講義未だ始まらず
1996年04月09日(火)


 眠い。昨日というか今日の0100まで日記書いていたからな。校長が6時間は寝れと言っていたが、やはり睡眠不足はよくない。一昨日は0000に寝たから昨日は0600前にきちんと起きられたのに。これから通学するようになったら、歩いて運動して目が覚めるだろう。
 あと、日記も書きすぎないようにしよう(注1)。この両国が私の法政へのラストチャンスだ。


 1200の放送で昼食へ。弁当が席に置いてある。湯飲みと箸をもらう。「いただきます」は喰うまでに三階言った。田山氏が主導して、テーブルでは今回は話が盛り上がった。田山氏が医系で、井上氏が歯系だそうだ。テーブルのあとの三人は私を含めて文系。どこを狙っていると聞かれて、歯系は国立ならばどこでも、と。しかし国立の歯学部は都会にしかないらしい。田山氏が北大に来たらと言うと、いいねえ、と。北海道はよくて、鹿児島は嫌らしい。私には北大かと聞かれるが、私は私立だけと。数学できないし、とか言っておく。
 毎回同じテーブルで同じ面々だ。まあ、これからも話すことになるだろう。ちなみに英単は、田山氏が500までテストでやったが自分では4級まで完遂したとのこと。井上氏は5000までとか。私は正真正銘の500だ。たまらん。いや、やればいいのだが。もうやり方は掴んだし。


 昼食後、買い物に行ってきますと寮監に申告すると、午後1時からにして、とのこと(注2)。


 外出して水道橋まで言ったら、ウォークマンした寮生(注3)に切符の買い方について聞かれる。
 私は錦糸町アニメイトまで行きたかったが、時間が不安なので引き返す。勉強するしかないか。
 返って寮母にスーパーが近くにないと言うと、白山上にあるとのこと。どこだ。


 最後の寮生が入寮した。これで33人。


 私の勉強は英単のみ。私はまだほとんどやっていないのと同じ。
 焦るな。
 だが、気合を入れろ。
 英単語は、ひとつひとつ時間をかけていったら終わらない。軽く流して、テストで確かめよう。早く量をやった方がいい。

 それにしても、ここの「厳しさ」なんて大したことじゃないけど、眠いのはたまらん。横になることすらしないから、ちゃんとやっているけど。家では遊んでいないときも、勉強をするでもなくボケていた。しかしここではやるしかない。本気でそう思う。英単なんかはまだ苦しみに入らない。授業と英単が並行すると地獄と聞く。
 家族と家と、郷里と離れた。そんなことは物理的には分かりきっている。でも精神的意味はほとんど考えていなかったようだ(注4)。「巣立ち」なのだ。予備校という半端なところにいても、大学や社会同様巣立ちなのだ。父母は広く静かな家で年老いていく。帰りたいとか思わないこともないけど、私の居場所も道もここにしかないのだ。たとえ他の予備校でもやることは同じだし、大学でも朝起きて学校行って勉強しなけりゃならん。そう、これからずっと郷里を離れ、まともな生活を一人で(家族がいない、という意)送るのだ。例え釧路の自宅にいても、いずれ父母はいなくなる。これが必然なのだ。 


この日のカネの動き

地下鉄 白山−水道橋往復 -170*2
ティッシュ 箱
       ウェット
茶葉 紅茶
ゴミ袋 45リットル 白山下コンビニにて -967
電話 家へ -20

財布残高 36196円


注1・・・
日記も書きすぎないようにしよう

 この日記には様々な決意や気勢が書かれているが、これもまた実現していない。
 まあ、日記ぐらい書いてもいいでしょう。

注2・・・
昼食後、買い物に行ってきますと寮監に申告すると、午後1時からにして、とのこと

 休日は原則として1300〜1500の二時間が自由時間。このときは、それを知らなかった。

注3・・・
ウォークマンした寮生

 ウォークマンは事実上の禁制品。音楽自体が禁制品だから。英語のテープならば許可を得られるらしいが、彼がかけていたのは音楽。この程度の禁を破ることぐらい大したことではないが、彼は寮でもウォークマンをして歩いて、案の定寮監にウォークマンを没収された。
 規則を守るか守らないかなんぞはどうでもよいとして、なぜあからさまに禁制品をして歩くかね。別に寮監を挑発しているわけではないようだし。これが後々寮内で迫害される三浦氏のキ@ガイぶりの一端である。

注4・・・
家族と家と、郷里と離れた。そんなことは物理的には分かりきっている。でも精神的意味はほとんど考えていなかったようだ。

 勘違いしないで欲しい。別に寂しいとか、ホームシックとかそういうものではない。そんな感情を抱いたことは、予備校時代も大学時代もただの一度もない。ただ、18年間過ごした実家や両親から離れる、ということそのものがなんとも新鮮であり、不思議であり、なんとなく覚える違和感に戸惑っていたようだ。


解説

 まだ毎日が日曜日状態。目に見える目標が、自主的に進める英単語テストしかないため、忙しさはなかった。ただ、勉強しようと机に向かえば眠くなる。机から離れて畳にねっころがればどんなに楽だろうか。しかしそれはしなかった。かと言って、まだこの日の段階ではそれほど気合いを入れてやっていたとも言いがたい。危機感が募り始めてきたわけである。


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