96東京マップ
1996年07月30日(火)


 今日はサイテーのたるみ方だった。東京名物マップみたいなのを買った。東京にいて、見てこそ、利用できる。帰省の時に寄ろう。しかしこれだけあるとどこで何すりゃいいかわからん。カネと相談したい。釧路では、見つけ次第モノを買ってても、カネはなんとかもったし、どこで何をするか決まっていた。却って、欲が失せた。いや、もともと東京に行って何かするぜー、なんて考えはないな。『Gun』のバックナンバーとアニメイトぐらいしか興味はなかったが、これはそんなでもない。

 なーんてことをやってて時間を食った。英単、今140ぐらいしかやっていないのに、寮でやってねー。終わらんぞ。英文法、復習、半分弱、現文予習、読むだけ。なんとまあ。現文はつくばの記述。ぜひともやるべき問題だ。明日世界史テスト。明日の朝でも間に合うが、やはり少しでもやった方がいい。

 ミーティング。25日、81寮、暴力事件。これで2件目(山田事件は入れないらい)。両国始まって以来。26日退学を前提とした謹慎処分。父親来て荷物を持っていく。涙を流してた。若いうちの1年2年どうにでもなるとは言うが、あまり親に心配かけるな。そいつは2回生で、年上のプライドがあったのだろう。それでカッときた、と。バカもの。しかしここが両国ではなかったら、三浦の社長は何回殴られていたか。
 寮監会議の帰りに、寮監が人に呼ばれる。顔わかるが名前出ず。一昨年の子だった。3浪目がんばっとる。
 ゴミ捨てる日にゴミだせ。休みに部屋チェックしてゴミたまっとったら、電話して呼び出すとか(もちろんジョーク)。ゴキブリがわく。

 ミーティングの放送、3階にかかわんかった。俺は2階のを微かに聞いたが、下に言って寮監さんにも言った。もうくたびれて接続が悪いらしい。

 しかし俺はカネもたるんでいる。いらん飲み物。いらん電話。

 廊下で話。無声音でもよく聞こえる(別にどうでもいい。気にしない)。何を話しているのかはわからんが。WCに出る。高山氏、田山氏、五十嵐氏、かな?Mr田山、医系が何やっているんだよ。今日、いや、ここ4日ぐらい人のことは言えんが、おそーく風呂出て何話してる。しかし今度はラーメン。あんた、いつ勉強しとるん。2年計画でたるんだか?


この日のカネの動き

ムック '96東京マップ -1,20
水 -200
TEL -200
のみもの 麦茶 -90

財布残高 7,316


解説
 日記にはときどき「今日はたるんでいた」というような日がしばしば出てくる。「今日は」と例外的なように言いつつそういう日が時折出てくる。しかしそれでもノルマの管理や学習時間の図示といった道具立てで、緊張感を取り戻したりしつつ学習を進めたものだ。

 時折、暴力事件で退寮退学という話を聞いた。親御さんが退寮にあたり涙を流したとのことだが、一念発起して厳しい環境に身を置いた息子が不祥事でドロップアウトしたこと、暴力という悪事を働いたこと、そして一括前納で高い学費寮費を払ったことなど、様々なことが去来したことだろう。「2回生」というのは、単に2浪という意味ではなく、両国予備校に2年いることを意味していたと思う。1年目で思うような結果が出なかったら2年目に突入すること、それも同じ環境でやろうとする者も若干はいたらしい。医学部にどうしても入りたいなどの事情があったのだろうか。3回生で、一昨年83寮の寮監のところにいた人間がまだ両国生として予備校近辺にいて寮監に声をかけるなどもすごい話である。執念だ。ゴミ云々はその3回生が1回生だったときの生活態度をネタにしたジョークなのだろう。今おまえがいる寮に電話するぞ、と。

 東京マップのような名所案内本は、インターネットがほとんどまったく普及していない時代においては、後の時代よりもはるかに大きな需要があったはずだ。東京に来ていつつも東京のことはほとんどまったく見てもいないので、東京のことが少しは知りたくなったのだろう。帰省の際の寄り道の計画なのしれない。確かに東京に来て何をしよう、どこに行こう、という野心は田舎においても特になかったので、まずは知ることから始めたのだ。


戻る