初登校、クラス分けテスト
1996年04月10日(水)
初登校(注1)。登下校時間は片道1時間以内とされているのに、45分もかかるではないか。早朝(でもないか)も電車は混んでいるし、乗る区間も短いので中で勉強するのは難しい。
12号館へ。非常口というかマンションの通路みたいな廊下。教室から出ると、手すりはあるがそこは外だ。ついでに、久々に同年代の女の子を目にした気がする。所定の教室に入って所定の位置に座る。近くの席の人は、もう高校出てから何年も経っていると話す。渋谷で女引っ掛けて泊まり歩く毎日だったが、親が知らぬ間に両国に申し込んでいたとのこと。それでも彼自身も自らやってくるのだから、生活を変えたかったのだろう。
クラス分けテスト。テスト中でも巡回が来る。試験官とは別に、教室に突然入ってきて、寝ている人間の机をぶっ叩いて去っていく。私は寝ない。気迫の生活を崩さぬ。
テスト、「特〜」クラス(注2)ではないだろうが、かなり下とみた。
メシは6号館で。弁当。学生証を見せて、寮生であることを確認するとメシをくれる。
帰り、水道橋で迷う。
帰寮時間に間に合うかと、焦る。
時間がない。定期券を買おうとしたら断られた。受付が早口でよく聞き取れなかったが、この学生証では定期は買えないのか?そこでさらに時間を食ったこともある。走って帰る。58分で到着。寮の前に客(おそらく両国の職員)がいたが、平静を装って挨拶などして帰寮。
暑い。汗だく。風呂へ。居合わせた人々と話す。けど顔わからん。名前忘れた。釧路を知らない人がいた。北海道の都市だと知っていても、おおまかな位置もわからない奴多数。地震のことを言えばわかってくれた。
集会。寮監が汚い部屋を発表。ふとん上げないで丸める。紙くずの山などなど。それと、洗濯物の洗濯機への入れっぱなしも指摘された。汚い部屋の様子が克明に告げられるとともに、巻き起こる失笑。極めつけは林氏のマッサージ機。
「林君。君の部屋にあるあの物体は何かね。コンセント刺さって、四角いもの。ありゃ何だ」
「ああ、マッサージ機です」
食堂中、笑いの渦に。
寮監は勉強時間7時間確保しろとのこと(注3)。
たまらん。7時間勉強するのがたまらんのではなく、それだけの時間を確保するのがたまらん。
時間を詰めろ!
そういや、部屋に壊れがある場合は申し出ろ、とのことだったな。退室してから見つけると、「最初からあった」と言う人が多いという。だから壊れがある場合は事前に申告しろとのこと。修理して写真を撮って、もし後から壊れても「最初から」とは言わせないとのこと。
いつだか、ふざけてて壁に大穴あけた二人が、一人三万ずつ弁償ということもあったという。
集会より帰りがけ、寮監に呼ばれる。母より宅急便が届いていた。中身は衣類。
短い手紙も。
内容は少ないが、嬉しいものだ。
この日のカネの動き
地下鉄 白山−水道橋往復 -170*2
財布残高 35856円
注1・・・
初登校
校舎には何度か行っているが、それは自主的な英単語テストや自習室の利用。この日のクラス分けテストは事実上初の総員登校であった。
注2・・・
「特〜」クラス
両国のクラスは、アルファベットのA〜Zに分けられるが、されよりも下に「特A」のように特設クラスが設けられる。Zまでは「大学という名のつくところに行ければよいクラス」だそうだが、「特〜」は「中学生レベル」だそうな。
注3・・・
寮監は勉強時間7時間確保しろとのこと
授業以外の自習を7時間しろということである。これは意外と難しい。授業、食事、風呂、登下校、睡眠を差っぴくと、そう何時間も残らない。そこを詰めるだけ詰めて、合理化効率化を進めて、ムダを淘汰することが求められたわけである。
解説
まだ授業ははじまらないが、全員同じ時間に決められた教室に登校。いよいよはじまったという気はするが、まだなんか実感がつかめないでいた。