したが、携帯は解約されておった。帰省したら電話を買い直すと言ってたっけ。あとは弥崎氏(仮名)がPS2を持っていたが、「FF10」にハマっている彼女から徴発するのはちと憚られる。それ以前に帰省中のような。
 埼玉まで片道2時間半かけてべーやん氏がPS1とPS1用通信ケーブルを取りに帰るか、鰹氏がやはり2時間半かかる埼玉までPS2を取りに行くか・・・。べーやん氏がPS1まで用意すると、PS1のPS2両方を持って帰ることになる。結局鰹氏が埼玉の自宅まで一端もどり、PS2を担いで我が家に戻ってくることとなった。お疲れさんである。鰹氏は昼過ぎに我が家を出て、再び戻ってきたのは夜であった。


 ようやくPS2を二台、IEEE1394ケーブルで接続。「アーマードコア マスター・オブ・アリーナ」をセットする。だが、通信対戦モードにはならなかった。PS同士をケーブルでつないだら、自動的に通信対戦モードになるのだが、PS2のi.link接続では認識されないらしい。何ということか。
 だが、ここはある機材で楽しむのが肝要である。「マスター・オブ・アリーナ」大会の予定が、急遽「アーマードコア2 アナザーエイジ」大会となる。図らずも最新技術での二画面対戦が出来ようとは。「アナザーエイジ」を所有しない私と鰹氏は、べーやん氏や無名氏からセーブデータを拝借して、即興でマシンをつくる。セーブ1つにつき3機までマシンを用意できるので、3機作成。対戦は3回ずつのリーグ戦である。
 私の期待はパイロット名「(有)**塗装」。
 機体名は「**最強赤軍」「同志グェンアイコック」「工事車両」の三機である。**に入るのはある人物の名であるが、これは伏せておきます。念のために言っておくが、私は共産主義者ではありませんよ。
 「**最強赤軍」はバズーカと箱形ミサイルを備えた重装二足機。
 「同志グェンアイコック」は4発同時発射ミサイルと追加発射ミサイル、カラシニコフに似たライフルを備えた軽装二足機。グェンアイコックとは、若かかりしホーチミンがパリの新聞で使っていたペンネームである。
 「工事車両」はレーザースナイパーと二連装エネルギーキャノンを備えた黄色い戦車である。**塗装は物騒な車で仕事に行くものである。

べーやん

無名

晴天

勝ち数

べーやん

無名

晴天


 これが25日夜に行われたリーグ戦の結果である。この合宿の主催者であるべーやん氏は強い。
 一方鰹氏は、戦績が振るわなかった。彼はこの結果に対する雪辱を晴らすためか、この夜、べーやん氏が持ち込んだ「AC2大会」のDVDを鑑賞して勉強していた。このリーグ戦終了後にはП氏も見学としてやってきたのだが、この日は「PARTY’S BREAKER」や「アナザーエイジ」のミッション、「マスター・オブ・アリーナ」のフリープレイで終えた。П氏は就寝時間に原付で一端自宅に帰って寝、我が家には4人。当初の予定人数よりは少なく、快適な睡眠をとれました。


 午前1時には睡眠をとり、翌日日曜8時半には起床。
 П氏もやってきて、しばらく談笑、パソコンや別のゲームや食事、別のゲームで過ごしたが、再び「アナザーエイジ」のリーグ戦に。機体調整をして少しマシンの装備を換えました。私のマシン、「**最強赤軍」は「**最@赤軍」と改名し、バズーカを廃してハンドミサイルを。「同志グェンアイコック」は何故か「共産党宣言」と改名。あとは微調整しかしておりません。

べーやん

無名

晴天

勝ち数

べーやん

無名

晴天


 なんと今回は鰹氏が勝利者である。昨夜公式大会のビデオを見ていたのが功を為したのか・・・一方私は、惨敗でした。私の機体は基本的に極端な上に、ちと操作にきめ細かさが足りなかったと反省。


 そして次には、せっかく皆が用意した「マスター・オブ・アリーナ」のデータをムダにすることもない、とのことでそれからは「マスター・オブ・アリーナ」をPS2で1画面分割対戦をPS2・2台、テレビ2台。2回同時に戦えるというすばらしさ。しかもPS2では1画面分割対戦しても処理速度が落ちないと判明し、さして不自由なく戦えた。П氏はその場で機体を作成し、本来行う予定であった「マスター・オブ・アリーナ」リーグ戦開始!



