いじけるなよ
1996年05月09日(木)


 2356時。日記もろくにつけられん。文章力おちるかも。

・行き、地下鉄で三浦の社長と会った。声もかけず。

・英語の授業に充実を覚える。*先生はなかなか中大スピリットな先生であった。法政よりも質実剛健な校風なのかも(注1)。

・尿検の容器もらう。醤油の容器みたい。北海道では小学も中学も高校も試験管だったが。

・帰り、山田と一緒になる。オレがエアガン持っているかと聞いたら、山田はガキのころは持っていたよ、と言いにくそうに。どうやら、オレが「お前みたいな出来の悪いやつは、オレのような優等生と違ってエアガンとくクソくだらないもの持っているだろう」という意味でとらえたらしい。慌てて、オレは修学旅行に行ったときの小遣いでデカいの買ったとか、拳銃を毎日高校に持っていって、軍人と呼ばれたというエピソードを話す。やっと、山田はいじけるのをやめた。

・山田は、「女を見ると(性的な)妄想する。変だ」と、自分でいきなり生々しい妄想を告白して、そしていきなり自分は変だといじけだす(注2)。オレは別に異常なことではない、高校の時はよく仲間と話していた、と言っておく。

・模試の結果。
現代文60.9→62.5
英語35.1→50.4
古文46.1→55.4
世界史は変化なし
でも、あまり意味のない数字だ。所詮偏差値。年度初めの数字なんかは当てにならない。

・もう0010時。寝ないと。「尿検」と紙に書いて、部屋のドアノブにセロテープで貼っておく。忘れないように。


この日のカネの動き

コーヒー 12号館下 -110
電話 寮の前 -10

財布残高 12545円


注1・・・
*先生はなかなか中大スピリットな先生であった。法政よりも質実剛健な校風なのかも

 中大は結局私の母校となったが、法政が夢のまた夢、東洋で万々歳、東海に入れたらいいなぁ、という大学観念を抱いていた私にとっては、多大なる関心はあるが自分が入る、入れるなどということはあまり考えなかった。それでも、講師がときどき余談で話す自分の母校についての話は、予備校生としては大学生活を想像する材料ともなり、非常に興味をそそられた。特にこの中大卒(院修了だったかも)の講師の話はおもしろかった。明治は受けず中央を受けたりと、私は大学のえり好みが激しかったのだが、中央を志望校に選んだのはこういうなんてことのない雑談からきているのかもしれない。


注2・・・
山田は、「女を見ると(性的な)妄想する。変だ」と、自分でいきなり生々しい妄想を告白して、そしていきなり自分は変だといじけだす

 私とて勉強の1秒もせず、毎日ゲーセン・カラオケに入り浸り、下宿にたまって酒など飲むゴンダクレ高校生だった。だけれども、メガネで黒髪でとりあえず一生懸命勉強している私は、とんでもなく真面目な人間と過大評価されていた。
 だからこそ、私がエアガンの話をしたら変な被害妄想を持ったり、エロ話を自分からして自分で恥じて後悔したりしたんだろうか。とにかく、山田のこういう自意識過剰すぎる面には、ずっと悩まされることになる。


解説

 山田の被害妄想はこんなものではない。
 後々に、もっととんでもないことを言い出したり、誤解や錯覚の果てに危険な行動に出たりもするようになる。それは後の話。 


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