小論文問題の書いた答えを見せる
1996年10月09日(水)
今日こそはと思って、目薬さして、前かがみにならないよう左手でつっかえ棒をして、CN先生の授業を受ける。この調子だ。しかしあと少しというところで、指し棒でノートをぶっ叩かれて我に返る。またしても……。すんません。
EZ先生に、現文の小論文問題の書いた答えを見せる。ほう、いいですね、終わりもカッコイイ。権威化、と。情緒を表現できないってのも具体的でいいですね、ここ(辞書的な意味)もいいですね、と。しかも250字ジャストだとな。いい評価だ。ありがとうございます。君が晴天君ね、最近模試の上位に入っているね、と。最近にはじまったことじゃないんすけれど……そんなことより俺の反応がよくない。もっと嬉しそうに堂々たる言葉を発せ!どこらへん狙っているの?と。僕は法政と中央です、と言うと止まった。そうか、国公立だと思ってたんだ。当然だわな。私立に要らんからな、250文字も。国立でも通用するよ、とのこと。
タバコ買った。今度はHOPE。1mgのやつでも、と思っていたが、俺は吸ったことないのだから気合いを入れよう、と。タール14mgくらいだっけ。こんなものか。マイルドだなライトだの、そんなのは軟弱者のタバコよ。まあ軽いタバコでも本数で同じだけの量を摂取してしまいがちともも聞くし、その結果ライトの方が発ガン性が高まるとも(本当か?)。とにかく、俺は吸わない。1mgぐらいならと吸っちまわないように、ということもある。んなことないか。ヘビよけのニコチン水を作るのには強い方がいいだろう。あくまで小道具。肺も隣人も道も汚さない。しかしおもしろいな、ホープは。マッチ箱みたいだ。カタさもマッチ箱なので、ここも見せる小道具としておもろい。カバンに2箱ぶち込んでおいて、単語帳を出し入れするときに見る。いかすぜ(数か月前までアホのやることと言ってたろう)。しかしいい匂いだ。嗅ぎたばこなら肺もノドもいためない。しかし箱開けたら強烈だ。嗅覚がいかれた。匂いは感じるが、どこかマヒしているような。確か、ニコチンはアルカノイドの一種。神経性の猛毒だ。おっかねー。そういえば頭も痛いかな?こんなことしていたらバカになる。タバコは百害あって一利なし。
なんか部屋がタバコくさい。出て、もどって、思った。まずいか?いや、現物はカバンの中だ。大丈夫だ。それに、煙のにおいじゃない。
布井氏曰く、カネかかるからタバコやめられてよかった、とのことだが、毎日フリスク買っていたらかわらんぞ。
金城氏と、帰りに本屋で会う。彼はマンガ読んでいるね、詳しい、とは言わないが、よく読んでいる。雑誌、音楽・ファッション・車・スポーツなら自分でできるが、鉄砲はできない。なぜ読む、と。目的が違うし代償行為ということもある。まあ、いいけれども。俺はこれでよいのだ。彼は手に入るぐらいの小さな銃が欲しいらしい。パワーないっスよ。
この日のカネの動き
タバコ HOPE -240
財布残高 3,987円
解説
CN先生の授業が特に眠くなるのか、それともCN先生は居眠りこきはじめると起こしてくれるから記憶に残りやすかっただけなのか。巡回の職員が来たら反省書を取られる上に、授業を聞き逃したら予習復習に力を入れる上で大きな損失なのでので、起こしてくれる方がありがたいのは確かである。それはともかく、今日こそは意識が遠ざからないようにと試みてはいたようである。
タバコを買って、火をつけずに匂いだけを楽しんでいる。タバコの箱自体が楽しく、カバンに入っているのを見るだけでも満足する。いい小道具だったのだろう。タバコは嗅ぐだけでもわずかに揮発する成分が刺激になるし、香料の匂いも殺風景な腐った畳しかない部屋で特段目立ってようだ。しかし火をつけて実際に吸っている部屋を複数巡回している寮監が、火のつけてないタバコのわずかな香料の匂いに気づくわけがないし、なんか匂いを感じたとしてもタバコだと察して、届出をしていないのにタバコに手を出したのか見抜いて咎めるはずもなかった。杞憂である。
金城氏、手に入るものを手に入れる参考にするために雑誌を読むという一貫性は、なかなか地に足がついていたスタンスを取っており、それでいて純文学を読みふけるとは、カッコイイ青年だったのだろう。手に収まる小さな拳銃が欲しいというのも、海兵隊員みたいな筋肉質の巨漢で顔までコワモテの彼がそうした物を持つのも、装飾品っぽくて、なかなかサマになる。よい趣味の人物だったことがうかがえる。