9+4を10としちまった
1996年12月01日(日)
学習院の願書購入。
JR水道橋駅に寄る。よく考えたらあのラクガキコーナーを83寮生に見られたらまずいな。両国に行くときはだいたいホームの中央から乗るが、端で乗ることもあるだろう。しかし日曜でも端は人少なし。ひとり、コーナーに書こうとペンを持つ人が。黒いプラスティックのメガネ、剃ってはいるが濃いヒゲ、もしかしてK氏か?人目を気にしているようなので立ち去る。明朝見てあげよう。今日はコーナーの紙そのものが新しくなっていた。
今日は河合塾の模試らしい。井上氏、9+4を10としちまったとか、迫水氏、9+4なんて問題でるの?とか。そんなアホな。迫水氏はセンター数学で50点とったらしい。確率統計をすべて書いて!
となりの田山部屋で声。五十嵐氏か。そんなことはどうでもいが、タンスを叩き続けている。俺を呼んでいるのか?それともなんの意味もないのか?机から立たずにタンスに向かって消しゴムを投げてみる。消しゴムが当たる音に対して、「おお」と驚きの声。ふとりは五十嵐部屋に移った。別にうるさいと苦言を呈したわけではなくて、何か合図をしているかもしれないから、返事をしただけなのだが。
山田氏帰寮。まあ仲良くしようぜ。適切な距離を保ってさ。
16校×3.5万=56万……すっげーカネ。私立受けまくりは大変。
この日のカネの動き
願書 学習院 -860
財布残高 記述なし
解説
ようやく学習院の願書が手に入った。インターネットで発注すればいい時代ではないので、足で探す必要があった。
私と田山氏の部屋の境目は、壁の代わりの作り付けのタンスがはめ込んである。半分はこちらに開き、もう半分は向こうに開く。高村氏の部屋と私の部屋との境目はふつうの壁である。壁も薄いが、タンスはもっと薄く、声はおおむね筒抜けだった。天井とタンスとの隙間が1センチほど空いているので光さえ漏れた。それで田山部屋に人が来て雑談していると、さすがに気を遣って小声で話していると内容まではよく聞こえないまでも、声や気配自体はすべて伝わってきた。まあ私は音には鈍感な方なのだが、タンスを叩かれているのでなんかの合図だと思って消しゴムを立つのも面倒くさくなげてみたら、抗議のシグナルと解釈されて田山氏らは別の部屋に移動したのであった。
自宅通学だった山田氏も、他の帰省していた寮生同様に寮へもどってきた。適度な距離でやっていこうと書いているが、関係はこれからさらに悪化するのであった。