猫屋敷
2003年03月23日(日)
今日は大学時代の所属部の後輩・黒天使氏(仮名)を我が家に招く予定になっていた。だが、同じ部の先輩であったI氏(仮名)から飲みの誘いがかかった。先約があるからと断ろうともしたが、今行かないと二度と行くことはないかも知れぬと判断し、黒天使氏と協議して行くこととした。黒天使氏に話があったのではと思い、事前に近くで落ち合って茶店でコーヒーなんぞ飲んでからの出立となったが。
さて、I氏宅には大学時代、100回ぐらい世話になったものである。何回泊まったか記憶にもない。しかし今日足を踏み入れるのは3〜4年ぶりかも知れぬ。正確なことはわからないけど。I氏も在学中の引っ越しや卒業後の引っ越しを重ねている。この部屋に戻ったと言っても、その様相は変わっていて当然である。そして猫を飼うようになったとも聞いていたし、その頭数も耳にしていたが。やはり久々に敷居を跨いでみると、その様相は人間の住む部屋ではなくなっていた。
I氏の学部時代のこの部屋も、いつのものかわからないゴミや吸い殻か酒瓶、ビール缶にあふれ、使った食器は流しに積み重ねられて山となり、床には政治学書や哲学書、低俗週刊誌、漫画雑誌、メモ書き、原稿の下書きなどがここそこに散乱し、文字通り足の踏み場もなかった。だが、それは人間の住む部屋であった。今のこの部屋は、猫の住む部屋になっていた。物品が激減し、存在する物品はきちんと棚に納められているせいもあるが、存在するスペースはすべて猫の遊び場にしか見えなかった。
猫と、猫の生活インフラ。
似たような猫が次々と出てくる。
飼い主は見分けがつくのだろうか。
猫まみれ。もうファインダーに収まらない。
などと言っているうちに、私にすり寄ってくる猫。
久々の猫の感触。
しかし私のズボン(黒)は、真っ白に。
まあよい。
他の来客の膝の上にも猫。
こたつの中にも猫。
パソコン周りにも猫。
見上げると、食器棚の上にも。
高いところから見下ろされる。
聞いていた頭数と数が合わないと思っていたら、来訪後数時間してから、カーテンの奥からまた猫が起き出してくる・・・。
本棚にへばりつく猫。もちろん飛び降りたときには、本も振ってきた。
久々にアホ連中が何人も集まっていたが、私はうれしくて猫とばかり戯れていたような。
そこまで長居する予定ではなかったが、結局、終電で帰途につくこととなった。
電車は私の最寄り駅までは運んでくれたが、一緒に帰途についた黒天使氏はそこから先の交通手段がなかった。かくして、黒天使氏は図らずも当初の目的であった私の家を訪問することとなった。と言っても、我が家についたのは午前2時。とっとと寝てしまったのだが。そしてこの日は、初めて来客用ふとんを敷いた。試したことはなかったが、川崎の部屋にも二組布団を敷けるようだと確認。
そして翌朝は、午前7時に起きて駅に向かうのであった。