懐中電灯を持ってる者、どのぐらいおるか
1996年07月02日(火)


 自習室へ行くも、眠くて集中できず。立って勉強できる部屋の方がいい、と帰る。明日も2時限だ。帰りの電車の中の方がはるかに充実した勉強ができた。

 今週のミーティング、「懐中電灯を持ってる者、どのぐらいおるか」との問いに手を挙げる。俺1人か。不用心だなあ。1人しかおらんのか、と寮監さん。誰かと思って皆ふりむく。そして、さすがだなあ、と。どういう意味のどよめきなのだろうか。マジメな人はマジメな備えをしている。用心深い。釧路人。などなど。うーむ。まあ、用意がいいという程度だろう。寮監さんが、電気消えた中ではゲタを持って逃げるのがやっとだろうけど、と言うが、俺は携帯している。ポケットから出して寮長に見せる。寮長、手に取ってながめて、すげえ、と。そうだろう。マグライトだぜ。この手のもので最高の品だ。USAの刻印もある。
 寮生がよく洗顔クリームで時間をかけて顔を洗っていることについて、さぞ美しい顔で、と。大笑い。優雅に勉強している、と。
 冷蔵庫所有者は17人。みなさん裕福なご家庭で、と。また受ける。でもまあ一括で300万も400万も出せるんだもん、多少なりとも余裕があるってことだよな。うちもかなり無理をしているけど、文句も言わずに出してくれた。本田氏などさぞかし金持っているんだろう。ドラムセットを持っているというが。医者の家だったか?
 パンツいっちょになって勉強しているのはまだしも、机に向かって寝とる。窓開けて風邪を呼んでいるようなものだ、と。誰だ?そんなアホは。
 寮監、衛生の講習5時間して、尻がいたくなった、と。両国は社員教育も徹底している。
 
 「朝、軍艦マーチと共に起きる。まあ軍艦マーチやない」と。間違いか。寮監さん、戦争のとき何歳で、何やっていたんだろうな。
 学習状態報告会とやらで、テスト、反省書、始末書、自宅学習報告書をすべて綴じたものを親に渡す、と。皆(の2/3〜3/4)、悲鳴を上げる。岩淵氏、質問。「それ、追試もいくんですか?」と。大爆笑。


 田山氏、俺の時計が違うことに気づく。けっこう見ているんだな。見せてというから外して見せる。カッコイイ、と。そういえば、外して見れば結構カッコイイんだよな。自分の腕につけているところは上からしか見られないが。


 万年筆もどきが切れかけている。そのうちボールペンに戻るだろう。高校生のときに万年筆やツールナイフを持っていたら、さぞかしうれしかっただろう。息子が出来たらスイスアーミーナイフを14の誕生日にプレゼントしたい。


 さあて寝るか。今日のことはすべてこなした。英語演習のWhat's timeは心の奥底から笑えた。英語を読む。力がついてきたな。英語解釈5の復習は日曜か。明日は英単語だ。

 荷物届いて関西大学の資料もきた。いい大学だと思うけど、文化圏の違いがけっこう不安だ。京都だ言葉が8割しか通じなかったからな。まあ大丈夫だと思うけど。


この日のカネの動き

水 -250

財布残高 9,329円


解説

 今回はたまに食堂に全員集めて開かれるミーティングの様子である。ミーティングは決まった曜日に定期的に開催された気もするが、ときどき急な伝達事項があるときには放送があり、突然集められることもあった。

 寮監は両国予備校に雇用された職員だろうけれども、どういう雇用契約にあったのかはわからない。しかしそれでも5時間も衛生講習とやらがあるとは、かなり職員管理もしていたらしい。ちなみに寮長とは、寮生の代表のことで、隣室の田山氏のことである。

 災害時に備えて懐中電灯を持っているのが私ひとりだというのは意外だった。しかも備えをしていることに驚かれたことも。単三電池2本を使うマグライトのような品物で「最高の品だ」と語るのは稚気かもしれないが、しかし懐中電灯といえばプラスティックで一体成形されたダサい品か茶筒みたいな鉄の筒みたいなものばかりだった時代に、全アルミ合金製で細身のマグライトはスタイリッシュに見えたのだろう。そして「携帯していなければ意味がない」として常に持ち歩いていたのは釧路沖地震の経験による。今でもごく小型のものをキーチェーンにまとめている。

 What's time.は外国人がイギリスで「今何時ですか」と聞こうとして「時間とは何ですか」と聞いてしまい、それは哲学的な質問だと通行人が困惑するという小咄。ものすごく短く、シンプルな英文だが、高校時代はその程度の英語力もなかったし、その程度の英文を読めるようになって感動している。いかに高校時代に勉強していなかったかが窺える。


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