UD先生の大学相談
1996年12月16日(月)


 (は)氏がなんか落ち込んでいるようなことを書いていた。フツーでありたい、何事もないような人がうらやましいって。まあ頑張ってくれ。

 現文、学習院を受ける人、と問われ、手を上げる。学部は?と聞かれるので法学部と答えると、「いい目をしている」と。先生が言ったんですよ、今年学習院の法は難易度が落ちるって。
 12号館へ質問へ。UD先生の大学相談。けっこうおもしろいな、職員室は(事務室だっけ?)。専任のえらい(?)先生はカウンターのところの独立した机で、電話もある。講師はポットと急須(もちろん自分で茶を淹れる)しかない机のカタマリに。ポータブルコンロ、水道、放送用マイク、ロッカーなどはめずらしくもないけれど、狭いところにコンパクトに収まっている。まあこんなものか。船舶のジグソーパズルが壁にかかっていたけれど、結構意外(?)。両国ったらやっぱり鉄の規律。でも、そんなこともないか。ただ、タバコ吸うんなら教員も廊下でね。禁煙だそうだ。やるじゃん。これがおもしろいんだよ。子供が独立していそうな年齢のおっさんが、わざわざ外で立ってタバコ吸うんだから、生徒と一緒に。
 相談は政治学でどこが受かりやすいかってこと。僕の偏差値は65です。旺文社と聞くと60と換算した。プロだ。当然だけれども。法学は2月13〜16日のコンビネーションが命らしい。2/13の中央・法律と2/16の慶応と同じ日がねらい目。上位の人間が減るから。あと連チャンはキツいんで開けるところもポイント。しっかしよくわかるな。さすがプロ。この先生の言葉は本当に役に立つ。
 この質問で、ロッカーの端まで行列!かつてないことだ。事務のTH先生も驚いていた。現代文Cだけでないらしい。2クラス持っていたっけな。
 最初、駒沢はガタッと落ちる、国士館も、と言うので、国士館はいつでも入れますから、と言った。それで偏差値を言った。明治学院、成城なんかが狙い目。法政Aも慶応で上位が消える。中央・総政は愛称が問題。専門的で。明治・政経も減る。青学の国際政経も減る。ますますわからん!どこを受ければいいんだ!香川大学の願書を取り寄せている場合か!

 テレビで米軍のLVTPが沈んだ、と。五十嵐氏、いくらする、と。それは知らない。揚陸艦に積む、とは言っておいたが、彼には「上」陸艦に積むと聞こえたらしい。それでもイメージはつかめたらい。日本は所有していないよと答えたら、言い切れる晴天やんがすごいと井上氏。

 医者。飲酒はどうですか、と。うーん、よくはないね、と。喫煙は、と聞くともっとよくない、と。もっとよくないんですか!と声を出して驚いてしまった。あれ、確か年齢は……とカルテを確認されてしまった。ははは……。サーファー氏、風呂で坂本っちと話している。坂本っちは名前が俺と似ているから、俺が呼ばれたと間違えることがときどきあるが、今回は明らかに俺に対して聞く。英語は出来るか、と。60ちょっとと言うと驚いていた。サーファー氏は目標50。坂本っちは55〜60の間。


この日のカネの動き

銀行 +8,000
ココア -100
薬 -3,540
医者 -530
パン 小倉デニッシュ -120
菓子 バランス卵 -150
メモ 無印良品 -92
願書 明治 -900
水 -200

財布残高 記述なし


解説
 現代文のUO先生は大学事情と入試動向のプロ中のプロで、大学同士の日程の重なりはもちろん、近年のスポーツやテレビの流行り、大学のメディア露出度、立地や施設の変化などから偏差値で示されている入試難易度からどの程度ブレ幅があるかを分析しており、この日は授業の後に個別相談に乗るとして職員室に学生を呼んだのであった。普段、職員室に質問に来る学生なんかそんなにいるわけではなく、行列はかつてないというあたり、ごく人数の少ない通称東大クラスのほぼ全員が来たらしいことがうかがえる。
 最初、駒沢と国士館の話をされて、「いつでも入れる」と言うあたりが実に生意気で、実力をつけたという自信もあって小気味よい。

 鉄の規律を謳う両国も、職員室に入ればふつうに人々が働く職場で、専任と非常勤との区別があり、容積の制約の中で必要なものをどうにか配置し、インテリアもある、ごくごく当たり前のに人間が営みをする場であったのが、当たり前なのだが微笑ましく感じられた。年配の職員がわざわざ喫煙のため腰を上げて外に出て、息子よりも若いかもしれない小僧と一緒にタバコを吸うのは、当時の感覚としては地位に見合わない意外性ある行動で、事務所から追いやられた悲哀のように感じられた。今では喫煙所に足を運ぶことについて、そんな意外性も悲哀も感じるまい。

 病院で十二指腸炎の診察を受けて、19歳だったのにわざわざ飲酒喫煙について聞いているのは稚気である。飲酒はそれなりに仲間の集まりではやっていたが、味も酔いもわからず、喫煙も少し試しているだけの段階だったのだが、それでも物事をやっているという自負からそれを聞いてみたい気がしたのだろう。喫煙の方が酒よりもわるいというのは本当にびっくりした。

 坂本氏の姓は私の姓と、字面もカナにした字数も全然違うのだが、声に出すとときどき間違うことがあった。「坂本」は実際の彼の姓とは似ても似つかない仮名なのであしからず。


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