魚マークは鰹氏である


 まず行ったのは、30万クラス・リーグ。機体価格を30万以下に抑えねばならず、1銭でもオーバーしないように組まねばならぬ。こういう制限下でこそ名機が生まれ、制約の中でいかにコンセプトを絞って機体を組むかがまた面白い。
 前回までは40万クラスが下限であったが、30万でもまだまだ動き、戦えるのである。初心者のП氏のみハンデとして40万機体可だが、「40万!なんて贅沢なものに乗っておるんじゃ!」などとの声が挙がる始末。しかし、П氏は初心者故、スナイパーライフルとブレードのみの軽装二足機「HMX-00」を扱いきれなかった模様。結果はご覧の通り。
 私は重装戦車「精密工作作業車」では「HXM-00」の豆鉄砲を無視してレーザースナイパーと精密誘導ミサイルで血祭りに。二足機「貧民用心棒」も数発撃てば干上がる安ジェネレーターで二連装レーザーライフルを駆使し、「HMX-00」を爆破炎上せしめる。だが、軽量四足機「貧乏@唐」では四連装マシンガンで軽装甲の「HMX-00」を翻弄するが、弾ギレ。残された唯一の武器大型ロケット弾で対抗するが、直撃弾を1〜2発しか当てられず、わずかなAP差でスナイパーライフルにて削り殺された・・・。
 そういえば、べーやん氏の機体には、爆雷とスラッグガンで魚を捕るホバー機体「漁船」などというのもあったっけか。




 次は60万クラス・レーダー無しリーグである。レーダー無し、通称「ステルス・リーグ」は、レーダーを一切装備せず、目視とFCS(ロックオン装置)のみで敵を捕捉・攻撃しなければならない。そのため、遠距離戦機体と近中距離機体が対峙すると、相手の位置さえわからぬまま狙撃されて終わることも。また、遠距離戦用機体が距離をとれず、隠れる場所もないままマシンガンで翻弄されて終わることもある。本来は二画面対戦の醍醐味なのだが、一画面分割でもなかなか相手の位置を捕捉しきれず、したところで対応できず、白熱したものであった。
 ちなみに、無名氏の「エヴァソゲリオン」もこの部類に所属する。前回はパレットライフルのみで辛酸をなめたが、今回はポジトロンライフル装備で攻撃力を増していたようであった。


 ここでの名勝負は私の「山賊兵」とべーやん氏の「高速火炎船」。「山賊兵」はバズーカと精密誘導ミサイルを装備する廉価重装二足。「高速火炎船」は火炎放射器とグレネードランチャーを装備した車両である。なぜ船が地を這うのじゃ!これが魚類の進化形態だというのか。舞台は氷山。両者とも炸裂系の似たような武装だが、このショートレンジな地形では連射の利く山賊兵のバズーカの方が有利であった。ジェネレーターを拭かして、「高速火炎船」の頭上からバズーカをたたき込むが、あえなくオーバーヒート。「山賊兵」の廉価重装二足はもっとも移動速度の遅い脚であり、ブースターがつかえなければただの鈍重な的であった。そこをすかさず火炎放射器の洗礼を浴びせる「高速火炎船」。遅い脚で円を描きながら逃げまどう山賊兵。
べーやん氏「日本では『モエ』というコトバが流行っておるそうじゃのう。それではモエるがよい」
私「(逃げまどいながら)モエモエっす!」
 しかし火炎放射器が山賊兵をモエ上がらせる前に、ジェネレーターのクールダウンが完了。よくぞ炎を浴びながら冷却したモノである。あとはブースターを拭かせて離脱、頭上からバズーカの連射。モエ上がったのは「高速火炎船」の方であった・・・。



