「青がまぶしい」
1996年07月05日(金)


 朝、食堂へ行ったらポカリの缶が各席に。誰かが「青がまぶしい」と言っていたが、本当にそんな感じがした。
 これは岩本氏が、ある会社の上の方の人の、年間の予定が書き込まれている大切な手帳を拾ったことへのお礼だという。「ありがとう、岩本!」「しかし、よくものを拾うなあ」と人々が口々に言う。本当によくものを拾う人だ。これは見つける能力や目に入ったものへの関心といったものが関係してくるのだろう。偶然ももちろんあろうけれども。

 今日は英単474やった。多くない。週360x2がノルマなのだから。しかし復習しないと意味が薄れるぞ。

 メガネ、もう限界か。ヒーティングがはげてキズだらけ。乱視が酷くなる。目の疲れが酷くなる。髪が刺さっているのではないかと思うほど疲れ目になる。

 TS氏って人、タバコ吸うし、休み時間目一杯出てるし、遅刻はするわ居眠りはするとなかなかの生活だが、世界史はJの中では上位。公開模試でも偏差値68もいっていた。やはり優秀な人なのだなあ。よく遅刻して学校で話していても、寮では気合い入れているのだろう。尊敬すべきところだな。彼の黒いカッコウ、けっこう渋くてよいのだが、俺がああいうカッコウをしたらどうなるか?細めの人は着こなしがいいが(高校時代のくさ氏なんか何来てもモデルみたいだった)、恰幅の良い人間はどうなのか?俺の計画。角刈りにする。金縁メガネをかける。金時計をする(本物の金でなくてもK18ぐらいのならそんなに高くないか)。黒でしめる(しまるか?)。そうするとスパルタンになるだろうか(意味がわかってつかっているのか?)。

 ジーパンの左ポケット、マグライトの端に押されて傷んで、穴が開きかけてきた。どうする?アメリカ製のポーチみたいなのを使うか?

 あと1ヶ月で休み。あと数日で入寮3ヶ月。あと7ヶ月で入試。短いものよ。よく考えりゃ、昨日のような、何年も前のよう、という時間の感覚はいつもとかわらん。でもなんか早い、短い気がする。同じことをやってて1日1日大差ないからなか。

 そろそろ同人誌でも買いに行くかな。あさってにでも。 


この日のカネの動き

銀行 +3,000

財布残高 8,503円


解説
 岩本氏はよくものを拾う人で、寮でもしばしば彼の拾いものが話題になった。その中でも、これは最大の出来事であった。会社のえらい人の手帳を拾って届けたら(電話したのだろうか?)、お礼に寮全体にドリンクを箱で送る。相手もなかなか粋なことをするし、おそらく電話をして、お礼をしたいというその話のなかで予備校の寮だということがわかって箱で注文したのだろう。手帳は、個人のスケジュールはもちろんのこと、相手があっての予定も多く書かれているだろうし、下手したら入金や支払期限などの資金繰りのこともで書かれていたかもしれない。ないと本当に大変なことになりそうである。

 TS氏は別の寮の両国生なのだが、素行があまりよくないのに成績は良好だということで、少し憧れていた面もあった。普段着として中学高校とジーパンを履いていた私だが(それでも小学校時代の四六時中ジャージからは進歩したのだ)、ジーパンを履くことを辞めたのは少なからずTS氏の影響である。

 余談だが、最後の同人誌云々は、すでに池袋の同人誌ショップを覚えた私はときどきそういう店に行くこと、眺めることだけでも多大な娯楽となった。そしてたまに買って寮で隠し持ち、登校後の部屋検査で見つからぬよう四六時中持ち歩いて、ある程度たまったら「開けるな」として実家に送りつけるなどしていた。下手したら大学の学費よりも高いカネの予備校に行って、それで娯楽本を読んでしこたま家に送りつけておいて、それはそれで問題なく想定以上の結果は出したのだけれど(中大法学部は第一志望というよりチャレンジ校という位置づけで受けた)、これでまったくどこにも引っかからなかったら、親には申し訳なかったし、自分自身でも慙死する思いだったのではなかろうか。もっとも上記TS氏に共感するように、私は私である程度規則と折り合いをつけつつ(やたらめったら軽んじたり徒に反発するのではなく)それなりにやるところではやって結果を出すのを良しとしていたので、この程度の規則違反はなんとも思っていなかったのではあるが。


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