自然発生、美津濃氏誕生会
2003年07月03日(木)
本日は、大学時代の後輩・美津濃氏(仮名)の誕生日である。毎年恒例のことではあるが、私は進呈する品なぞを用意していた。今日はいつもより大きめのカバンに進呈する品々を詰め込み、帰りに直接美津濃氏宅へ寄るつもりで朝出発した。なんかの偶然で人に中身を見られたらどうなるのか、社会的に抹殺されるのではなかろうか。まあ何事もなかったが。
美津濃氏宅に到着すると、前夜の「1人誕生会」の痕跡が出迎えてくれた。ぬいぐるみや立体造形物をならべ、「料理長」「幹事」などと称号を与えて話しかけながら、自分で用意した料理やケーキを喰らう。1人で夜な夜なそのようなことをしていたものならば、私ならば気が狂う(既に気が狂ってしまっているから彼はできる、と後ほどPGO氏に訂正された)。さすがは美津濃氏である。
そして、早速プレゼントを渡す。よからぬ写真雑誌に、よからぬマンガ雑誌、それによからぬPCゲームの3本セットだ。喜んでいただけたことであろう。彼の好みに合わせてチョイスしたつもりだ。
で、早速ゲームをインストールしてプレイ。なぜか私がマウスを握り、美津濃氏がテキストを読む。この手のゲームは、人がやっているのを横目で眺めているだけでやった気になれるという代物。これでいいんだろう。結局、「未読テキストも飛ばす」にチェックを入れてすべて飛ばし、数回クリアしてしまった。これをクリアと呼べるかどうかは別問題だが。
前日に私は、「献上の品を渡すため、明日寄る」とだけ美津濃氏にCメールを送って参上した。別に他に誰かが来るという予定はなかった。が、私と美津濃氏が贈ったゲーム「プリズナー」なんぞやっていると、部屋の備え付け電話が鳴る。П氏が参上するので首を洗って待っておけ、という電話であった。
そして現れるП氏。彼は前日に「朱」なるPCゲームを進呈していたが、今日はよからぬイラスト持参であった・・・。
そして、3人になったところでメシにすることに。昨夜の「1人誕生会」の余りだけでは足りぬので、近くのスーパーまで買い出しに。揚げ物、酢豚、サンドウィッチなど閉店間際で半額になった代物を買い込む。半額狙いは美津濃氏の得意技だ。だが、今回のようにねらい澄まして複数人数分買うと、かなり金額に違いが出る。安上がり。
そして私も、持参して勝手に冷蔵庫で冷やしていた「バルチカ・ノーメル3」を取り出す。サンクトペテルブルグ産のロシアビールだ。今ロシアでは、若い奴やインテリの間ではウォッカを飲む奴はイモで、ビールを飲むのがcoolらしい。というわけでロシアでビールは流行っているのだ。まあ、今は何でもアメリカ/西側のものや習慣を(いささか間違った形で)採り入れ、それらを礼賛する動きがある。ビールもそうした傾向のひとつか。まあ、時間が経てば、日本で近年日本酒や焼酎が気取ったねーちゃん方に人気になったように、ウォッカの見直しが計られるだろうけども。
最初、瓶の首を包んでいる紙を剥がそうとしたが、それでは面倒。紙越しに王冠を栓抜きで引っこ抜いた。
これでよし。
まあ、テーブルの角で王冠を無理矢理抜いてしまうのも本場流(やや偏見)。テーブルが傷つくけど。
そして、乾杯。これは持ち込むことに意義がある品。味に関しては不味くても何でも、どうでもよかった。けれど、思いの外わるくない。日本のビールに比べれば、炭酸も味もマイルドだ。まあ、日本で「ビール」と呼ばれる飲み物は、世界的にも炭酸や味が濃厚な部類に入るらしい。もっとも外国ビールで味わいを覚えているのは「ハイネケン」「バドワイザー」とぐらいなので、「バルチカ」がどの程度の位置づけになるかはよくわからない。けれども、「バルチカ」は口当たりがよく、ついつい杯が進んだ。これは好んで飲めるビールだ。「スーパードライ」のような辛口ビールを好む人には物足りないかもしれないけど。
ちなみに「コロナ」や「青島」など、他の外国ビールも飲んだ記憶があるが、味に関しては覚えていない。
さて、「バルチカ」も尽きた頃、今度はPGO氏(仮名)から電話が入る。これから行くとのこと。
そして現れたPGO氏、そしてどさんこ氏(仮名)。彼らはなんとケーキまで用意していた。その土地で有名な店で買ったという代物。早速美津濃氏は自らロウソクを突き立てるが、あろうことかロウソクだけでは飽きたらず、線香までをも突き立てはじめる。そして自ら火をつける。
「人の誕生日にやったら殺されそうなことだから、敢えて自分のときにやった」とは美津濃氏の弁。だが、バースデイケーキに線香とはこれまたどういう発想か。
そしてPGO氏、どさんこ氏からのプレゼントはキレイに箱に入ったランニング・股引・腹巻き・ブリーフという実用品。なんでも名のあるデパートに行って、「見栄えのするように箱詰めしてください」と頼んだとのこと。店員がひとつひとつの品をキレイにたたんで、箱詰めする。その空間の異様さはすばらしかったとPGO氏。早速美津濃氏はこれらの服装に着替える(着替えさせられる)。その様は親父といったところか。夏休みに入ってから便利であろう。寝てよし、起きてよし。
そして主賓であるはずの美津濃氏が、使いっ走りを言い使わされる。
「カップラーメンの塩味買ってきてくれ」
「おにぎり頼む」
「ビーチサンダルがないか見てきてください」
さすがにブリーフが透けて見える股引姿では捕まるとして、上着を羽織り、作業着のごときズボンを履いて出かける。この服装もまた、ハマっているというか。職人か職工がちょっと出掛けているかのような。そして美津濃氏は雨の中、主賓であるのにもかかわらず、買い物に行って帰ってきたのであった。
夜が更けて、皆帰途についた。私も終電で帰ろうとしたが、最寄り駅に着いた瞬間に電車が発車する音が。改札を抜けて出てくる人々。乗り遅れた。1分遅かったか。まあ、今日は帰りがけに直接美津濃氏宅に来たから、翌日必要なものはすべて持っている。翌朝、直接美津濃氏宅から出撃すればいい話だ。
そうした私は美津濃氏宅へと戻り、「プリズナー」をやりなどしてから寝た。そして翌朝、余ったケーキを朝飯代わりとし、再び「プリズナー」をやって、トゥルーエンドらしきものを見てから出発したのであった。