■アメリカ的誇大表現
アメリカ人は、よく驚くような大げさな表現を用います。
直訳すると、とんでもないことを言っているようにに聞こえると思いますが、それはアメリカ人特有の誇張表現です。大胆豪快な国民性にふさわしく、彼らはこれでもか、と言うぐらいに物事を大きく表現するのを好むのです。
それでは、実際にアメリカ人がどのような誇張表現を用いるのか、例文を見て慣れましょう。
Your parents have children that lived?
Bet they regret that!
You're so ugly you're a modern-art masterpiece.
訳)
両親は、なぜお前を生かしておいた。
間違いなく、お前の親はお前を生かしておいたことを後悔しているぞ!
現代芸術の傑作の醜さだ。
・Your parents have children that lived?
直訳すると「両親が生かしておいた子はいるのか」となるが、そう捉えるとその意図するところが酌み取りにくい。要するに、「なぜ、お前のような醜い奴を、お前の親は生かしておいた」・・・つまり、「お前は死ぬほど醜い。お前を見ているとイヤになる」という意味のセリフである。
What are you trying to do to my beloved Corps?
訳)
貴様、オレの愛する海兵隊をどうするつもりだッ!
・What are you trying to do to my beloved Corps?
これは海兵隊の儀礼訓練時に、右と左を間違った訓練生に対し、訓練教官が怒鳴りつけるのによく用いる表現である。
・Corps
この単語には、少なくない意味があるが「軍隊」「部隊」という意味にもまま用いられる。上記の例文のCorpsを、Total
stick fighting clubとしても可。「オレの棒術部をどうする気だ!」
I'm going to rip your balls off so you can't contaminate the rest of the world!
I'll motivate you,if it short-dicks every cannibal on the Congo!
訳)
タマ切り取って、クズの家系を断ってやる!
とことんお前を鍛え直すぞ!例え、コンゴの人喰い人種の巨根が粗チンになろうとも!
・you can't contaminate the rest of the world
直訳すると、「お前は世界の残りの部分を汚すことができない」。子孫を残すことが世界を汚すことであり、そして今現在もお前の存在によって世界は汚れている、という意味を含む。凄まじい表現である。
・if it short-dicks every cannibal on the Congo
コンゴの人喰い人種云々という具体例は別として、これは、ひっくり返らないような厳然とした事実を挙げ、それが崩壊するような世界の破滅的状況が訪れても、オレはやる!という強い意思表示である。
Jesus H. Christ!
Why is your footlocker unlocked?
If there is one thing in this world that I hate,it is an unlocked footlocker!
You know that,right?
訳)
こいつはたまげた。
なぜ、トランクにカギをかけない?
オレがこの世でただ一つガマンできないものは、カギをかけ忘れた小型トランクだ!
わかってんのか、コノヤロー!
・Jesus H. Christ
世界に存在するはずがないものを発見したかのような驚き、あるいは他者の原罪そのものに対する怒りに対し、神に呼びかけているということになる。まあ、ただの驚きの声や罵声として使われる。
・If there is one thing in this world I hate
これも自己の強い怒りと不快感を表す強調表現。
個人的には、とても気に入っている。
What is this Mickey Mouse shit?
What in the name of Jesus H. Christ are you animals doing in my head?
訳)
ミッキーマウスクラブのお祝いか!?
ドブねずみが、オレの便所で何騒いでいやがるんだ!
・in the name of Jesus H. Christ
直訳すると、「ジーザスH.クライストの名に於いて」。
意味、用いられ方は、前述のJesus H. Christとほぼ同様。
・in my head
headは「頭」ではない。軍隊用語で言うところの「便所」である。
※heathenというコトバの解釈 |