猫と会見
1996年09月07日(土)
今朝もまた一人。俺はいつも同じ時間だ。みんな根性ないなあ。
途中、新たに発見した猫屋敷(?)にて猫と会見。俺は心得ているので座って(しゃがんで)緩慢な動作で接する。視線を少し外す。そんなにも逃げないが警戒している。あまり近づかない。俺と一定の距離を保って、俺を軸に円を描くように歩く。手をゆっくりと差し出したが、叩かれた。これは子猫。これを追って門のところへ行く。猫数匹。親か?成猫がいる。手を出してみた。ぶっ叩かれた。猫の手がこんなに重いとは。しかも爪が刺さった。俺が軽率だった。猫はそんなに簡単には他人に気を許さない。しかも、今回は子連れだ。当然と言えよう。しかしこの子猫たち、毛色がクリームがかっていて、国産とは思えない色彩。洋猫か?ここの家の飼い猫か?しかし大抵外にいるような。
帰ってキズのかさぶちをえぐって、エタノールを流し込む(こういう用法はよくない)。猫ひっかき病は怖いらしいからな。しかし、しみる。左手の小指なのに脳天直撃って感じだ。小指の小さな傷ですらこれなのに、大ケガしたらどうなるんだ?
模試、英語、読めた。あらかたわかった。長文8〜9割できた。しかし文法、語法はひどいものだ。これはやりまくらんとな、判定でもさ。でも、長文できた。
現代文、おもしろい小説だが、半分だ。正答率が。二者択一までいって判断を誤る。評論はあらかた理解して、何を問うている問題かもわかっているのに、解答がうまくできない。問題に適合せよ!(草刈部のいうとおり、俺はツメが甘い。受験勉強でもか?ここにきてたるむなよ!)
古文、なかなかの出来だ。
世史、もっとやろう。判定でもな。
東海大の案内書きてた。寮母さんに直接渡された。夕食どきじゃなくてよかった。読んで思った。これは俺の行くところではないな、と。行けば都だと思うがね。
洗面所じゃねーや洗濯所から下を見ると、石井氏が電柱を蹴っていた。歩いて来て、電柱の方によって行き、腕でバランスをとりながら。彼も成績があまりよくないらしいからな。家(かどうか知らんが)に電話しているのを見たし、何か言われたのかな。帰りに俺のクラス聞いて驚き、単語帳見て驚いていたからな。やっぱり目の前に急に伸びているのがいると焦るのかね。
警察だろう。外で習志野ナンバーXXXXの車がどうこうと。もしや凶悪犯罪人がこちらに?いや、「迷惑駐車」らしい。なんかどなり声が聞こえていた。警官が説教しているのか、市民が文句を言っているのか。まあ警官だろう。
まだ時間少々あり。何か書く。
・よく能力のある人や成功している人をねたむ、ムカツクなどと抜かす奴、おるよな。なんて見苦しい。人は人じゃねーか。運というものもあるが、努力や根性というものの結果ではないのか。なーんてことを言ったら、本当にそう思っていめのか、というような、人を自分と同じように考え、見通しているようなこと言われそうな気がする。高校の■■君あたりにな。あんたバカぁ?
・冬、雪だるまの類があると、破壊したくなる、あるいは破壊してやろうか、なんてことを言う奴もいる。楽しいか?ゲス野郎。こういう奴はガキを人間と見てねーな。いや、ガキだけではない。「これは壊れない丈夫な品物だ」なんていうと、すぐさまぶっ壊そうとする奴は結構多い。そんなに人の言うことを覆したのか?そして楽しいのか?もし(いや、やる奴にとっては「もし」ではなく)ぶっ壊れたらどうする?どこが壊れないんだよと言い放つのか?楽しいか?
