食い過ぎ
1996年04月26日(金)
1855時。普段はこんな時間に日記を書いたりしないのだが、今日は事情があって他のことをしたくきない。喰い過ぎた(注1)。ここ数年間でこんなにも喰ったことはそうそうあるまい。それで、一番楽な姿勢−右脇腹を下にして寝ている−をしている。ものを書くのには結構無理な姿勢だ。胸の前に置いてある紙に右手首をひん曲げて書くのだ。何回か、左右逆の文字を書いた。
三浦の大将が腹痛くして、メインディッシュの肉と野菜の炒め物が1人前あまった。俺が自分からあまったそれをもらったのだが・・・。
右手がつらい。左手に交代(注2)。
油ものはかなりの負担になる。中和するために米をもう一膳くったのだが・・・無理な量だということに気づくべきだった。量の皿も茶碗もでかい。実家でおかわりするのとは違うのだ。消化能力の限界を超えた。油に対抗するため熱い茶を飲みながら喰う。
残せばいいのだが、自分から余剰をもらった手前できなかった。
三浦の大将が具合悪くてメシをもらわなかった、と聞いた田山氏は「あいつバカだ」とのこと。なんでも大将は定期代をウォークマンにしてしまい、そのため金欠。だから水道水を飲んでいた。あの吐き気を誘う、腐った匂いと味のする寮の水道を(注3)。案の定腹壊して、ここ数日毎日正露丸を飲んでいたとのこと。正露丸の匂いで彼は有名だったらしい。
寮のメシはパートのおばさんが帰る時間があるため、帰寮したら優先して片づけなければならない。しかし三浦氏は遅く帰ってきても、上に上がってなかなか降りてこない。自習などで遅く帰ってきたら、カバンを食堂に置いてすぐに喰わねばならないのに、毎回だ。それに寮監に「腹具合がわるいのならば、冷たいものは控えろ」と言われたそばから、朝食時支給のコーヒー牛乳を飲むし。曰く、これは「コーヒー」だから、「牛乳」ではないからいい、とか。彼は何者なんだろうか(注4)
35分たった。大分腹はらくになった。食い過ぎで35分ムダにした。
本来日記は寝る前だ。
この日のカネの動き
ペリカン便 山本米店にて -1030
財布残高 28121円
注1・・・
普段はこんな時間に日記を書いたりしないのだが、今日は事情があって他のことをしたくきない。喰い過ぎた
別に日記は私の趣味であって書かないといかんものではない。というよりも両国当局にみつかったら、「勉強の妨げになる」とでも言われたかもしれない。食い過ぎたのならばただ休めばいいのだが、ただ黙っている時間がもったいなくてとりあえず日記を書くこととしたのである。
注2・・・
右手がつらい。左手に交代
「読めるかどうか」という程度の字だが、高校時代に右手首を骨折したことがあるため、私は左手でもなんとか字をかけなくもない。
注3・・・
吐き気を誘う、腐った匂いと味のする寮の水道を
あの一帯の水道はすべてあんな感じなのか、それとも寮の水道管や貯水タンクが腐っていたのか。とにかく、寮の水は飲むべきではない、というのが寮生の間で定説になっていた。身体を壊した寮生が、薬を飲むために水道水を飲んだら、それで腹をこわしたとさえ言われていたし。
とにかく、寮生の多くは上京してきたばかり。生水を飲んでもいいことはなかった。
注4・・・
寮のメシはパートのおばさんが帰る時間があるため、帰寮したら優先して片づけなければならない。しかし三浦氏は遅く帰ってきても、上に上がってなかなか降りてこない。自習などで遅く帰ってきたら、カバンを食堂に置いてすぐに喰わねばならないのに、毎回だ。それに寮監に「腹具合がわるいのならば、冷たいものは控えろ」と言われたそばから、朝食時支給のコーヒー牛乳を飲むし。曰く、これは「コーヒー」だから、「牛乳」ではないからいい、とか。彼は何者なんだろうか
規則を何故守るか、何で人の言うこと聞かないとならないか、などということは言わない。ただ、「パートのおばさんが帰る時間あるから、遅く帰ったら早くメシを食う」という勧告に従わない理由がなにかあるんだろうか。ただ、寮監に言われたことにそのまま従ったらかっこわるい、とでも思っていたんだろうか。パートのおばさん困らせてどうするのだ。
さらに、メシ食えないぐらい腹壊しているのに、冷たいコーヒー牛乳を一気飲みするとは。寮監の「腹冷えるから飲むな」という勧告は、そんなに不合理かつ理不尽なことか?従うのはかっこわるいことか?自分の腹だ。大丈夫だと思うのならば飲もうと飲むまいと勝手だが、「コーヒー」であって「牛乳」ではないから飲んでもよい、というのは意味不明。飲みたいのならばよくわからん寝言振りかざさないでとっとと飲め。彼は冗談でも照れ隠しでも反抗でもなく、本気でそういう発想をする男だから怖い。
別に、自分の腹壊すぐらいならばどうでもいいが、パートのおばさんへの迷惑しかり、他人にとって迷惑となることでも平然としでかし、さらに人に勧告されたことには決して従わない彼の姿勢は、これからますます反感を買っていくこととなる。
解説
食い過ぎほど苦しいことはない。とはこの日も思ったはずなのだが、大学入ってからもハンバーガーの100個300個の大食いなんかも1度ならずしてやったような。