簡単すぎてヘドが出ますぜ!
1997年01月18日(土)
センターか。別にたいしたものでもないが、ついにきた。医系の人々にとってはここである程度決まるのだろう。俺はいつも通り出る。通学途中の高山氏に「がんばれよ」と言われつつ行く。
半蔵門線。朝っぱらから人少ねーな。方向がわるいのか、時間が外れているのか。もう東大までついちまった。とりあえず帰りの切符も買い、昼食用の熱い茶も買う。準備万端!見てろよこんちくしょー!校門開かん。ベンチで自習。話し、タバコふかすやつもいる(タバコは少ない)。バカどもめ(というのは失礼)とは思わんが、俺は俺の当然のこととして自習している。ふ、俺ってやっぱり気迫が違うぜ!しかしタバコふかす奴いるけれど、高校生の人の中にはめずしく思える人もおるのだろうな。俺はやらんよ。脳の働きが鈍る。
西内氏、宮村氏、内藤氏発見。よかった、間に合ったか。西内氏にはとりすぎた案内図をあげる。高村・田山ペア、遅れないだろうな。
7号館とやらへ。席見つけて座り、自習。あたりの人はウォークマン、会話。まあいいけれど、気合いが足りんぞ。俺はプリントを数枚広げ、年季の入った単語帳でチェックしつつ読む。はたから見たらすげえ気迫とうつるかも。
テストはじまるが、テスト中に机の上にコート、カバン。果てはウーロン茶。たるんどる。両国なら注意だな。ここの試験官は何も言わん。「一般世間」はやはり両国とは違うぜ。
はっきり言って、テスト直前は自分の力が通用するかどうか不安だったが、簡単すぎてヘドが出ますぜ!まわりがアホばっかに見えてくる。去年の俺もそうだったのだろう。英語さえも時間あまる。世史もひっかけの仕組みまでわかる。まあ世史はやってりゃわかるのばっか。そして昨日やったことも出た。さらにKY先生の忠告通り、写真に関係なく解ける問題もあった。
WC。クソ。トイレのラクガキなんて久しぶりに見る。ノーベル賞やナントカ賞の東大と兄弟との受賞者数の比をあげて(出身高まで誰かが付け足している)、自然科学をやりたけりゃ東大やめて京大行け、東大は2流校だ、と。あと、オウムの歌が全詞書いてあったり、さらには「裁く」の誤字について「オウムはやっぱりバカだ!裁だ」と。「やべー下痢だ」とトイレならではのラクガキもあった。まあ人間やることさほどかわらんが、知識と思考力とを身に着けると面白さが違ってくる。天皇制や政府のやることに反対するラクガキが多いのも特徴か。本気か?一種の気の利いたギャグのような気もする。
帰りの電車、世界史Bのこと話している人々あり。あれ、1だろ、ほかみんなウンコみたいなのばっか、と。どれ、見てやる。カバンから問題冊子を取り出して見る。ここは2だ!WWIのときオスマン帝国は同盟側。当然ロシアとも戦ったろうに。さらに1のトルストイは1910年に死んだ!トルストイの戦争を題材にした長編はナポレオン戦争だ!やはり高いカネ払って両国来ただけあるな、俺ってば。
夕食。岩淵氏(センター英語のみ)、根岸氏、江川氏、迫水氏、三浦の社長(センターか?)、俺(センター英・世のみ)、五十嵐氏、山田氏、高山氏の9人のみ。PM06:20頃、堀部氏、金城氏、石井氏の3名帰る。
脳に栄養要るとしてココアをスプーン10杯食ったら鼻血でそう。バカ。加減しろ。そして太るぞ。
帰りがけ寄った渋谷まんだらけ、コスプレ店員いた。コスプレ、はじめて見た。このリングは、マサルさん!うおー、すげえぜ!そして、この服はリムルル。茶髪長髪でリムルルにはまったく似ていなかったが、非日常だからいいの。コスプレは。
この日のカネの動き
交通 京王線 渋谷⇔東大駒場 -130×2
のみもの ウーロン茶 -110
財布残高 記述なし
解説
いよいよ本番である。私は私大専願な上、当時はセンターを使える私大は少なかったので、あまり重要な試験ではなかったが、いちおうは浪人してはじめての入試本番である。まったくできなかった人間が勉強した結果として多少はできるようになったことから粋がっている。試験問題が簡単だということは、他人もよくできているということであり、足切りラインが高くなるということである。まったくの慢心である。
大学のラクガキは面白いものであり、それが東大ともなると物珍しさもあっていちいち書き止めなどもしている。後の時代は大学がどこもクリーンになってきて、張り紙も立て看板もラクガキもほとんど見なくなったが、この時代は大学というのはこういうものだったし、それが愉快にも感じたものだった。
そして京大との張り合いのラクガキにおいて出身高についての記述が付記されるのも東大っぽい。
なんだかんだ言っても、センターで多くの教科を受ける人が過半を超えていたようで、夕食時に寮にいるのは、センターをを受けなかった者と教科の少ないものだけで、1/3以下だった。やはり多くの人々が、国公立大をまずは狙っていたのだろうか。
脳に栄養が必要だとしても、ココアの粉をそのまま食って10杯とはおそろしい話である。歳を食ってからだと様々な健康の不具合が気になってとてもできない所業である。
コスプレをみたのはこれがはじめてである。しかもジャンプ漫画といえどもカルト的な人気の『すごいよマサルさん』であるところに都会の文明を感じたところであった。