「シルバータビーのシロ」を思い浮かべてしまう
1996年07月15日(月)
久しぶりに家に電話した。もちろん硬貨。母さんがカゼをひいたらしい。あとは特になし、とのこと。よき猫は寝とるとのこと。まあ、猫。もうレオがどんな顔をしていたか思い出せない。「シルバータビーのシロ」を思い浮かべてしまう。レオもそういう面構えだったかな。ああ、しかし、うちにはいい猫がいるのだろう。血統だけのことではなくて。サングラス買うことも伝える。好きなように買え、と。カネも出してくれるとのこと。
スイスアーミーの押し切り缶切り使いたくて、八百菊で缶詰を買う。イタリア製のトマト……。イタリアは先進国でEUは衛生が厳しい。大丈夫だろう。ただ適性というやつがあるだけだ。
押し切りはやはり使いにくい。何回か缶から外れた。引き切りの方が力が要る気はするが、確実だ。まあ、ちゃんと用は足すし、第一、携帯・非常用だもの。
今日も雷。内地は雷多いわい。
明日の志望校調査。何て書こうか。まあ書くだけだから。でも、わからねーよな、どこ受けるべきか。せめて日程がわかればな。
MT先生の英語のやり方は俺のと一致する。道理で偏差値58が出るはずだ。まあ両国生の程度というものがわからんけどな。
明日英単。まだ半分だ。わからんところを潰すだけとはいえ、知らん単語潰すのは根気がいる。自習室で寝ちまわないだろうな。
ニュースによると誘拐事件があったらしいが、下見に別の車を使用して、ナンバープレートも偽造するなど大した手間をかけているそうな。個人か、それとも組織的な犯行だろうか?世の中いろいろいるな。被害者、どういう目に遭っているかわからないが、帰っても大変だろうな。
この日のカネの動き
電話 -300
コピー -30
飲料・トマト缶・フルーツ缶 -235
-3?
財布残高 292円
解説
実家にはたびたび電話をしていたが、もちろん使用していたのは公衆電話であり、公衆電話の長距離通話では瞬く間に硬貨がなくなった。この日は、100円玉を3枚投入している。それで何分話をしたのだろうか。サングラスなどという無用の長物について、「目が弱いから、東京の日差しから保護するために必要だ」とかインチキを言って代金をせしめようとして、成功していたのが見て取れる。結果としてサングラスは買わなかったが、予備校時代も学部時代もこんなことばかりだった。ぼんくらである。
猫に関しては、実家では18年間常に猫が最低1匹いたが、当時買っていたアメリカンショートヘアーのレオの顔を思い出せなくなっている。思い出そうとしたら、柄だけシルバータビーになった、すでにこの世にない白猫のシロの固太りの体格・面構えで思い返されるという。記憶はなかなかあてにならず、事実ではないと自覚している光景が思い出されたりするのだ。実家から予備校に出てきてからその後およそ15年間にわたって猫のいない生活をすることになる。
ヴィクトリノックスのスイスアーミーナイフの押し切り式缶切りを使ってみたくて缶詰を買っているが、衛生状態に気にしているには、よほど安くて見栄えがあやしいものを買ったということだろうか。「適性」というのは、腹に合わないと体調を崩すのではないかという懸念であろう。
偏差値58は大したことのない数字に思えるが、しかし高校時代の私には目にしたこともない天文学的な数値であり、わずか3か月半でここまで成果を出せたことに、予備校講師の唱える勉強法と自分の勉強法とず一致していることもあいまり、自信をつけているようだ。
誘拐事件については夕食時にのみ、食堂の遠くのテレビを短時間、片目で見る程度のことなので、それほど多くの報道に触れたわけではないが、手口の周到さに驚いている。むかしになればなるほど誘拐事件は多かった印象がある。このときの被害者は無事に帰ってきたのかどうかさえわからないが、心身ともに最小限の被害で帰ってきて、今は心穏やかに暮らしていることを願う。
それにしても残金292円とは食費が前払いで3食出るといえども、なかなかのものだ。