タバコの融通
1996年09月15日(日)


 もうAM12:05、とっとと書く。
 今日はPM11:50まで14時間50分勉強した。ことになっている。でも本当は朝寝ていた。3〜4時間な。寝た記憶はあるが、なぜそんなことしたかわからん。よっぽど疲れていたのか。勉強も別に何も終わっていないのに、なんか、当然のように転がった。

 今日の朝礼は長かった。写真機も勉強の妨げになるのではないか。カメラはいかん。写真みると他室出入り、女といちゃいちゃ、給水塔のてっぺん、証拠となる。
 しかしそんなもんを部屋に放置するととは、なめとんのか。

 田山氏、現役時、模試でlabelの意味がわからず、和訳で「レイベルが〜」とカタカナ表記したとのこと。訳自体は、文法、構文については完べき。バカみたいだ、との弁。しかし正解の〇がついたという。

 内藤氏、タバコを補給し忘れ、坂本っちにもらう。内藤氏「ジョン・フィリップくれ」 坂本氏「リベラは?」 内藤氏「まずい」

 ねる。けっこう忙しいぜ。やること(勉強だ、もちろんな)、本当はやりきれないぐらいある。でも寝る方が優先。世史どうしよ。授業全部ノートしたけれどあんまり役に立たん。

 KY先生のときは書き写すだけで「まかせろ」になったのに。


この日のカネの動き

なし

財布残高 7,690円


解説
 隠れて吸って火を出されるよりはマシとして、両国は未成年者の喫煙も許容している。喫煙者の部屋には星印がドアにつけられ、吸うのは自室のみ、大きな水の張れるタイプの灰皿を使うこと、毎朝厨房まで吸い殻の処理をしに持ってくることなどが義務付けられた。そんな状況なので若き喫煙者たちは堂々とタバコを吸っていたわけだが、しかし一度帰寮すると火事か急病でもない限りは出られない環境のため、タバコを買い忘れると翌朝まで苦しむか、あるいは人に融通してもらうかしかなかったわけだ。こういう制限下における手持ち嗜好品のやりとり、なかなか趣深い。
 ここでいう「ジョン・フィリップ」とはフィリップ・モリスのことであり、それを有名人か誰かの名前にかけているのだう。リベラはマンガ『ゴリラーマン』でも不味いとして描かれていた(ただし味のわかるゴリラーマンにはその旨さがわかるとされていた)。坂本氏はふだんフィリップ・モリスを吸っているが、気まぐれでリベラを買ってみたが不味くて持て余しており、それを話のネタにしていたということなのだろう。

 眠気は対処が難しく、立って勉強したり、立ち膝をついて勉強したりしていたが、しかし判断力が鈍るとそうすることが当然に何物にも優先することであるかのように、何の疑いも抵抗もなく眠ってしまうことも稀にある。この日の午前中は、そういう瞬間があったのだろう。みつからなくてよかった。そして目を覚ましてからは挽回するべくおそらくは外出もせずに勉強に励んでいる。

 カメラについては、私もレンズ付きフィルムで若干生活の様子を残し、それがこの人生の中で特筆するべき風変わりな1年間を記録するのに役立った。友人づきあいを享受してそれを大切にしたり、ちょっとした蛮行をしてみたりして、その瞬間を写真に収めることの値打ちも、私は否定するつもりはない。だが問題は、許されているもの以外は禁じられているといってもいいこの予備校で、禁じられている行動も映っているような写真を放置するのが解せんということだ。下手したら記念に撮った写真も没収されたかもしれないし(どう処分されたのかはわからないが)。そういうところでツメが甘いのはとにかく解せなかった。


戻る