反省書だ、反省書!
1996年04月28日(日)
0130時ごろ、雷で飛び起きた。ドリフで出てくる石油缶をとんでもない速さで叩き続けたような音だった。気にせず、また寝る。
朝、ロールパン3つ。食パンは食わず。
どこかで、誰かがゲップをした。反省書だ、反省書!いや、始末書だ!と口々に呼ぶ罵声。
ところで、三浦の大将はすでに反省書3枚たまって始末書になっている。今日も朝っぱらから、寮監と何か険悪に。オレ、井上氏、山田氏で3人並んで見物する。
腹減った。パンみっつじゃ足りん。水もねえし。今日は14時間勉強しないと反省書(注1)。
買い出しにも行けない。昨日の分を工作する。いかんな。しかし反省書よりはマシだ。
屋上での布団干し許可が布告されたので、はじめて上に出た。社員寮だっただけあって、屋上にはベンチ、花壇、芝生がある。芝生は四方ネットで囲まれ、ゴルフ練習でもするのか。こりゃ快適だ。
寮監が注意を述べる。ここでタバコを吸うな、話すな。お前らはうるさい。今年のこんなにうるさいのははじめてだ、と。それから向こうは両国の敷地ではないから入るな、と屋上の真ん中にある柵を差して言う。ちなみに、花壇や芝生は向こう側にある。
自由時間。オリンピックへ行って、軍足、防塵マスク、レンズ付きフィルム、クリップを買う。
夜はカレー。カレーだと食が進む。おかわりに行く奴もすぐに現れる。だれかが米をよそっているときに、寮母が「汚いね!そんなことしちゃダメじゃない!」(という意味のことを関西コトバで)と叫ぶ。皆静止してそちせをみる。皿の米を炊飯器にもどしたという。炊飯器の中は黄色。皆、始末書だと罵声を飛ばす。
井上氏、寮監より紙もらう。紙の受け渡しをみると反省書かと思うが、それは新聞代の請求書だった。そうしたら罰金か、との声も。
この日のカネの動き
クリップ5個入り*2 -135*2
軍足6足 -450
防塵マスク -480
コダックレンズ付きフィルム -1080
税 -68 以上オリンピックにて
雑誌 -320
水 -200 以上ファミリーマートにて
財布残高 25253円
注1・・・
今日は14時間勉強しないと反省書
一週間トータルの自習時間が決められていて、それは1日あたりの最低ノルマ×7(正確には休日ノルマと平日ノルマとでは違うのだが)よりも多い。だから最後の日曜ではよくこういうことがおきた。大抵は、提出する報告書を改竄して水増ししたのだが、それを差し引いても、そうとうな勉強時間であった。
解説
寮生同士の日常会話でも、両国用語が共通言語として盛んに使われるようになってきている。自らの意思で入ったと言えども、もちろん両国に反感を抱く者、寮監や職員に反発する者、制度や効果を疑問視する者、あるいは軽視・嘲笑する者はそれなりに存在した。だけれども、仲間内ではダメな奴に対して罰則の象徴「反省書」というコトバを冗談で使ったりはするものである。いや、カレーの方に至っては、誰がやったのか記述されていない上に覚えても以内が、「仲間内の冗談」ではなく「本気でクズ野郎を罵倒」してたような気がする。閉鎖的空間に於ける人間模様の特徴の一つと言える。