・高校の■■君は、俺がヘッドホンステレオは耳に悪いと言ったら、そんなことはない、と。しかし自衛隊パイロットを目指していた●●君が「(専門的な用語。音の周波のことか)を聴き取れなくなる」と言ったら、黙り込んだ。まあ、奴は自分の知識や能力、見識を披露するのが生き甲斐みたいなところもあるし、自分の中の基準、原理こそ世界の様相というやつだ。仕方がない。
しかしヘッドホンステレオが耳によくないのは周知の事実のはず。多くの書誌にそう書かれているし、それをもちだしても奴は反論するかもしれない。奴は俺が本に書いてあることを盲進しているバカだと思っているふがあるしな。そういうときは、こういってやる。「あんて、医学部出ているのか?」と。「そういうとき」といっとも、もうそんな機会はない。再会しても旧友との再会でそんなやりあいはしたくない(やりたい気もするがたまの会合でやるには非礼にすぎる)。
・それと■■君は、人の過去の言動と今の言動との「食い違い」を指摘するよな。「お前は〜じゃなかったっけ?」「〜は〜じゃなかったのか?」と。バカめ。それはそれ、これはこれた。一度言ったことがいつでも通じると思うな。相対的とか弁証法的という言葉もあるだろうが。第一あんたは解釈力がない。人の言うことを勝手に曲解しおって。自分で解釈力がないことぐらいはわかるだろう?自分でわからねーなら言ってもムダだわ。現代文が不安定なのもうなずけるわ。なーんて悪意のあることは言わない。言うわけがない。でも1/10ぐらいは包んで言ってやりてー。ついでに奴はすべて、自分の中で物事を判断・処理しているから現代文はよくない。3年の後半の偏差値の落ちようがそれを示している(それでもそれなりだが)。「調子がわるい」と。その調子もどうにかできねー奴は実力なし。奴の内部の「律」に近いかどうかってことだろう。
まあ奴には言いたかったけれど、人間のできている俺はあえて言わなかったことは山ほどある。でもさ、それでも親友だぜ。俺を材料に歌や漫画を創ったことなど、そんなことを思い出してみてもそう思うよ。こんな批判を腹に徘徊させているのがわるい気もしてくる。
とにかく早く受かって(できれば奴も受かって)、再会したいぜ。よどみ、ゆがんだ悪意は1人でいるからたまる。本物の人物が目の前にいれば、そんなことは思わない。
ようし、これからもgo in studyingだぜ!
この日のカネの動き
月刊誌 アニメージュ -600
電話 to釧路 -100
財布残高 16,574円
解説
とにかく早く寮を出ると、空いた電車で登校できて、空いた電車は快適なだけでなく単語帳を開いて記憶を定着させる反復を行うこともしやすく、また、学校に早く着いて教室で勉強することもできると、よいことしかなかった。しかし人と登校して四方山話をして刺激をうけたり、他の地方の暮らし営みの話を聞いたり、そうしたひと時を得にくくなるのは寂しいものもなくはなかった。
猫ポイントで猫との接触を試みて、猫に触れられた試しはほとんどまったくなかった。それぐらい警戒心があった方が猫は長生きできる。それは心強いことではある。
電柱を蹴る石井氏、誰も見ている人間がいないと思ったからやったのだろう。偶然見てしまったのが申し訳ない。彼は焦燥感を募らせていたので、結果が思うように出ないことに対して、つい気持ちが高ぶったのだろう。彼は就寝時間(23時までが義務勉強時間で0時が消灯なので、そのあたりが就寝時間ではある)を無視して夜更かしして勉強するなど努力していたが、睡眠不足は逆効果となる。また、両国のカリキュラムを軽視して自分で持ち込んだ教材で勉強するなどしていた。別に両国と市販品とのどちらがいいかは知らないが、二足の草鞋をするのは明らかに効率が落ちる。予習復習も手が回らず、授業への参加がおろそかになり、授業に出席している時間がほとんど無意味になり、夜自分の勉強をして夜更かし。しんどい話である。しかし努力はしている。努力しているのに結果が出ないとなると苛立つのもわかる。
警察官が違法かどうかは知らないが不適切な駐車車輛に対してナンバー照会をしている無線の声。大したことのない、事件でさえない日常の一コマだ。しかしそれでさえ、警察と関わったことがまったくなく、その日々の仕事もわからない私にとっては、あたかも映画やドラマの一場面に触れたかのように興奮したのであった。
時間があまったとして、友人に対して思っていた不満、そしてそれまで生きてきて観測した他者の不快な言動や態度について書いている。私が自分について「人間ができている」と称しているのは何ともいえないが、しかし不満を持っても他者にそれをぶつけない忍耐力をもって、友人仲間の和を守ってきたこと(他方で言いたいことを言う奴が未熟であるという含意もあろう)を言っているのだろう。果たして物事を口にするのがいいのかわるいのかは場合によるとしか言いようがない。しかし口に出さずとも怒りや不満の火は熱しやすく冷めにくく何度でも再燃したので、そのあたりはまったく「人間ができていない」のであった。それは今も変わっていない。