昔からありそうな写真屋
1996年11月24日(日)
写真撮りに行った。白山通りにある写真屋は休みなので、探しながら歩く。オリンピック方面へ歩いていると、昔からありそうな写真屋をみつける。
ドアを開けて、呼び鈴(?)が鳴っておやじさんが来るまで少し間があった。証明写真をお願いします、と。奥の方で撮る。鏡付の台にカメラが据え付けられ、鏡で直してくれということだ。セーラージュピターのぬいぐるみがぶら下がっていた。お孫さんの趣味?それともご本人の?まあいいや。とにかくいい趣味だ。ジュピターね。よろしい。
3枚ほど撮ったが、どうしても目つぶるね、と。そう、いくよ、と言って目を開け、シャッターが下りるときには疲れて閉じるのだ。たまらん。もっと気合いを入れて見開くべきだったか。最後にこんなものかと言ったので、よかったのだろう。
本当に人のよそひうなおじさんで、水曜日にできるというのが、俺がメモしようと胸ポケットをまさぐっているとボールペンを差し出す。鉛筆をつかうもので、とこた割ると。笑う。帯広の伯父さんのような大笑い。
ここ、下町だからね。東京が冷たい、無機質だなんて、誰がいった。
この日のカネの動き
銀行 +5,000
交通費 地下鉄 -170
雑誌 DOS/V -980
財布残高 5,683円
解説
個人経営のいかにも下町っぽい写真屋に行ったことが印象に残っている。セーラージュピターのぬいぐるみは、本人の趣味、孫の趣味というより、小さな子の写真を撮るときに気を引くために使うのだろう。こうした個人経営の写真屋は、その多くはデジタルカメラ化とGMSに入るようなフランチャイズの写真屋の台頭により、廃業していったことと思う。個人経営の小さな写真屋、これも過ぎ去った風景なのかもしれない。