たるんどる
1996年07月14日(日)


 たるんどる。朝6:20に起きたのはいい。目覚まし止めろ。高村氏が止めたらしいが、またしても迷惑かけた。

 午前中11:30まで寝た。立ち膝、歩行など少しやってみたが、寝ちまった。わかっている。どんなにつらくとも、勉強に身が入らなくとも、立っていたり、立ち膝をしたりしている限りは眠らない。俺は自ら寝た。最初のうちは、夜寝るときまで背を床につけないと言っていたのに。寮監さんが来たときに言い訳ができないとして、参考書を開いて、机の上で、寝た。たるんどる。顔洗え!立て!寝るな!テストの復習をしないで明日のことをすることにした。
 でもその気になれば、今日ですべてこなせたはず。2時間のフリータイムの1時間半も使い、さらに4時まで『ヴェトナム・ディープ・ウォッチ』を読んでいた。ここへ来て、初めて書を読んだが、なぜ読んだ。買うだけだ!読むときは必要な情報を得るときだけだ!俺には一刻の余裕もない!単語も遅れとる。単語だけでも十二分にやれる。

 文庫3冊で3,200円。水とコピー代も足りるかあやしい金額しか残っていない。羽田へ行くときは貯金……いや、羽田は来月か。4,000円下したしな。この4,000円はオーバーのはずだった。エヴァの設定資料などのカネだ。それが消えた。『ワルサーストーリー』など今日の書はいつかは必ず買うものではあったがな。

 クーラーを1分間つかっちまった。恥だ。明日だか、明後日だか、志望校調査がある。なんと書くかな。
 法政−社は当然。あと法−政治。文−地理、経営、経済。あと東洋の社か?どうすっか?いずれ、選ぶときがくる。願書を出すときが。そのとき選ばないとな。まあ日程がわからんと、わからんが。しかし2日連続はきつい。1日置きぐらいがちょうどいいはずだ。本当なら2日置きぐらいか。でも、法政−社以外はそんなに行きたくないのだよ。いや行きたくないのではない。なんとしても法政の社会学部に行きたいのだ。ならばやってやってやりまくれ。早稲田受かっても蹴ってやれ!
 それはともかくなんて書く?

 ゲーム史(20分単語やった。10分でこれを書く)

※これは高校時代にやったゲームを格闘ゲームを中心に思い起こしているだけで、思い起こすことそのものが娯楽となったはずだ。
「所」はソフトをすでに所有、「望」は買いたいという希望と思われる。


この日のカネの動き

本 ワルサーストーリーズ -980
本 ピストル図鑑2 -1,500
本 ヴェトナム・ディープ・ウォッチ -720
水2本 -400

財布残高 1,474円


解説
 人には迷惑をかけず、規律正しく生活しているつもりだったが、しでかしてしまうこともある。この日はぎりぎりの時間に起きた上に目覚ましを止め忘れて(いくつもあるのでそのうちの1つだろう)、そのまま食堂に降りて、鳴らしっぱなしにしてしまったようだ。食堂に集まる朝礼が06:30なので、その直前に鳴って、まだ部屋にいた人が止めたということか。こういう迷惑はかけてしまってから、実際に何を言われても言われなくても気になって仕方なくなる。

 当時は、金銭感覚がいまだに高校時代に毛が生えた程度らしく、カネを下すのも4,000円程度と細かい。しかもそれでも冗長性を企図しての金額だったようだ。衣食住すべてに自分でカネを使うことのない立場で、(もちろん一人暮らし向けの仕送りよりは大分少ないとはいえ高校時代の小遣いよりは多い)仕送りをもらってあまり使わなかったので、両国を終えた時には当時の感覚としてはそこそこの額、カネが貯まっていた。

 眠らないよう様々な工夫をしていたが、ついに自ら寝てしまったようだ。まさか布団を敷いたわけではないから畳に転がったのかと思ったら、単に机に突っ伏していただけという。しかも勉強をしているふりをするため参考書まで配置して。寮監がドアノブに触れた瞬間に跳ね起きて取り繕えるという寸法だ(が、寮監は音も立てない)。あまりにもささやかな怠慢、と思いきや、ついには文庫本まで読んでしまった。とりあえず買って確保して実家にひそかに送るのではなく。
 このとき読んだ本は、本屋でたまたま目に入って買った『ヴェトナム・ディープ・ウォッチ』。現地で買ったホンダ・カブを駆ってベトナムを紀行するというもので、当時のまだまだ開発されていないヴェトナムの田舎と人々の営み、そして人々の心に残る戦争の痕跡とが描かれた。これでヴェトナムにあこがれて外国語大学のヴェトナム語科も少し考えたが、科目の多い国立大学は敷居が高く、現実的な目標とはしなかった。

 それにしても、当時はまだまだ受験人口が多く、今よりも大学受験の競争倍率が高かったということもあるが、今の感覚では信じられないほど法政大学を「高嶺の花」とみなしているのがすごい。しかも早稲田を蹴ってでもいきたいとか凄まじい。当時の私は早稲田を(入試難易度ではなく大学として)かなり過小評価していたので、こういう発想が出てきた。若さゆえの奇怪なこだわりか。


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