消毒剤
1996年06月21日(金)
回転率が悪くなってきた。今日の復習は一応済ませたが、もう1度見直ししたい。そして予習などするヒマもない。文学史や文法をやらぬとは。明日の模試でどれだけ取れるだろうか。いや点数は二義的。やって、勉強したい。日曜に出かけずにやるかな。
緊急ミーティングがあった。食中毒が流行っているため。それを聞いただけで高山氏は声を上げる。そしてS予備校の寮で40人やられたと聞くと、皆悲鳴を上げる。それで消毒剤を洗面器に入れて玄関に置いた、と。帰ってきたときに消毒剤かと思ったけれど、本当にそうだったとは。伝染病でも発生したかと思った。冷蔵庫に食い物をなるべく入れるな、卵は捨てろ、水は沸かせ、外で食うのは控えろ、と。
便所で消毒液を使っていると、「さっそく」と高山氏。高山氏は使い方をわからず。これを押すのだ。
風呂で結構おもしろい話もあったけれど、もう時間がない。そう、何日経ったのか。かなり慣れた。その気になれば人と話をすることもできるし。
00:06 ねる。
そうそう、虫がいおった。キンチョーが効いていない?窓を閉めたら、皆、落ちて苦しみ、のたうち、埃と格闘しだした。まあ連中の寿命は短いが、窓をしめたら落ちはじめたのは偶然か?
窓を閉めたら目にしみるような気がする。
ではねる。
もうねるよ。
船橋屋に行ったら、スイスのツールナイフがショウケースに並んでいた。なんか、うれしい。というかあるわけないけど望んでいたものに出会ったというか。エアガンが並んでいるだけでもガンショップに来た気分になったのに、こりゃ本物だぜ。しかも安い!1本買っとくかな。
オペラグラスや双眼鏡もあったが、6〜800円だった。ひとつ携帯用に欲しいと思っていたんだよ。
万年筆も1,000円もしないで買えるのか。あと要らんけどスタンガンまでありおった。スタンガンって使い勝手が悪いから要らん。もちろん使えない。Weaponはないかな?
この日のカネの動き
水 2リットル -198
赤ボールペン -90
コピー -20
うがい薬 -550
財布残高 3,339円
解説
個室に冷蔵庫を備えている部屋もあったので食中毒に際して飲食物の注意がされている。だが、3食出されるのに冷蔵庫なんぞ必要ないとして最後まで冷蔵庫は買わなかったけれど、ペットボトルの水に口をつけて飲んで常温保存していたのはかなり危険だったかもしれない。上のカネの動きでも2リットルのペットボトルを購入しているが、1996年当時、ペットボトルといえば2リットルなど大きなものが一般的で、500mlの小さなものはようやく出始めるかどうかで、水にいたってはおそらくエヴィアンなど輸入物ぐらいしかなかった。本当は飲みきりが一番衛生的なのだが、そういう品物は出回っていなかった。出回っていたとしても、倹約のため2リットルのものを買っていたとは思うが。
船橋屋とは当時両国にあった、雑然とした何屋なのかよくわからない雑貨屋のこと。結構広い建物で中は雑然といろんなものがあってダンジョンのような雰囲気があり、どこまでが一店舗なのかもよくわからなかった。しかし安くいろんなものがあったので、田舎から出てきて、シャバとの接触も少ない当時の私には刺激的なスポットだった。ここで買ったヴィクトリノックスはまだ所有している。はじてめヴィクトリノックスを見たことにえらい感動しているのは、歳を食い、様々な土地に行き、それなりに豊かな消費生活も享受した今となっては隔世の感がある。受験上京で初めて同人誌ショップに行ったときも、『コンプティーク』などに載っている噂に聞く都会の文物たる同人誌、実在していたのかと言わんばかりに感動した。ヴィクトリノックスも銃器雑誌や柘植久慶本で知ってはいたが、実物を見る機会はなかったのだろう。これが当時の田舎で、ネットもなく、少ない書誌で身の回りにない文物に憧れていた若者の姿だったのだろう。