後輩連中による壮行会
2002年02月04日(月)

鬼ごろしを手に。


 今日は、後輩連中が私のために開いてくれた壮行会が催された。
 1年後輩の黒天使氏(仮名)が主催し、他に参加したのは、課長、べーやん氏、П氏、無名氏、PGO氏、Wild氏(いずれも仮名)。コンセプトは、社会人になってからは出来ない苦学生的飲み(つまりいつもの飲み)である。 


 まずはカラオケから、我が家の近所にあるカラオケ屋にて、白昼歌う。ここはハイパージョイがある上に、昼間は当然のごとく安い。
 そこで歌われた曲は大学時代を象徴するのに相応しい代物ばかりであった。「傷だらけの人生」「山谷ブルース」はもちろん必須である。アニソンや軍歌の数々も忘れない。また、べーやん氏の「ウルトラマンレオ」などは無料で聞けるのが申し訳ないぐらいの歌いっぷり。見事であった。さらには、背景に出てくる怪獣の名前から次の瞬間のやられ方まで、すべて解説できるというのはすごい。
 そしてもう一つ強烈だったのは、PGO氏の怒号であった。ある曲が流れ出したとき、「これは私にあれをやれということか」と言ったかと思うと、いきなり「エル・オー・ヴィ・イー・アイ・ラブ・真美さん!」などと怒号を発し、手拍子とともに奇声を上げる。いきなり何事が起きたのかと思ったが、さすがはPGO氏である。
 カラオケ最後のシメは、私の「海ゆかば」で閉じた。戦争に行くんじゃないのだが、壮行される身としてはこれぐらい歌ってもいいだろう。「露営の歌」でもよかったが。


 それから会場は我が家へと移る。8人もの人間が敢えて4畳半の和室に固まり、ちゃぶ台の上で酒を飲む。ここは、8パックもの鬼ごろしが用意されて、1人1個ずつ配給された。ピラミッド状に積み上げた鬼ごろしと、べーやん氏が持参してきてくれた舶来モノのブランデーとを並べる。写真を撮ったのだが、失敗したのでその様は掲載できない。画像がないのは残念だが、その様は私の壮行に相応しかった。泥臭い酒を泥臭い部屋で飲み、高価なモノも忘れない。私の大学生活を象徴的するような光景であった。
 青色労働者がかっ喰らう類の酒を、ストローで飲む。日本酒は嫌いなわけではないが、これはキツかった。この鬼ごろしを始末しないと次の酒を飲めないと言う有様。拷問である。と言うと、課長が「そんなこと言うと、この酒を造った工場のおっちゃんが泣きますよ」とのことだが、キツいものはキツい。
 なんとか鬼ごろしを飲み干し、ビールをあおる。ビールのうまいことうまいこと。そしてとどめにブランデーをやる。やはりブランデーは格別だ。最初にパック酒を飲むというのは、酔いを早めて酒の消費量を抑えるとともに、他の酒を際だてて旨くするという、実に合理的な方策だったのかも。


 かくして夜は更けていったが、このようなささやかだが泥臭く雰囲気の飲みは、もうそうそうできることではないだろう。7人もの人間が自由意志で私の家を訪問して、共に酒を飲むなどということも、今後は滅多にあることではなかろう。ない、と断言できるかもしれない。
 大学に在籍すること5年間。私はどういう先輩だったのかはわからないが、こうして後輩連中に壮行されるということは、この上なく幸福なことである。今日の飲みを主催してくれた後輩達、今日の飲みに参加してくれた後輩達に、感謝します。

↑ちなみにこれは、引っ越しに際して私が処分する書籍類。本類も、だいぶ後輩に撒いた。
 何かの役に立ててもらえば幸いである。


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