参謀長独自の壮行会
2002年02月07日(木)
先日、棒術部の後輩連中が私の壮行会など開いてくれたのだが、そのとき急用で出席できなかった参謀長(仮名)は、今日あらためて独自の壮行会を開いてくれた。あらかじめ東京の名所を調べて、コースを選定してくれていたようだ。
・恵比寿麦酒記念館
大手ビール会社ならば、ほとんど必ず持っている類の施設。目の前でビールの熟成していく様を見せられ、最後に新鮮なビールを口にしたら、そのビールが無類にうまく感じるというもの。そうした経験が今後のビールの嗜好をも左右するので、販促として重要な施設とも言える。まず最初に訪れたのは、恵比寿ビールの施設であった。
ガキの頃、(ここではないが)同種の施設を訪れた記憶がある。最後にビール酵母入りのつまみのクラッカーを食ったことぐらいしか記憶にないが、ガキにはなんともつまらない施設であった。しかしある程度の歳になって行ってみると、思いの外興味深いというもの。やはり、酒は歴史と社会と密接に関わってきた飲み物ですわい。
最後に、市販されていないビールを何杯か飲んでみたが、なかなかうまかった。
・寄生虫博物館
私が大学1年だったときの主将・Г氏(仮名)が、在学中に訪問したことで部内では名が知られているが、私は在学5年間で一度も訪れたことがなかった。ちょうどいい機会である。
その博物館は、小さな素朴な施設で展示品は少なかったが、それでも写真と標本のインパクトは凄絶であった。とりあえず、山梨の奥地では水浴びはすまい(日本住血吸虫症は1976年に根絶宣言が出されたが、虫自体は山梨の奥地に大量に棲息している)。施設の入場自体は無料だが、展示品の数々に感動した私は、小銭入れの中身をすべて寄付金箱にぶち込んで寄生虫博物館を後にした。
さて、寄生虫博物館帰りにわざわざラーメン屋を探して昼食にした。刺身・寿司とかナマモノでもよかったのだが、あいにくいい店が見つからなかった。私はラーメンを平気で食ったけど、隣の参謀長は必死に別のことを考えようとしていたようであった。
ちなみにГ氏が書き残した文書によると、寄生虫博物館帰りに一番キツイ食べ物は、ナマモノとラザニアだそうな。お試しあれ。
・東京タワー
東京の名所といえば、やはり東京タワー。上京して以来何度来たか覚えていないが、ここは何度来てもいいものだ。セフィーロに召還されたりはせんだろうが、来るたびにその話で盛り上がるものである。
それにしても、今日は随分と民族派団体の街宣車、機動隊に車止め、それに自衛隊幕僚の車が目立ったが、いかようなことが浜松町界隈で行われていたのであろうか?東京タワーから見下ろす眼下には、黒色・カーキ色・灰色と様々な車の流れがよく見えたものであった。
・megaweb
トヨタ自動車の施設。トヨタ車のミュージアム、各種ドライブシミュレーション、そしてトヨタ車を実際に乗る試乗コースなどがある。もちろん、シミュレーションと試乗をしない手はない。試乗の予約をしてから、時間までシミュレーションにふける。
安全運転のシミュレーターでは、参謀長は9回もの事故を起こしたものであった。私は4回。この手のシミュレーションは事故を起こすように出来ているので、実際に公道を走るのよりも難しい。でも参謀長の運転はやや無謀であった。あからさまに駐車場から出てくる車を無視して側面からぶつけられ、歩道の端をふらつく自転車に気にせず、突然車道に踊り出した自転車を轢く。いや、この場合相手の方がわるいのだが、シミュレーションではそれを読まないとダメなのだ。いやはやいやはや・・・。
やっとやってきた試乗の時間。参謀長はプラッツ(AT)、私はMR-S(シーケンシャル)にそれぞれ乗った。予約してある時間が違うため、運転席と助手席に乗り込んでお互いの運転ぶりを見物などしたものであるが。
走行距離も、免許保有期間も、私の半分もない参謀長の運転をこれ以上とやかく言いはしないが、一つだけ気になったこと。それは、試乗コースの信号が黄色になったとき、参謀長が一気にアクセル全開にして信号を突破したことだ。
法的にはどうか知らないが、状況によっては公道ならばそう問題ないことかもしれない。だが、ここ試乗コースではやってほしくなかった。ここでは全ての車の動きをスタッフが監視し、客が危険行為を起こさないか見ている。それにあの信号は飾りではなく、客同士の車間距離を開けるために設置されている。それを強行突破するというのはカンベンして欲しかったわい。ま、スタッフには何も言われなかったが。ときどきこのような奇異な行動をとるのが参謀長である。
ちなみに、私が運転したMR-Sは、なかなか面白かった。クラッチなしでシフト操作できる感覚は、あたかもゲーセンのレースゲームだ。難点は、ミッドシップ2シーターであるため、私が持っていた書類カバンですら収納する場所がなかったこと。実用車としてはかなり問題ありと言える。でも、趣味の車としては、わるくない選択かもしれぬ。
私も参謀長も、久々に運転して楽しかったわい。
さて、以上のコースを経て、我々は帰途についた。飲む趣旨の壮行会ではないので、夕食を摂ってこれで終わりだ。しかし、後輩が私を壮行するためにかようにも事前計画し、時間を割いてくれること自体が嬉しかった。
立て続けに後輩に壮行されるとは、先輩冥利につきるというものである。