「何見てる。予備校生が」
1996年10月07日(月)
またしてもCN先生の授業で寝て、起こされた。4回目だろうか?ちょっと失礼にもほどがあるぞ。意識が消えていた。
山田氏、やはり、頭カタイ。木を見て森を見ず。ある内容が書いてあるのが5段落か5と6段落かという現文の問題で、接続詞が「このことは」とあるのでつながっている、つながっているから「5と6段落」が正しいはずだ、正解が「5段落」なのはおかしい、と。確かにつながってはいるが内容は別々だ。あくまで「ある内容」が書かれた5段落を受けて、「次の話」を6段落で展開しているだけだというのに。とっさにそれを説明できなかった。コトバが出てこなかった。「あまり接続詞だけで判断しない方がいい。書いている人にも結構いい加減な人もいる。国文科の先生が書いているとは限らないのだから」ととりあえず言っておく。そしたら、そんなことはない、というようなことを。現文の先生に聞いたか、本で読んだか。書いている人でいいかげんな人がいることそのものの証明はどうでもいい(実際そういうものも目に入っているのだから、存在はする。しうる。それでいい)。人の言ったこと、本当に理解している?人の意図すること、わかっている?なんにせよそんな部分ばかり観ていてはいい点はとれん。なかなか視野狭窄じゃな。こだわるな。文章そのものをみる。あんなものはひとつの目安だ。そんなことしていたら読解力はつかんぞ。接続詞なしで読む訓練をしたらどう?
猫に喰われた。最近ここいらの子猫がよってくる。そして手を出すと甘えながら(?)かじる。今日の子猫は力一杯噛み、離さなかった。敵対行動にはみえんが……。血が出た。エタノール消毒!
家に電話かけたら、すぐに出た音がして、印刷機械の作動音のようなイカレたおとが。2回かけたが同じ(200円……)。ぶっこわれたか?まさす、火事で電話も焼けたとか?だったな、なぜ、出る音がする?まあいい。気にするな(実際気になってない)。
寮の前でもう1度かけると母が出た。ファクシミリつないで以来、おかしいという。2コールでそうなる、と。1ラインで電話機とファクシミリの両方通したから。何コールが切り換わるってことか?じゃあ設定がわるいんか?まあ、もどしとこう。
PM10:00、バカがいた。ヤー公?まあ、たんなる酔っ払いだろう。ガキつれて。うるせえ。ガキもおびえながら、父についている感じというのがよくないね。寮の誰かが窓から見ていたのだろう。何見てる。予備校生が。両国予備校?ふざけやがって。大学入れねー奴らが。お前ェら何見てんだ。降りてこい。そんなんで大丈夫なのか、勉強しろ、と。あーうるせー。.30-06のグレイザー・セフティスラッグでミートソースにしてやろうか。
くだらん男だ。強く見せたいか。こっちが手向えばますますもっとハラ立てるだろうし、怯えて見せれば調子に乗るだろう。まあいい、ほっとけ。おりてこい?こっちはいくら運動不足とはいえ19、20の若者だ。そんなの30人からいる。本当に大挙して降りて行ったらどうするんだ。それを相手にどうするんだ?
こういうバカがいると頭にくる。おさえろ。おさえている。何もしやしねー。ただの負け犬だ。かまわないこと以外に勝利はない。
この日のカネの動き
くいもの カロリーメイトのような代物 -150
水 -200
月刊誌 アニメージュ -600
TEL To釧路、ムダ -200
記入忘れ・書籍 エヴァンゲリオン オリジナル -980(推定)
財布残高 227円
解説
山田氏は現代文をできなかった。それでいて自分の判断が正しく、試験なり教材なりの方が間違っていると強弁する姿勢は私を苛立たせた。小手先の勉強の技術以前に、おそらく言語運用能力や思考能力が高くなかったのだろう。自己と他者との区別がよくわかっていないような言動もそこに原因がある気もする。そういうこともあいまって、彼の知性のレベルには苛立ったのだろう。
おそらくは単なるよっぱらいが管を巻いて闊歩し、その騒々しさに窓から外を見る寮生が何人かいたのだろう。窓を開ける音が次々として気付いたのか、たまたま見上げたのかはわからないが、自分が何人もの目に見られていることに気づいて、悪態をつき挑発などしている。ただのよっぱらいである。窓にいるガキが下りてくるわけがないと高をくくっているのか、ガキが来ても自分なら勝てると確信していたのか、そこまで考えられるほど大脳皮質が機能していなかったのかはわからない。しかし予備校生だからおとなしいガリ勉だとでも思ったのだろうけれども、ここは「息子を叩き直してやってくれ」としてワルタレだった息子を叩きこむことも少なからずあった予備校である。もう少し頭の悪い奴が寮にいたら、本当に降りていってぶん殴ったかもしれない。
ちなみに後年書き起こしている日記にあった出来事は、だいたいそんなこともあったと思い返せるし、寮内の人間関係に関する苛立ちや後悔などもだいたい追体験できているのに、この件についてはまったく記憶に残っていない。執念深く、熱しやすく冷めにくく、何度でも思い返して激昂する度し難い私にしてはめずらしい。本当に即座に忘れたのである。