風呂で談義
1996年06月23日(日)


 日曜。また6時25分起き。一瞬たりとも寝ずに午前中は立って勉強をする。

 昼過ぎ、「社長(三浦氏のあだ名)のご両親来てるってよ」「ふつうの人だった」「そりゃ何かの間違いだわ」「そんな、ご両親までわるくねえだろう」「いや、蛙の子は蛙っていうっしょ」

 昼、出た。水道橋から春日まで歩いた。地下鉄が空中を走っていた。おそらく丸の内線だろう。歩いているとき、何か変だと思ってた。鉄道ならば電線があるはずだが、それが脇にしかない。しかも途中から地下に潜っている。上から見たら、レールのほかにもう1本あった。あれが電気ケーブルだろう。

 本屋で林君が小説を立ち読みしていた。やるな。

 風呂。P4:00すぐに行くとさほど混んでいない。8人だから少々待ったが。結構湯が熱かった。俺と布井君は入るが、監督(佐々木君のあだ名)は入れず。
 俺は今日散歩した、水道橋まで、というと布井君は今日、俺、電車乗っていないよ、と。きっと生協に行っていたのだろう。生協マニアと言っていたからな。白山駅の反対側にあるらしい。水が百何円と聞いては黙ってられない。今度行ってみよう。
 冷蔵庫は入れていない。というと彼は必要だよ、と。すると山田君、「冷蔵庫は贅沢品だよ」と。うむ、まさにその通り。俺は水しか要らんし(必要なのは水分だけだから)、水はぬるくても飲める。
 岩本氏、古本屋で『我が闘争』を見つけて、買おうと思ったけれど下巻がなかった、とのこと。ただ、どういうものなのか知っておきたい、という。布井氏の友人にヒトラー狂いがいたらしい。すると俺、うちにもそういうのいた、國學院に行った、と。彼の友人は中学なのでよくわからない、と。俺「総統って呼んでた」「会ったらこうやってた」と例の格好を。「かわいそうに」とのこと。誰が?総統が?

 俺はここであがる。湯船で高山氏が『レッドオクトバーを追え』など映画の話をしておった。う〜む。俺は多少は観ているし、解釈もそれなりだと思うのだが、映画はやっぱり専門外だわ。それにもう風呂からあがっちまったし。

 やがて布井氏もあがる。君ってどういう音楽聞くの、と。極めてマイナーなものだけれど、と前置きして、軍歌、と。なんか布井君、少し静止していた。そして「君ってやっぱり右翼なんだね」と。右翼じゃねっス。それよか、やっぱり、って?相当が友人だからか?他に何か言ったっけか?別にどうでもいいけれど。彼はどちらかというと左だそうだが。
 思想の雑誌買って持ってくるやつがいた、とのこと。そこまでのめり込んでいたのか(いや、どうかな)。しかし『週刊金曜』?釧路で売ってないぞ、きっと。岩本氏、あがってきて、『マーダーケースブック』買っている、と。俺も買っている。おもしろいよな、あれ。「犯罪のこと読んでいるとわくわくしてくる」とのこと。布井氏、「あぶないな」と。結構『ビリーなんとかの24人格』とか新書とか読んでいるのな。『大地の子』も文庫化するのを待ちきれなかった、と。さすがだな。もう18才だし、進学校の高校生だったんだもんな(進学校だからどうとも言わんが)。


この日のカネの動き

水 -200
エヴァのひみつ -1,000
なんか千円たらん -1,000

財布残高 1,139円


解説
 三浦氏はなかなか風変わりな思考様式、行動様式の人物で、83寮をしばしば震撼させていた。だからといって親御さんまで云々するのは感心しないが、「ふつうの人だ」と言われるとびっくりするのもわからなくはなかった。

 本や雑誌を読んでいる(シャバで読んでいた)というのは今思うと別にどうということのないことではあるが、「もう18才だし」という感想が出てくるあたり、まだ活字は大人の世界だという意識があったのかもしれない。しかしおそらく同年齢の仲間で『週刊金曜日』を読んでいたやつがいるというのは、やはり、なかなかつわものではある。ヒットラー云々については、まあ、中高生あたりの稚気というやつで。


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