高畠講演会と人々の帰寮
1996年12月20日(金)
今日は金曜だが、日曜とかわらん。ゴミを出しにほんの数歩外に出る。やっぱり少し違う。半分は高畠講演会に行った。俺は左右に誰もおらず気が楽だ。
最近勉強してねえなあ。総仕上げ特訓に賭けているのさ。
学習院と早大の願書、書き損じたので書く。さらには中村博文画集を。高いぞ、7,000円。CD-ROM。欲しいリスト、半分しか買えないとわかっているだろう?もう少し計画をしてもいいんじゃないか?まあ後悔などをするような買い物でもないが。
高畠講演会、また心臓がおかしいってよ。しっかりしてくれ。いや、もう歳か。この人がリタイヤしたらこの予備校はどうなるんだろう。この「洗脳」が出来る講釈師、他にいるんだろうか。
話は要するに、これから伸びる、まだまだだってことだ。階段式にあがって行き、12月を過ぎてから一気に上がるということ。(図がある)この両国式、藁をもすがるつもりで来た。よさそうな気もした。でも不安だったよね。記憶ない。けど信じることはできなかったんだよ、自分が近いに未成に偏差値60台を超えること自体、当時はね。今は出ているもの信じるもくそもない。
これでやる気出る人もいるのだろう。俺も早大を受ける気になった。でも「やる気」なんて、出るのを待つものではない。そんなものあろうがなかろうが、やるんだ!
「布井」と書かれた宅急便が来た!帰ってくるのか!風呂入ったらいた!声で「晴天やん?」と。コンタクトレンズ禁止令が出たらしい。そんな不景気なツラでもなかったな。推薦、受かったところがあったらしい。帝京薬学。俺、受かると思ってなかったけれど、よかったじゃん。彼は行かないと言っているけれども、2浪はしないだろう?とにかく一安心。英語以外はまあまあらしい。高校の成績はよかったからね。彼、予備校にも来ていなかったというから、自宅通学にしてそのまま消えた崎元IIになったかと思ったけれど、やるもんだよ。
しかし待てよ。彼がいるとなると登校も一緒?したがって、ラクガキコーナーを見るのは帰りだけか?まあよかろう。帰りは、彼は自習室だ。得ると失うとは表裏一体(?)。ラクガキコーナーについては布井氏にも教えない。
なんかセキが出る。ホコリを吸ったみたいだ。まずいな。暖房でノドがやられたか?インフルエンザしてなやめて。俺、部屋では暖房をつけていない。寒くないよ。でも、空気はよくない!
受験帰省の林氏、自宅通学の布井氏、帰省の石井・岩淵両氏。ことごとく帰投。やるもんだ。結局、脱落は崎元氏と数日で消えた人物だけか。あと金田氏もいたか。まあ、彼はここにいなくてもやってくれるだろう。
みんなセキしている。うがい手洗い!してないぞ!しろ!
この日のカネの動き
願書 早大 -950
願書 学習院 -800
CD-ROM 百年図書館 -6.828
コピー -50
財布残高 記述なし
解説
通常の授業が終了し、これから「総仕上げ特訓」なる新しい種類の授業がはじまる幕間の日である。平日登下校以外で外に出る機会は原則なく、平日のふだん外にいない時間に一瞬外に出ただけで、いつも外出できる休日とは違った雰囲気があって新鮮との感想。気のせいなのか、目や耳に入る他の人々の営みの差異があったのか。
高畠金蔵氏は、この予備校の創立者でこの人物の6時間以上にも及ぶ説明会の心を打たれて入学を決める者も多く、年度途中で開かれるこうした説明会でも人々はやる気を奮い起こされなどしたものであった。やはり一代で事業を興す人物なので、話の熱、人を動かす力があったのだろう。
両国は基本的に、勉強する習慣のない人間を管理して勉強させるよう促すことで成績を上げるという予備校で、勉強していない人間が勉強をすれば当然成績は大なり小なり上がる。勉強すれば成果が出るのは当たり前のことだが、当たり前のことをするのが難しい。難しいと思う人間がここに来るのだ。もともと勉強する習慣がなく、成績も悪い人間が、なかなか成果の見えない中でモチベーションを上げるのも、保つのも容易くはない。そうした連中に自分はやれば出来る、出来るかもしれないという期待を抱かせて入学を決めさせ、そして学期の幕間でも再び発破をかけるのがこの講演であった。確かに、この人物なしにこの事業はどこまで成功したかは疑問である。
田舎に帰った人間、自宅通学に切り替えた人間も、続々と寮に戻ってきた。結局定数33人のうちに本当にドロップアウトしたのは2人。もう1人いなくなった金田氏を含めれば3人だが、それは文系トップでもう勉強しなくても入れる程度に出来る人間なので、ドロップアウトとして数えるのは適切ではなさそうである。