朝っぱらから大恥かいた
1996年11月05日(火)


 朝っぱらから大恥かいた。
 WC方面に行こうと廊下に出た。KK氏に背後から「おはよう」といつものように挨拶した。おれは反射的に振り返って「おはよっス」と。しかし後ろにいたのはYZ氏だった。顔を見た段階で違う、と思ったがすでに口がコトバを発しつつあり止められなかった。いつもは背後のそのあたりの階段に座ってタバコを吸っているのに、KK氏は今日に限って位置関係が違った。そうしたことについてKK氏がフォローしてくれた。わかっていらっしゃる。それをすぐコトバで説明できる。伊達に現文ができるわけではない。きっと大学入って、学問も収められるだろう。

 今日も昼メシ抜いてアキバへ。二松学舎の願書あるじゃねえか。ついでに『エヴァンゲリオン・オリジナルIII』も、もうはや出とる。書泉も見れば見るほどおもしろい。ミリタリーコーナー、確かに田舎でも一瞬であれ入荷したような見たような本が多い。しかし内容はどうか?読めばおもしろいし、知識もそれなりに手に入る。でも選らばんと。何でもあってほとんどいつでも手に入るんだから。アホらしいものも山とあることだろう(まあ、それも使いようだが)。俺はおもしろ図鑑的な代物は要らん。専門家による専門書こそ読みたいのだ。でも、相対的に判定せんと。絶対的な良し悪しはない。第一、カネもなけりゃ時間もない。もしかすると、買える量よりも読める量の方が少ないかも。すでに山と本がたまっているだろう。『Gun誌』のバックナンバーだけでも山だ。銃は『Gun誌』だけでも十分だと思うけれどね。
 しかし洋書は高い。8ドルの本が5,000円!どんな送料、関税、手間賃がかかっているんだろう。まあ、まだ読みこなせないからいいが、いつかアメリカに行って買おう。

 三浦氏、帰還。よし、それでこそ両国男児だ。あいつ、ああ見えてもそんなに弱い人間じゃないな。

 ミーティング。
 寮にも学校にもいない。大騒ぎ。北海道の実家から「着きました」と電話。アホか!そういうアホがいたそうだ。

 思い出した。今日2現終わってYY氏のヒジにイスぶつけちまった。すまん。あやまったけれど、聞こえていたかな。とにかくすまん。

 今(PM11:00)洗面所へ行ったら服のオークションか?本田氏のコレクションがハンガーで仕切りに掛けられ、何人かで着てみている。しかも内藤氏、財布を取り出して、千円札10枚以上、五千円札もあるように見える財布から、大金を出して服を買っている!なんと……。
 本田氏は金持ちだ。家が金持ちなのか、一人っ子だから甘やかしているのかは知らん(両方らしい)、ドラムセットも持っているし、小遣い月6万円。服もこの通り上等なのが山ほど。しかし何故売る?要らんのか。飽きた?そんなにカネが要るのか?そういや6万でもなくなるって聞いたな。入れば入っただけ吹っ飛ぶか。別にそんなことはどうでもいいが、しっかりせいよ。しかし、6万はやりすぎだ。

 もう寝た方がいい。PM11:35。明日CN先生を悲しませないためにもな。
 さて……持ち出し表、今書いたらきっと変わっているだろうな。まあ、書かないよ。受かってから。もとい、入試、とりあえず日大終わってからね。誕生日、クリスマス、正月の三点セット、どうする?隔離してくれているが、後ろの表の「R」の字のものに使うのか?パソコンソフトならパソコンとセット購入だ!しかし野球ボールや杖に使うのもアホらしい。いや、要るときは払うけれどもね。カネはカネだ。要るものに使っちまえ。要度1か2ぐらいまでなら何とかできる。だけれど4くらいまでいったらそうもいかん。プレステなんかどうする?まさか買ってもらうわけにはいくまい。パソコンも入学金も払うのに。


この日のカネの動き

願書 二松学舎 -1,000
書籍 エヴァ・オリジナルIII -980

修正テープ -430
ふくろ -350
小計税込み-803

財布残高 3,084円


解説
 人から挨拶されて振り向いた方向が違った、人にぶつかって謝ったが反応がなかった、そういう細かいことを気にしている。自分は強靭な精神を持つ強者だと当時は自己認識していたが、こういう描写をみるとまったくもって非常に繊細である。ただし、基本的に予備校生活が苦にならないどころか楽しく充実しており、まったく惑うこともないあたりは安定した精神状態ではあった。
 寮内で迫害されていた三浦氏は、帰省していたら二度と戻ってこないのではないかとも思ってたが、ちゃんともどってきた。根性がある。
 高校時代は、私は月の小遣いを1万円もらっており、月3,000円だ、5,000円だ、6,000円はもらいすぎだ、とやりあっている中では本当のことを言うこともできなかった(ちなみにアルバイトは禁止であった)。しかしさすが都会。月1万円ぐらいはざらにおり、6万という人物までいるとは。さすがは都会である。自分より持たざるものの僻みとともに田舎での18年間はあったので、それを思うと自分と同等かそれ以上の懐の人間の中にいるのは心強く快適であった。
 たださすがに6万は、と他人の小遣いについてもらいすぎと言っておきながら、私は親に何をどう買ってもらうか、買わせるかについて皮算用をしている。

 予備校生活を終えたら入手する物品リストは何度も書いたり更新したりしていたが、ランク付けもしていたようである。詳細はもうわからない。野球ボールや杖は間違いなく合法的な武器として買いたかったのだろうが、結局買うことはなかった。


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