GWの中で
1996年05月04日(土)


 今日は休日。朝メシ食ってすぐに勉強はじめるも、寝る。10時まで。サイテーだ。世界史丸暗記よりも、労力が要る英文和訳でもやっていた方が脳が活性化するか?とにかくここで寝ていたら、リズムが固定化されてしまう。寮監が言っていた。ゴールデンウィークで勝負が決まると(注1)。では、オレはここで崩れるのか?そんなバカなことになってたまるか。とにかく勉強の習性をつけろ。


 買い出し。1時間だけしか余裕なし。白山の小さなCD屋に行ったら、ちゃんとアニソンも新しいのが入っていた。二階の漫画屋でマンガを買う。帰って読む。これでフリータイム二時間を完全に使った。


 風呂にて。高山氏に「晴天は何が得意?」と聞かれる。現代文と答える。すると五十嵐氏が「晴天、ちょっと模試がいいからって調子に乗るなよ」と背後から。田山氏にクラスを聞かれたので、「Hクラス」だと。するとどよめきが。あの模試はまぐれではないとか、本物だとか。あの模試は自分としてはできない方であった。


 夕食。なんか豪華だ。帰省している人(13人になったはず)の分を回しているのか?三浦の大将は、オレンジ色のドレッシングをエビフライにあふれるほどぶっかける。「油物には酸を」とか言っていたが、皆首を傾げる。
 井上氏に現金書留届く。冷蔵庫代として親から送られてきたらしい。オレはいらん。親が払う三万円よりも、自分が払う電気代の方が怖い(注2)。


 2320時、歯磨きに行く。田山氏、高山氏が洗面所にいた。「晴天は、耳栓してる?」と聞かれる。していない。すると俺らの話し声聞こえたでしょと。内容までは聞こえなかったよと答えると、ごめんね、とのこと(注3)。いや、オレは夜食を食っていたから(つまり勉強していたわけではない)気にしなくていいと言っておく。彼らも田山氏の部屋でラーメンを食ってたとのこと。静かに食うんだねと感心された。ときどき田山氏の部屋でラーメン食っていたのは高山氏だったのか。
 もう一人やってくる。彼は「三浦の大将の部屋を見たか」といきなり切り出してくる。やばい匂いがする、とのこと。高山氏がやりすぎじゃないのか、とセ**リの動作を真似する。思わず吹き出してしまった。三方から「受けるなよ」と突っ込まれた。頭のよくなるポプラとか、うさんくさいグッツの匂いではないかという話になる。


この日のカネの動き

雑誌 -790
紙袋 -350
水 -200*2
ボールペン、修正テープ -1776

財布残高 14210円


注1・・・
寮監が言っていた。ゴールデンウィークで勝負が決まると

 もちろんGWでめいっぱいだらけようと、それで必ず勉強のペースが乱れて成果が上がらなくなる、というわけはない。気を抜かないように発破をかけているだけなのはわかっていたが、私はそういうコトバを流用して自分に言い聞かせてなんとか気を抜かないようにしていた。寮監が言ったことや教員が言ったことを盲信していたわけではない。


注2・・・
親が払う三万円よりも、自分が払う電気代の方が怖い

 なんだかんだで予備校の学費寮費食費雑費で300万以上使わせてしまったし、大学の受験料も35000円×約10校。大学に入ってからは私立大学の入学金、学費、そしてバイトをしなくても暮らせるだけの生活費を親には負担してもらった。アメリカに語学研修にも行ったし、さらには留年までした。私は予備校時代に冷蔵庫を最後まで買わなかったが、そんなことで親孝行になるわけもない。けれども私は「親にこれ以上負担かけたくないから」冷蔵庫を買わなかったわけではないのだ。自分の財布から払う電気代を恐れて冷蔵庫を買わなかった。実際問題として、3食支給で、清涼飲料ぐらいしか冷やす物がないのに冷蔵庫なんかはいらなかったけど、仕送りの中から電気代を払うことを厭っていたとは。私は平気でこういう計算をする人です。


注3・・・
「晴天は、耳栓してる?」と聞かれる。していない。すると俺らの話し声聞こえたでしょと。内容までは聞こえなかったよと答えると、ごめんね、とのこと

 他人の部屋に出入りするのは重罪だった。何しろ、自分だけでなく、部屋の主の勉強時間を浪費し、さらには必ず会話をするので近隣の人間の迷惑にもなるためである。だが、寮監が四六時中監視しているわけでもはないので、他室出入りは恒常的に行われていた。もちろんしばしば見回りにやってきて、そのときに見つかればペナルティを食らうのだが。
 でもって、田山・高山氏もその禁を犯していたのだが、まじめな(と思われていた)私が苛立っていたのではないのか心配していたわけだ。だけれども私は高山氏あたりとは違って、小声で話してラーメンをすするぐらいの音何とも思わない。このとき実際に私がラーメンを食っていたのか、それとも食っていたと主張することによって気遣っていたのかは忘れた。


解説

 なんてことのない1日だが、もうすでに「三浦氏がおかしい、アホだ」というのは共通言語になって定着していたようだ。 


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