 最後に行ったのは、無差別リーグ。機体にどれだけカネをつぎ込んでもよいのだが、今回は前回までと違い、強化人間・荷重オーバー機も使用可とのこと。腕に自身のないとの理由で、П氏は参加辞退。この頃、我が家の近くまで来ていたHMX-12氏(仮名)がうちにやってくるが、メモリーカードを持っておらず、参加はせず。無名氏は強化人間・荷重オーバーは一切使わないとのことで、単純に一般パイロットの乗る機体で挑んだ。漢である。
 結果は・・・ほとんど差が出なかった。
 べーやん氏が機体名「砲台」を使っていたときは、「日本ではキャノンとか言うゲームが流行っておるそうじゃのう。それではキャノンを喰らうがよい!」などと宣ったときには笑ったものであった。彼は「Kanon」なんぞやったこともない人間なのだが。


 ACの大会はこれにて終了。あとはPS2で「リング・オブ・ザ・レッド」を公開プレイし、パソコンなでど遊んで終わった。PS2を担いで埼玉まで帰還したべーやん氏と鰹氏は大儀であった。巷では「一人で家にこもってゲームをしているから現代の若者はおかしくなる」などというステレオタイプがまかり通っておるが、これだけ体力を使って機材を持ち寄り、各人が知恵を凝らして戦い合う我らは不健全か。まあ不健全かどうかなどどうでもよいが、こうした場を享受できることは幸福である。このAC合宿を享受できたことに対して、参加した全ての同志に感謝します。


 ちなみに、コア以外にも我々はこの合宿期間には行ったことがあった。
 同人格闘ゲーム「PARTY’S BREAKER」。要求するスペックが高度なため、出来るパソコンが限られるとのことだが、私のgateway(しかもUSBパッド2つ装備)と無名氏が持参したDynaBook(もちろんパッド持参)で、2台同時にプレイすることも出来た。


 また「リング・オブ・ザ・レッド」の公開プレイもなかなか楽しませてもらった。日本がポツダム宣言を拒否して徹底抗戦。米国は多大なる兵力を投入しての本土上陸を余儀なくされ、ソ連の南進は本土にまで及んだ世界。北海道はヴァストカヤスクと改称されてソ連領に併合。関東以北は日本共和国(北日本)として共産主義国に、一方日本国は南日本として呼ばれ、関東から西半分を統治するのみに。この世界観には燃えますぜ。
 所詮はゲームの荒唐無稽な寝言のように思えるかも知れないが、こういう日本も十二分にあり得た。今の社会や歴史が、当たり前として成立してきたわけではない。偶然も含めて、少し何かが違っただけで、違った歴史・違った社会が現れた可能性はある。現実に様々な選択肢・可能性の中からただ1つの道筋を通って現在の歴史・社会が成立している以上、「歴史にifはない」と言えるが、娯楽として、あるいは研究としては、ifを考えてみるのはなかなか楽しめる。歴史にifを考えるのは、実は相当な知的労働でもある。これを念仏のごとく「歴史にifはない」として絶対否定し拒絶するのは、アホである。


 ただ、惜しむべくはこれがロボット戦闘モノということ。ロボットが嫌いなわけではないが、仮想歴史をやるのならば、実在兵器やそれを元にした北日本・南日本が作ったであろう兵器を登場させて欲しかった。パソコンならばそういうゲームも出たかもしれないが、コンシューマではそこまでリアリティある仮想戦記は作れなかったか。
 だが、ロボットものと言えども、このゲームでのロボットはSFアニメと違ってそんなに強くない。戦況によっては歩兵の小隊にロボットが敗北しかねない程度の存在である。現用の戦車や装甲車と似たような位置づけなのだろう。このへんはリアリティが感じられてよい。
 また、このゲーム、戦闘描写が秀逸である。銃火を受けた兵士が血を撒き散らして崩れ落ち、砲弾の直撃を受けた兵士は吹き飛ばされる。撃破されたロボットからは搭乗員が天高く放り投げられ、ロボットの残骸に潰されて兵士が死ぬことも。戦争を描くのならば、これぐらいはやってほしい。「ときメモ」を作った会社が作ったゲームとは思えないわい。残酷描写・暴力描写を規制する世の中になりつつあるが、戦争や戦いを描くのに、血の一滴、死体の一体も描かれないのは、却って死や痛み苦しみ、恐怖に対する感覚が鈍るというもの。そのへんの描写もなかなかの出来であった。


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