晴天君、すっげーキレてた
1996年06月12日(水)


 日記が2冊目になった(注1)。


 窓の下でバイクの猛烈な空ぶかしの音と、若い男の話し声がもう何分も続いている。うちの寮生がついにバイクを持ち込んだか!と一瞬思ったが、窓を開けて下を見下ろすと、Yシャツに学生服のズボンの坊主頭が3人。高校生か。高校生だろうと免許を持っていればバイクに乗るのも勝手だが、こいつら、こんなガキが道で遊び、猫が寝ころぶこの狭い路地を、どんなスピードで走っているんだろうね。きっと飛ばしているんじゃないのか。それはわからんが、うるせー。ここが予備校の寮の前だから気を使えとは言わんが、この平穏な住宅地でクソやかましい。私は連中に聞こえるように、思いっきり窓を閉めた。窓ガラスが外れて落ちるのではないかというほど、窓が激しく震えた。そして再び窓を開けて、自分の姿が見えないようにして怒鳴った。
 「うるせーんだよ、クズども!」
 バイクは走り去っていった。
 それから少しして、田山氏が「バイクうるさくなかった?」と言う声が廊下から聞こえた。そして高山氏の「ああ、晴天君、すっげーキレてた」との声が。ああ、みっともないことをしてしまった。


 後になって高山氏が「センキリ貸して」とやってきた。
 「缶切り」ね。

  


この日のカネの動き

なし

財布残高 8877円


注1・・・
日記が2冊目になった

 この日記はノートではなく、ルーズリーフをバインダーに綴じて書いていた。バインダーを買ったら、ちょうどよい量だけルーズリーフを綴じていたので、そのバインダー1冊分が終了したということ。


解説

 普段私はそんなに音を気にしないし、隣の部屋の音の1つでいがみ合うこともしばしばあった中で、ペンの音やドアの閉め方でいきり立つことはなかった。だけれども、このときのマフラーをいじったバイクの猛烈な空ぶかしように、ふざけた音には腹が立つ。音が大きいから腹が立つのではない。迷惑行為を平然とやる無神経さや調子こいている精神に、腹が立つのである。だからこのときは怒り狂ったのだろう。


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