last up date 2002.12.03


Красная площадь(固有名詞・クラースナヤ プローシャチ)
 モスクワの城塞・クレムリンの西に位置する、いわゆる「赤の広場」。無名戦士の墓やレーニン廟、聖ワシリー聖堂に囲まれている。この広場は、大統領官邸、大統領府、ロシア国会議場などロシア政治の中心地たるクレムリンに面しているため、各種式典・演説・パレードなどの舞台となることが多く、クレムリンと同様、ソ連あるいはロシアの象徴と見なされている。
 広場自体の政治的役割や「赤」という色から共産主義と結び付けられがちであるが、この広場の名称は革命や共産主義とは無関係である。「Красная площадь」という名称は17世紀に付けられたものである。ロシア語の「赤い(красный)」と 「美しい(красивый)」とは古くは同一の語であり「美しい広場」という意味でつけられた、と案内本には簡単に書かれていることがある。しかし「красный」は単純に「美しい」という意味に留まらない。正式なもの、尊重されるもの、儀礼用のものという意味で「красный」とつけることもある。「красный угол」が、家の中で東か南を向いたイコンを置く神聖な場所であることを鑑みれば、「Красная площадь」もまた、宗教的に正式な場所、尊重される重要な広場という意味を込めてつけられたことになる。
 ちなみに、「Красная площадь」という名を持つ広場は、ロシアのさまざまな都市や街に存在する。また、クレムリン(кремль)というコトバも「城塞」を意味する言葉にすぎず、クレムリンという名の史跡・建造物は各地に存在する。


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